磯田道史のレビュー一覧
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○目次
はじめに
第1章:自筆書状から龍馬を知る
第2章:龍馬、幕末を生きる
第3章:龍馬暗殺に謎なし
本書は坂本龍馬の歴史を通して、幕末の政治社会史を描こうとした一冊である。基本的に龍馬関係文書を中心に、同時代史料をふんだんに用いて叙述されている点で巷の龍馬関係の書籍よりは史実を積み重ねた手堅い内容となっている。
しかし、著者の磯田氏神ーの専門が近世史であり、明治維新史が専門ではないため、所々幕末政治史の間違った評価が多いのが残念。
例えば、現実的に政治問題として「討幕」が出てくるのは早くとも慶應3年9月以降なのに、それ以前(下手すると文久期まで)に遡ってたり、「倒幕」と「討幕」の区別が -
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司馬遼太郎が暴いた日本人の弱さを、改めて復習する。
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頼山陽と徳富蘇峰、そして司馬遼太郎が、日本で三人しかいない「歴史に影響を与えた歴史家」と定義されている。ほんまかいな、と言いたいところだが、坂本龍馬を「発見」したりと、ある意味確かに歴史を作ってきたのかもしれない。
ただ、本書は司馬が歴史を作ってきたことを説くというわけではない。司馬がそのときそのときでどんな風に見ていたのかを追っていく。
結局のところ、日本人の弱みを書いているからこそ、読者が自らに投影し感激し、ビジネスに活かそうとしてしまったりするのだろうなあ、と感じた。
文学は文学作品の中で完結すべきだという意見に -
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歴史好きには見逃せない、戦国末期から幕末までを網羅した歴史随筆集。
江戸城無血開城をめぐる西郷隆盛と勝海舟との会談の裏には、西郷に決断を促した女性(78歳の尼さん)の存在があったとか。
幕末の発明王からくり儀右衛門が西洋に生まれていたら、天才工学者として、名をの残していただろうとか。
歴史教科書には記されない逸話の数々。
歴史的事実を述べながら、現代にちくり一言も。
江戸時代の寺子屋教育は、子供が能動的に自分の手と口を動かして成り立つ「手と口の学び」であった。しかし、現代は「目と耳の学び」であり、自分で勝手にやる創造的な人間や発想は生まれにくくなっていると。 -
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昭和史の研究家・半藤・保阪氏などの対談・鼎談集。昭和天皇の幼少期の意外な話から、摂政時代、そして昭和まで。実に豊富な記録が残っているのは歴史解明において有効だと思い、このような記録が発表されたことへの半藤氏たちの喜びが感じられる。一方であまり書かれなかったマッカーサーとの対談への不満も。戦争勃発後、昭和天皇が母・貞明皇太后に叱責されることに気を遣う様子など、昭和天皇の人となりを感じる一方で、軍・政から実権のない立場に祭り上げられ利用された人生への同情も禁じ得ない。「トラトラトラ」、「日本で一番長い日」などの映画を見た記録が残っているのも実に面白い。やはり戦争との関わりを読み解くことが最関心事で
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面白くてためになる歴史随筆集
奇怪を好んだ信長、神仏を脅した秀吉、大将のつとめは逃げることと心得ていた家康……。気鋭の歴史家が日本史の勘どころを伝授する。 (親本は2008年刊、2013年文庫化)
本書は朝日新聞の土曜版に連載した文章を元にしてまとめた歴史随筆集であるという。巻末の索引が嬉しい。基本典拠を明記してあるが、もう少し丁寧に書いて欲しかった。(連載中は無理であろうが書籍化するならねえ。余白のスペースが目立つし)
例えば、信長の好奇心について、「太田牛一の信長公記」と「朝野雑載」の逸話が載せられているが「朝野雑載」とは何か誰の著書かはわからない。
ググってみると早稲田の古典 -
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映画「武士の家計簿」の原作本。
主役は猪山家という加賀藩の武士。猪山家は身分の高いで家系ではなかったが、、菊池家という藩士に代々つかえることにより、武士にはめずらしく読み書きソロバンができる家系であった。そろばんという武士らしからぬ技術を持っっていたことにより、前田家直参の家来となり、出世街道を走ることとなった。
当時、武士は身分制と世襲制を重んじられるなかで、唯一ソロバン関係の職種だけは比較的身分にとらわなれい人材登用がされており、猪山家はそのルートにうまくのったのである。
しかし、当時、武士はその身分の体裁を守るため、多額の負債をかかえていることが多く、猪山家も年収の約2倍の借金をかかえ