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歴史には時代の流れを決定づけたターニングポイントがあり、それが起こった原因を探っていくことで「日本が来た道」が見えてくる。なぜ、明治期の日本は急速な近代化を実現できたのか。大日本帝国憲法発布(1889年)→明治十四年の政変(1881年)→内務省設立(1873年)→岩倉使節団の米欧派遣(1871年)の指導者の“信念”に裏打ちされた政策を見る。 ■著作権上の契約により、印刷版に掲載されている図版は、掲載しておりません。
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Posted by ブクログ
幕府体制でもない、宮廷体制でもない、新しい国家体制を作ることを選んだ明治の先駆者たちの中の一人、大久保利通は政府と一体となった官僚組織を創出することで日本の近代化を進めることが可能となった。
明治の近代化を「官僚」という視点を軸に書かれている。 日本の近代化を果たすのに大きな役割を担った近代官僚制。その発生には岩倉使節団に随員した大久保が見た、イギリスの官僚制度があり、さらにはドイツ宰相・ビスマルクの政治手腕にあったとしている。 また、明六政変を経て、殖産興業に重きをなす内務省設立、...続きを読む大久保の内務卿就任が近代官僚制の一つのポイントとされている(著者自身は、大久保政権は内務卿就任の翌年からと別書に記載)。 大久保は、自らが活躍した「創業期」(1868〜77)、次の10年を「建設期」(1878〜87)としている。 この「建設期」として、伊藤の立憲制の模索があてられている。 この時期に過熱する民権運動に対し、政府は官僚が主導する「上からの近代化」路線を確定する。この時期の官僚は専門分化していき、伊藤の下で憲法その他法案作成に関わる。 さらに、大日本国憲法により官僚の身分保障が規定され、ここに明治の官僚制度は確立したとする。 著者は、この時期の政治家と官僚の適度な関係を示しつつ、現在の両者の関係について苦言を呈している。 基本的に本書は、近代官僚制の有為性、それを確立した大久保卿内務省の意義に主眼がある。 著者が以前「一般書は、主張を縛られずに自由に書ける」とおっしゃられてました。 まさに、佐々木先生の主張が随所に読み取れる一冊。
大久保利通を中心に行われた、官僚主導による上からの国家建設を、肯定的に著述している。クールに国家建設に努力した官僚たちを、評価することは大事だなと思わせる一冊。官僚=悪の固定観念で、中身を見ない評価が蔓延している現代への筆者の提言なのでしょうな。
”大久保利通”万歳がちょっと気にかかるが、明治初めの国家において、 リーダーシップを持ち、時代の先を読める人材として。彼は 欠くことのできなかった人物であったことも確かだ。 この本のキーワードは、「大久保利通」と「官僚」。
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