磯田道史のレビュー一覧
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自分の利益のためではなく、純粋に人のために人生を生きた江戸時代の三人のお話。
伝わった古文書や資料を探し紐解き、こうして伝えてくださる磯田さんに感謝。
おかげで三人の立派な生き方を知ることができました。
穀田屋十三朗さんのご子孫は今でも「先祖が偉いことをしたなどというてはならぬと言われてきた」とおっしゃり、その心を受け継いでおられ、そのことにもとても心打たれます。
宮城県の吉岡宿に行ってみたい。
日本の歴史の中にはこうした無私の日本人がきっとたくさんいて、今の日本が作られているのだろうな。
そしてきっと今もいる立派な無私の日本人たちが次の日本を作っていくことでしょう。
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Posted by ブクログ
「古文書には不思議な力がある。人の美しい思想が、そこに宿っていると、古文書に現世の人間が動かされ、操られるように、何かが起きる。だから、私は、この仕事がやめられない。」
私には古文書を発見する力も、読み解く力もないから、こうして磯田さんが発見してくださったことを読めることをとても楽しみにしています。
磯田さんの歴史愛あふれる文章も楽しい。
古い日記や記録から読み取れる人間味あふれるエピソード、忍者子孫たちとの交流、映画「殿、利息でござる!」の裏話などあらゆる角度から「へえ〜!」と思えることがいっぱい。
古文書から読み解ける現代にも続く教えや文化的財産。そして未来へ役立てること。
やっぱり歴 -
Posted by ブクログ
日本史に関わってくる天災についての本。当たり前の話だが、日本が地震大国と言うのは大昔からなのだと改めて実感する。その時々の経験や知恵が生かされ、また別の分野にも影響を与え次の代へと繋いでゆく。それらが後の天災への対応に役立った例も多々ある。つくづく歴史というものは馬鹿にできない。
それを残すために必要なものは何か、地縁なのである。今回の金沢地震で強制移住の話が議論されてきた時期があったが、そんな事をしてしまえは過去からの繋がりをみすみす絶ってしまい取り返しのつかないことになる可能性もある。
歴史とは何か、歴史について考えるとはどういうことか、机上で唸るだけでなくフィールドワークも大事であると実 -
Posted by ブクログ
歴史学者として活躍する著者が、江戸幕府で作り上げた平和の仕組みがどのように崩壊していったかを紹介した一冊。
前著「徳川家康 弱者の戦略」の続編として位置付けられているものです。
戦国時代を終わらせ、平和な時代を築くために徳川家康公は様々な仕組みを作りました。それが時代の変化に対応できず、どのように崩壊していったかが非常に分かりやすく描かれています。一方で、この平和の時代が長く続いたことで、近代になってからも、国民に影響を与えたことも多くあります。
これらを学ぶことで、多くのことを今後に活かすことができます。これこそが歴史を学ぶ醍醐味であると改めて認識することができました。
▼歴史と我々が地続 -
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ネタバレ<目次>
①はじめにー家康はどうしたのか!
弱小大名が生き延びて天下をとった弱者の戦略
②第1章 「境目の土地」三河という運命
徳阿弥の素性を鑑みるに、家康も熊野比丘尼と
同様に情報・諜報を駆使する能力を有していた
③第2章 信長から学んだ「力の支配」とその限界
絶大な力なき自分を強くする「武威」を上手く
喧伝する諜報能力の高さが信長の弱さを見抜く
④第3章 最強の敵・信玄がもたらした「共進化」
信玄の強さの秘密「物見・透破・築城」を取り
入れ(滅亡後に家臣団採用)家康は強くなった
⑤第4章 二つの滅亡 長篠の合戦と本能寺の変
長篠は勝頼の猪突猛進じゃなくて戦略的に背後
を突いて、突進せざるを