【感想・ネタバレ】カラー版 江戸の家計簿のレビュー

あらすじ

ベストセラー『江戸の家計簿』が新しいトピックを大幅追加し、カラー化されて再登場! 奉行の年収3億円、卵1個316円、4畳1K家賃が月4850円――武士や町人の生活を、物価や収入からひもとき、イラストや写真などオールカラーのビジュアルでわかりやすく紹介します。江戸時代の人々の懐事情が見えてくることで、時代小説が今よりずっと面白くなること請け合いです。本書は「江戸の職業図鑑」で取り上げる職業をさらに増やし、さらに江戸庶民の最大の楽しみだった「お伊勢参りにまつわる値段」の秘密についても綴ります。

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Posted by ブクログ

私は普段バリバリの理系派なのですが、「江戸」というワードに何故か言葉では形容し難い粋な魅力を感じます。そこに、現代的な「お金」の側面を示唆するタイトルがありついつい購入しました。

カラー版で合間合間に文献資料もあり、大変魅力的でした。難しい言葉も多く、もう少しルビや注釈付きだと熟読でき、助かるかなと個人的には感じました。

本書を通すと、現代に比べてインフレを考慮した、貨幣制度や社会システムが未熟なせいか、当時の物価が極めて高いことを感じさせられます。
その反面、貧しい農民と大名たちの様な上位役職との二極化が顕在化していることも理解でき、ある意味現代に通ずるものかもしれません。

年収という現実的な側面から書かれた本書の着眼点はとても面白く、江戸時代の社会背景や文化を交えながら楽しんで読むことができました。

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2020年12月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

<目次>
第1章  江戸時代の収入①武士篇
第2章  江戸時代の収入②農民・町人篇
第3章  江戸時代の物価①食品篇
第4章  江戸時代の物価②料理・嗜好品・雑貨篇
第5章  江戸時代の文化と経済

<内容>
2017年に宝島新書から出た『江戸の家計簿』を加筆、修正の上、全面カラー化したもの。分かりやすいし、授業などでいろいろな話をするときの参考になる。磯田先生の本なので、信頼できるし…。

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2020年02月26日

Posted by ブクログ

江戸時代中期の人々の生活について、
年収や収支、物価等から読み解き、分かり易く解説する。
浮世絵やイラスト、写真等のカラー画像有り。
・まえがき ・本書における江戸のお金の計算方法
第1章 江戸時代の収入①武士篇
第2章 江戸時代の収入②農民・町人篇
第3章 江戸時代の物価①食品篇
第4章 江戸時代の物価②料理・嗜好品・雑貨篇
第5章 江戸の文化と経済
特別インタビュー、特集、コラム有り。
・あとがきにかえて ・主要参考文献一覧

江戸に住む人々の生活を金銭感覚から学ぶ入門書。
武士と農民・町民の収支。
日常生活での、米や麦、調味料、魚介類、鳥(種類多し)や卵、
野菜や漬物の価格など。ファストフードの蕎麦やうどん、鮨、
天麩羅など。店で味わうどじょうや鰻など。
お菓子と水菓子、甘酒の価格。日常雑貨の下駄や煙草などの価格。
長屋の家賃と炭などの光熱費、湯屋の値段。
本や浮世絵、瓦版などの代金。
貨幣価値の変動はあれど、江戸時代中期を基準としての換算。
もちろん全ての年収や物価を示しているわけではない。
それでも時代劇作品に出てくる生活の一部が分かるし、
長屋の家賃を含め、衣食住を知ることが出来ます。
現代の価格と比べて、意外と安かったり、高かったり、
同じくらいだったりする品目があるのが面白かったです。
神田祭の設営費や縁切り寺の扶持金(生活費)、
大家の基本給など、興味惹かれる小ネタもありました。

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2024年12月03日

Posted by ブクログ

身分制度に縛られて窮屈だったんだろうけど、
そんななか、けっこう楽しそうなイメージの江戸の暮らしぶり。
商売で一旗揚げる話が大好き!
なんでも工夫だし、人に求められることで利益を上げることは、楽しいだろう。
現代にも学ぶところがあります。

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2022年06月07日

Posted by ブクログ

著名人や専門家によるコラムでページ稼ぎな気がする。しかし、職種毎の給料、蕎麦などの値段、長屋暮らしの家賃など生活に必要不可欠な値段を教えてくれる。
江戸時代にタイムスリップした場合に備えとして必須の知識だろう。笑

「東京都江戸東京博物館」の展示物やイラストで補足してくれており、時代小説を読む時には、必ず出てくる「物価」をイメージするための辞書として使てるため、当面、我が家の本棚を居座るだろう作品。

ただ、古文書マスターの作者の切れ味鋭い、新たな視点がなかった気がする。多忙ゆえにやむ無しかな。

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2020年04月02日

Posted by ブクログ

江戸時代の武士、農民、町人、また、職業別の給料や物品の値段が今の貨幣に換算していくら位だったかを紹介し、そこから当時の暮らしや文化を解説していく。
「遠山の金さん」の年収は3億円以上、卵は1個315円、大工は年収800万円以上、伊勢参りの一行は250万円以上を散財したなど、興味深い事例が紹介されている。しかも、当時の浮世絵や名所図絵、イラスト、江戸東京博物館にある展示模型など、豊富なカラー資料が、満載でわかりやく、気軽に読める内容になっている。
自分としては、現在との値段比較はともかく、解説されている暮らしぶりや経済事情に注目して読んだ。わかったことの幾つかを箇条書きしておく。
・江戸時代の貴重な動物性タンパク源は、鶏肉や卵であり、なかには鶴やトキを食したという資料もあった。
・手軽に食べられる外食産業として、道路脇などに屋台を出す「立ち売り」と、棒手振りで有名な「振り売り」があり、「立ち売り」には、天ぷら、そば、寿司、うなぎの蒲焼き、団子など様々な屋台があった。
・江戸の人口は参勤交代でお供の武士が単身赴任することなどにより、男性の方が圧倒的に多く、男性文化が盛んになった。
・長屋の大家が共同便所の糞尿を売ったり、生ゴミを回収して、新田開発の埋め立てや肥料に活用したり、火事の廃材を転用するなど、リサイクルやものを大切にする暮らしがあった。
・醤油、味噌、漬け物、鰹節など発酵食品が江戸時代に開花した。
わざと、こぼれ話的な軽い読み物にしてあるが、巻末に示されてある主要参考文献一覧を見ると、さすがだなと思った。

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2020年03月07日

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