・数学と哲学:ここに挿入されていることは違和感を感じる。いわゆる、「アーベル-ルフィニの定理」(5以上の任意の整数 n に対して、一般の n 次方程式を代数的に解く方法は存在しない)と、代数学の基本定理(次数が 1 以上の任意の複素係数一変数多項式には複素根が存在する)がでてくる。ラグランジュ⇒ガウス⇒アーベル⇒ガロアへの代数学の発展の系譜である。
さらに、アーベルールフィニの定理を証明するために発展した数学的概念として、関数解析、群論、それに続く、幾何学、解析学への応用としての、リー群、エルランゲンプログラム(学ぶべき幾何学の目録、射影幾何学、双曲幾何学、楕円幾何学など)が紹介されている。
・解析関数論に続いて、リーマンの業績が紹介される。リーマン面、楕円曲線、局面幾何学(=微分幾何学)、位相、多様体。集合論、群・環・体などが続いて紹介されていく。
・19世紀の数学は、概念記法、記号論理学などと相まって、厳格な公理化、形式化が施されていき、代数学、幾何学、解析学を複雑にからみあう包括的なアプローチがなされていく。