磯田道史のレビュー一覧

  • 無私の日本人

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    江戸時代、特にその後期は、庶民の輝いた時代である。江戸期の庶民は、親切優しさと言うことでは、この地球上のあらゆる文明が経験したことがないほどの美しさを見せた
    心は種である。果てしない未来を開く種である。1粒の種が全山を満開の桜の山に変えるように、心さえしっかりしていれば、驚くほどの奇跡もなし遂げられる
    300年、党を組まぬように、しつけられてきたこの国民が、明治になって、政党政治と言うものを、うまく飲み込めなかったのは、至極、当然のことで、それは後々までこの国の政党政治をみすぼらしいものにした
    金と言うものは、雪玉に似ている。一旦核になる資金ができると、雪玉が転がるように、金が金を呼び、玉は大

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    2021年01月06日
  • 感染症の日本史

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    文章が好き ◯
    作品全体の雰囲気が好き ◯
    内容結末に納得がいった ◯
    また読みたい
    その他 ◯

    学び直したいなあ。
    学生時代の受験勉強が面白くなかったけれど、今いろいろ興味をもつことができるのは、あの無味乾燥な受験勉強があったおかげなのか。

    「歴史」ってこんなにも面白いものなのか。コロナ禍での皮肉な気づき。

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    2021年01月05日
  • NHK英雄たちの選択 江戸無血開城の深層

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    聡明で知られた慶喜ですが、自らの出自には、とらわれていました。自分の母親が皇族である。つまり天皇の親戚だと言うことで、他の兄弟たちよりも高い位置にあると言う意識を持ちます
    よく徳川慶喜は、徳川幕府15代将軍、最後の将軍と呼ばれていますが、実は私は、京都幕府の初代将軍と言うべきでだと思っています
    民主的な議会を作ることで、国民各層の中を結集する。それこそが、欧米と肩を並べる国づくりの基本であると、西郷は考えていたわけです
    戦いが長い長引けば、西郷軍を見る周囲の目も変わってきます。あの西郷が率いる軍勢に寄せられる期待は徐々に薄れ、やがて、政府に逆らう賊軍を見る視線に変わってきます
    歴史にifは必要

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    2021年01月04日
  • 戦乱と民衆

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    白村江の戦いと民衆:ではなぜ、倭国軍は敗れたのか。答えは明らかです唐の軍勢は国家軍であり、訓練されて統制のとれた軍隊ですが、倭国軍は豪族軍の寄せ集めであり、国家軍ではありません
    戦いにおいて最も重要なのは、実は戦意を支える忠誠心とモチベーションです。国家軍にはそれがありますが、豪族軍にはありません
    応仁の乱と足軽:民衆が必ずしも反権力の動きをしていたわけではないと言う事実です。民衆は、その時の状況に応じて本権力的な動きを見せることもあれば、権力の手先として動くこともあった
    私が不思議でならないのは、例えば新選組の視点に立って京都の幕末を見る人は極めて多いのに、先ほどご紹介したような、夏の暑い盛

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    2021年01月04日
  • 感染症の日本史

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    似たようなタイトルの本がいくつも出ていますが、こちらは歴史学の視点から感染症を読み解き、現在のコロナ対策への提言もされていて興味深かったです。「歴史から学ぶ」意味を感じました。
    
    たとえば、軍艦「矢矧」でクラスターが発生し、そのとき航行を支えたのがすでにスペイン風邪に罹患して免疫をもっていた巡洋艦「明石」の乗組員だったことから、感染者を叩くのは意味がなく、むしろ免疫獲得者として経済活動の再始動にあたって大きな戦力になると書いています。
    
    江戸時代には米による給付金があったこと、上杉鷹山は患者支援策を打ち出したことなどの一方で、スペイン風邪流行時にも修学旅行が行われたり自粛に頼った政策だ

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    2020年12月31日
  • 武士の家計簿―「加賀藩御算用者」の幕末維新―

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    猪山家では収入の2倍もの借金があり、ほかの武家社会と比べて特別多いわけではなかった。
    借金返済方法が参考になった。
    頼母子講(たのもしこう)を初めて知った。一族の中でお金を積立て、借用したりしていた。利率が高いこともびっくりした。15%ぐらいもあった、そりゃ大変だわ

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    2020年11月13日
  • 天災から日本史を読みなおす 先人に学ぶ防災

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    古文書や歴史資料に記述される過去の災害の記録を歴史に重ね、被害状況や官民への影響を紐解く。秀吉時代の地震、江戸の津波と富士山噴火、土砂崩れや高潮、幕末史を変えた台風、津波。

    災害大国日本を再認識。100年に一度、というのは、稀というより必至と捉えるべきだと知る。

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    2020年10月09日
  • 日本史の内幕 戦国女性の素顔から幕末・近代の謎まで

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    テレビでよく見る歴史家の先生の本。歴史本というよりはエッセイ集で、今もなお歴史の発見がされていることがよくわかる。

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    2020年08月13日
  • 日本史の内幕 戦国女性の素顔から幕末・近代の謎まで

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    磯田先生の頭の中を垣間見れる良い本。面白い。
    ここまで知識があると、色んなことが色んな様に繋がるから、古文書読むの本当楽しいんだろうなぁ

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    2020年08月03日
  • 江戸の備忘録

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    戦国から江戸時代を中心に、古文書に書いてあるエピソードを紹介した本。1つのテーマが3-5ページくらいで軽く読める。偉人や有名人の逸話から無名の人の話まで色々。特に江戸時代の教育や、結婚と離婚の日本史、貧乏神、蚊帳など、昔の風俗の話が面白かった。

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    2020年07月05日
  • NHK英雄たちの選択 江戸無血開城の深層

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    幕末維新を4つの事件を著者独自の視点で分析した一冊。
     慶喜の大政奉還、
     勝海舟の無血開城、
     和宮と天璋院の嘆願、
     西郷の西南戦争。
    NHKの「英雄たちの選択」という番組を本にまとめたものだが、彼らはそれぞれ他にどんな選択肢があったのかを検討して行くが、それぞれの事件に関して専門家の意見も交えて、「歴史にもしもはない」という理論を超えて、「もし別の選択をしたらどうなったか」検討を進めて行く。
    無血開城に関して、山岡鉄舟が再評価されている中、著者は最終的にはやっぱり勝ー西郷会談が決定的であったという立場をとっている。

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    2020年06月13日
  • 龍馬史

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    著者の意図は、「龍馬をもって史を語る」とのこと。坂本龍馬の手紙を多く取り上げることで、生きた坂本龍馬の個性を鮮やかに描くとともに、幕末ってこういう時代だったんだ、ということをわかりやすくみせてくれる。面白かったね。龍馬暗殺の謎っていうのは、意外と謎ではなかったんだということも見て取れたけど、同時にそれはこの著者の主張でもある。ちがう意見の人もいるのだろうな、専門家の中にも。まぁここで提示された史料と論の組立から考えると、著者の論旨は明解だと思うけど。

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    2020年05月27日
  • 素顔の西郷隆盛(新潮新書)

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    西郷隆盛って、実はよく知らない気がしてね。幕末の英雄というと坂本龍馬がすごい有名だし、小説やドラマでなじみがある。土方歳三も新撰組で印象が強い。でも、それらにたいてい大物の脇役として出てくる西郷隆盛って、なんでそこまで有名だったのか、というとイマイチよくわからない。それほど身分は高くなかったみたいだけど、いつのまにか有名になり、実力者になり、という印象で、きっかけがわからないんだよね。島流しにもあってるし、二度も島流しになっているにも関わらず、連れ戻されている。その理由がいまいちわかんないんだよね。

    そのあたり、実をいうとまだピンとこないところはある。やっぱり、いつのまにか、なんだよね。

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    2020年05月05日
  • 天災から日本史を読みなおす 先人に学ぶ防災

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    地名や神社の位置には先人の教えが表れている。歴史は繰り返す。だからこそ歴史に学ぶもいつの世も人間は変わらないことを今ほど痛感することはない。

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    2020年05月04日
  • 「司馬遼太郎」で学ぶ日本史

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    司馬遼太郎の小説は、明治前後のものが多いが、本書を通して昭和という時代をどのように捉えていたかを知ることができる。青春時代を戦時中で育ったゆえに、原点は昭和にあるのかもしれない。

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    2020年04月22日
  • カラー版 江戸の家計簿

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    著名人や専門家によるコラムでページ稼ぎな気がする。しかし、職種毎の給料、蕎麦などの値段、長屋暮らしの家賃など生活に必要不可欠な値段を教えてくれる。
    江戸時代にタイムスリップした場合に備えとして必須の知識だろう。笑

    「東京都江戸東京博物館」の展示物やイラストで補足してくれており、時代小説を読む時には、必ず出てくる「物価」をイメージするための辞書として使てるため、当面、我が家の本棚を居座るだろう作品。

    ただ、古文書マスターの作者の切れ味鋭い、新たな視点がなかった気がする。多忙ゆえにやむ無しかな。

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    2020年04月02日
  • 日本史の内幕 戦国女性の素顔から幕末・近代の謎まで

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    当代随一の人気歴史家が、日本史の謎の数々に迫る。古文書の中から見えてくる、本当の歴史の面白さがここに!
    というキャッチフレーズの本

    まず「まえがき」に磯田先生のアツーイ思いが満載でなかなか唸らせる

    【「まえがき」抜粋】
    日本史の内幕知りたい
    そう思うなら、古文書を読むしかない
    歴史教科書は政府や学者さんの願望に過ぎない
    古文書は一次情報にあたる
    ここが肝心である
    情報化社会、ネットの社会になって、情報検索が容易になり、同じ情報をコピーして共有するようになった
    そのため歴史小説を読んでも面白いものが少ない
    ドラマもそうで、新味を見せようとすると、現実離れした架空の作り話にするほかない
    そう

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    2020年03月22日
  • カラー版 江戸の家計簿

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    江戸時代の武士、農民、町人、また、職業別の給料や物品の値段が今の貨幣に換算していくら位だったかを紹介し、そこから当時の暮らしや文化を解説していく。
    「遠山の金さん」の年収は3億円以上、卵は1個315円、大工は年収800万円以上、伊勢参りの一行は250万円以上を散財したなど、興味深い事例が紹介されている。しかも、当時の浮世絵や名所図絵、イラスト、江戸東京博物館にある展示模型など、豊富なカラー資料が、満載でわかりやく、気軽に読める内容になっている。
    自分としては、現在との値段比較はともかく、解説されている暮らしぶりや経済事情に注目して読んだ。わかったことの幾つかを箇条書きしておく。
    ・江戸時代の貴

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    2020年03月07日
  • 「司馬遼太郎」で学ぶ日本史

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    司馬遼太郎の作品を読んだことはないが、どういう風に歴史を解釈して描いているのかよく分かった。

    そして、その国民的歴史小説家を歴史学者・磯田道史が解説しているためより理解が深まった。

    幕末の気運とか、どうやって滅んでいくのかとか、勉強になった。
    歴史から学ぶことは多い。

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    2019年12月26日
  • 「司馬遼太郎」で学ぶ日本史

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    ・ナショナリズムとパトリオティズムの違いは、お家自慢のたとえで考えてみるとよくわかる
    ・ナショナリズムは、何ら自分の努力で手に入れたわけではないのに、家柄を自慢し、他の家をバカにする。
    ・パトリオティズムは、自分はたまたま名家に生まれついたのだから、一層きっちりして周りから尊敬される家にしよう。
    ・明治期の日本がお手本にしたドイツはヨーロッパでは後進国で、市民社会がまだできておらず、君主の権力が非常に強いものだった。日本の国情によく似合っていた。つまり「ドイツ」という服を着て歩くのが一番華々しく自分の体にも合った。
    ・大隈重信や福沢諭吉はイギリスの服がいいと言ったが、伊藤博文によって追い出され

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    2019年11月24日