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ソクラテスを中心に、数々の登場人物がことばを交わし、思索を深めていくプラトンの対話篇。「君はこの問いにどう答えるか?」作品の背後から、プラトンがそう語りかけてくる。『ソクラテスの弁明』『ポリテイア』『饗宴』などの代表作品を読み考えながら、プラトンの問いと対峙する。二千年の時を超え、今も息づく哲学の世界へ。
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Posted by ブクログ
プラトンの哲学はなく プラトンとの哲学のみがあると納富さんは説く。 プラトン自身は対話篇には登場せず、 もっぱらソクラテスとその他の人達によって対話は進む。 プラトンはこういったニュアンスのことをソクラテスのセリフとして伝えている。 「私の言うことを全て鵜呑みにするな」と。 自分の頭で考える...続きを読むことの重要性、 そこにこそ哲学の真価があるということをプラトンは伝えたかったのではないだろうか。 たしかに、 プラトンの本を読むと中期作品以降には答えが出てくる。 だが、だからと言ってそれが正しいという答えをプラトンは伝えたかったわけではない。 対話を通して、 絶えず探究していくというこの「哲学」するという姿勢を伝えたかったのではなかろうか。 ゆえに、 弟子アリストテレスもイデア論を否定し形而上学を打ち出し、 ニーチェも神や哲学を否定し超人を打ち出す。 まさに アリストテレスやそれに続くものたちは、 プラトンを批判しながらプラトンの教えに真の意味で忠実だったのではないか。 そこような所感。
プラトンとの哲学 納富信留 岩波新書 対話篇を読む プラトンもソクラテスも答えを用意して臨むわけでなく 問い掛けによって自問自答を引き出そうとしていることに 強く共感を覚える 答え在りきの質問か一つの確かな答えを求めようとする 数学的な学問と違い 哲学や倫理学あるいは文学や音楽などには対話と 自問...続きを読む自答のプロセスしかないということだ 多分物理学や数学も現象面から距離を置くと 具象的な枠を超えて抽象的な形のぼやけた答えに近づくのだろう 究極の全体で見ればどの学問からスタートしたとしても この世の真理を目指している同じ方向に辿り着くはずだ
プラトンの代表作を幾つか取り上げ、そのものよりもそこに根付くプラトンの意識というものを掘り出して対話するというスタイル。 プラトンは、真の哲学者であったはずのソクラテスの刑死に対して生涯どうして起きたのかという不条理に対する疑問を持っていたと思われる。正義や真実に対して真摯に生きるということの価値を...続きを読む追求してこその人生だという結論に至るまでの対話を、著者とプラトン(仮想)と読者で行う。
プラトンの主要な対話篇を取り上げながら、ニーチェ、カール・ポパーら近現代の批判を踏まえながら、プラトンとの対話を試みる実践の哲学の書。
プラトンなら何と言うか、何とこたえるか?と言う観点からプラトンとソクラテスの哲学を論じる。ディアロゴスのプラトンにぴったりのアプローチではないだろうか。 現代の思想や哲学はプラトンの哲学の上に層をなして積み上げられており、プラトンなどを今更引き合いにしても意味がないように思う人もいるかも知れないが、...続きを読む「プラントンなら今の世界について、自分の考えについて何て批判するんだろう?」と仮想プラトンと対話することでむしろ逆に新鮮な答えを得られるような気がしてきた。 プラトンの本は実は『ソクラテスの弁明』くらいしかちゃんと読んでなかったけれど、他も読んでおくべきだと思った。この世界はプラトンの上にできているのだから。 ところで、岩波新書は最後のページに『岩波新書新赤版1000点に際して』という文章が載っている。読んでいない人も多いと思うがぜひ一度は読んでほしい。学ぶことの大切さを身に染みて知らされると思う。本文を読まなくてもいいけれどここだけでも読んでほしいと思う文が書かれている。あと、岩波文庫の最後のページも熱いです。
この本はプラトンの哲学ではなく、プラトンとの哲学である。プラトンからの問いかけにどのように答えるか。それを考えることで、その時哲学が始まる(らしい)。スーッと読めるけど、真摯に「善いとは」、「美とは」、「善き生きる」とは、と思考するのはなかなか骨である。対話篇が家の本棚でほこりを被っているので、また...続きを読む取り出してみよう。
「プラトンとの哲学」と題された独特なプラトン哲学の概説書。もとより、内容は『ソフィストとは何か』などでも扱われたテーマと重なるところも多く、専門書といって差し支えない。このようなタイトルになっている理由は、冒頭12頁から16頁にかけて説明されている。すなわち、著者プラトンが不在であり、そのため提示さ...続きを読むれる対話から何事かを読みとかなくてはいけないという対話篇の特徴からして、「プラトンの哲学」ではなく「プラトンとの哲学」が相応しいというのである。そのような前提のもと、著者がしばしばプラトンに対して語りかけるという独特のスタイルが取られている。つまり、「プラトンとの哲学」がこの本の中でも上演されている。 主として取り上げられる対話篇は『ゴルギアス』、『弁明』、『パイドン』、『饗宴』、『国家』、『ティマイオス』、『ソフィスト』であり、「いかに生きるべきか」という根本的問題から、プラトン的宇宙論まで、大きなテーマが次々と扱われている。プラトンのテキストにこれからあたろうとしている人にとって、道標として非常に役に立つのではないだろうか。
6章宇宙の想像力で頭がこんがらがって挫折してしまった。 著者が読者の方を向かずにプラトンさんと対話しているので、あまりプラトンさんのことをわかっていない読者である私は置いてけぼりをくらって寂しかったのも挫折要因の一つ。自分の考える能力、読解能力の低さに気づけたのでもう少し哲学の世界に慣れてから出...続きを読む直したい。
哲学の本にしては妙に情緒的で、特に倫理を論じるところなんかすごい飛躍を感じた。 が、最後の辺りはちょっと感動的でもある。
「さん」と呼びかけてたのは対話が目的だったんですね。難しいはずの哲学をわかりやすく、わかりやすく解説しています。
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