世界哲学史3 ──中世I 超越と普遍に向けて

世界哲学史3 ──中世I 超越と普遍に向けて

7世紀から12世紀まで、ヨーロッパでいう中世の前半は地中海の古典・古代文化がヨーロッパ各地に広がり、イスラームが成立して急速な広がりを見せた。中国やインドでも高度な形而上学が発展し、日本でも空海のような宇宙規模の形而上学が構想された。民族の大移動が始まり、諸帝国が成立すると文化が特定の地域に閉じこもらず、広がりを見せていった。こうした時代の諸伝統における多様な哲学を、「超越」と「普遍」をテーマとして設定し、相互の関連を重視しつつ論じる。

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世界哲学史 のシリーズ作品

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1~9件目 / 9件
  • 世界哲学史1 ──古代I 知恵から愛知へ
    880円 (税込)
    古代から現代まで世界哲学史を一望に収める八巻シリーズ。第一巻では、哲学が成立した古代の最初期を扱い「知恵から愛知へ」という副題のもと、人類が文明の始まりにおいて世界と魂をどう考えたのかを探究する。文明が発生した古代オリエントに始まり、旧約聖書とユダヤ教の世界、ヤスパースが「枢軸の時代」と呼んだ古代の中国とインドとギリシアで思想が展開された紀元前二世紀までに見ていき、最後にギリシアとインドの接点を探る。新しい哲学の可能性を広げる旅へと読者を誘う。
  • 世界哲学史2 ──古代II 世界哲学の成立と展開
    825円 (税込)
    「善悪と超越」をテーマに、主に善悪の規範となった宗教的思索の起源と、超越的なものへのまなざしについて、文化的諸伝統を横断しつつ考察。キリスト教を古代哲学の文脈で正面から論じ、仏教や儒教を「思想史」ではなく哲学史の観点から検討する。さらに従来は哲学として扱われてこなかったゾロアスター教やマニ教、古代末の東方教父・ラテン教父哲学までを含め、宗教の形でこれまで扱われてきた超越的思考を、哲学史として、各地域の諸伝統を有機的連関において論じていく。
  • 世界哲学史3 ──中世I 超越と普遍に向けて
    825円 (税込)
    7世紀から12世紀まで、ヨーロッパでいう中世の前半は地中海の古典・古代文化がヨーロッパ各地に広がり、イスラームが成立して急速な広がりを見せた。中国やインドでも高度な形而上学が発展し、日本でも空海のような宇宙規模の形而上学が構想された。民族の大移動が始まり、諸帝国が成立すると文化が特定の地域に閉じこもらず、広がりを見せていった。こうした時代の諸伝統における多様な哲学を、「超越」と「普遍」をテーマとして設定し、相互の関連を重視しつつ論じる。
  • 世界哲学史4 ──中世II 個人の覚醒
    825円 (税込)
    13世紀、ヨーロッパは都市の発達、商業の成長、教育と大学の充実など様々な面で大きな発展を遂げ、世界史の舞台の中心へと歩を進めた。一方でモンゴル帝国がユーラシア大陸を横断的に征服したことで、世界は一体化へと向かっていった。その中で、世界哲学はいかに展開したのか。ユーラシア大陸の両端に現れた鎌倉仏教と托鉢修道会の運動など、超越的なものへの受動的な服従に還元できない個人の覚醒のありようを、同時代の諸文化の影響関係を視野に入れながら考察していく。
  • 世界哲学史5 ──中世III バロックの哲学
    880円 (税込)
    ルネサンスこそ「世界と人間の発見」の時代であり、古代の「再生」であったとされて久しい。だが本当にそうだろうか。スコラ哲学の伝統を受容し、壮麗なる体系を構成したスアレスの哲学にも明らかなように、スペインのバロックは、中世の終わりというより、むしろ中世を完成し近代を準備したと言える。近代西洋思想は、イスラームの影響を受けたスコラ哲学によっていかに準備され、世界へと伝播していったのだろうか。中国・朝鮮・日本までを視野に入れて多角的に論じていく。
  • 世界哲学史6 ──近代I 啓蒙と人間感情論
    880円 (税込)
    西洋における啓蒙主義は、基本的に科学的合理性への信頼を下敷きにしていたものの、同時に、理性に対する過度の信頼によって生じる人間性の軽視を問題視していた。啓蒙の光と影、理性と感情の問題を明らかにしつつ、「光」としての啓蒙運動が、人間性の復活という目標をもっていたこと、そしてそれがアメリカ、さらに東洋へと伝わって感情論を軸にした人間論に強い共鳴現象を起こしたことを、主に一八世紀を舞台とする東西の思想の具体例とその交流の歴史から浮き彫りにする。
  • 世界哲学史7 ──近代II 自由と歴史的発展
    880円 (税込)
    一九世紀は哲学的には、社会の支配に対する人間の自由をどのように確保するかが模索された時代であった。思想的な旧制度からの自らの解放を求めた自由の哲学は、世界的なうねりとなり、異文化への対抗、伝統的な桎梏からの離脱などを目指して展開された。ドイツとフランス、イギリスとアメリカ、インドと日本などの地域に目を配りながら、そのうねりを作り出したさまざまな要素に改めて光を当て、近代から現代への移行期における、自由の意味についての哲学的探究を俯瞰する。
  • 世界哲学史8 ──現代 グローバル時代の知
    880円 (税込)
    西洋の近代哲学の礎石だったはずの理性が戦争や分断をもたらした20世紀。そしていま、新たな全体主義化と分断の危機が世界に迫っている。危機を乗り越えるには、理性が他者として周辺化してきたものは何か、人間中心主義的な理解が抑圧してきた生とは何かを世界哲学によって問いなおし、人間を再定義しなければならない。西洋の現代哲学やポストモダン哲学、ジェンダー思想や批評、そしてイスラーム、中国、日本、アフリカなどの哲学を一望し、グローバル時代の知を追究する。
  • 世界哲学史 別巻
    1,100円 (税込)
    『世界哲学史』全八巻では、古代から現代までの哲学史を総勢102名の知を結集して叙述してきた。それを踏まえてこの別巻では、まず編集委員が全8巻で明らかになった論点を検証し、論じ尽くされていない課題を明らかにする。さらに追究すべき非西洋の哲学や、宗教思想と哲学の間の問題、西洋哲学自体で見過ごされてきた論点などの残された課題を、編集委員と13人の専門研究者で考察していく。哲学の未来に向けての課題を幅広く論じる、『世界哲学史』のシリーズ総決算。

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世界哲学史3 ──中世I 超越と普遍に向けて のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2022年05月11日

    第1章 普遍と超越への知
    第2章 東方神学の系譜
    第3章 教父哲学と修道院
    第4章 存在の問題と中世論理学
    第5章 自由学芸と文法学
    第6章 イスラームにおける正統と異端
    第7章 ギリシア哲学の伝統と継承
    第8章 仏教・道教・儒教
    第9章 インドの形而上学
    第10章 日本密教の世界観

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    Posted by ブクログ 2022年04月16日

    世界哲学は中世に突入した。副題に『超越と普遍に向けて』とあるが、主役は西洋ではなく東洋である。

    東洋哲学は500年から1000年、西洋哲学を先行していると言っても過言ではない。インドでは6世紀にはバラモン教と仏教の間で普遍論争が繰り広げられる。また、日本では空海がソシュールの言語論を先取りし、それ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年05月09日

    世界哲学史の3巻は「中世Ⅰ超越と普遍に向けて」のサブタイトルが付されている。全部で10章の構成。コラムが4つ。

    最初に「超越と普遍について」が手際よく概説されている。中世が古代に付け加えたものの1つが「超越」という論点であった。また「超越と往還は一体の問題なのである」(p.20)と指摘され、「極言...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年03月17日

    第1巻では、似ているところもあるものの、国ごとというか、地域ごとに別々に生まれてきた哲学が、第2巻ではすこし影響しあうところでてくる。第3巻にくると、文化圏間での相互影響関係がさらに高まってくる。

    とは言っても、まだまだ哲学は、文化圏ごとにそれぞれの発展の道を歩んでいる感じかな?

    この巻では、キ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年10月27日

    中世Ⅰ

    古代で3つの枢軸であった3つの文化がついにユーラシア大陸の両端に達するのが中世である

    冒頭に世界哲学史として、中世の特徴を俯瞰する
    ①民族の大規模な移動と侵入が世界を動かした時代(旅人の時代といっている)
    ②古典を形成するのではなく、古典を継承し、それに対する註解を蓄積する時代。
    ③思想...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2020年09月29日

    初めて知ることが多い。しかし、それらの知識が私の既存の知識に的確に布置されていっていることも感じながらの読書であった。博識は力である。井の中の蛙となって、自らの世界だけが一番と思ってはいけない。特に思想・哲学では。

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