磯田道史のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
オーディブルの日本史の著書を片端から読んでいますが、これはとてもいい著作でした。天才信長は、実力本位で普通なら登用しない人材を中心人物まで引き上げるほどの器量を持っていたにも関わらず、その中心人物に裏切られて天下統一を目の前にして暗殺されてしまう。そして豊臣秀吉は、信長の遺産を絶妙に引き継いで短期間で天下統一を果たすのだからこれも天才である。それに対して徳川家康は、幼年時には今川義元に育てられ、織田信長と敵対する陣営にいたにも関わらず、信長の忠実なパートナーとして様々なパワハラに耐えながらも秀吉に伍する実力を身につけていく。その二人の天才の成果を全て引き継ぎ、しかも徳川の世を260年も継続さ
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Posted by ブクログ
磯田氏と様々な専門家等の歴史対談集。
オムニバスで読みやすいが、テーマがやや偏っている。面白かったのは、次のとおり。
・阿川佐和子さんとの対談では磯田氏の少年時代の凝り性の話が面白かった。探究型の子供と古文書を具に研究する磯田氏の今の姿が重なる
・篠田氏・斉藤氏とのDNA研究の話で、縄文ルーツを多く持つのが日本人の特徴、かつ歴史的に侵略が少ないからこその多様性というのも面白かった。
・中村氏との龍馬斬殺の謎における分析も面白かった。
・珠玉は出口氏との鎖国・開国論。出口氏が、何故鎖国したのか、その背景・原因を磯田氏から吸い上げ、磯田氏は鎖国あって人に投資せざるを得なかったことが開国後の発展要 -
Posted by ブクログ
ネタバレ巻末の戦時下における日本人の行動を省みて、歴史学者としてみれば「人間の価値とは、その人が得たものではなく、その人が与えたもので測られる」決して出世なんかじゃない、戦国時代の英雄は「奪い、独り占め」して成り上がったというくだりに、活躍する著者が言いたいことなんだと思った
家康が江戸幕府で構築した平和持続の仕組みが崩れる様は哀しい・・・慶喜さえいなければ
「徳川家康 弱者の戦略」の続編で通史の様に俯瞰した見方で、個別の事柄は知っていたものの、歴史学者が『コレが痛かった』的な寸評をくれるのが心地よい
家康ドクトリンは多岐にわたり様々な仕組みを構築したが、制度のキモを軽くとらえて台無しにした諸々を列記