磯田道史のレビュー一覧
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大河ドラマの影響で、様々な徳川家康関連本が出版されていますが、テレビ番組等で活躍する著者がこれまでと異なる視点から家康の戦略を述べた一冊。
著者の視点は明確で、冒頭で次のように述べています。
○家康は、三河の弱小大名であったのに、なぜ・どうやって天下を手に入れ、しかも260年も続く、政権を築けたのか?
○読者の参考になるように、家康のその「弱者の戦略」をみてもらう
大まかに歴史を振り返りながら、キーワードは「武威」と「信頼」だという視点で解説されており興味深い内容です。この戦略により天下統一を果たしたわけですが、その支配のあり方が現在の日本に影響しているということがよく言われるわけですが、逆 -
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日本で起きた、地震、津波、噴火、台風、洪水、土砂災害、感染症、の歴史を知る。
未来の予測はできないが、起これば戦争よりも多くの死者が出てしまう自然災害。
1855年の安政江戸地震で浅草、本所・深川あたりは多くの家屋が崩れた。
1923年の関東大震災では、10万人以上の死者を出したが、墨田区だけで火事で4万人近くが死んでいる。
その20年後は、戦争で空爆を受け再度ひどい目に遭っている。
私の住まいの近辺は迷路のような狭い道だらけだが、両国・錦糸町、本所・深川の辺りは東西南北きれいに区画整理された街並みになっている。
この碁盤のように修復された道は、かつて地震と戦争でボロボロにされたことを物語っ -
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コロナが流行しだした2020年の段階で、歴史家の磯田さんが日本の感染症の歴史を振り返った一冊。
歴史は未来の予言書だなぁ。
攘夷思想はコレラを持ち込んだ西洋人への嫌悪感から。ゼロコロナ政策を続ける中国で、クラスター発生源になりうる海外から入ってくる外国人を嫌がるのも歴史の繰り返し。
スペイン風邪だって、3度大きな流行の波があったなら、コロナだって、何度も流行は繰り返す。
21年には収まっていて欲しいという思いも感じる本書でしたが、まだまだ収まらない2022年に読んだ。
原敬だってスペイン風邪にかかったんだから、岸田さんがコロナにかかるのも織り込み済みかな。 -
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ネタバレ映画化もされた『武士の家計簿』の著者でNHKの歴史系番組への出演などでも有名な磯田道史先生による2019年6月11日に鎌倉女学院高等学校にて行われた特別授業の講義録と「ビリギャル」小林さやかさん及び名古屋のアパレルショップ店長で歴史好きの外山莉佳子さんとのミニ対談付き。
いわゆる歴史の授業ではなく、磯田先生による「歴史学」の講義で分かりやすく、かつ奥が深い。
どうしても学校の授業では暗記科目になりがちな「歴史」についていろいろな例えや事例を用いて解説してくれる。
印象に残ったのが、タイトルにもなっている「歴史とは靴である」、「歴史的にものを考えると、前より安全に世のなかが歩けます。歴史はむしろ -
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サクサクと読めて、まるで授業を受けているような錯覚になる本。
磯田さんが磯田さんである理由がよくわかります。
磯田さん曰く、歴史とは他者理解。
自分とは異なる誰かの了見を理解しようと思いを巡らせす作業だそう。
仕事や私生活でもその作業は必要なこと。
どんな学びも抽象化して自分の生き方に転用することが大事だと感じていて、磯田さんはとてもそれが上手い方だと思う。
教養は無駄の積み重ねという名言もこの本の中にはありましたが、まさに。
忘れてしまったような学びも次に出会った時に違う顔を見せてくれる、これが大事。
しかし、こんな先生が娘の学校に来てくれたらいいなぁ(まだ保育園生) -
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加賀藩の御算用者、猪山家の家計簿を発見した磯田先生がその時代の武士の暮らしや習わし、生き方を分析する歴史探検ができる本。
武士の身分故に交際費が高くついて実はめちゃくちゃ貧乏なのに、自分より懐のあったかい草履取りより偉そうにしていなければならないなど、身分と裕福さには関連性がないという事実が面白い。
家計簿は数字の羅列ではあるけれど、少ない情報の中から意味を見出し、その時代や背景を推察する能力。磯田先生の真骨頂という感じです。
そのテクニックは、仕事でも必要なことだなぁと思います。
猪山家は実直で真面目な方が多く、人間として魅力のある方々です。