納富信留のレビュー一覧

  • パイドン~魂について~

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    「このようなことを呪い歌のように自分自身に謳い聞かせる必要があり、それゆえに、私はもう長いこと物語(ミュートス)を語ってきたのである。」p.114

    「人間の言葉(ロゴス)は十全な真理に達するほど信頼できるものではありえない以上、哲学の探求は自己反省を加えながら、生ある限り続けられなければならない」p.313

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    2020年10月09日
  • 世界哲学史8 ──現代 グローバル時代の知

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    世界哲学史シリーズの最終巻。12月に別巻が出るらしいが、一応、本巻でおしまい。

    シリーズの掉尾を飾る第8巻では、「分析哲学の興亡」、「ヨーロッパの自意識と不安」、「ポストモダン、あるいはポスト構造主義の論理と倫理」「フェミニズムの思想と「女」をめぐる政治」、「哲学と批評」、さらには「現代イスラーム哲学」、「中国の現代哲学」、「日本哲学の連続性」、「アジアの中の日本」「現代アフリカ哲学」とさまざまな角度から「世界哲学」の現在的諸相が扱われている。それぞれ興味深い論考が並んでいたが、自分自身はやや消化不良気味。その中でもやはり日本をテーマにした第8、9章は興味深かった。

    全巻読み終わって、これ

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    2020年09月08日
  • 世界哲学史6 ──近代I 啓蒙と人間感情論

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    西欧中心となりがちな哲学を世界規模で、文明間での同時代的な関係(かならずしも影響関係ではない)をみながら、8冊でその歴史を辿ってみようというチャレンジングな企画の6冊目。時代は、「近代」になって、18世紀を中心とした話。

    最初の3巻くらいは、なるほどね〜、この問題って、今でも形を変えて、議論しているよね〜、と興味深く読んでいたのだが、4〜5巻になると議論が専門的になってくる感じがあって、「頑張ってお勉強のために読む」みたいな苦行になりつつあった。しかし、時代が「近代」にかわって、また視界がすっきり広がってきた感覚。

    18世紀になると、良くも悪くも、世界の中心は西欧+アメリカになる。資本主義

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    2020年06月16日
  • 世界哲学史3 ──中世I 超越と普遍に向けて

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    世界哲学史の3巻は「中世Ⅰ超越と普遍に向けて」のサブタイトルが付されている。全部で10章の構成。コラムが4つ。

    最初に「超越と普遍について」が手際よく概説されている。中世が古代に付け加えたものの1つが「超越」という論点であった。また「超越と往還は一体の問題なのである」(p.20)と指摘され、「極言すれば、中世において、人間は「旅人(viator)」であった」(同上)。そして、「人間が旅する者(viator)」であったことは、中世という文明の基本的ありかたを示している」(p.24)。

    同じく普遍について。中世という時代は、実体論を残しつつも、関係性や流動性を重んじ、聖霊が伝達の原理として中心

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    2020年05月09日
  • 世界哲学史1 ──古代I 知恵から愛知へ

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    「こんな時だからこそ先人の知恵に学ぼう!」というわけではないけれどもちくま新書から「初の」世界哲学史シリーズが刊行中ということで、シリーズの第1巻。第1巻は「古代1 知恵から愛知へ」。

    世界哲学という概念は、大学生時代にカール・ヤスパースの『歴史の起源と目標』やヘーゲルの『歴史哲学』などを読んでいる身にとっては意外とハードルが低かったが、本シリーズの目標は当然これらの西洋哲学者の「限界」を超えていこうとするところにある。

    第1巻は「哲学の誕生をめぐって」「古代西アジアにおける世界と魂」「旧約聖書とユダヤ教における世界と魂」「中国の諸子百家における世界と魂」「古代インドにおける世界と魂」とま

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    2020年04月11日
  • 世界哲学史3 ──中世I 超越と普遍に向けて

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    第1巻では、似ているところもあるものの、国ごとというか、地域ごとに別々に生まれてきた哲学が、第2巻ではすこし影響しあうところでてくる。第3巻にくると、文化圏間での相互影響関係がさらに高まってくる。

    とは言っても、まだまだ哲学は、文化圏ごとにそれぞれの発展の道を歩んでいる感じかな?

    この巻では、キリスト教関係の話が面白かったな。とくに、東方教会(ギリシャ正教)の発展が新鮮。なんだろう、ここでは身体性とか、神秘主義的なスピリチュアリティとのつながりが重視されている。この傾向は、カトリック的な世界では、しばしば出てくるものの、異端として弾圧された流れだな〜。

    自分のなかに神性があって、それを身

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    2020年03月17日
  • プラトンとの哲学 対話篇をよむ

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    プラトンの哲学はなく
    プラトンとの哲学のみがあると納富さんは説く。

    プラトン自身は対話篇には登場せず、
    もっぱらソクラテスとその他の人達によって対話は進む。


    プラトンはこういったニュアンスのことをソクラテスのセリフとして伝えている。
    「私の言うことを全て鵜呑みにするな」と。

    自分の頭で考えることの重要性、
    そこにこそ哲学の真価があるということをプラトンは伝えたかったのではないだろうか。


    たしかに、
    プラトンの本を読むと中期作品以降には答えが出てくる。
    だが、だからと言ってそれが正しいという答えをプラトンは伝えたかったわけではない。

    対話を通して、
    絶えず探究していくというこの「哲

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    2019年02月27日
  • プラトンとの哲学 対話篇をよむ

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    プラトンとの哲学 納富信留 岩波新書
    対話篇を読む

    プラトンもソクラテスも答えを用意して臨むわけでなく
    問い掛けによって自問自答を引き出そうとしていることに
    強く共感を覚える
    答え在りきの質問か一つの確かな答えを求めようとする
    数学的な学問と違い
    哲学や倫理学あるいは文学や音楽などには対話と
    自問自答のプロセスしかないということだ

    多分物理学や数学も現象面から距離を置くと
    具象的な枠を超えて抽象的な形のぼやけた答えに近づくのだろう
    究極の全体で見ればどの学問からスタートしたとしても
    この世の真理を目指している同じ方向に辿り着くはずだ

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    2018年01月19日
  • プラトンとの哲学 対話篇をよむ

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    プラトンの代表作を幾つか取り上げ、そのものよりもそこに根付くプラトンの意識というものを掘り出して対話するというスタイル。
    プラトンは、真の哲学者であったはずのソクラテスの刑死に対して生涯どうして起きたのかという不条理に対する疑問を持っていたと思われる。正義や真実に対して真摯に生きるということの価値を追求してこその人生だという結論に至るまでの対話を、著者とプラトン(仮想)と読者で行う。

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    2016年02月12日
  • プラトンとの哲学 対話篇をよむ

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    プラトンの主要な対話篇を取り上げながら、ニーチェ、カール・ポパーら近現代の批判を踏まえながら、プラトンとの対話を試みる実践の哲学の書。

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    2016年01月06日
  • 扉をひらく哲学 人生の鍵は古典のなかにある

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    いい本ではあります。それぞれの分野で文句のつけようのない優秀な研究者、解説者を集め普遍的な悩みに古典を援用し、大人が読めば感心するような回答を出しています。ただ、本書が目的としている、10代の読者に、古典の世界へと興味を持たせたい、読ませたいという点で見るとちょっと「大人視点」すぎるのではないかと思いました。

    どういうことかと言いますと、確かにそれぞれの思想の研究者が親との関係やなぜ生きるのかといったよくある悩みに、思想研究の観点からきれいに光を当てているのですが、きれいすぎて立派にすぎるのです。

    若い読者が哲学というものに興味を持つうえで、立派すぎて別の世界のように見える人たちの言葉がど

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    2026年01月29日
  • ソクラテスの弁明

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    死についてや、「無知」について考えることができた。
    自分がはっきり「知らない」という自覚を持つ場合にだけ、その知らない対象を「知ろう」とする動きが始まる。
    「知らないこと」を自覚していない状態こそが、最悪の恥ずべきあり方であった。

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    2025年12月09日
  • 哲学史入門Ⅰ  古代ギリシアからルネサンスまで

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    哲学の起源であるギリシア哲学(紀元前6世紀〜6世紀)から中世(5世紀〜15世紀)を経て、世間的には軽視されがちなルネサンス時代の哲学(14世紀〜16世紀)までの歴史を主要な登場人物とその主張を、現代の研究家と対話形式で辿りながら読み進められる入門書です。

    対話形式という形を取っているのと、丁寧に説明してくれているので非常に読みやすく面白かったです。(当然一読程度では理解出来ませんでしたが…)

    読んでいていつの時代の哲学者達も古典(この場合はギリシア哲学)に立ち返ることを必須としていて、それがさらに進むと現代の私達も古典から学べることは多いということなんだろうなと感じました。

    さすがに私達

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    2025年11月24日
  • ことばの危機 大学入試改革・教育政策を問う

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    コミュニケーションは本来わからないものである。意味だけでなく、社会、時代背景なども、含む、ことば観は今後胸に留めておこうと思う。

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    2025年10月15日
  • ソクラテスの弁明

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    ソクラテスだよと思ってたらソクラテスについてプラトンが書いたなんと創作物みたいなやつだった!だからこれは実質プラトンかも!!!

    濡れ衣着せられたソクラテスですが結局死刑になっちまったよ〜な話 書いてるのは弟子のプラトンね。ソクラテスを陥れた奴は結局何かを得れたのかな。

    自分はそんなことしてないけど、あれこれ言い訳すんのもアレだし、己を貫き通して死にすら殉じるぜ!みたいなのよくこの界隈で見る気がする。己の矜持や誇りがすごくて、かっこいい生き様ってこういうのを言うんだろうな〜と思ったりした。私もこうなりたい!

    あとびっくりしたんだけどプラトンとソクラテスってめちゃ歳が離れてるんだね。
    プラト

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    2025年09月16日
  • ソクラテスの弁明

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    この本を読んでいるあいだ、私はまるで紀元前のアテナイにいて、法廷の片隅からソクラテスの言葉を傍聴しているような気持ちになった。論理や言葉の力で彼が人々に語りかける姿に引き込まれ、ページをめくる手が止まらなかった。

    解説を読みながらでなければ理解できない部分もあったが、それでも彼の思想の核は強く響いてきた。とくに印象に残ったのは、「知らないことを恐れる必要があるのか?」という問い。人は死を恐れるが、それは“死”を知らないからであって、本当に恐れるべきことなのか? もしかしたら、死は良きものかもしれない――そんな風に、未知を恐れずに、自らの信念に従って生き抜く姿勢に心を揺さぶられた。

    ただの哲

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    2025年07月18日
  • ソクラテスの弁明

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    有名すぎる本作、ようやく手に取って読破。
    無知と不知の違いについては目から鱗だった。日常において、知らないことを知らないと自覚する事は、実は現代人の私たちも大多数が出来ていないように感じる。
    インターネットが普及し簡単に事物を調べられるからこそ、この本の価値が増しているように思う。

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    2025年07月15日
  • 哲学史入門Ⅰ  古代ギリシアからルネサンスまで

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    とても読みやすくて面白いです!
    個人的に納富信留さんのソクラテスの「不知の自覚」の解説の部分(75p)は特に興味深く納得しました。
    哲学の歴史をざっとおさらいできてオススメです。
    IIとIIIも読みたいと思います。

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    2025年05月09日
  • ソクラテスの弁明

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    別の書籍で取り上げられており、以前から読みたかった本。少し背伸びして読みましたが、解説も丁寧になされているので、思っていたよりは読みやすい。知を追求することの本質が書かれていて、もう少し理解を深めたいと感じた。

    プラトンの別作品も読んでみようと思っています。

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    2025年04月17日
  • 哲学史入門Ⅰ  古代ギリシアからルネサンスまで

    購入済み

    他の哲学史の本などには書いていない、先生方独自の解釈なども紹介してくれており、とても為になると感じました。
    次の巻なども読みたいです。

    #タメになる #深い

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    2025年04月10日