磯田道史のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ表題通り歴史を心から愉しむ本です。
この本を読むと磯田さんが心から歴史が好きで、いくつになっても好奇心の塊なのがひしひしと伝わります…
ほんとに好きで好きで仕方ないことを見つけてそれを仕事にするのは幸せなことだと思わざるを得ない!
印象的なのは歴史学者になる前の、子どもの頃のエピソード。
出雲大社を自分で設計して作ってしまったり、それが台風でこわれたら、「歴史と一緒だ…!」と身震いしたり。
古文書を読みたくて、勉強を一時辞めて(!)解読に全振りしたり。
そんな磯田少年の好きなものを否定せずに付き合ってあげていた親御さんも素敵。
最後の関ヶ原に思いを馳せる新幹線の乗り方は(良い意味で)オ -
Posted by ブクログ
「賢者は歴史に学ぶ」
まさにそれを地でいくのが今回のコロナ禍では
ないでしょうか。
スペイン風邪をはじめとして、人類の歴史は感
染症との戦いなのです。
過去の文献を紐解くと、現在のコロナ禍と同じ
状況がいくらでも出て来ます。
特に今回スウェーデンが実施しようとした「集
団免疫」を行うべき、と言う議論は過去にも同
様にあったようです。
しかし「免疫」にはまだまだ謎が多く、集団免
疫は必ずしも効果があると判断できない経緯が
あったようです。これは現代でも同様です。
さらに昔の日本人の生活習慣にも目を引くもの
があります。
昔の高級布団には片側の隅に「フサ」が付いて
いました。これは頭の -
Posted by ブクログ
はしがきから引き込まれました。その筆致も見事なのですが、積み上げられた膨大なナレッジから飛躍のない考察を展開する点はいかにも歴史学者らしく、それらのバランスが本書を良書たらしめています。
明治維新は家の由緒で禄を食んでいた旧弊な士族を没落させた一方で、実務の才覚を頼りに細々とやりくりしていた士族にスポットライトを当てました。磯田先生も折に触れて述べられているように、維新後の士族についての一面的な理解を改める必要があります。
目を見張るべきは、猪山家が現代の平均的な家庭より遥かに高い金融リテラシーを有していた点です。
・自力で債務整理。債権者を相手に有利に交渉し残額を無利子に
・家禄奉還を申 -
-
Posted by ブクログ
無私の日本人として、穀田屋十三郎、中根桃李、大田垣蓮月の三人が紹介されている。
前書の「武士の家計簿」が歴史として面白く、一個人の成功譚だったのに対して、本書は、現代・未来への問題提起がある。
現代は競争経済で、経済成長しているのに、昔ほど皆の生活は良くなっておらず(生きるには十分ですが)、数%の高所得者に資産が集まっている。そしてお金持ちさえも、お金だけでは、満たされない何かにぶつかっている。日本もGDPが他国に追い抜かれそう。そういった状況に対する日本人が幸せに生きるヒントがあるように思った。
サピエンス全史にもある、人間が想像して作り出したやっかいなもの、神、国、貨幣は、無いと困る -
Posted by ブクログ
ネタバレ歴史家磯田道史さんの随筆集。
歴史に名を残す信長、秀吉、家康などの為人やエピソードあり、からくり儀右衛門など政治に直接関係のなかった人のエピソードそして学び、昔の人の日記などから暮らしぶりや生き方をわかりやすく解説してくれたり、歴史の中での離婚の位置付けや名前の由来の歴史などなど、いろんな角度から歴史って面白いなと思わせてくれる本。
古文書などは自分で読み解けないけど、この本が読み解いてわかりやすく解説してくれるので知識が広がります。
儀右衛門の時代は道楽という心豊かな言葉があり、朝から晩まで勉強に関係のないことで夢中になっていても親御さんが暖かく見守ったことで自由に力を発揮し現在の東芝