磯田道史のレビュー一覧

  • 「司馬遼太郎」で学ぶ日本史

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     歴史社会学等を専攻する磯田道史氏による、司馬遼太郎自身と作品から日本史を学ぶことについて書いた本。
     確かに未だ多くの人に読まれ、そしてその世界に飲み込まれ、あたかも自身がその時代に共に生きている感すら思わせる司馬作品自身は、文学としての評価だけでなく、その影響や、国家観、日本人とは何かといった我々の根源的なところまでも深く浸透することに対し、余りにも多くの問いかけと学びがある。
     また司馬遼太郎から入る日本史というスタイルも多数いるのではなかろうか。かくいう私も知らない人物については、これがその人物の全てではないと気をつけてはいるものの、その膨大な資料の読み込みと、物事と人物への透徹した洞

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    2022年08月28日
  • 素顔の西郷隆盛(新潮新書)

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    幕末の志士の中でも豪傑なイメージのあった西郷隆盛だが、意外と繊細でお茶目な一面もあったのかもしれない。
    しかし、力があればその力を使い、決める時は決める。幕末の戦時のリーダーとしての振る舞いは感銘を受ける。

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    2022年08月19日
  • 武士の家計簿―「加賀藩御算用者」の幕末維新―

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    「武士は食わねど高楊枝」の秘密。

    武士がどのように家計を管理していたか、どれくらいの収入があり、どれくらいの支出があったか。時代劇を見ていてもよくわからないし、あまり考えたこともなかった。この本は、加賀藩のある武家一家の財政管理のまとまった記録を元に、江戸末期から明治にかけての武士の生活を紐解いた本である。

    そもそもきちんと記録を付けていたのが、おそらくこの記録者が算盤で職を得ていた人だからというのが面白い。計算能力は世襲じゃないし、武士の中ではあまり好まれない技能だった。でも猪山家はその力を磨き、出世の道を駆け上がり、厳しい家計をなんとかしたのだ。

    武士は儀式や付き合いにお金がかかる。

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    2022年08月12日
  • カラー版 江戸の家計簿

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    身分制度に縛られて窮屈だったんだろうけど、
    そんななか、けっこう楽しそうなイメージの江戸の暮らしぶり。
    商売で一旗揚げる話が大好き!
    なんでも工夫だし、人に求められることで利益を上げることは、楽しいだろう。
    現代にも学ぶところがあります。

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    2022年06月07日
  • 歴史とは靴である

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    <目次>
    第1章  歴史と人間
    閑話休題 休息中の会話
    第2章  歴史の「現場」

    <内容>
    2019年におこなわれた、鎌倉女学院高校での特別授業を文字化したもの。高校生相手に和気藹々と歴史を学ぶこと、歴史を知ることの意義を実例や自己体験を元に説いていく。自からの過去を語っているので、磯田氏の歴史好きの由来や古文書を読み取れるようになったいきさつも知れる。

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    2022年04月03日
  • 日本史の内幕 戦国女性の素顔から幕末・近代の謎まで

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    一次資料を探し出して、歴史の事実を少しづつ解き明かそうとする歴史学者の奮闘ぶりがよくわかる。歴史に名を遺すような偉人たちの動向だけでなく、名も無き庶民の動向なんかからも当時の社会情勢なんかが透けて見えるんだよね。

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    2022年01月22日
  • オランダ商館長が見た 江戸の災害

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    江戸の災害、この場合は江戸時代の災害の話。災害大国と言われる日本は、鎖国時代に日本に来ていた外国人の目にどう映ったのか。実際に見たことから人伝に聞いたことまで色々なことが載っていた。誤記なのか通訳のミスなのか当時の人々の心境なのか被害数字は誇張されたものもあるが、それが当時の情報の混乱を表してるようにも思えた。外国人の目に映った災害が細かく知れる資料。

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    2022年01月13日
  • 感染症の日本史

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    面白かったし、「歴史は繰り返す」を痛感させられたし、「感染症の世界史」に比べれば読むべき本だと思う。
    でも、まあこの本に限らず、テレビ出演時でも感じる時があるのだけど、磯田先生はあくまでも歴史の専門家なのであって、医療や法制度、政策立案等に関しては専門家ではないのだから、それらの部分に関して、それらの専門家以上に断定的な物言いをするのはどうなのかな…と思われるところはあった。なので星は辛めの3つ。ホントは3.5くらいなのだけど。

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    2021年10月11日
  • 素顔の西郷隆盛(新潮新書)

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    今回も磯田先生の本です。大河「西郷どん」で時代考証も担当されました。

    西郷については「翔ぶが如く」を読んだし、「西郷どん」も見たのですが、何か人物像がモヤモヤしてはっきりつかめません。
    本書を読んでも結局、西郷には色んな側面がありモヤモヤ感はとれなかったです。

    そんな中、印象に残ったのは、「瑕ある黄金の玉、瑕なき銀の玉」という言葉ですね。
    これは薩摩の有名な人が残した言葉で、前者を西郷、後者を大久保で評したものです。
    愛すべき欠点はあるがすごく愛される西郷と、完璧だが愛されない大久保。うまく言ったなと思いました。

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    2021年06月04日
  • 江戸の備忘録

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    教科書には載っていないけれど
    知っていたら歴史が面白くなりそうなエピソードがたくさん載っている。
    多少偏っている感があり特に幕末は西軍寄りな雰囲気はあったが、初心者の方でも楽しめると思う。

    信長が大蛇を探す話や、
    秀吉がお稲荷さんを弾圧したり
    竜宮城にお願いをしたりするエピソードが面白い。
    家康が騎馬と水泳を大事にしたというのもなるほどと思った。
    岩槻城の太田美濃守資正が犬好きで軍用犬を飼っていた
    というのも、先見の明があるように思う。

    鷹山の話で、当事者意識という表現がわかりやすかった。
    罪人が出るのは自分のせいであると考えるのは
    非常に繊細だが、それくらいの当事者意識を持って
    政治家に

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    2021年04月07日
  • 感染症の日本史

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    安住アナのラジオに磯田先生が出演されていて、この本の話もされていたので、興味を持って読んだ。

    ラジオで先生は、「歴史とは靴である」とおっしゃっていた。パンデミックは未曽有の事態ではなく、過去の時代にも乗り越えてきたことだから、歴史を調べれば参考になる事例が見つかる。
    コロナに限らず、何か問題に直面にした時、自分の頭だけでゼロから考えるのではなくて、過去にさかのぼって事例を徹底的に調べることは、解決策を見つけるのに有効なのだと思った。

    ■引用

    患者史
    過去と同類のものが、反復的に襲ってくる→歴史が役に立つ
    本能的な人間心理は変わらないものがある

    感染症の対策には、総合的な知性が必要
    長く

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    2021年01月20日
  • 日本史の探偵手帳

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    「中世武士と近世の武士の違い」では猪山家が面白い。細かく数字を分析しているところと能力の高め方は教訓になる。安定するとそこが評価されるが非常時には家柄だけじゃ没落するという日本史のスパンも納得がいく。
    「歴史を動かす英才教育」では豊臣秀吉の子育ての失敗(わしが帰るまで女中を縛って置けとか)と乃木希典の読書(○、△、×をつけて批評する精読)が参考になった。
    「古文書を旅する」ではアイドルとかイケメン大名鳥居とか整形の話が出て普遍性のある読み物。
    「歴史を読む」でお勧めの本を紹介。「日本史」の織田信長が自分と同じ生年月日で同じ時刻に産まれた人物を探させて質問したというエピソードは面白い。考えて実行

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    2021年01月15日
  • 無私の日本人

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    ネタバレ

    江戸時代、特にその後期は、庶民の輝いた時代である。江戸期の庶民は、親切優しさと言うことでは、この地球上のあらゆる文明が経験したことがないほどの美しさを見せた
    心は種である。果てしない未来を開く種である。1粒の種が全山を満開の桜の山に変えるように、心さえしっかりしていれば、驚くほどの奇跡もなし遂げられる
    300年、党を組まぬように、しつけられてきたこの国民が、明治になって、政党政治と言うものを、うまく飲み込めなかったのは、至極、当然のことで、それは後々までこの国の政党政治をみすぼらしいものにした
    金と言うものは、雪玉に似ている。一旦核になる資金ができると、雪玉が転がるように、金が金を呼び、玉は大

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    2021年01月06日
  • 感染症の日本史

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    文章が好き ◯
    作品全体の雰囲気が好き ◯
    内容結末に納得がいった ◯
    また読みたい
    その他 ◯

    学び直したいなあ。
    学生時代の受験勉強が面白くなかったけれど、今いろいろ興味をもつことができるのは、あの無味乾燥な受験勉強があったおかげなのか。

    「歴史」ってこんなにも面白いものなのか。コロナ禍での皮肉な気づき。

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    2021年01月05日
  • NHK英雄たちの選択 江戸無血開城の深層

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    聡明で知られた慶喜ですが、自らの出自には、とらわれていました。自分の母親が皇族である。つまり天皇の親戚だと言うことで、他の兄弟たちよりも高い位置にあると言う意識を持ちます
    よく徳川慶喜は、徳川幕府15代将軍、最後の将軍と呼ばれていますが、実は私は、京都幕府の初代将軍と言うべきでだと思っています
    民主的な議会を作ることで、国民各層の中を結集する。それこそが、欧米と肩を並べる国づくりの基本であると、西郷は考えていたわけです
    戦いが長い長引けば、西郷軍を見る周囲の目も変わってきます。あの西郷が率いる軍勢に寄せられる期待は徐々に薄れ、やがて、政府に逆らう賊軍を見る視線に変わってきます
    歴史にifは必要

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    2021年01月04日
  • 戦乱と民衆

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    白村江の戦いと民衆:ではなぜ、倭国軍は敗れたのか。答えは明らかです唐の軍勢は国家軍であり、訓練されて統制のとれた軍隊ですが、倭国軍は豪族軍の寄せ集めであり、国家軍ではありません
    戦いにおいて最も重要なのは、実は戦意を支える忠誠心とモチベーションです。国家軍にはそれがありますが、豪族軍にはありません
    応仁の乱と足軽:民衆が必ずしも反権力の動きをしていたわけではないと言う事実です。民衆は、その時の状況に応じて本権力的な動きを見せることもあれば、権力の手先として動くこともあった
    私が不思議でならないのは、例えば新選組の視点に立って京都の幕末を見る人は極めて多いのに、先ほどご紹介したような、夏の暑い盛

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    2021年01月04日
  • 感染症の日本史

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    似たようなタイトルの本がいくつも出ていますが、こちらは歴史学の視点から感染症を読み解き、現在のコロナ対策への提言もされていて興味深かったです。「歴史から学ぶ」意味を感じました。
    
    たとえば、軍艦「矢矧」でクラスターが発生し、そのとき航行を支えたのがすでにスペイン風邪に罹患して免疫をもっていた巡洋艦「明石」の乗組員だったことから、感染者を叩くのは意味がなく、むしろ免疫獲得者として経済活動の再始動にあたって大きな戦力になると書いています。
    
    江戸時代には米による給付金があったこと、上杉鷹山は患者支援策を打ち出したことなどの一方で、スペイン風邪流行時にも修学旅行が行われたり自粛に頼った政策だ

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    2020年12月31日
  • 武士の家計簿―「加賀藩御算用者」の幕末維新―

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    猪山家では収入の2倍もの借金があり、ほかの武家社会と比べて特別多いわけではなかった。
    借金返済方法が参考になった。
    頼母子講(たのもしこう)を初めて知った。一族の中でお金を積立て、借用したりしていた。利率が高いこともびっくりした。15%ぐらいもあった、そりゃ大変だわ

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    2020年11月13日
  • 天災から日本史を読みなおす 先人に学ぶ防災

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    古文書や歴史資料に記述される過去の災害の記録を歴史に重ね、被害状況や官民への影響を紐解く。秀吉時代の地震、江戸の津波と富士山噴火、土砂崩れや高潮、幕末史を変えた台風、津波。

    災害大国日本を再認識。100年に一度、というのは、稀というより必至と捉えるべきだと知る。

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    2020年10月09日
  • 日本史の内幕 戦国女性の素顔から幕末・近代の謎まで

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    テレビでよく見る歴史家の先生の本。歴史本というよりはエッセイ集で、今もなお歴史の発見がされていることがよくわかる。

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    2020年08月13日