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表題通り歴史を心から愉しむ本です。
この本を読むと磯田さんが心から歴史が好きで、いくつになっても好奇心の塊なのがひしひしと伝わります…
ほんとに好きで好きで仕方ないことを見つけてそれを仕事にするのは幸せなことだと思わざるを得ない!
印象的なのは歴史学者になる前の、子どもの頃のエピソード。
出雲大社を自分で設計して作ってしまったり、それが台風でこわれたら、「歴史と一緒だ…!」と身震いしたり。
古文書を読みたくて、勉強を一時辞めて(!)解読に全振りしたり。
そんな磯田少年の好きなものを否定せずに付き合ってあげていた親御さんも素敵。
最後の関ヶ原に思いを馳せる新幹線の乗り方は(良い意味で)オタク過ぎて、新幹線に乗るだけでこんなに楽しみを見つけられるなんて、学びは人生を豊かにするなぁと思います。
ただただ新幹線に乗ってお酒飲んで寝ているだけの2時間半と、窓の外に目を向けてたくさんの発見をする2時間半は大違いですね。
気になることがあると古文書を読み漁って糸口を見つける過程を読むにつけ、検索で情報にすぐ見つかることが全てではないと心から感じます。
試行錯誤しながら情報が乗る古文書を探す推察力、書かれていることから事実を予測する読解力や想像力。
そもそもすぐに情報に辿り着かないことにまず価値があるのでしょうね。
磯田さんのワクワクが伝わる良本でした!!
震災後に書かれたこともあり、歴史上の地震や津波からわかることなどを研究するために使命感を持って転職するなど、自分が社会のためにできることを探求し続ける姿も素敵です。
好奇心こそ学問の母。
まさに!
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この本でまた一つ歴史の愉しみ方を教わった。中学高校時代は歴史が大嫌いだったのだが、磯田氏のおかげで一変した。
日本人は昔からメモ魔が多くていろんな記録が残っていることが奇跡のようだし、未だに新たな歴史上の発見があることも驚きだ。
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2019/3/10
引き続き磯田道史さんの日本史の本を読んでみました。天災〜の本の内容とかぶる内容もあったけれど、こっちの方が出版された年が早かった。とりあえず細かいことは気にせずに読んでみたけれども、やはり古文書通の磯田さんの解読と考察はすごく面白い。
歴史から学んでいくということはまさに磯田さんが実践していることなんだろうなと改めて実感させられました。
古文書というとものすごく古い紙に書かれたなんだかよく分からない字がたくさん書いてあって全然読めるわけがないと思いがちかもしれないが、昔の内容が書かれているものは全て古文書であり、それには時代が経過している、していないは関係ないのだと思った。もちろん古い資料ほど貴重で探し出すのが大変ではあるが…。
そんな歴史の面白さを教えてくれる、文字通り、タイトル通りの本である。
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歴史を蘊蓄でなくエンタメとして身近に感じることができる。地震、津波を知る為に古文書を活用するとこんなにリアリティーがあるのか。
古文書を操る歴史学者というと、研究室にこもった姿を想像しがちだか、磯田さんの古文書を社会を通じて今の社会に貢献する熱意に心を打たれる。文章はとても楽しい。新幹線から関ヶ原を観る作法は笑った!
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歴史学者として自分に何が出来るかを考え、真摯に行動する姿勢に敬服する。
ものっすごくわかりやすくて、おもしろい、歴史の愉しみがぎゅうぎゅう詰まった本。
からみあったり上書きされまくったりしてる歴史に、誰もが親しめる味付けをして提供し、現代に必要な歴史の情報を伝えてくれてる。
磯田さん、あなたの本、全部読みます。
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サブタイトルに忍者の文字があるけど、忍術合戦みたいなのを期待してはいけない。
忍者はどんな仕事をして、どこに住んでいたのか等を古文書から考察しているので地味といえば地味だけど、それが面白い。 そこから更に発展して当時の薬学知識にまで手を伸ばしたり。
そんな著者は静ではなく動の人。
何かに興味が湧くとまず関連する古文書があるのかを調べその古文書があると判るやそこへ赴き、その地の人に話を訊いて現地を歩いたりもしつつ古文書と向き合う。そんな古文書探索の過程も読んでるとワクワクする。
興味の幅も広いうえに視点も独特なので面白い。
忍者だけでなく、妖怪の目撃情報に蓮華焼き。手塚治虫の祖先の話から石川五右衛門の話まで教科書や漫画でよく見るようなことよりはその裏側や表にあまり出てこないは事実等に目を向け古文書を探す。
それに応えられる古文書がこの世に存在しているのも面白い。
これは古文書を探す時に、何をヒントにするかの発想の素晴らしさが大きく貢献しているのではないかと思う。
3.11の震災で、震災について古文書から学べることがあるとそちらの研究に力を入れているので、本書の後半は震災関係についての話が多い。 為になるので読んでおいて損はない。
そんな著者は新幹線の乗り方も独特であったw
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歴史は繋がっている。一つのことを知れば何かに繋がり、もっと知りたくなる。そうやって愉しめば歴史は愉しい。なぜ歴史学者が地震?とわからなかったが、地震も歴史の中にあることに気づく。古文書が楽にすらすらと読めたならと思ったものだ。
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あぁ、もうこれはいけない。
タイトルに『愉しみ方』とあるが、そんなレベルでなく面白い。
歴史が嫌いな中学生や高校生がいたら、すぐさま渡してあげたい。
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磯田さんの読売新聞に連載しているコラムをまとめた本ですが、どういうわけか続刊、第3巻のほうを先に読んで最初に出版されたこれが一番最後になりました。そんな順番で読んだせいか、磯田先生も昔は若かったんやねぇというのが最初の感想だったり。最近のコラムよりも青年将校のような血気を文章から感じます。
それにしても正論で奥様を泣かしてしまったあたりは映像が浮かんできて磯田先生らしいなと笑ってしまいました。
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古文書マスターである著者が、各地で発掘した古文書を持って歴史の本当の姿を明らかにする過程は実に興味深い。漫画好きの私が興味を持ったのは、蘭方医だった手塚治虫氏のご先祖の活躍の話。また、新幹線に乗るたびに歴史の思いを馳せながら関ヶ原に至るまでの車窓を集中して観察する作法を述べている章も面白い。東京から乗るときは徳川家康目線で、そして新大阪から乗り込むときは石田三成になったつもりで見るのだという。
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面白い。ついていけないくらいオタク度の高い内容もあるが、エッセイに近い感じで楽しめる。
新幹線に乗るとき、家康や三成の気持ちで窓の景色を楽しみ、関ヶ原で興奮する磯田先生、面白すぎる‼︎
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新聞や雑誌の記事をまとめたもののようで、一つのトピックは数ページと短いので、空き時間に気楽に読める。忍者の履歴書を探したり、殿様の朝の手洗いはお湯だったのか水だったのか気になったり、東日本大震災後は震災を記録した古文書を探したりと、トピックは多岐にわたる。家康と直江兼続の話や、関ヶ原見物作法も良かった。磯田さんの本は5冊目だけど、どの本も読みやすくて面白い。
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先達たちから学ぼうとする磯田氏の狂気じみた知的好奇心から成る一冊。
歴史学とは、私生活におけるささやかなことに疑問を浮かべ、過去を知ろうとする学者たちの存在の上に成り立つ学問だと主張してくる。
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■軽いタッチの歴史ものを読みたくて購入。
■題名の通り、著者の磯田道史氏が本当に日本史が好きなんだなあと感じさせる本。
■第4章震災の歴史に学ぶ、第5章戦国の声を聞くが特に面白かった。
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無知なもので、歴史学はてっきりもう「終わった」学問なのかと思っていた。先人たちによってほぼ研究され尽くし、たまに誰かの蔵で眠っていた書物から新事実が発見、なんてニュースが世間を賑わせることはあっても、それはよほどのレアケースなのだと。
ところが磯田さんのこの本を読むと、歴史にはまだまだ日の当たるのを待っている事実が山積しているらしい。
磯田さんはフットワークも軽く地方を飛び回り、膨大な古文書を読み解き、わずかなキーワードを頼りに一つひとつの謎に迫っていく。
そりゃ7時のニュースで読まれるほどの大発見ではないかもしれない。でも、井伊直政なんて、あまたの歴史小説やドラマで描かれて来た人の最期が、磯田さんの発見を境に描き方が変わってくるのかも、などと思うとワクワクしてくる。
地震の章では、過去の大地震を記した古文書の記述を挙げながら、今後起こるであろう地震の規模を予測している。歴史学がただ過去を振り返るだけでない有用性を秘めていることに目からウロコ。
また、皇居の周りを巡りながら江戸城の攻略法を考えたり、家康や石田三成になりきって東海道新幹線に乗る話は、歴史学者ならではの視点が面白かった。磯田さんには是非この視点でもっと紀行文を書いてもらいたいなあ。
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初めての磯田さんでした。テレビで拝見するのと同じ歴史愛を感じました。常に古文書に当たり、それをもとに健全な想像力で楽しませて頂きました。 特に第4章「震災の歴史に学ぶ」には深く納得。今日の科学を以ってしても大地震の予測は困難。でも歴史は、「必ずこの日本には定期的に大震災が起きる」ことを明らかに示している。その大きさまで。科学的探求は勿論必要だが、素直に歴史の力を借りることは極めて重要だと感じました。
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古文書を読めるのって良いなぁと、羨ましく思った歴史エッセイ。
歴史考察探偵というべきか、
興味を持ったらとことん古文書を読み解いていく著者の姿。
大変・・・だけど、愉しそう(#^.^#)
文章も読みやすいので、読んでいる私までも興味を持ってしまう。
忍者、殿様のお世話マニュアル・・・そして、江戸時代の大災害まで。
TVの歴史番組で司会をしている著者の姿を思い浮かべながら、読むのも一興。
それにしても、日本史に関する知識の深さには驚嘆します。
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面白いのだが、終わった後に記憶に残らない軽い本。あとから知ったのだがエッセイをまとめたもので、テーマはバラバラ、忍者、家計簿、津波と多岐に渡り、各テーマのは数ページ単位のため、読みやすい反面、消化不足なまま次のテーマに映ることもある。歴史ラノベといった感じ(ノベルではないが)。とはいえ、裏付けは古文書からとっているようで、いい加減な感じはない。歴史ファンが気楽に楽しむ本としてオススメ。
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3月に靖国神社を参拝して、日本史をもっと勉強したいと思い、その帰り道に書店で手に取った本。想像以上にマニアック過ぎて、若干引き気味にはなりましたが、所々興味深い内容があって、最後まで読み終えることが出来ました❗個人的には、戦国時代と明治維新時代の話しをもっと色々知りたいと思うようになりました。
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一つ一つのトピックが短いから読みやすいけど、もっと読みたい内容もあった。磯田先生の震災から学ぶ気概はすごい伝わった。文章が残っていて学べることは沢山ある。このような本にしてくれてありがたい。
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中央公論社からでてるだけで僕なんて身構えちゃうんだよね。そういう人って多いと思う。この本も予想に反して軽い歴史エッセイ。中央公論社以外の出版社だったらもっと売れたんじゃね?
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面白い良書だとは思うが、繰り返しも多く、一つ一つの話題については、アッサリと片付けている。もっと書き込んでくれれば、より面白くなったと思うので、そこが残念である。
磯田さんの歴史に向かい合う姿勢には共感を覚えるので、今度は一つのテーマを深く追求して書き込んで欲しい。(そういう著作もありますが)
本書にも出てくるが、個人的には横井小楠についてもっと知りたいと思った。
内容的には新書より文庫の方が似合う本だと思う。
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古文書が読めるといろんな事がわかるんだなぁ、と楽しく読めた。
歴史はなかなか面白い。
ただ、本書では前書きにも筆者が書いている通り、歴史を知る事で厳しい事もある。
やはり、過去の記録から見ても、日本列島は地震の活動期に入ったと言わざるを得ないのだろう。
以下、備忘。
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薩人には、「もし、こうなったら」とあらかじめ考えておく「反実仮想」の習慣があった。
→「想定外」を「想定内」に!
考えてみれば、戦後の繁栄そのものが、たまたま自信活動がない時期の平和を謳歌したものであった。
自信休眠期ならではの甘い想定で原子力発電を計画し、そのエネルギーを基礎に、鬼の居ぬ間の洗濯のような、危うい経済社会を築いていた。
太平洋の沿岸には、だいたい500年に一回ほどの周期で、超巨大大津波がきている。この500年に一度の「強いほうの東海大地震」が、最後にこの国を襲ったのは、室町時代で、明応大地震・明応大津波(1498)と呼ばれる。
運の悪い事に、われわれはこの明応自身からちょうど500年後の世界を生きている。
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