磯田道史のレビュー一覧
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西郷隆盛という人がいなかったら、今のこの国のかたちはなかったかもしれない。
しかしそのキャラクターは子供のように自然体すぎる。人にはない大きな愛と力を持ちながら、ときには全てをほりだして逃げ、脱力し、自然へと帰っていってしまう。
子供みたいな純真な側面がありながら、策謀をはじめるといくらで...続きを読むPosted by ブクログ -
司馬遼太郎の作品を振り返りながら、戦国時代、江戸時代、明治、大正の日本の歴史の流れを振り返る。それにより、司馬遼太郎が、昭和初期の軍部の独走と戦争への流れを、一連の歴史の中で起きるべくして起きたものと捉えていたことがわかる。
最近、よくテレビなどでも著者をみかけますが、きっちりと史実を押さえ、自分な...続きを読むPosted by ブクログ -
古文書から読み解く歴史のウンチク色々。
埋蔵金から家康くんから大河ドラマから江戸の大火から、物凄く幅広く、物凄く雑学だ。もとい、博識だ。古文書の話をこんなに面白く書く人もいない。
「武士の家計簿」とか「殿、利息でござる!」の原作者なのね。どうりで面白いはず。中公新書久々のあたりでした。Posted by ブクログ -
特に目新しい新事実はないが、最新の情報でアップデートされた幕末本。西南戦争で鹿児島の判事が停戦要望を明治天皇へ出したという、新資料も掲載されているが天皇へは届かず事態への影響はまったくない。司馬遼太郎本を読んだあとに、小説から歴史の世界にもどるのに良いかも。Posted by ブクログ
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第一、事前に家族で地震時にどうするか話し合っているかで生死が分かれる。第二、いちど逃げたら、忘れ物を取りに家に戻ってはならない 松林はかえって危険。巨大津波では松はすぐに根こそぎ抜けて流され、人や住宅に襲いかかるのだと言うPosted by ブクログ
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大河ドラマと一緒に、1年かけて少しずつ読んでみました。西郷がなぜこんなに愛されているか、とても面白く読ませてもらいました。
傷のある金の玉(西郷)と、まったく傷のない銀の玉(大久保)という表現がぴったり!
ドラマとともに楽しめました。Posted by ブクログ -
歴史という学問が現代や未来をどのように生きていくかの羅針盤となるものだということを啓蒙する優れた著作。歴史好きな私としては主語が「天災」よりも「歴史」の方がよかったが、それにしても素晴らしい仕事だと感じました。Posted by ブクログ
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日本社会には律令政治から脈々と受け継いだ権威構造が保存されていて、それが近代化のための資源をスムーズに準備した、というのが本筋。たとえばサラリーマン根性的なものは江戸時代にはすでに始まっていた。領地はまとまってなくてバラバラだし、年貢米も直接受け取るのではなくいったん大名や幕府の蔵に入ったあと切米...続きを読むPosted by ブクログ
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歴史の教科書には載らない幕末の武士一家の家計簿。当時の生活が手に取るようにわかり、磯田さんならではのユーモアを交えた解説で、とても面白かった。Posted by ブクログ
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大好きな火神の見方がとてもお気に入り。
国取り物語とか世に棲む日々とかも、また読みたくなってくる。
考えてみるとこういう仕事は大切。一度読んでいろいろインパクトを受けた作品は、再度読むとまた新しい何かを与えてくれるけど、常に積読がある自分が既に中身知ってる本に向かうには、それなりのきっかけが要る。...続きを読むPosted by ブクログ -
NHK「英雄たちの選択」の司会をしている磯田先生、本でもテレビ同様に語りが熱いです。
災害を研究するようになると、もう誰も災害で死んでほしくないと思うようになる、というのは自分にも経験がありますが、磯田さんもそんな思いがあるのでしょうな。Posted by ブクログ -
藤原氏が権力を持ち続けた理由を探る。他氏排斥と外戚化か。一千年に渡る藤原氏の存続で日本文化の重要な骨組みができたとも言える。Posted by ブクログ
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結局、磯田先生の「専門」というか、「志向」は「古文書」なんだなと。
「古文書」が何かを調べる「手段」では無く、もはや古文書に触れるのが「目的」にすり替わってるんじゃね?ってのが感想。
ああ、こんな薄っぺらい親書で「戦国女性の素顔から幕末・近代の謎まで」ってあるんだから、断片的で薄い記述しか無いのは...続きを読むPosted by ブクログ -
幕府体制でもない、宮廷体制でもない、新しい国家体制を作ることを選んだ明治の先駆者たちの中の一人、大久保利通は政府と一体となった官僚組織を創出することで日本の近代化を進めることが可能となった。Posted by ブクログ