磯田道史のレビュー一覧

  • 歴史のミカタ

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    歴史についての対談だが、いまいち噛み合っていない感じ。それぞれは面白い著作があるのだが、関心の持ち方が異なるのか、うまく話が乗れていない。正史以外の見方をしようと言うのはいいが、それは史料に基づかなければ小説ではないか?イフを考えるのもいいが、正史があった上でのことだと思う。職場柄やむを得ないのだろうが、京都ネタが多い。
    雑知識としては面白いのだが、それにとどまると感じた。

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    2023年04月04日
  • 天災から日本史を読みなおす 先人に学ぶ防災

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    防災について、歴史に学び、先人の教えを遺し伝えることは不可欠。そのために歴史書を発掘し明らかにしていくのも重要。当地で伝えていくメッセージにもなりそうだ。

    例えば富士山が噴火するときには5年前から軽い地震が増え、二か月前から富士山中だけの火山性地震が毎日続いたと、宝永噴火のときのことが記されていたり(p.44)、噴火後振動は4日間、火山灰は12日間続いたという記録も貴重(p.56)。和歌山で、津波の前に、井戸の水が枯れたという前兆現象を濱口が指摘していたというのも興味深いし(p.172)、三陸で東日本大震災で神社が流されなった、鳥居の位置まで水がきたという話も(時々きくような話だが)メッセー

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    2023年03月19日
  • 天災から日本史を読みなおす 先人に学ぶ防災

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    史実のひとつひとつが印象深い。たいていの物事には経緯というか、原因があって結果があることを示してくれている。
    今がすべて正しい訳でも無いが、まずは歴史に謙虚に学ぶ姿勢が大切だと感じた。

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    2023年03月12日
  • 歴史のミカタ

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    はじめに ではこんな文章がある。教科書で学ぶ歴史は「歴史のココを見ろ」と指定されたミカタ。ちょっと大人になって司馬遼太郎などの歴史小説を読むのは「団体バスツアー」の歴史のミカタ。歴史の本当のおもしろさはある程度歴史知識ができた時点で、大人の人生経験をもとに、自分のみたい歴史の部分を「自分のミカタ」で見るところにある。
    井上章一と磯田道史の対談の本だったが、楽しく読めた。
    日本は中継ぎとはいえ、女帝が多い(8人10代)というのは意外だった。
    本当にさまざまな観点から歴史は捉えられるんだなと、いうのが感想。ただ、やっぱり対談形式は内容が薄い気がしてしまう。

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    2023年02月23日
  • 龍馬史

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    面白かった。最初に龍馬の人となりを手紙を通じて解説し、その後時代背景をなぞり、クライマックスの犯人探になる。犯人探しは非常に納得できる内容で読んで良かったと思う。

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    2023年02月14日
  • 歴史のミカタ

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    歴史観の違う2人の歴史学者が、歴史の見方について話し合った対談集。

    歴史家としてスタンスは異なっても、相手の歴史観を否定するのではなく尊重し話し合うことで、より歴史が明らかになっていく可能性がある。
    ミカタシリーズが何冊かあるようなので、続けて読んでみたい。

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    2022年12月31日
  • 歴史とは靴である

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    ネタバレ

    司馬遼太郎:歴史とは、いろんな人の人生の集合体である。こんな人生で行った人がいる。あんな人生を送った人もいる。それを集めた集合体が歴史になる
    歴史とは、その人にとっての過去のリファレンスであって、別に教科書や偉人・有名人の歴史に限ってものではないのです
    短期的には、新技術が社会にひろがると、たいていは貧富の差が広がっています。これが歴史の教訓です

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    2022年12月25日
  • 感染症の日本史

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    歴史的な仮名遣いが多く読みずらかったが、9章の歴史人口学における統計の意味は良くわかった。
    単なる数値としての統計では無く、その数値の裏にある人間の行動について解き明かさなければならない。
    そう言うところが歴史学の面白いところなんだろうな。

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    2022年09月24日
  • 「司馬遼太郎」で学ぶ日本史

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     歴史社会学等を専攻する磯田道史氏による、司馬遼太郎自身と作品から日本史を学ぶことについて書いた本。
     確かに未だ多くの人に読まれ、そしてその世界に飲み込まれ、あたかも自身がその時代に共に生きている感すら思わせる司馬作品自身は、文学としての評価だけでなく、その影響や、国家観、日本人とは何かといった我々の根源的なところまでも深く浸透することに対し、余りにも多くの問いかけと学びがある。
     また司馬遼太郎から入る日本史というスタイルも多数いるのではなかろうか。かくいう私も知らない人物については、これがその人物の全てではないと気をつけてはいるものの、その膨大な資料の読み込みと、物事と人物への透徹した洞

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    2022年08月28日
  • 素顔の西郷隆盛(新潮新書)

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    幕末の志士の中でも豪傑なイメージのあった西郷隆盛だが、意外と繊細でお茶目な一面もあったのかもしれない。
    しかし、力があればその力を使い、決める時は決める。幕末の戦時のリーダーとしての振る舞いは感銘を受ける。

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    2022年08月19日
  • 武士の家計簿―「加賀藩御算用者」の幕末維新―

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    ネタバレ

    「武士は食わねど高楊枝」の秘密。

    武士がどのように家計を管理していたか、どれくらいの収入があり、どれくらいの支出があったか。時代劇を見ていてもよくわからないし、あまり考えたこともなかった。この本は、加賀藩のある武家一家の財政管理のまとまった記録を元に、江戸末期から明治にかけての武士の生活を紐解いた本である。

    そもそもきちんと記録を付けていたのが、おそらくこの記録者が算盤で職を得ていた人だからというのが面白い。計算能力は世襲じゃないし、武士の中ではあまり好まれない技能だった。でも猪山家はその力を磨き、出世の道を駆け上がり、厳しい家計をなんとかしたのだ。

    武士は儀式や付き合いにお金がかかる。

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    2022年08月12日
  • カラー版 江戸の家計簿

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    身分制度に縛られて窮屈だったんだろうけど、
    そんななか、けっこう楽しそうなイメージの江戸の暮らしぶり。
    商売で一旗揚げる話が大好き!
    なんでも工夫だし、人に求められることで利益を上げることは、楽しいだろう。
    現代にも学ぶところがあります。

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    2022年06月07日
  • 歴史とは靴である

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    <目次>
    第1章  歴史と人間
    閑話休題 休息中の会話
    第2章  歴史の「現場」

    <内容>
    2019年におこなわれた、鎌倉女学院高校での特別授業を文字化したもの。高校生相手に和気藹々と歴史を学ぶこと、歴史を知ることの意義を実例や自己体験を元に説いていく。自からの過去を語っているので、磯田氏の歴史好きの由来や古文書を読み取れるようになったいきさつも知れる。

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    2022年04月03日
  • 日本史の内幕 戦国女性の素顔から幕末・近代の謎まで

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    一次資料を探し出して、歴史の事実を少しづつ解き明かそうとする歴史学者の奮闘ぶりがよくわかる。歴史に名を遺すような偉人たちの動向だけでなく、名も無き庶民の動向なんかからも当時の社会情勢なんかが透けて見えるんだよね。

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    2022年01月22日
  • オランダ商館長が見た 江戸の災害

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    江戸の災害、この場合は江戸時代の災害の話。災害大国と言われる日本は、鎖国時代に日本に来ていた外国人の目にどう映ったのか。実際に見たことから人伝に聞いたことまで色々なことが載っていた。誤記なのか通訳のミスなのか当時の人々の心境なのか被害数字は誇張されたものもあるが、それが当時の情報の混乱を表してるようにも思えた。外国人の目に映った災害が細かく知れる資料。

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    2022年01月13日
  • 感染症の日本史

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    面白かったし、「歴史は繰り返す」を痛感させられたし、「感染症の世界史」に比べれば読むべき本だと思う。
    でも、まあこの本に限らず、テレビ出演時でも感じる時があるのだけど、磯田先生はあくまでも歴史の専門家なのであって、医療や法制度、政策立案等に関しては専門家ではないのだから、それらの部分に関して、それらの専門家以上に断定的な物言いをするのはどうなのかな…と思われるところはあった。なので星は辛めの3つ。ホントは3.5くらいなのだけど。

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    2021年10月11日
  • 素顔の西郷隆盛(新潮新書)

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    今回も磯田先生の本です。大河「西郷どん」で時代考証も担当されました。

    西郷については「翔ぶが如く」を読んだし、「西郷どん」も見たのですが、何か人物像がモヤモヤしてはっきりつかめません。
    本書を読んでも結局、西郷には色んな側面がありモヤモヤ感はとれなかったです。

    そんな中、印象に残ったのは、「瑕ある黄金の玉、瑕なき銀の玉」という言葉ですね。
    これは薩摩の有名な人が残した言葉で、前者を西郷、後者を大久保で評したものです。
    愛すべき欠点はあるがすごく愛される西郷と、完璧だが愛されない大久保。うまく言ったなと思いました。

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    2021年06月04日
  • 江戸の備忘録

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    ネタバレ

    教科書には載っていないけれど
    知っていたら歴史が面白くなりそうなエピソードがたくさん載っている。
    多少偏っている感があり特に幕末は西軍寄りな雰囲気はあったが、初心者の方でも楽しめると思う。

    信長が大蛇を探す話や、
    秀吉がお稲荷さんを弾圧したり
    竜宮城にお願いをしたりするエピソードが面白い。
    家康が騎馬と水泳を大事にしたというのもなるほどと思った。
    岩槻城の太田美濃守資正が犬好きで軍用犬を飼っていた
    というのも、先見の明があるように思う。

    鷹山の話で、当事者意識という表現がわかりやすかった。
    罪人が出るのは自分のせいであると考えるのは
    非常に繊細だが、それくらいの当事者意識を持って
    政治家に

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    2021年04月07日
  • 感染症の日本史

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    ネタバレ

    安住アナのラジオに磯田先生が出演されていて、この本の話もされていたので、興味を持って読んだ。

    ラジオで先生は、「歴史とは靴である」とおっしゃっていた。パンデミックは未曽有の事態ではなく、過去の時代にも乗り越えてきたことだから、歴史を調べれば参考になる事例が見つかる。
    コロナに限らず、何か問題に直面にした時、自分の頭だけでゼロから考えるのではなくて、過去にさかのぼって事例を徹底的に調べることは、解決策を見つけるのに有効なのだと思った。

    ■引用

    患者史
    過去と同類のものが、反復的に襲ってくる→歴史が役に立つ
    本能的な人間心理は変わらないものがある

    感染症の対策には、総合的な知性が必要
    長く

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    2021年01月20日
  • 日本史の探偵手帳

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    「中世武士と近世の武士の違い」では猪山家が面白い。細かく数字を分析しているところと能力の高め方は教訓になる。安定するとそこが評価されるが非常時には家柄だけじゃ没落するという日本史のスパンも納得がいく。
    「歴史を動かす英才教育」では豊臣秀吉の子育ての失敗(わしが帰るまで女中を縛って置けとか)と乃木希典の読書(○、△、×をつけて批評する精読)が参考になった。
    「古文書を旅する」ではアイドルとかイケメン大名鳥居とか整形の話が出て普遍性のある読み物。
    「歴史を読む」でお勧めの本を紹介。「日本史」の織田信長が自分と同じ生年月日で同じ時刻に産まれた人物を探させて質問したというエピソードは面白い。考えて実行

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    2021年01月15日