納富信留のレビュー一覧
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中世Ⅲ バロックの哲学
本書は、14世紀から17世紀の哲学の展開を扱っています
この時代は、人類史上から見て1つの激動の時代であった。
大航海時代、活版印刷の発明普及、宗教改革、ルネサンス。宗教改革以降は、大学教育の大衆化とも相まって、哲学の世俗化、宗教からの隷属からの脱却が進んだ。
14世紀は、ペストの時代、ローマ教皇庁の凋落、15世紀は、ルネサンス、16世紀は、宗教改革と、大航海時代、17世紀は、バロックと、合理主義、哲学から科学が分離して発展していく。
デカルトはスコラ哲学の膨大な遺産を大量に保有し、その概念群を継承し、ライプニッツに引き継いだ。ライプニッツは、微分積分学を含めて、哲 -
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中世Ⅱ 個人の覚醒
本書は、12,13世紀の中世に光を当てる
「12世紀ルネサンス」という言葉があるこの時代は英雄譚や騎士道精神が誕生し、ヨーロッパのアイデンティティがしていく時代。
都市の発展、商業の成長、教育と大学の発達なヨーロッパは様々な面から大規模な発展を遂げていく。
自らが聖書をよみ、人々が個人に目覚めていく時代、哲学は、個人の救済という問題に向き合うようになっていく。
気になったことは次です。
・16世紀のルターらの宗教改革は、実は第2ステップであった。その原点は、15世紀にチェコがおきたフスの宗教改革だ。個人が聖書に向き合うための準備をしたのがこの時代だった。
・トマス -
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古代Ⅱ
紀元前1世紀から紀元後6世紀までの古代を俯瞰するのが本巻です。
わかりにくい、行ったり来たりしたり、章の中でも段落間の関係が不明瞭
気になった言葉は次です。
・西洋の古代は、西ローマ帝国の滅亡までであるが、中国、インドには、明瞭な歴史区分はない。
・学園アカデメイヤをつくったのは、プラトンから始まる。
・一民族、一地域を超えた広まった宗教を世界宗教とよぶ。それはどちらかというと、教義に普遍性というよりも、経典の翻訳といった観点から考えるのが望ましい。
・ローマの哲学者の初期の、中核はキケロである、キケロは懐疑派の一員として、ギリシア哲学かラテン語化を促進した
・ローマ哲学者の代表は -
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古代Ⅰ
世界哲学とは、西洋哲学を包含し、世界の知的営為を俯瞰する、試みであり、日本が打ち出した理念である。
ナチスの台頭により、分断された世界に絶望したヤスバースは、哲学的自伝において、世界哲学へと進んでいく。それを継承したのが、日本の世界哲学である。
気になった言葉は次の通りです。
・枢軸の時代、中国、インド、メソポタミアにおける文明のうねりを、枢軸の時代として捉える。
・メソポタミアとは、2つの河の間という意味、チグリス、ユーフラテスの間の土地である。
・メソポタミア下流で誕生した、楔形文字は、紀元前3000年から、紀元100年もの間、メソポタミアの言葉であり続け、やがて、その知 -
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タレスからシノペのディオゲネスまで、古代ギリシャで活躍した思索家たちの生涯や思想、その受容を徹底的に掘り下げている。最新の研究をふんだんに取り込んで、これまで教科書的に教わってきたものとは違う、彼らの実像のようなものを見せてくれる。なお続巻があり、この一冊だけですべての哲学者を紹介していない。安易なソフィスト批判を避け、プラトン、アリストテレスの新しい解釈が行われ、あまりこの時代に詳しくない読者からすると新鮮な読書体験になった。また初めて聞く哲学者の名前も多く、その数も多いことから、今後は机上に置いて辞書として使うこともできる。古代ギリシャは遡れる限りで西洋哲学の起源として、現在でも多くの研究
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本巻ではローマに入った哲学からキリスト教父たちの登場を扱う。西洋哲学の他には仏教、ゾロアスター教やマニ教が取り上げられた。
章ごとに筆者が異なることから内容の質に差があるが、マニ教と東方教父の章が大変参考になった。
マニ教では筆者がユーモアを交えながら解説するためスッと頭に入ってくる。中でも教祖のマーニーを「ストーリーテラーとしては優秀」と評したのは笑みがこぼれた。
東方教父の章では日本人には理解しにくい三位一体説についてわかりやすく解説されている。なぜ神とイエスと聖霊が同一視されるに至ったのか。そもそもそれはどういう意味か。それを知りたい方にこの章だけでも読む価値がある。