磯田道史のレビュー一覧
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西郷隆盛って、実はよく知らない気がしてね。幕末の英雄というと坂本龍馬がすごい有名だし、小説やドラマでなじみがある。土方歳三も新撰組で印象が強い。でも、それらにたいてい大物の脇役として出てくる西郷隆盛って、なんでそこまで有名だったのか、というとイマイチよくわからない。それほど身分は高くなかったみたいだけど、いつのまにか有名になり、実力者になり、という印象で、きっかけがわからないんだよね。島流しにもあってるし、二度も島流しになっているにも関わらず、連れ戻されている。その理由がいまいちわかんないんだよね。
そのあたり、実をいうとまだピンとこないところはある。やっぱり、いつのまにか、なんだよね。
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当代随一の人気歴史家が、日本史の謎の数々に迫る。古文書の中から見えてくる、本当の歴史の面白さがここに!
というキャッチフレーズの本
まず「まえがき」に磯田先生のアツーイ思いが満載でなかなか唸らせる
【「まえがき」抜粋】
日本史の内幕知りたい
そう思うなら、古文書を読むしかない
歴史教科書は政府や学者さんの願望に過ぎない
古文書は一次情報にあたる
ここが肝心である
情報化社会、ネットの社会になって、情報検索が容易になり、同じ情報をコピーして共有するようになった
そのため歴史小説を読んでも面白いものが少ない
ドラマもそうで、新味を見せようとすると、現実離れした架空の作り話にするほかない
そう -
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江戸時代の武士、農民、町人、また、職業別の給料や物品の値段が今の貨幣に換算していくら位だったかを紹介し、そこから当時の暮らしや文化を解説していく。
「遠山の金さん」の年収は3億円以上、卵は1個315円、大工は年収800万円以上、伊勢参りの一行は250万円以上を散財したなど、興味深い事例が紹介されている。しかも、当時の浮世絵や名所図絵、イラスト、江戸東京博物館にある展示模型など、豊富なカラー資料が、満載でわかりやく、気軽に読める内容になっている。
自分としては、現在との値段比較はともかく、解説されている暮らしぶりや経済事情に注目して読んだ。わかったことの幾つかを箇条書きしておく。
・江戸時代の貴 -
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・ナショナリズムとパトリオティズムの違いは、お家自慢のたとえで考えてみるとよくわかる
・ナショナリズムは、何ら自分の努力で手に入れたわけではないのに、家柄を自慢し、他の家をバカにする。
・パトリオティズムは、自分はたまたま名家に生まれついたのだから、一層きっちりして周りから尊敬される家にしよう。
・明治期の日本がお手本にしたドイツはヨーロッパでは後進国で、市民社会がまだできておらず、君主の権力が非常に強いものだった。日本の国情によく似合っていた。つまり「ドイツ」という服を着て歩くのが一番華々しく自分の体にも合った。
・大隈重信や福沢諭吉はイギリスの服がいいと言ったが、伊藤博文によって追い出され -
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私は気に入った文章がある時はページの隅を小さく折るのだが、本作は最近の中で最も多くの端折りがあった作品である。所々で出てくる作者の歴史観に興味を引かれ、かつ日本人の本質、何より日本史を知ることの最も面白い部分を再認識させてくれた。
ただ、1つの作品としては、前半の『穀田屋〜』と後半の2作の色合いが大きく違いすぎるように思える。前者は映画になっただけあって、ストーリーに大きな魅力があり、その中で私欲のない日本人が描かれる。一方で、後者はある種、特異な人物の一生を淡々と描くもので、タイトルに合致しているのはこちらだが、少し退屈に感じられ、その特異性に感情が寄せきれない感じがした。