磯田道史のレビュー一覧

  • 無私の日本人

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    日本人をよく知ろうシリーズ。教科書に載ったりするような人ではないけれど、地域のため、人のため、国のために尽力した3人の史実を描いたもの。伊達藩吉野宿の極貧の民を救うべく、全財産を投げ打って資金を集め、藩に貸し付け、金利を取るという前代未聞の策を実現した穀田屋十三郎。このエピソードは映画化もされている。史上最高の儒者、詩文家と言われた中根東里。西郷の江戸攻めの際、自重をもたらした影の張本人と言われる大田垣蓮月。なんでも金で解決しようとしたり、成長のみが成功であり幸福であるという価値観や強迫観念。このままではもう保たないというぼんやりとした懸念を持っている所に、こう行った無私、憐憫の情、献身、謙虚

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    2019年03月21日
  • 「司馬遼太郎」で学ぶ日本史

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    司馬遼太郎の作品を振り返りながら、戦国時代、江戸時代、明治、大正の日本の歴史の流れを振り返る。それにより、司馬遼太郎が、昭和初期の軍部の独走と戦争への流れを、一連の歴史の中で起きるべくして起きたものと捉えていたことがわかる。
    最近、よくテレビなどでも著者をみかけますが、きっちりと史実を押さえ、自分なりに整理されているからこそ、これだけわかりやすく解説ができるのでしょうね。歴史学者だから当然と言えば当然なのですが、学者というとそうでもない人も多そうだから。

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    2019年03月14日
  • 日本史の探偵手帳

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    大好きな磯田先生が日本史探偵の手帳を公開するように江戸時代の隕石落下、美容整形の発祥とはなどを。歴史を暗記物から自己の判断材料に役立つよう学ぼうと。

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    2019年03月09日
  • 日本史の探偵手帳

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    歴史に名高い武田軍団であるとか、海道一の弓取りと言われた家康が、なぜ強かったのか。あるいは日本一の兵、真田幸村はどのようにその知性を高めたのか。古文書から読み解かれる日本の教育システムは刺激的だった。人がどう育てられたのか。どんな集団が強かったのか。まぁ、やっぱりどのように人を育てるというのは大事なんだね。

    後半、雑多な印象もあったけど、くノ一とか美容整形とか、歴史の流れ以外の場面も知ることができて面白かった。

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    2019年02月17日
  • 日本史の内幕 戦国女性の素顔から幕末・近代の謎まで

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    古文書から読み解く歴史のウンチク色々。
    埋蔵金から家康くんから大河ドラマから江戸の大火から、物凄く幅広く、物凄く雑学だ。もとい、博識だ。古文書の話をこんなに面白く書く人もいない。
    「武士の家計簿」とか「殿、利息でござる!」の原作者なのね。どうりで面白いはず。中公新書久々のあたりでした。

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    2019年02月01日
  • 無私の日本人

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    多分、小説の範疇

    映画タイトルのインパクトが大きすぎて思わず手にとったものの、積読になっておりました。
    小説の文体としてはいささかひっかかるところがないわけでもないのだが、素直な筆致で読み進んでしまう。

    淡々と描かれてゆく光景に、あるとき突然ぐっと胸を掴まれてしまう。喉がつまり、あふれるものを必死でこらえなければいけない。人々のなんの気ない行動に心揺さぶられる。

    積読にしておくにはもったいない作品でした。いや、もしかして今読んだからこそ良かったのかもしれませんが。

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    2019年01月20日
  • 日本史の探偵手帳

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    磯田の専門は、社会経済構造に注目する史学ということなので、資料を丹念にいっぱい集めて、それらの関係性を構築するというのがメインの手法なのだろう。
    その途上で行き当たったネタと、磯田が小さい頃から個人的に興味を持っていたテーマをかけ合わせて、人も驚く多様な視点で、歴史上の有名人物や「常識」を面白おかしく解説してくれるので、飽きない。
    また、アベノミクスと荻原重秀まで関係するので、読者層はますます広がりそうだ。

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    2019年01月12日
  • NHK英雄たちの選択 江戸無血開城の深層

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    特に目新しい新事実はないが、最新の情報でアップデートされた幕末本。西南戦争で鹿児島の判事が停戦要望を明治天皇へ出したという、新資料も掲載されているが天皇へは届かず事態への影響はまったくない。司馬遼太郎本を読んだあとに、小説から歴史の世界にもどるのに良いかも。

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    2018年12月30日
  • 天災から日本史を読みなおす 先人に学ぶ防災

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    ネタバレ

    第一、事前に家族で地震時にどうするか話し合っているかで生死が分かれる。第二、いちど逃げたら、忘れ物を取りに家に戻ってはならない 松林はかえって危険。巨大津波では松はすぐに根こそぎ抜けて流され、人や住宅に襲いかかるのだと言う

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    2018年12月30日
  • 天災から日本史を読みなおす 先人に学ぶ防災

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    歴史という学問が現代や未来をどのように生きていくかの羅針盤となるものだということを啓蒙する優れた著作。歴史好きな私としては主語が「天災」よりも「歴史」の方がよかったが、それにしても素晴らしい仕事だと感じました。

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    2018年12月28日
  • 素顔の西郷隆盛(新潮新書)

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    ネタバレ

    大河ドラマと一緒に、1年かけて少しずつ読んでみました。西郷がなぜこんなに愛されているか、とても面白く読ませてもらいました。

    傷のある金の玉(西郷)と、まったく傷のない銀の玉(大久保)という表現がぴったり!
    ドラマとともに楽しめました。

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    2018年12月28日
  • 明治維新で変わらなかった日本の核心

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     日本社会には律令政治から脈々と受け継いだ権威構造が保存されていて、それが近代化のための資源をスムーズに準備した、というのが本筋。たとえばサラリーマン根性的なものは江戸時代にはすでに始まっていた。領地はまとまってなくてバラバラだし、年貢米も直接受け取るのではなくいったん大名や幕府の蔵に入ったあと切米(給料)という形でもらうと。武士社会の残滓は、長くいる人が得をするだとか、意思決定の主体があいまいだとか、兼業を許さないとか、いろんなところにあると。
     発見の多い本なのだが、対談なのでいまいち焦点が絞り切れていないのが惜しいところ。

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    2018年12月09日
  • 天災から日本史を読みなおす 先人に学ぶ防災

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    NHK「英雄たちの選択」の司会をしている磯田先生、本でもテレビ同様に語りが熱いです。
    災害を研究するようになると、もう誰も災害で死んでほしくないと思うようになる、というのは自分にも経験がありますが、磯田さんもそんな思いがあるのでしょうな。

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    2018年11月18日
  • 殿様の通信簿(新潮文庫)

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    『武士の家計簿』の作者で歴史家の磯田道史さんは、様々な古文書をひもとき昔の人たちの生活をわかりやすく解説してくれる方です。本書『殿様の通信簿』は、元禄時代に編纂された書物をもとに、大名たちの知られざる素顔に迫るという趣向。

    冒頭、黄門様で有名な水戸光圀の悪所通いが紹介されます。大日本史の編纂など堅苦しいイメージの光圀が悪所通いとは!と驚くのですが、光圀の名誉のため、政治はおろそかにしなかったことも併せて示されています。磯田さんの見立ては、昔の大名は行動が制約され、唯一、人と自由に会えたのが当時のサロンだった遊郭で、そこへの出入りがほうぼう出歩くという評判となり、後年の黄門伝説につながったとい

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    2018年10月31日
  • 日本史の内幕 戦国女性の素顔から幕末・近代の謎まで

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    結局、磯田先生の「専門」というか、「志向」は「古文書」なんだなと。
    「古文書」が何かを調べる「手段」では無く、もはや古文書に触れるのが「目的」にすり替わってるんじゃね?ってのが感想。

    ああ、こんな薄っぺらい親書で「戦国女性の素顔から幕末・近代の謎まで」ってあるんだから、断片的で薄い記述しか無いのは事前に気付よ、俺(^^;

    まあ、箇所箇所にいろいろと示唆するモノが無いわけでは、無いけどな。

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    2019年09月14日
  • 素顔の西郷隆盛(新潮新書)

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    今年の大河ドラマの主人公の西郷隆盛。
    そのドラマ『西郷どん』で時代考証を担当している磯田道史さんが、様々な文献から西郷隆盛の人物像を掘り下げる。

    西郷は純粋すぎるからこれだと思ったらひたすらそれに向かって突き進む熱い男。 
    それゆえに人を惹きつけ魅了するが、事を成す為には手段を択ばないので周りには常に死の影が。

    そんな西郷の為人がどのように形成されていったのかに興味がある人におすすめ。

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    2018年10月02日
  • 明治維新で変わらなかった日本の核心

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    現代の日本社会が江戸時代の武士組織に由来したものであることを論じたものだが、中世に地方が役を果たせば職業を保護するかたちの下で発展し、江戸時代になると、検地をしてもらうことでの百姓が土地の所有権を持ち、自立して市場経済が発展していったという流れもおもしろい。

    騎馬民族征服説は今はほぼ否定されているが、応神・仁徳政権が強力な騎馬を持っていたことは確からしい。蘇我氏あたりが中心になって、大陸や朝鮮半島に学んで軍隊と官僚制をつくったと考えられる。

    8世紀に発行された貨幣の流通は畿内に限られ、11世紀の初めから150年間は貨幣が使われなくなったが、12世紀半ばに中国からの宋銭が大量に輸入されて以降

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    2018年10月31日
  • NHK英雄たちの選択 江戸無血開城の深層

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    ネタバレ

    NHK「英雄たちの選択」の放送の中から、「江戸無血開城」に関連する4回分の放送とそれに著者が加筆し、再構成したものです。
    主要な登場人物は、徳川慶喜、勝海舟、和宮、篤姫等です。そして最後は勝利者であったはずの西郷はなぜ非業の死を遂げたのか・・・というテーマで切り込んでいます。

    幕末の時代に対して、私が予てから持っていた疑問は、
    ①幕府は外国に対して開国するにあたり、禁じ手である天皇の勅許を必要としたのか?
    ②鳥羽伏見の戦いに敗れた後、徳川慶喜は何故いとも簡単に政権を放り出したのか?
    ③勝海舟は元々の直参旗本でもないのに、何故老中格となりえたのか?
    ④西郷や大久保は下級武士なのにどうして、藩政

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    2018年09月16日
  • 歴史の愉しみ方 忍者・合戦・幕末史に学ぶ

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    無知なもので、歴史学はてっきりもう「終わった」学問なのかと思っていた。先人たちによってほぼ研究され尽くし、たまに誰かの蔵で眠っていた書物から新事実が発見、なんてニュースが世間を賑わせることはあっても、それはよほどのレアケースなのだと。
    ところが磯田さんのこの本を読むと、歴史にはまだまだ日の当たるのを待っている事実が山積しているらしい。

    磯田さんはフットワークも軽く地方を飛び回り、膨大な古文書を読み解き、わずかなキーワードを頼りに一つひとつの謎に迫っていく。
    そりゃ7時のニュースで読まれるほどの大発見ではないかもしれない。でも、井伊直政なんて、あまたの歴史小説やドラマで描かれて来た人の最期が、

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    2018年09月10日
  • 戦乱と民衆

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    戦乱の中における民衆の生き方、というような視点で、日本史を見る視点を変えてみましょう、という啓蒙的新書です。その意味では現在の日本で十分役割は果たしていると思います。
    けれど、同じような視点での研究、著作ならこれまでも少なからずあったんじゃないの?という気がしてならないのですが。たとえば藤木久志さんとか。

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    2018年09月02日