【感想・ネタバレ】哲学史入門Ⅰ  古代ギリシアからルネサンスまでのレビュー

あらすじ

第一人者が「核心」と「面白さ」を論じ尽くす!

日本における哲学の泰斗が集結し、全3巻で西洋哲学史の大きな見取り図を示す! 第1巻は、近代以降の哲学を理解するうえでも必須の古代ギリシアからルネサンスまで。哲学という営みはいかに誕生し、受け継がれていったか。主要哲学者の思想をもとに、この時代の哲学の重要論点とダイナミックな流れを浮かび上がらせる。ゼロからの学び方、いま学ぶことの意義・効用まで――、「聞き書き」によって哲学史の「核心」と「面白さ」に迫る。ありそうでなかった決定版の入門シリーズが誕生!

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Posted by ブクログ

 大学生の時、留学も視野に入れて、というより日本語の哲学研究書があまりにも難しくて、よくPodcastを聞いていた。それはナイジェル・ウォーバートンのPhilosophy Bites(哲学の齧り)であった。ひとつ15分ほどの番組で、ある主題についてウォーバートンのインタビューで第一人者が最前線の研究を語りながら聞き手を案内する充実した内容で、いまも続いている。本書は編者あとがきで言及されているように、その日本語版といった趣のある哲学史入門である。
 本書のインタビュー形式であるからこその臨場感は、全ての読者を哲学史のいわば「急所」へと招くものである。従来の哲学入門や哲学史入門で、わかるようなわからないようなつかみどころのない思いをしたことはないだろうか。本書はそういった人に向けて書かれている。研究書をいきなり読んでもなかなか見えてこない隙間が実に手際よく埋められていくのが壮快な一冊である。
 開口を飾る千葉雅也氏の哲学史を学ぶことについてのインタビューでは、哲学史を学ぶことが哲学そのものであることがありありと語られる。古代をめぐる納富信留氏との対話では、氏の著書で語られるところの「不知の自覚」「ソフィストとは何者か」、そしてパルメニデスの衝撃がこれ以上なくくっきりと提示される。中世の山内志朗氏との回では、この時代について懐かれがちなわかりにくさが、実に明快な仕方で解きほぐされていく。そして最後に控えているルネサンスについての伊藤博明氏との回では、中世同様に等閑視されがちなこの時代を代表する人々が、如何に幅広い関心のもとに思索を重ね、それが陰に陽に私たちの思想的風景に影響を及ぼしているのかをうかがわせる。
 全編を通して実に生き生きと語られる哲学史は、読者が知りたいことを聞いてくれる編者である斎藤哲也氏の軽妙な問いかけによって立体的なものとなっている。「無知の知」という言葉の誤解を解くなかで語られる無知(アマティア)が思いこみであるという指摘は核心を突くものである。また、中世においてアラビア経由で現存のアリストテレス著作の大半が西洋に受け入れられ、そしてルネサンスにビザンツ経由でプラトンの全体像が受容される過程などは、読者がまさに知りたいことであろう。しかし、その全体像として受け入れられたものからこぼれているもの(例えば詩学や政治学)が後に、さらに現代の解釈学へと繋がっていくことをも予想させる。
 ここまで読んでくださった読者は、それでは哲学に既に関心がある人のための本であるかと思ってしまうかもしれない。しかし、Philosophy Bitesがそうであったように、ここで語られる哲学史は哲学そのものが何であるかを時代時代に明らかにするものであるので、純粋に哲学入門としてもおすすめできるのである。実に痒いところに手が届く、画期的な哲学(史)入門である。

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2025年12月08日

Posted by ブクログ

口語体で書かれている哲学入門書
表現はわかりやすいもののやはり哲学史自体の難しさによって内容は難しいなと思う

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2025年01月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

哲学史シリーズの第1巻ということでギリシア哲学からルネサンス哲学までを説明している。中世哲学やルネサンス期の哲学はとっつきにくいと思っていたが、インタビュー形式により対話の中で各時代の代表的な哲学者の「つかみ」をうまく説明している。
ソクラテスの「無知の知」は誤訳で「不知の自覚」が正しいという説明には納得がいったし、読者の興味を引き出すようによく工夫されている。
ブックガイドもついているので、興味を持った時代の哲学や哲学者があれば、さらに読み進めることができる。初心者にやさしい本である。

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2024年12月25日

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章の最初にイントロダクションがあって注目ポイントがわかるのと、聞き書きのインタビュー形式なのとで、とてもわかりやすいです。

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2024年05月07日

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哲学の起源であるギリシア哲学(紀元前6世紀〜6世紀)から中世(5世紀〜15世紀)を経て、世間的には軽視されがちなルネサンス時代の哲学(14世紀〜16世紀)までの歴史を主要な登場人物とその主張を、現代の研究家と対話形式で辿りながら読み進められる入門書です。

対話形式という形を取っているのと、丁寧に説明してくれているので非常に読みやすく面白かったです。(当然一読程度では理解出来ませんでしたが…)

読んでいていつの時代の哲学者達も古典(この場合はギリシア哲学)に立ち返ることを必須としていて、それがさらに進むと現代の私達も古典から学べることは多いということなんだろうなと感じました。

さすがに私達がギリシア哲学まで立ち返る必要は少ないかもしれませんが、、、

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2025年11月24日

Posted by ブクログ

とても読みやすくて面白いです!
個人的に納富信留さんのソクラテスの「不知の自覚」の解説の部分(75p)は特に興味深く納得しました。
哲学の歴史をざっとおさらいできてオススメです。
IIとIIIも読みたいと思います。

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2025年05月09日

購入済み

他の哲学史の本などには書いていない、先生方独自の解釈なども紹介してくれており、とても為になると感じました。
次の巻なども読みたいです。

#深い #タメになる

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2025年04月10日

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なんとなく有名な哲学者は聞いたことがある、程度の初心者でも理解できた。
哲学の歴史と世界の歴史を踏まえてこの思想はこの思想から影響を受けている、というのが非常にわかりやすい。
超入門として非常にいいのではないかと思った。

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2025年02月16日

Posted by ブクログ

従来のものと違いインタビューからの聞き書き哲学史で、読みやすいけども取り扱われる時代の要点は逃さずに精細さも取っているのが素晴らしいと思った
それぞれの分野の日本における第一人者ならではの、彼らの研究の経緯と云ったようなのも見れて面白かった
「西洋哲学はプラトンの注釈である」という言葉の通り、しかも時代がまだ近いからかプラトンの影響をもろに受けた時代だから、彼の哲学をしっかり理解しなきゃ全く理解できないので、納富さんがプラトンやその他古代ギリシアの哲学についてとても分かりやすいし深く解説してくれてありがたかった

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2025年01月02日

Posted by ブクログ

古代ギリシアはついていける。納富さんはソクラテスの弁明を翻訳した方だったので見覚えあり、しかし、中世哲学、ルネサンス哲学をちゃんと読むのはほとんど初めてだった。とても理解できたと思えないけど、存在と本質、キリスト教との関係は頭の体操のようで面白い。

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2024年11月24日

Posted by ブクログ

学者へのインタビュー形式というのが面白かった。
古代ギリシャの話に関しては、改めて勉強になることがあった。
中世は難しい。歴史的経緯はなんとなくわかって来たが肝心の思想や哲学についてはどうも腑に落ちなかった。

各先生オススメのブックガイドがついているのが良かった。
これを参考にして興味のある年代を深掘りしようと思う。

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2024年11月22日

Posted by ブクログ

 「哲学の名著50冊が1冊で学べる」という本を読んだのだが、どうもマスターした気になれないので本屋で平積みされていた本書を読むことにした。古代ギリシャ哲学についてはとてもわかりやすく面白かったが、中世からルネサンスに進むにつれけっこうキツくなってきました。
 この第1巻はとても良い本だと思います。現在第2巻を読んでいるのですが、カントがキツイです。共著本を読んでいつも思うのですが、やはりわかり辛い点が出てくるので、一人の著者が書いた本の方がいい。カント哲学をわかりやすく書いた本はないのかい、超越論的とか定言命法とかもっとやさしく書けないのかねぇ。

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2024年06月30日

Posted by ブクログ

わかりやすかった。哲学史は今まで勉強してきてなかったが、本文に入る前の事前知識のページである程度理解してから読めるのでマジおすすめ。

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2024年06月21日

Posted by ブクログ

古代-中世はあまり触れてこなかったので、新鮮な読書でした。

しかし、アリストテレスとプラトンの間で揺り戻しが頻繁に起きたり、そもそも中世の哲学者はプラトンやアリストテレスを基礎に置き発展させるという取り組みに注力している印象を受け、どんだけ偉大なんだよ!という畏敬の念を禁じ得ません。

概論をサラッとさらうことができましたので、個別のテーマは参考文献で深ぼっていこうという意気込み。三部作とのことで、早々に第二部へと移ろうか。

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2024年06月18日

Posted by ブクログ

ところどころ面白いのだが(千葉雅也さんとか、納富さんの「三角形のイデアは〜」とか)、これって結局、高校で倫理やってないとその面白さがわからないんじゃないのかなぁ、と思ってしまう。教科書の教えない歴史を面白がるには、教科書にあるような「正史」を知らないといけない、みたいな。一般的な哲学史を知っていれば「メウロコ」のところも多い。その点、読者を選んでしまうかもしれない。

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2024年04月15日

Posted by ブクログ

入門書ではないと思う。初学者にはついていけないと思うので注意。本書はある程度哲学を学んだ後に、それぞれインタビューで語られてる哲学者の方々の専門分野について、深掘りしたいときに読むべき本であると感じた。
面白い部分もあったが、過去学んだことがある哲学史について復習したい気持ちで本書を手に取ったので求めていたものと違った。また、難しいところも多かった。

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2025年11月19日

Posted by ブクログ

哲学史を扱う時点でその試みは挑戦的ではあるが、登場する研究者の専門に少し偏った説明となっている印象。そのため、入門書とはなかなか言いにくいとは思う。

本書においては、通読するというより、ちょっと気になったところだけ拾い読みするような付き合い方がいいと思った。

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2025年10月13日

Posted by ブクログ

対話形式で読みやすく、他の哲学書にありがちな何を言っているのかさっぱりわからない、といったことは少ない。
ただ入門というには少しレベルが高く、ある程度の事前知識が必要に思える。教科書にざっと目を通してなんとなく全体を知っているレベルで読むと理解が深まるかもしれない。

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2025年05月05日

Posted by ブクログ

2025.03.21 ギリシャはともかく、中世やルネッサンスはあまり読んだことがなく、改めて領域が広がった。

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2025年03月21日

Posted by ブクログ

倫理習ってないからなのか、読解力が無いからなのか、はたまた哲学を学ぶ最初の一冊目だったからなのかはわからないが、理解し辛かった。

しっかり基礎から、学んでから読めばこの本の面白さはきっと分かると思う。

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2024年12月28日

Posted by ブクログ

インタビュー形式で哲学史の大枠を掴むといった感じで、入門の入門といったところ。

哲学をかじった人からすれば色々言いたい事もあるだろうけど、素人には丁度良いんじゃないかと思いました。

やっぱり哲学は積み重なった思考の歴史を知らないと理解出来ないので、おおまかに流れを理解するには良い。またインタビュー形式が感情が伝わるのでとにかく読みやすかった。

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2024年12月16日

Posted by ブクログ

まったく哲学に触れず、倫理の授業も受けずにきた人間が、ちょっとした興味本位で読むには予備知識が足りなかった。
各章に、イントロダクションを設けてくれてはいるけれど、そもそも本編に入ると忘れてしまう。イントロダクションに戻りながら本編を読んで、を繰り返すうちに、神の存在証明とか、もういいかとなってくる
トマスモアのユートピアも、絶賛積読中!

だけど、第二巻も読みます。
とりあえず。

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2024年10月04日

Posted by ブクログ

専門家が一般向けに、専門の時代ごとに面白いところを語るもの。
言葉はかなり優しい言葉を使っているが、それぞれの哲人を全く知らない状態で読むと、面白さは半減すると思う。
高校倫理等で、広く浅く西洋哲学史を学んだ人にとっては面白い本だと思う。

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2024年07月31日

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