磯田道史のレビュー一覧

  • 天災から日本史を読みなおす 先人に学ぶ防災

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    天災は忘れた頃にやってくる、昔の人の言い伝えは言いえて妙ですね。私に関するものでは、1995年の阪神大震災、それを忘れた頃に実際に18階の勤務先で体験した、2011年の東日本大震災です。

    この本では天災という視点から、磯田氏が日本史を解説してくれています。日本史という一つの流れを色々な切り口で眺めてみると、また違った面白さを発見することが出来ます。

    以下は気になったポイントです。

    ・江戸時代の大名時計の目盛りは、一刻(約120分)を10分の1に刻んだものが多い、聖職者が鐘をついて時刻を下々の者に知らせる時間知識のエリートの地位を失った時こそが、近代社会の到来である(p3、4)

    ・天正地

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    2019年05月06日
  • 無私の日本人

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    かつて実際した日本人で私利私欲を捨てて、ひたすら人のために活動した人達の物語。

    3人紹介されてますが、一番有名なのは穀田屋十三郎のエピソードだと思います。

    私は観てませんが「殿、利息でござる!」というタイトルで映画化されています。

    予告編だとひたすらテンション高めの音楽で楽しげな雰囲気を醸し出してますが、原作は悲壮感漂ってます。

    仙台藩の吉岡宿はこれと言った特産もなく、米作と宿街の収益によって細々と生活していた。
    時代は江戸時代。
    参勤交代の莫大な費用負担によって農民の生活は苦しく、さらに夫役によって疲弊していた。
    仙台藩は救済のため公的補助的なものを出したが、吉岡宿は家老に与えたれた

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    2019年03月31日
  • 江戸の備忘録

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    今をときめく歴史学者・磯田道史さんの本。

    『武士の家計簿』や『殿、利息でござる!』(そういや羽生結弦くんも出演していた)などの原作を書いた方。

    古文書を、まるで新聞を読むようにスラスラ読めるという磯田さんが、古文書から拾い上げた色々な人物のことをわかりやすく紹介してくれている。

    この本を読んで良かったのは、東芝の祖になった「からくり儀右衛門」こと田中久重について知れたこと。

    9歳で金庫の鍵構造と同じ物を独自に作ったことから始まって、文字書き人形を作り、蒸気機関を作り、蒸気船を作り、アームストロング砲を作り、自転車を作り、通信用電信機を作り……。

    こんなレオナルドダヴィンチみたいな天才

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    2019年03月29日
  • 素顔の西郷隆盛(新潮新書)

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     西郷隆盛という人がいなかったら、今のこの国のかたちはなかったかもしれない。

     しかしそのキャラクターは子供のように自然体すぎる。人にはない大きな愛と力を持ちながら、ときには全てをほりだして逃げ、脱力し、自然へと帰っていってしまう。

     子供みたいな純真な側面がありながら、策謀をはじめるといくらでも悪辣なことを思いつく頭脳、自分が思う世の中を創ると決めたら、それに必要な作業へと変換できる天才的な革命家、人を選ぶ時の抜群の上手さ(西南戦争時の桐野、篠原らは例外?)、そして理不尽な身分制や差別に対する怒り、いずれ人は死ぬのだという諦観。

     「人間、いかに大きな仕事をしても、後を残さないことこそ

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    2019年03月23日
  • 無私の日本人

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    日本人をよく知ろうシリーズ。教科書に載ったりするような人ではないけれど、地域のため、人のため、国のために尽力した3人の史実を描いたもの。伊達藩吉野宿の極貧の民を救うべく、全財産を投げ打って資金を集め、藩に貸し付け、金利を取るという前代未聞の策を実現した穀田屋十三郎。このエピソードは映画化もされている。史上最高の儒者、詩文家と言われた中根東里。西郷の江戸攻めの際、自重をもたらした影の張本人と言われる大田垣蓮月。なんでも金で解決しようとしたり、成長のみが成功であり幸福であるという価値観や強迫観念。このままではもう保たないというぼんやりとした懸念を持っている所に、こう行った無私、憐憫の情、献身、謙虚

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    2019年03月21日
  • 「司馬遼太郎」で学ぶ日本史

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    司馬遼太郎の作品を振り返りながら、戦国時代、江戸時代、明治、大正の日本の歴史の流れを振り返る。それにより、司馬遼太郎が、昭和初期の軍部の独走と戦争への流れを、一連の歴史の中で起きるべくして起きたものと捉えていたことがわかる。
    最近、よくテレビなどでも著者をみかけますが、きっちりと史実を押さえ、自分なりに整理されているからこそ、これだけわかりやすく解説ができるのでしょうね。歴史学者だから当然と言えば当然なのですが、学者というとそうでもない人も多そうだから。

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    2019年03月14日
  • 日本史の探偵手帳

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    大好きな磯田先生が日本史探偵の手帳を公開するように江戸時代の隕石落下、美容整形の発祥とはなどを。歴史を暗記物から自己の判断材料に役立つよう学ぼうと。

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    2019年03月09日
  • 日本史の探偵手帳

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    歴史に名高い武田軍団であるとか、海道一の弓取りと言われた家康が、なぜ強かったのか。あるいは日本一の兵、真田幸村はどのようにその知性を高めたのか。古文書から読み解かれる日本の教育システムは刺激的だった。人がどう育てられたのか。どんな集団が強かったのか。まぁ、やっぱりどのように人を育てるというのは大事なんだね。

    後半、雑多な印象もあったけど、くノ一とか美容整形とか、歴史の流れ以外の場面も知ることができて面白かった。

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    2019年02月17日
  • 日本史の内幕 戦国女性の素顔から幕末・近代の謎まで

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    古文書から読み解く歴史のウンチク色々。
    埋蔵金から家康くんから大河ドラマから江戸の大火から、物凄く幅広く、物凄く雑学だ。もとい、博識だ。古文書の話をこんなに面白く書く人もいない。
    「武士の家計簿」とか「殿、利息でござる!」の原作者なのね。どうりで面白いはず。中公新書久々のあたりでした。

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    2019年02月01日
  • 無私の日本人

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    多分、小説の範疇

    映画タイトルのインパクトが大きすぎて思わず手にとったものの、積読になっておりました。
    小説の文体としてはいささかひっかかるところがないわけでもないのだが、素直な筆致で読み進んでしまう。

    淡々と描かれてゆく光景に、あるとき突然ぐっと胸を掴まれてしまう。喉がつまり、あふれるものを必死でこらえなければいけない。人々のなんの気ない行動に心揺さぶられる。

    積読にしておくにはもったいない作品でした。いや、もしかして今読んだからこそ良かったのかもしれませんが。

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    2019年01月20日
  • 日本史の探偵手帳

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    磯田の専門は、社会経済構造に注目する史学ということなので、資料を丹念にいっぱい集めて、それらの関係性を構築するというのがメインの手法なのだろう。
    その途上で行き当たったネタと、磯田が小さい頃から個人的に興味を持っていたテーマをかけ合わせて、人も驚く多様な視点で、歴史上の有名人物や「常識」を面白おかしく解説してくれるので、飽きない。
    また、アベノミクスと荻原重秀まで関係するので、読者層はますます広がりそうだ。

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    2019年01月12日
  • NHK英雄たちの選択 江戸無血開城の深層

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    特に目新しい新事実はないが、最新の情報でアップデートされた幕末本。西南戦争で鹿児島の判事が停戦要望を明治天皇へ出したという、新資料も掲載されているが天皇へは届かず事態への影響はまったくない。司馬遼太郎本を読んだあとに、小説から歴史の世界にもどるのに良いかも。

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    2018年12月30日
  • 天災から日本史を読みなおす 先人に学ぶ防災

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    ネタバレ

    第一、事前に家族で地震時にどうするか話し合っているかで生死が分かれる。第二、いちど逃げたら、忘れ物を取りに家に戻ってはならない 松林はかえって危険。巨大津波では松はすぐに根こそぎ抜けて流され、人や住宅に襲いかかるのだと言う

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    2018年12月30日
  • 天災から日本史を読みなおす 先人に学ぶ防災

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    歴史という学問が現代や未来をどのように生きていくかの羅針盤となるものだということを啓蒙する優れた著作。歴史好きな私としては主語が「天災」よりも「歴史」の方がよかったが、それにしても素晴らしい仕事だと感じました。

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    2018年12月28日
  • 素顔の西郷隆盛(新潮新書)

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    ネタバレ

    大河ドラマと一緒に、1年かけて少しずつ読んでみました。西郷がなぜこんなに愛されているか、とても面白く読ませてもらいました。

    傷のある金の玉(西郷)と、まったく傷のない銀の玉(大久保)という表現がぴったり!
    ドラマとともに楽しめました。

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    2018年12月28日
  • 明治維新で変わらなかった日本の核心

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     日本社会には律令政治から脈々と受け継いだ権威構造が保存されていて、それが近代化のための資源をスムーズに準備した、というのが本筋。たとえばサラリーマン根性的なものは江戸時代にはすでに始まっていた。領地はまとまってなくてバラバラだし、年貢米も直接受け取るのではなくいったん大名や幕府の蔵に入ったあと切米(給料)という形でもらうと。武士社会の残滓は、長くいる人が得をするだとか、意思決定の主体があいまいだとか、兼業を許さないとか、いろんなところにあると。
     発見の多い本なのだが、対談なのでいまいち焦点が絞り切れていないのが惜しいところ。

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    2018年12月09日
  • 天災から日本史を読みなおす 先人に学ぶ防災

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    NHK「英雄たちの選択」の司会をしている磯田先生、本でもテレビ同様に語りが熱いです。
    災害を研究するようになると、もう誰も災害で死んでほしくないと思うようになる、というのは自分にも経験がありますが、磯田さんもそんな思いがあるのでしょうな。

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    2018年11月18日
  • 殿様の通信簿(新潮文庫)

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    『武士の家計簿』の作者で歴史家の磯田道史さんは、様々な古文書をひもとき昔の人たちの生活をわかりやすく解説してくれる方です。本書『殿様の通信簿』は、元禄時代に編纂された書物をもとに、大名たちの知られざる素顔に迫るという趣向。

    冒頭、黄門様で有名な水戸光圀の悪所通いが紹介されます。大日本史の編纂など堅苦しいイメージの光圀が悪所通いとは!と驚くのですが、光圀の名誉のため、政治はおろそかにしなかったことも併せて示されています。磯田さんの見立ては、昔の大名は行動が制約され、唯一、人と自由に会えたのが当時のサロンだった遊郭で、そこへの出入りがほうぼう出歩くという評判となり、後年の黄門伝説につながったとい

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    2018年10月31日
  • 日本史の内幕 戦国女性の素顔から幕末・近代の謎まで

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    結局、磯田先生の「専門」というか、「志向」は「古文書」なんだなと。
    「古文書」が何かを調べる「手段」では無く、もはや古文書に触れるのが「目的」にすり替わってるんじゃね?ってのが感想。

    ああ、こんな薄っぺらい親書で「戦国女性の素顔から幕末・近代の謎まで」ってあるんだから、断片的で薄い記述しか無いのは事前に気付よ、俺(^^;

    まあ、箇所箇所にいろいろと示唆するモノが無いわけでは、無いけどな。

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    2019年09月14日
  • 素顔の西郷隆盛(新潮新書)

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    今年の大河ドラマの主人公の西郷隆盛。
    そのドラマ『西郷どん』で時代考証を担当している磯田道史さんが、様々な文献から西郷隆盛の人物像を掘り下げる。

    西郷は純粋すぎるからこれだと思ったらひたすらそれに向かって突き進む熱い男。 
    それゆえに人を惹きつけ魅了するが、事を成す為には手段を択ばないので周りには常に死の影が。

    そんな西郷の為人がどのように形成されていったのかに興味がある人におすすめ。

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    2018年10月02日