磯田道史のレビュー一覧

  • オランダ商館長が見た 江戸の災害

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    新書であまり5は付けないんですが、いやー
    これは良かった。日本人ならぜひ一読すべき。

    長崎にいたオランダ商館長が、毎年将軍への謁見として江戸参府を義務付けられていて、
    その過程の中で火災や地震に巻き込まれており、その詳細を商館長それぞれの個性で日記に描いている、という新しい視点で
    日本の江戸災害史をまとめた1冊。
    明暦の大火を生き抜いた冷静なワーヘナール、
    神経質で元禄地震に敏感なタント、
    地震が怖すぎて描写が全て悲劇的なハルヒト、
    京都大火に偶然にも遭遇したファンレーデ、
    全て個性が違ってて非常に面白い。またわかりやすい文体で読みやすい。
    随所に入る磯田さんの解説もいい。

    面白いなと思う

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    2022年03月05日
  • 歴史の愉しみ方 忍者・合戦・幕末史に学ぶ

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    ネタバレ

    表題通り歴史を心から愉しむ本です。

    この本を読むと磯田さんが心から歴史が好きで、いくつになっても好奇心の塊なのがひしひしと伝わります…
    ほんとに好きで好きで仕方ないことを見つけてそれを仕事にするのは幸せなことだと思わざるを得ない!

    印象的なのは歴史学者になる前の、子どもの頃のエピソード。
    出雲大社を自分で設計して作ってしまったり、それが台風でこわれたら、「歴史と一緒だ…!」と身震いしたり。
    古文書を読みたくて、勉強を一時辞めて(!)解読に全振りしたり。

    そんな磯田少年の好きなものを否定せずに付き合ってあげていた親御さんも素敵。

    最後の関ヶ原に思いを馳せる新幹線の乗り方は(良い意味で)オ

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    2022年02月11日
  • 感染症の日本史

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    「賢者は歴史に学ぶ」
    まさにそれを地でいくのが今回のコロナ禍では
    ないでしょうか。

    スペイン風邪をはじめとして、人類の歴史は感
    染症との戦いなのです。

    過去の文献を紐解くと、現在のコロナ禍と同じ
    状況がいくらでも出て来ます。

    特に今回スウェーデンが実施しようとした「集
    団免疫」を行うべき、と言う議論は過去にも同
    様にあったようです。

    しかし「免疫」にはまだまだ謎が多く、集団免
    疫は必ずしも効果があると判断できない経緯が
    あったようです。これは現代でも同様です。

    さらに昔の日本人の生活習慣にも目を引くもの
    があります。

    昔の高級布団には片側の隅に「フサ」が付いて
    いました。これは頭の

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    2021年11月14日
  • 歴史のミカタ

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    【日本人の行動パターンを読み解くうえで「形」と「見立て」は重要な要素です】(文中より引用)

    教科書的な歴史から離れ、人生を豊かにする歴史の「ミカタ」とは何かを語り尽くした対談録。著者は、国際日本文化研究センターで上司・部下の関係でもある井上章一と磯田道史。

    この2人が語り手とあっては面白くないはずがないと思い購入しましたが、やっぱりというべきか興味深い内容が次から次へと盛り込まれており、大満足の読書体験でした。歴史とは何かという深遠なテーマを、多様な角度から、しかも面白く切り込んでいく様子が痛快でした。

    歴史、そして読書の愉悦☆5つ

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    2021年09月16日
  • 武士の家計簿―「加賀藩御算用者」の幕末維新―

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    はしがきから引き込まれました。その筆致も見事なのですが、積み上げられた膨大なナレッジから飛躍のない考察を展開する点はいかにも歴史学者らしく、それらのバランスが本書を良書たらしめています。

    明治維新は家の由緒で禄を食んでいた旧弊な士族を没落させた一方で、実務の才覚を頼りに細々とやりくりしていた士族にスポットライトを当てました。磯田先生も折に触れて述べられているように、維新後の士族についての一面的な理解を改める必要があります。

    目を見張るべきは、猪山家が現代の平均的な家庭より遥かに高い金融リテラシーを有していた点です。
    ・自力で債務整理。債権者を相手に有利に交渉し残額を無利子に
    ・家禄奉還を申

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    2021年09月08日
  • マンガでわかる 災害の日本史(池田書店)

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    日本の各種災害の歴史が分かりやすく書かれています。これから台風の季節だし地震はいつ来てもおかしくないと言われています。今一度気を引き締めさせてくれる本です。

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    2021年07月18日
  • 感染症の日本史

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    今回のコロナで政治家がよく口にする「専門家の話を聞いて判断する」。
    この専門家の中に歴史学者はいるのだろうか。
    100年前のスペイン風邪の教訓は?歴史に学ぶべきことは多い。

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    2021年06月28日
  • 龍馬史

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    第三章の龍馬暗殺に関する記述は、偶然にも読んだばかりの「陰謀の日本中世史」の幕末編みたいな感じ。数々の陰謀説を否定し、冷静に事実を結論づけているのが良かった。

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    2021年05月08日
  • 感染症の日本史

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    先程読み終えた。
    はじめは教訓くさかったが、読みすすめるうちに、こういうアプローチ・切り口もあるのか、と関心。
    文は読みやすく、出典も確かなので、過去に日本は疫病に対してどのような対処をしてきたのかの知識をえることができる。
    良書。

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    2021年05月02日
  • 感染症の日本史

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    磯田先生の解説で、感染症を軸に歴史を振り返る。どれほど医学が進歩しても、人の行動は変わらないことがよくわかる。
    人の歴史は感染症との戦いでもある。
    その昔、感染症に対して祈祷を行なっていたが、江戸後期あたりから、隔離を行うようになっている。大正時代のスペイン風邪では、その隔離政策がうまくいかず何度も何度も流行が襲ってきている。
    歴史から何を学べばいいだろうか?政策だけでなく、個人の行動も学べることはある。歴史から教訓を読み取ることは大事なことなのだと思う。
    最終章、磯田先生の恩師の歴史人口学、数量史料の話も面白い。

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    2021年04月13日
  • 天災から日本史を読みなおす 先人に学ぶ防災

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    天災と日本史の関わりについてわかりやすく解説されている。
    非常に読みやすい。
    人間同士の関係性についつい目が向きがちだが、歴史を学ぶときにはその時代の自然環境・気候なども含めて理解することが必要だということに気づかされる。

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    2021年03月28日
  • オランダ商館長が見た 江戸の災害

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    第一章、第二章では、江戸時代に火災が非常に多かったということに驚いた。細かな火災に関する記録だけではなく、商館長の心情も記録されていて興味深い。また、火災が多い理由や明暦の大火以降に発展していく深川の町についても書かれており江戸時代を知ることができる部分もおもしろいと思った。第六章の島原大変肥後迷惑に関する記載は、細かく描写され、頭の中で映像化されやすく、津波が起きた時の海の様子はとても印象に残った。

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    2021年03月25日
  • 武士の家計簿―「加賀藩御算用者」の幕末維新―

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    ゲームのルールはいつか必ず変わる。その時に、今いる状況の外に出ても必要とされる能力を持っているかが人の死活をわける。

    かつて家柄を誇った士族の多くは、家柄など、過去を懐かしみ、現状に不平を言い、そして将来を不安がった。
    一方、自分の現状を嘆くより、社会に役立つ能力を身につけようとした士族には未来が来た。
    恐れずに真っ当な事をすれば良いのである。

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    2021年03月15日
  • 感染症の日本史

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    歴史は繰り返すことをまさに示してくれる本です。江戸時代から感染症には隔離がある程度認識されていたこと、ただその知恵があまり広まらなかったことや、スペイン風邪の時にも、なかなか行政が動けなかったことなどが具体的に述べられています。今と同じだと痛感させられます。それでも現代では科学が発達したおかげで、対策がたてやすくなっているのではと、希望も持たせてくれる内容です。歴史は繰り返すが、それでも少しずつでも社会は良くなっていると思いたくなりました。

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    2021年03月13日
  • 無私の日本人

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    これは「ボン書店の幻」に匹敵する名著だと思う。

    真の才能に恵まれた人間だからこそ、このような清貧の極限のような思想に至れるのだろうか。

    資本主義の限界が見えてきた今こそ読むべき本かもしれない。

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    2021年02月13日
  • 無私の日本人

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    無私の日本人として、穀田屋十三郎、中根桃李、大田垣蓮月の三人が紹介されている。

    前書の「武士の家計簿」が歴史として面白く、一個人の成功譚だったのに対して、本書は、現代・未来への問題提起がある。

    現代は競争経済で、経済成長しているのに、昔ほど皆の生活は良くなっておらず(生きるには十分ですが)、数%の高所得者に資産が集まっている。そしてお金持ちさえも、お金だけでは、満たされない何かにぶつかっている。日本もGDPが他国に追い抜かれそう。そういった状況に対する日本人が幸せに生きるヒントがあるように思った。

    サピエンス全史にもある、人間が想像して作り出したやっかいなもの、神、国、貨幣は、無いと困る

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    2021年02月09日
  • 歴史の愉しみ方 忍者・合戦・幕末史に学ぶ

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    啓蒙短編エッセイという感じで、短時間で面白く読めた。また、磯田先生が茨城大学を去られた経緯も分かって良かった。

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    2020年12月20日
  • 武士の家計簿―「加賀藩御算用者」の幕末維新―

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    ネタバレ

    古文書読みの磯田氏が古本屋で入手した「武士の家計簿」。幕末から激動の明治維新をこの一家はどう乗り越えたのか。

    興味を引いたのは主人公が自力で債務整理をすること。返すだけ返し、残額をりそくなしの10年賦にする。現代の任意整理そのもの。

    大村益次郎など、有名な人物も登場する。

    加賀藩の御算用者が明治政府の海軍主計になる、数奇なストーリー。

    映画も見たが本で読まないと本当の価値はわからない。

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    2020年11月06日
  • 武士の家計簿―「加賀藩御算用者」の幕末維新―

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    面白かった~!
    幕末から明治にかけて、約37年間にわたって記録された武士の家計簿。この家計簿を残したのは、金沢藩の御算用者である猪山家だ。この貴重な記録をもとに、幕末の武士の経済状態はどうだったのか、何にいくら使っていたのかを考察する。また、猪山家は家族間の書簡も残していて、幕末から明治にかけての激動の時代に、藩という組織を失った士族たちの暮らし向きがどうなったのか、何を思っていたのかも伝えてくれる。
    幕末の武士の暮らしを知ることができる意味でも、激動の時代を生きた親子三代のドラマとしても面白い。

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    2020年10月29日
  • 龍馬史

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    坂本龍馬を通して幕末の歴史を大いに語ったこの本。

    坂本龍馬といえば、薩長同盟や大政奉還などが評価されているが彼の真骨頂は海軍の創設という話、さすが歴史家。
    彼の生まれ育った環境や様々な史料から分析されていてとても面白かった。

    彼の為人を自筆の手紙から分析した第一章。
    龍馬を中心とした幕末の流れを把握できる第二章。
    そして龍馬暗殺の黒幕に迫る第三章。

    幕末はややこしいけど面白い、それを実感できる本でした。

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    2020年10月12日