河田惠昭の一覧
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ユーザーレビュー
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コンビニで衝動買い。
磯田さんの災害の日本史に関する本だと知ってつい。
確かに、災害を歴史的な見方で研究している人って磯田さん以外あまり聞かないような気がします。
東日本の震災のように、過去に大津波があった地域だったにもかかわらず、防げなかった災害を少しでも減らしたいという思いが本書からも伝わってき
...続きを読むます。
また、学校では最近の災害しか教わりませんが(古くても関東大震災)それよりももっと前の災害からも学べることはいっぱいあるはず。またもし、磯田さんの最新の災害の歴史の本が出たら読みたいと思います。
Posted by ブクログ
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日本の各種災害の歴史が分かりやすく書かれています。これから台風の季節だし地震はいつ来てもおかしくないと言われています。今一度気を引き締めさせてくれる本です。
Posted by ブクログ
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第1章 水害や水没の多発・激化は地球温暖化が元凶
●鬼怒川水害は、どこでも起こりうるのか?
●大雨が降るメカニズム
●台風の強大化と増加する雨量
●地球温暖化で変化する気象、海象
●沿岸域の影響――海面上昇や海岸侵食――
●想定外洪水対策が必要な時代に突入
●海抜ゼロメートル地帯の浸水、水没
●地下
...続きを読む街の水没
第2章 世界の大都市の水没危険性
●水没する都市の特徴
●米国・ニューヨークの水没
●チェコ・プラハの水没
●タイ・バンコク郊外の水没
●イタリア・ベニスの水没
第3章 東京の水没危険性
●東京は「世界一水害に弱い」都市?
●2015年9月の関東・東北豪雨、東京は氾濫・水没を危うく逃れた?
●利根川の洪水氾濫
●荒川の洪水氾濫
●東京湾の高潮/津波の氾濫
●浸水・水没災害の被害想定
第4章 広域・集中・ゲリラ豪雨による水害の違い
●広域に激しく降る雨(広域豪雨)と2004年豊岡水害
●2004年台風23号による円山川の氾濫災害
●特定の地域に激しく降る雨(集中豪雨)
●2000年東海豪雨水害
●スポット的に降る激しい雨(ゲリラ豪雨)
●2008年神戸・都賀川水難事故
第5章 新たな高潮災害と教訓
●忘れてはいけない1959年伊勢湾台風高潮災害の悲劇
●事故と災害が織り成す米国の歴史
●2001年9.11ニューヨークテロ事件
●2005年ハリケーン・カトリーナ高潮災害の教訓
●2012年ハリケーン・サンディ高潮災害の教訓
第6章 新たな津波災害と教訓
●地震の揺れの被害が津波に先行する
●津波来襲
●被害の特徴
●津波による被害
●間接被害
●高知市などの津波被害
第7章 複合災害となる首都圏直下地震と首都水没
●江戸幕府を疲弊させた安政の複合災害
●複合災害の発生が憂慮された1955年阪神・淡路大震災
●首都直下地震は近いうちに起こるのか
●津波は発生するのか?
●津波による未曾有の人的被害の再考
●複合災害で拡大する社会的・経済的被害
●被害は頭蓋骨骨折から脳梗塞へ変化
●複合災害の人的被害を左右する広域避難
●致命的となる低い避難率
第8章 縮災そして防災省の創設
――2016年熊本地震で確認できたこと――
●二極化しつつある自然災害
●中規模災害になりえた鬼怒川の氾濫災害
●自然災害は社会現象
●知識・情報・知恵が被害を小さくしてくれる
●災害に楽観主義は禁物
●なぜ防災から減災、そして縮災に変わったのか
●レジリエンスとは
●国難による「日本水没」
●防災省を創設して「国難」を迎撃する
●2016年熊本地震で確認できたこと
Posted by ブクログ
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私が生まれた大阪市大正区は、江戸期の新田開発目的の干拓を発端にして海に向かって低い土地が広がるエリアだ。そのため、他の地域では見られないような巨大な防潮水門が河川に設置されている。小さい時からそれを見て育ったので、ずっとこう思っていた-「これがあれば、たいていの津波が来ても安心じゃないの?」
正直に
...続きを読む言うとこの考えは2011年のあの震災の津波を見ても変わらなかった。「大阪湾は奥まっているし、これだけ頑丈な水門や堤防があれば津波も多少は弱められるし」という理屈で。でもこの本を読んで考えは変わった。全くの間違いだと。
この本は当初、南海トラフ巨大地震が確率的に必ず来ることを再三警告する内容で刊行されたが、東北地方太平洋沖地震による津波大被害が発生してしまい、東日本大震災に関する考察を含めた増補版として改めて刊行されたものだ。
東日本大震災を経験した目によって増補版を読んでいくと、その前に書かれた旧版の記述がいかに“予言的”な内容だったかが痛切にわかる。そして自分自身に返って考えてみると、巨大地震による津波が明日にでも起こるかもしれないというのはわかった、でも今の自分はその時どうしたらよいのかが全くイメージできない、という思いに突き当たってしまった。
この本によると、東日本大震災の際に、住民の約30%の人が、津波が来ているにもかかわらず避難しなかったらしい。三陸沖はさかのぼっても多くの地震や津波の被害に遭っており、津波の危険性に関しては他の地域よりも敏感なはず。なのに30%、つまり3割弱の人は、テレビで大津波警報を頻繁にアラーム音で放送しても、役所がサイレンを流しても、その他津波のさまざまな情報が行き交っても、避難行動に結びつかない何らかの要因があったということだ。
たぶん、避難しなかった人には、私が冒頭に書いたように一種の自己判断により避難する必要なしと(勝手に)決め込んだ者もいただろう。
そういう一般社会の雰囲気を河田先生も十分すぎるほど感じてして、津波被害を減らすためには、私たちが津波を正しく理解し、正しく行動することであると何回も力説している。つまり、ここで「正しく」と書いたように、この本では私たちが津波をいかに「誤解」し、「間違った行動」を取ろうとしているかが多くの角度から論証されている。
しかし結局のところ、冒頭の私の例のようにインフラ面の整備とか、地震発生後にどうしたらいいのか教えてくれるとかに期待するのでなく、究極は自分の判断ですぐに、そして一直線に逃げるというのがこの本で得られる“最終結論”である。(だから今はスマホでの個々の情報のやり取りの時代だから…とかいうのは根本的な発想の誤り。)
この本の中で私が特にマーキングして頭の中に残しておきたいと思った箇所は次のとおり。
①津波は引き波(潮が沖の方にいったん引いて海の底が見えるくらいの状態になる)から起こるというのは間違い。押し波から起こる場合もあるし、微弱な引き波であればその発生は気づかないまま押し波が来ることもある。
②「事前に被災後のまちづくりの青写真を作っておくことの大切さを理解すべき…被災してから防災集落をつくっても、肝心の住む人が減少したのでは災害に負けたのと同じ」(P44)
③「いかに情報システムや警報発令の精度が上がろうとも(内容的にはより正確、迅速、詳細になるということである)、結局は早期避難に勝るものはない」(P49)
④「津波は長時間にわたって変化する危険性をもっている。せっかく避難所に素早く避難しても、1、2時間後に素人判断して「もう大丈夫」と考え帰宅すると危険な場合がある」(P74)
⑤(2003年午前4時台に発生した十勝沖地震の翌日、著者が震度6弱だった豊頃町の子どもに話を聞くと、父親からこんな地震で津波は来ないと言われて初めは避難しなかったと言われ)「自分に都合の悪いことは屁理屈をつけて自分で納得してしまう『正常化の偏見』が見られた」(P100)
⑥「津波による被害は、深さ(津波の高さ)よりも流れ(速さ)によって発生する場合が多いことを考えないといけない」(P128)
そして最後のこれにつきる。
⑦「2011年東日本大震災では、小・中・高校生のおよそ1700人が親を失った。残された彼らは一生、悲しみから逃れることはできない。だから、命を亡くしてはいけないのである。命を落とさないためには、逃げればよいのである。」(P203)
Posted by ブクログ
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著者は防災の専門家。2016 年の本。
2018 の関西国際空港水没の時、よく大阪本土の堤防を越えなかったものだと思う。
現在の状況で、被害規模が最も深刻な災害は、地下鉄、地下街が発達し、地盤が海面下に沈んだ領域も広い大都市の高潮による水没であると説く。具体的な被害想定に、納得させられる。近年の熊
...続きを読む本地震、鬼怒川氾濫への対応の杜撰さの指摘から、今後起きる大都市水害で起きる事態が想像できて、絶望的になる。
Posted by ブクログ
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