磯田道史のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
磯田氏と様々な専門家等の歴史対談集。
オムニバスで読みやすいが、テーマがやや偏っている。面白かったのは、次のとおり。
・阿川佐和子さんとの対談では磯田氏の少年時代の凝り性の話が面白かった。探究型の子供と古文書を具に研究する磯田氏の今の姿が重なる
・篠田氏・斉藤氏とのDNA研究の話で、縄文ルーツを多く持つのが日本人の特徴、かつ歴史的に侵略が少ないからこその多様性というのも面白かった。
・中村氏との龍馬斬殺の謎における分析も面白かった。
・珠玉は出口氏との鎖国・開国論。出口氏が、何故鎖国したのか、その背景・原因を磯田氏から吸い上げ、磯田氏は鎖国あって人に投資せざるを得なかったことが開国後の発展要因と説明。自分が疑問に思っていたことを出口氏が問い、磯田氏がわかりやすくて解説するやりとりがとても面白かった。
・最後の半藤氏との幕末の延長としての昭和史も良かった。突然昭和があったのではなく幕末には既にその萌芽があったと。
ということで、個人的には最初の方と最後の方に面白いテーマが集中していた結果、真ん中で挫折しそうになったが読み通して良かった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ巻末の戦時下における日本人の行動を省みて、歴史学者としてみれば「人間の価値とは、その人が得たものではなく、その人が与えたもので測られる」決して出世なんかじゃない、戦国時代の英雄は「奪い、独り占め」して成り上がったというくだりに、活躍する著者が言いたいことなんだと思った
家康が江戸幕府で構築した平和持続の仕組みが崩れる様は哀しい・・・慶喜さえいなければ
「徳川家康 弱者の戦略」の続編で通史の様に俯瞰した見方で、個別の事柄は知っていたものの、歴史学者が『コレが痛かった』的な寸評をくれるのが心地よい
家康ドクトリンは多岐にわたり様々な仕組みを構築したが、制度のキモを軽くとらえて台無しにした諸々を列記すれば
①改易制度を肝心な相手に使わず緩和した(家綱)
②文久の改革(阿部正弘、参勤交代・人質制度の緩和)
③城・大船建造の解禁(船は阿部正弘)
④通貨鋳造権(家光の寛永通宝⇨天保通宝でトドメ)
⑤積極的外交の停止(秀忠)
⑥幕政参与の解禁(阿部正弘)
異国船が目立つ頃の幕閣がちゃんとしていれば・・・
本書では、平和な江戸時代の教養が民に影響を与えたことが分かり易く書かれている
家康が造った制度で長い平和を保ったが時代・情勢の変化に伴い想定しなかった問題が出てきて、制度疲労が害悪になる⇨「家康の誤算」は現代にも通じる話だ -
Posted by ブクログ
お馴染み磯田先生の、楽しんで読みながら歴史の勘どころを押さえる事ができる、江戸雑学集。
家康始め代々の徳川将軍、戦国期から江戸時代にかけての名のある有名武将や大名、幕末期の英雄たちのエピソードも興味深かったが、それ以上にこの時代の社会を支えた名もなき市井の人々の生き方に惹かれた。江戸時代のおじいちゃんと孫の会話、相撲今昔物語、寺子屋事情や江戸の会談集など、可笑しくて何処となくホッとする逸話も満載。
貧しく過酷な生活ではあっても、それぞれの立場で良く働き、正しく生きたこの時代の人々に学ぶところは多い。自分も姿勢を正して「しっかり生きなければ」とあらためて思う。