磯田道史のレビュー一覧
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ネタバレ江戸時代、特にその後期は、庶民の輝いた時代である。江戸期の庶民は、親切優しさと言うことでは、この地球上のあらゆる文明が経験したことがないほどの美しさを見せた
心は種である。果てしない未来を開く種である。1粒の種が全山を満開の桜の山に変えるように、心さえしっかりしていれば、驚くほどの奇跡もなし遂げられる
300年、党を組まぬように、しつけられてきたこの国民が、明治になって、政党政治と言うものを、うまく飲み込めなかったのは、至極、当然のことで、それは後々までこの国の政党政治をみすぼらしいものにした
金と言うものは、雪玉に似ている。一旦核になる資金ができると、雪玉が転がるように、金が金を呼び、玉は大 -
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ネタバレ聡明で知られた慶喜ですが、自らの出自には、とらわれていました。自分の母親が皇族である。つまり天皇の親戚だと言うことで、他の兄弟たちよりも高い位置にあると言う意識を持ちます
よく徳川慶喜は、徳川幕府15代将軍、最後の将軍と呼ばれていますが、実は私は、京都幕府の初代将軍と言うべきでだと思っています
民主的な議会を作ることで、国民各層の中を結集する。それこそが、欧米と肩を並べる国づくりの基本であると、西郷は考えていたわけです
戦いが長い長引けば、西郷軍を見る周囲の目も変わってきます。あの西郷が率いる軍勢に寄せられる期待は徐々に薄れ、やがて、政府に逆らう賊軍を見る視線に変わってきます
歴史にifは必要 -
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ネタバレ白村江の戦いと民衆:ではなぜ、倭国軍は敗れたのか。答えは明らかです唐の軍勢は国家軍であり、訓練されて統制のとれた軍隊ですが、倭国軍は豪族軍の寄せ集めであり、国家軍ではありません
戦いにおいて最も重要なのは、実は戦意を支える忠誠心とモチベーションです。国家軍にはそれがありますが、豪族軍にはありません
応仁の乱と足軽:民衆が必ずしも反権力の動きをしていたわけではないと言う事実です。民衆は、その時の状況に応じて本権力的な動きを見せることもあれば、権力の手先として動くこともあった
私が不思議でならないのは、例えば新選組の視点に立って京都の幕末を見る人は極めて多いのに、先ほどご紹介したような、夏の暑い盛 -
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似たようなタイトルの本がいくつも出ていますが、こちらは歴史学の視点から感染症を読み解き、現在のコロナ対策への提言もされていて興味深かったです。「歴史から学ぶ」意味を感じました。
たとえば、軍艦「矢矧」でクラスターが発生し、そのとき航行を支えたのがすでにスペイン風邪に罹患して免疫をもっていた巡洋艦「明石」の乗組員だったことから、感染者を叩くのは意味がなく、むしろ免疫獲得者として経済活動の再始動にあたって大きな戦力になると書いています。
江戸時代には米による給付金があったこと、上杉鷹山は患者支援策を打ち出したことなどの一方で、スペイン風邪流行時にも修学旅行が行われたり自粛に頼った政策だ -
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西郷隆盛って、実はよく知らない気がしてね。幕末の英雄というと坂本龍馬がすごい有名だし、小説やドラマでなじみがある。土方歳三も新撰組で印象が強い。でも、それらにたいてい大物の脇役として出てくる西郷隆盛って、なんでそこまで有名だったのか、というとイマイチよくわからない。それほど身分は高くなかったみたいだけど、いつのまにか有名になり、実力者になり、という印象で、きっかけがわからないんだよね。島流しにもあってるし、二度も島流しになっているにも関わらず、連れ戻されている。その理由がいまいちわかんないんだよね。
そのあたり、実をいうとまだピンとこないところはある。やっぱり、いつのまにか、なんだよね。
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当代随一の人気歴史家が、日本史の謎の数々に迫る。古文書の中から見えてくる、本当の歴史の面白さがここに!
というキャッチフレーズの本
まず「まえがき」に磯田先生のアツーイ思いが満載でなかなか唸らせる
【「まえがき」抜粋】
日本史の内幕知りたい
そう思うなら、古文書を読むしかない
歴史教科書は政府や学者さんの願望に過ぎない
古文書は一次情報にあたる
ここが肝心である
情報化社会、ネットの社会になって、情報検索が容易になり、同じ情報をコピーして共有するようになった
そのため歴史小説を読んでも面白いものが少ない
ドラマもそうで、新味を見せようとすると、現実離れした架空の作り話にするほかない
そう -
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江戸時代の武士、農民、町人、また、職業別の給料や物品の値段が今の貨幣に換算していくら位だったかを紹介し、そこから当時の暮らしや文化を解説していく。
「遠山の金さん」の年収は3億円以上、卵は1個315円、大工は年収800万円以上、伊勢参りの一行は250万円以上を散財したなど、興味深い事例が紹介されている。しかも、当時の浮世絵や名所図絵、イラスト、江戸東京博物館にある展示模型など、豊富なカラー資料が、満載でわかりやく、気軽に読める内容になっている。
自分としては、現在との値段比較はともかく、解説されている暮らしぶりや経済事情に注目して読んだ。わかったことの幾つかを箇条書きしておく。
・江戸時代の貴 -
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・ナショナリズムとパトリオティズムの違いは、お家自慢のたとえで考えてみるとよくわかる
・ナショナリズムは、何ら自分の努力で手に入れたわけではないのに、家柄を自慢し、他の家をバカにする。
・パトリオティズムは、自分はたまたま名家に生まれついたのだから、一層きっちりして周りから尊敬される家にしよう。
・明治期の日本がお手本にしたドイツはヨーロッパでは後進国で、市民社会がまだできておらず、君主の権力が非常に強いものだった。日本の国情によく似合っていた。つまり「ドイツ」という服を着て歩くのが一番華々しく自分の体にも合った。
・大隈重信や福沢諭吉はイギリスの服がいいと言ったが、伊藤博文によって追い出され