磯田道史のレビュー一覧
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今をときめく歴史学者・磯田道史さんの本。
『武士の家計簿』や『殿、利息でござる!』(そういや羽生結弦くんも出演していた)などの原作を書いた方。
古文書を、まるで新聞を読むようにスラスラ読めるという磯田さんが、古文書から拾い上げた色々な人物のことをわかりやすく紹介してくれている。
この本を読んで良かったのは、東芝の祖になった「からくり儀右衛門」こと田中久重について知れたこと。
9歳で金庫の鍵構造と同じ物を独自に作ったことから始まって、文字書き人形を作り、蒸気機関を作り、蒸気船を作り、アームストロング砲を作り、自転車を作り、通信用電信機を作り……。
こんなレオナルドダヴィンチみたいな天才 -
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西郷隆盛という人がいなかったら、今のこの国のかたちはなかったかもしれない。
しかしそのキャラクターは子供のように自然体すぎる。人にはない大きな愛と力を持ちながら、ときには全てをほりだして逃げ、脱力し、自然へと帰っていってしまう。
子供みたいな純真な側面がありながら、策謀をはじめるといくらでも悪辣なことを思いつく頭脳、自分が思う世の中を創ると決めたら、それに必要な作業へと変換できる天才的な革命家、人を選ぶ時の抜群の上手さ(西南戦争時の桐野、篠原らは例外?)、そして理不尽な身分制や差別に対する怒り、いずれ人は死ぬのだという諦観。
「人間、いかに大きな仕事をしても、後を残さないことこそ -
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日本人をよく知ろうシリーズ。教科書に載ったりするような人ではないけれど、地域のため、人のため、国のために尽力した3人の史実を描いたもの。伊達藩吉野宿の極貧の民を救うべく、全財産を投げ打って資金を集め、藩に貸し付け、金利を取るという前代未聞の策を実現した穀田屋十三郎。このエピソードは映画化もされている。史上最高の儒者、詩文家と言われた中根東里。西郷の江戸攻めの際、自重をもたらした影の張本人と言われる大田垣蓮月。なんでも金で解決しようとしたり、成長のみが成功であり幸福であるという価値観や強迫観念。このままではもう保たないというぼんやりとした懸念を持っている所に、こう行った無私、憐憫の情、献身、謙虚
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現代の日本社会が江戸時代の武士組織に由来したものであることを論じたものだが、中世に地方が役を果たせば職業を保護するかたちの下で発展し、江戸時代になると、検地をしてもらうことでの百姓が土地の所有権を持ち、自立して市場経済が発展していったという流れもおもしろい。
騎馬民族征服説は今はほぼ否定されているが、応神・仁徳政権が強力な騎馬を持っていたことは確からしい。蘇我氏あたりが中心になって、大陸や朝鮮半島に学んで軍隊と官僚制をつくったと考えられる。
8世紀に発行された貨幣の流通は畿内に限られ、11世紀の初めから150年間は貨幣が使われなくなったが、12世紀半ばに中国からの宋銭が大量に輸入されて以降 -
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ネタバレNHK「英雄たちの選択」の放送の中から、「江戸無血開城」に関連する4回分の放送とそれに著者が加筆し、再構成したものです。
主要な登場人物は、徳川慶喜、勝海舟、和宮、篤姫等です。そして最後は勝利者であったはずの西郷はなぜ非業の死を遂げたのか・・・というテーマで切り込んでいます。
幕末の時代に対して、私が予てから持っていた疑問は、
①幕府は外国に対して開国するにあたり、禁じ手である天皇の勅許を必要としたのか?
②鳥羽伏見の戦いに敗れた後、徳川慶喜は何故いとも簡単に政権を放り出したのか?
③勝海舟は元々の直参旗本でもないのに、何故老中格となりえたのか?
④西郷や大久保は下級武士なのにどうして、藩政