納富信留のレビュー一覧

  • ソクラテスの弁明
    自分の死(死刑判決)をもって自らの哲学を体現するという哲学者としての生き方がまさに「徳」と感じた。この作品から感じること、考えることを発信することは野暮な気はするが、言葉一つでここまで心を動かせることに感銘を受けた。 同世代の友達はこれを読んで何を思うだろうか。
  • ソクラテスの弁明
    最初の方はソクラテスの捻くれ者っぷり頑固者っぷりに少しイライラしていましたが、死刑になるかもしれない場面でも捻くれ者を貫き通せるのは凄いと最後には感じていました。
    有名な不知の自覚についての考え方もなんとなく分かる(分かるという言葉をこの本の感想で使いたくはないですが)し、もはやソクラテスの頑固っぷ...続きを読む
  • ソクラテスの弁明
    『世にも優れた人よ。あなたは、知恵においても力においてももっとも偉大でもっとも評判の高いこのポリス・アテナイの人でありながら、恥ずかしくないのですか。金銭ができるだけ多くなるようにと配慮し、評判や名誉に配慮しながら、思慮や真理や、魂というものができるだけ善くなるようにと配慮せず、考慮もしないとは』
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  • 世界哲学史 別巻
    本書は、世界哲学史シリーズのふりかえりと、シリーズで語られなかった漏れを補完することが目的である。

    見た目、各章の流れや、並べ方については、どうして、そうなっているのは、理解できませんでした。読むの長い時間がかかってしまいました。

    <ふりかえり>

    古代Ⅰ 世界と魂がテーマであった。世界哲学の始...続きを読む
  • 世界哲学史8 ──現代 グローバル時代の知
    本書は、第一次世界大戦後から、現代までの世界を描いています。
    万能であった科学が破綻をし、幸福をもたらすだろうことか、災難をもたらしたのが、第二次世界大戦であった。
    全体主義の台頭を許し、世界を分断に至らしめた状況に対して、深い反省のもと、その問いに答えるのが本書であることが冒頭に述べられている。
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  • 世界哲学史7 ──近代II 自由と歴史的発展
    近代Ⅱ 自由と歴史的発展

    本書は、19世紀の哲学を扱っています。

    難解、つらかった。各哲学者の考えが断片的に紹介され、教科書的に並べられているのは、やむをえないか。
    時代を下るにつれて、その登場人物も概念や事象も膨大に多くなっていく。連綿と続く思想の系譜と変遷は驚くほど複雑であり緻密である。
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  • 世界哲学史6 ──近代I 啓蒙と人間感情論
    近代Ⅰ 啓蒙と人間感情論

    本書は、18世紀の哲学を扱っています。

    近代における西洋世界の文明上の優位は、17世紀の科学革命から始まり、18世紀の政治的な大革命、19世紀の産業革命と帝国主義的植民地化への加速して、地球全体の規模へ拡大した。

    気になったことは次です。

    ・啓蒙とは、ものごとに通じ...続きを読む
  • 世界哲学史5 ──中世III バロックの哲学
    中世Ⅲ バロックの哲学

    本書は、14世紀から17世紀の哲学の展開を扱っています

    この時代は、人類史上から見て1つの激動の時代であった。
    大航海時代、活版印刷の発明普及、宗教改革、ルネサンス。宗教改革以降は、大学教育の大衆化とも相まって、哲学の世俗化、宗教からの隷属からの脱却が進んだ。
    14世紀は...続きを読む
  • 世界哲学史4 ──中世II 個人の覚醒
    中世Ⅱ 個人の覚醒

    本書は、12,13世紀の中世に光を当てる

    「12世紀ルネサンス」という言葉があるこの時代は英雄譚や騎士道精神が誕生し、ヨーロッパのアイデンティティがしていく時代。
    都市の発展、商業の成長、教育と大学の発達なヨーロッパは様々な面から大規模な発展を遂げていく。
    自らが聖書をよみ、...続きを読む
  • 世界哲学史2 ──古代II 世界哲学の成立と展開
    古代Ⅱ
    紀元前1世紀から紀元後6世紀までの古代を俯瞰するのが本巻です。
    わかりにくい、行ったり来たりしたり、章の中でも段落間の関係が不明瞭

    気になった言葉は次です。

    ・西洋の古代は、西ローマ帝国の滅亡までであるが、中国、インドには、明瞭な歴史区分はない。
    ・学園アカデメイヤをつくったのは、プラト...続きを読む
  • 世界哲学史1 ──古代I 知恵から愛知へ
    古代Ⅰ 
    世界哲学とは、西洋哲学を包含し、世界の知的営為を俯瞰する、試みであり、日本が打ち出した理念である。

    ナチスの台頭により、分断された世界に絶望したヤスバースは、哲学的自伝において、世界哲学へと進んでいく。それを継承したのが、日本の世界哲学である。

    気になった言葉は次の通りです。

    ・枢軸...続きを読む
  • 世界哲学史 別巻
    各分野に詳しい学者の知見を集めた,新書サイズにして専門分野に踏み込むことができる良シリーズ。あえて「世界」哲学史というだけあり,意図的に西洋以外にも範囲を伸ばしている。
  • 世界哲学史8 ──現代 グローバル時代の知
    第1章 分析哲学の興亡
    第2章 ヨーロッパの自意識と不安
    第3章 ポストモダン、あるいはポスト構造主義の論理と倫理
    第4章 フェミニズムの思想と「女」をめぐる政治
    第5章 哲学と批評
    第6章 現代イスラーム哲学
    第7章 中国の現代哲学
    第8章 日本哲学の連続性
    第9章 アジアの中の日本
    第10章 現...続きを読む
  • 世界哲学史7 ──近代II 自由と歴史的発展
    第1章 理性と自由
    第2章 ドイツの国家意識
    第3章 西洋批判の哲学
    第4章 マルクスの資本主義批判
    第5章 進化論と功利主義の道徳論
    第6章 数学と論理学の革命
    第7章 「新世界」という自己意識
    第8章 スピリチュアリスムの変遷
    第9章 近代インドの普遍思想
    第10章 「文明」と近代日本
  • 世界哲学史6 ──近代I 啓蒙と人間感情論
    第1章 啓蒙の光と影
    第2章 道徳感情論
    第3章 社会契約というロジック
    第4章 啓蒙から革命へ
    第5章 啓蒙と宗教
    第6章 植民地独立思想
    第7章 批判哲学の企て
    第8章 イスラームの啓蒙思想
    第9章 中国における感情の哲学
    第10章 江戸時代の「情」の思想
  • 世界哲学史5 ──中世III バロックの哲学
    第1章 西洋中世から近世へ
    第2章 西洋近世の神秘主義
    第3章 西洋中世の経済と倫理
    第4章 近世スコラ哲学
    第5章 イエズス会とキリシタン
    第6章 西洋における神学と哲学
    第7章 ポスト・デカルトの科学論と方法論
    第8章 近代朝鮮思想と日本
    第9章 明時代の中国哲学
    第10章 朱子学と反朱子学
  • 世界哲学史4 ──中世II 個人の覚醒
    第1章 都市の発達と個人の覚醒
    第2章 トマス・アクィナスと托鉢修道会
    第3章 西洋中世における存在と本質
    第4章 アラビア哲学とイスラーム
    第5章 トマス情念論による伝統の理論化
    第6章 西洋中世の認識論
    第7章 西洋中世哲学の総括としての唯名論
    第8章 朱子学
    第9章 鎌倉時代の仏教
    第10章 ...続きを読む
  • 世界哲学史3 ──中世I 超越と普遍に向けて
    第1章 普遍と超越への知
    第2章 東方神学の系譜
    第3章 教父哲学と修道院
    第4章 存在の問題と中世論理学
    第5章 自由学芸と文法学
    第6章 イスラームにおける正統と異端
    第7章 ギリシア哲学の伝統と継承
    第8章 仏教・道教・儒教
    第9章 インドの形而上学
    第10章 日本密教の世界観
  • 世界哲学史2 ──古代II 世界哲学の成立と展開
    第1章 哲学の世界化と制度・伝統
第2章 ローマに入った哲学
第3章 キリスト教の成立
第4章 大乗仏教の成立
第5章 古典中国の成立
第6章 仏教と儒教の論争
第7章 ゾロアスター教とマニ教
第8章 プラトン主義の伝統
第9章 東方教父の伝統
第10章 ラテン教父とアウグスティヌス
  • 世界哲学史1 ──古代I 知恵から愛知へ
    序章 世界哲学史に向けて
    第1章 哲学の誕生をめぐって
    第2章 古代西アジアにおける世界と魂
    第3章 旧約聖書とユダヤ教における世界と魂
    第4章 中国の諸子百家における世界と魂
    第5章 古代インドにおける世界と魂
    第6章 古代ギリシアの詩から哲学へ
    第7章 ソクラテスとギリシア文化
    第8章 プラトン...続きを読む