磯田道史のレビュー一覧
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ネタバレ父の書棚にあった本。
とても読みやすく「司馬遼太郎」作品を解説している。
磯田道史氏の本を読んだのはこれが初。
「花神」について紹介されているが、早速、購入し
2冊目を読んでいる最中である。
司馬遼太郎から見た
「なぜ日本が無謀な太平洋戦争に突き進むことになったのか」
がわかる。
父も太平洋戦争時代を生きていた。
これを読みながら共感する部分があったのではないかと推察する。
司馬氏は兵隊として、戦争へ行かなければならなかった。日本の戦況状況を知りながら戦う事の恐ろしさについて紹介されている。
昭和初期生まれの父は、よく銃を持って立川から都心へ向け行進したようである。父はそれを誇りに思っていた -
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おもしろい。
タイムカプセル開封感がたまらない。旧金沢藩士の猪山家は代々「御算用者」という会計•経理の家柄だった。幕末に新政府の会計方を任され、明治以降は海軍に出仕した。経理のプロが自家の借金返済のために付け始めた家計簿が、現代までよく残っていたものだ。関連する手紙類も含めて、取りまとめて保管した几帳面さも驚嘆に値する。
一応、大学で歴史学を学んだ身としては、何となく『こうじゃないかな』と類推していた幾つかのことに正答を得られた感じで満足感が高い。
だが、私がこの本を読んで何よりも感じいったのは別の所にある。それは"藤沢周平の小説のもつ時代描写の的確性"だ。ご存知の通り、 -
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この本を読んで、西郷隆盛の姿をより深く知ることができました。
本の帯にあるように、彼が「愛すべき異端児」でありながら、新しい日本国家を作るために徹底した破壊を断行したことから、畏敬の念と感謝の情を抱かざるを得ません。
西郷隆盛は強烈な個性をもった男であり、「傷がある金の玉」というような存在であったと聞いて納得できました。
彼は少年時代から「ややこしい奴」であり、「面倒くさい男」、本人が述べている「始末に困る人」ではあったとのことです。
しかしながら、「観念を現実に具体的に変換する能力」や「人間平等の原理」を持ち、大久保のように「規格内の人材リーダ」ではなく、「規格外の人物リーダ」として活躍して -
購入済み
筆まめの極地
ドキュメンタリータッチの導入部から一気に読者を引き込む筆致は、学者の著作とは思えないほど巧みである。描き出し方が上手な上に、描かれている内容が十二分に称賛に値するものである。日記をつけている当人たちは将来この資料がどれほどの値打ちを持つものである ということをまるで意識していないと思われるが、今日 これほど詳細で 些末な 生活記録というのは、実に貴重であると思わざるをえない。
中国の史書は、将来の人にどう読まれどのように評価されるかを、常に意識しながら書いたようだが、その分 内容が歪められることも多かったように思う。本書のように他人に読まれることを気にしていない資料こそ、精度が高いと思ってし