納富信留のレビュー一覧

  • 哲学史入門Ⅰ  古代ギリシアからルネサンスまで

    Posted by ブクログ

     「哲学の名著50冊が1冊で学べる」という本を読んだのだが、どうもマスターした気になれないので本屋で平積みされていた本書を読むことにした。古代ギリシャ哲学についてはとてもわかりやすく面白かったが、中世からルネサンスに進むにつれけっこうキツくなってきました。
     この第1巻はとても良い本だと思います。現在第2巻を読んでいるのですが、カントがキツイです。共著本を読んでいつも思うのですが、やはりわかり辛い点が出てくるので、一人の著者が書いた本の方がいい。カント哲学をわかりやすく書いた本はないのかい、超越論的とか定言命法とかもっとやさしく書けないのかねぇ。

    0
    2024年06月30日
  • 哲学史入門Ⅰ  古代ギリシアからルネサンスまで

    Posted by ブクログ

    わかりやすかった。哲学史は今まで勉強してきてなかったが、本文に入る前の事前知識のページである程度理解してから読めるのでマジおすすめ。

    0
    2024年06月21日
  • 哲学史入門Ⅰ  古代ギリシアからルネサンスまで

    Posted by ブクログ

    古代-中世はあまり触れてこなかったので、新鮮な読書でした。

    しかし、アリストテレスとプラトンの間で揺り戻しが頻繁に起きたり、そもそも中世の哲学者はプラトンやアリストテレスを基礎に置き発展させるという取り組みに注力している印象を受け、どんだけ偉大なんだよ!という畏敬の念を禁じ得ません。

    概論をサラッとさらうことができましたので、個別のテーマは参考文献で深ぼっていこうという意気込み。三部作とのことで、早々に第二部へと移ろうか。

    0
    2024年06月18日
  • ソクラテスの弁明

    Posted by ブクログ

    哲学書の古典だと身構えていたが、法廷を舞台にしたエンタメ小説かと思うくらいの読みやすさ。
    特にメレトスの告発を鮮やかに論破する「新しい告発への弁明」は、日曜劇場のような爽快感。
    加えてソクラテスは、彼が死刑に抗わなかった理由にまで一本の筋を通していて、さながら少年漫画の主人公のなのだ。

    0
    2024年05月26日
  • ソクラテスの弁明

    Posted by ブクログ

    2000年前に生きた哲学者の言葉に時代を超えて感銘を受ける。自分の死をもって裁判員の愚かさを指摘するソクラテスはまさに偉人。そして健気に彼の言葉を書き残したプラトンのお陰で私たちが彼の考えを知ることができる。感謝。
    無知の知はよく知られているが、人を裁こうとすると、より一層人から裁かれることになるというのはまずもって現代でもその通り。人を呪わば穴二つということだろう。
    また彼の死に対する考え方も新鮮だった。死をまだ経験したことがないのに恐れるということは知らないことを知っていると考えている証拠だと。死はあらゆる善のなかで最上のものかもしれないのに。
    確かにそうだ。だけど自分が殺される直前になっ

    0
    2024年05月08日
  • ことばの危機 大学入試改革・教育政策を問う

    Posted by ブクログ

    そもそも新指導要領の内実は又聞きレベルでしか把握しておらず、論理国語のような取り組みにたいして、登壇者がそれぞれの専門分野から議論を引き出す様は、単なる国語教育の問題で済まされず、言葉や教育といった壮大な領野に渡ってこの時宜にこそ考えを見つめ直す機会にせねばならないのだと思わされる。

    0
    2024年05月06日
  • 哲学史入門Ⅰ  古代ギリシアからルネサンスまで

    Posted by ブクログ

    ところどころ面白いのだが(千葉雅也さんとか、納富さんの「三角形のイデアは〜」とか)、これって結局、高校で倫理やってないとその面白さがわからないんじゃないのかなぁ、と思ってしまう。教科書の教えない歴史を面白がるには、教科書にあるような「正史」を知らないといけない、みたいな。一般的な哲学史を知っていれば「メウロコ」のところも多い。その点、読者を選んでしまうかもしれない。

    0
    2024年04月15日
  • 新版 プラトン 理想国の現在

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ちょうど最近「国家」を読んだのでタイムリーだなと思って購入。「ポリテイア(国家)」について、1章で20世紀後半に起こった議論とその検討をし、2章で日本での受容史を見て、それを受けた3章で現代にポリテイアを読む意味を提言するという内容になっている。1章は哲学に疎い自分には勉強になった(ホメイニーがプラトンの哲人政治論に影響を受けていたのは知らなかった)し、3章は内容に全面的に同意できるとは思わないが、真っ向勝負の力のある議論で意義を示していて面白かった。2章にかなり力が入っていて詳しいので、こういう内容に興味があればさらに面白く読めたかもしれない。

    ただポリテイアに向けられた批判に対して擁護が

    0
    2024年01月08日
  • ソクラテスの弁明

    Posted by ブクログ

     ソクラテスは、「徳」について、様々な人と対話する生活を送っていた。しかし、70歳頃、「不敬神」で告発され、裁判にかけられる。神への不信で訴えられたが、実際は、対話によって生まれた中傷や妬みが原因だとソクラテスは主張する。私たちは物事を知っていると思う市営に強い批判をぶつけている。

     「不知」と「非知」の区別を主著氏、多くの人が分かったつもりになっているという発言は、個人的に耳が痛くなる忠告だった。アテナイの人も現代の私たちも何事も分かったつもりで日々を過ごしていることが多いのではないだろうか。現代でいえば、ソクラテスは曖昧に日々を過ごしている人からは嫌われる人物だったのであろう。しかし、本

    0
    2023年10月21日
  • ソクラテスの弁明

    Posted by ブクログ

    ギリシアで誕生した人類初の哲学者と言われるソクラテスに関する本。知を愛し求めるという哲学について学び始めるきっかけとして良い本だと思う。
    無知の知という言葉だけは知っていたが、その日本語表現自体が適切ではないということが驚きであった。
    自分は知らないことを知らないと思っている、自覚している、ということが、少なくとも知ったかぶりをしている人よりは知恵がある、という解釈から、知らないことを認知する、メタ認知は大事だと感じる。そういう認知があるからこそ、知ろうとする行動につながる。知っているということはそれを明確に証明できてこそである。知っている、と、思っている、では違う。無知の知、ではなく、不知の

    0
    2023年09月10日
  • 扉をひらく哲学 人生の鍵は古典のなかにある

    Posted by ブクログ

    若い子たちに向けての本なので、哲学のハードルが高かった私には少し手の届くものに感じた。

    違う時代に生きていても、人間の本質はあまり変わらず、そして、やはり歴史は繰り返す。

    なぜ生きるのか、親と確執がある、など、学生たちの質問から哲学の話をそれぞれの学者さんが答える方式で、とてもわかりやすい。

    哲学の話を長々と読んだり聞いたりするのは、困難だったので、導入書としてよかった。

    ニーチェや三国志、春の嵐、三四郎、100万回生きた猫…
    まずは、このあたりを読んでみたい。
    いつになるかわからないけど。

    0
    2023年08月31日
  • ソクラテスの弁明

    Posted by ブクログ

    「人間たちよ、ソクラテスのように、知恵という点では本当はなににも値しないと認識している者が、お前たちのうちでもっとも知恵ある者なのだ。」

    というわけで『ソクラテスの弁明』です
    ソクラテスですよ!「哲学」ですよ!
    なんか思えば遠くに来たもんだなどと思っておりましたが、あれ?これたぶん読んだことあるかも?w

    そりゃあそう!
    そりゃあそうですよ
    私なんかあれです
    もう気付いてると思いますけどまんま哲学者ですもん
    むしろソクラテスの生まれ変わ( ゚∀゚)・∵. グハッ!!


    大変失礼しました

    ソクラテスは言っています「知らないこと」を自覚していない状態こそが、最悪の恥ずべき状態だと(うん、お

    0
    2023年05月21日
  • ソクラテスの弁明

    Posted by ブクログ

    最初の方はソクラテスの捻くれ者っぷり頑固者っぷりに少しイライラしていましたが、死刑になるかもしれない場面でも捻くれ者を貫き通せるのは凄いと最後には感じていました。
    有名な不知の自覚についての考え方もなんとなく分かる(分かるという言葉をこの本の感想で使いたくはないですが)し、もはやソクラテスの頑固っぷりがほとんどコメディのようになっていて、お話としてもとても楽しめました。

    0
    2023年06月16日
  • プラトンとの哲学 対話篇をよむ

    Posted by ブクログ

    プラトンなら何と言うか、何とこたえるか?と言う観点からプラトンとソクラテスの哲学を論じる。ディアロゴスのプラトンにぴったりのアプローチではないだろうか。
    現代の思想や哲学はプラトンの哲学の上に層をなして積み上げられており、プラトンなどを今更引き合いにしても意味がないように思う人もいるかも知れないが、「プラントンなら今の世界について、自分の考えについて何て批判するんだろう?」と仮想プラトンと対話することでむしろ逆に新鮮な答えを得られるような気がしてきた。
    プラトンの本は実は『ソクラテスの弁明』くらいしかちゃんと読んでなかったけれど、他も読んでおくべきだと思った。この世界はプラトンの上にできている

    0
    2023年01月28日
  • ソクラテスの弁明

    Posted by ブクログ

    知を求めるものの姿勢について考えさせられる。

    多くの哲学の源泉を見た気がする。
    他のものも読んでいきたい。
    読まないと哲学史も入りづらいですし。

    神の御使いという立場で民衆の善を思いながら処刑判決を受けるあたり、新約聖書との繋がりが気になる。
    何も知らないから、「絶対聖書は影響受けてるでしょ」とちょっと盛り上がりました。

    0
    2023年01月03日
  • 世界哲学史3 ──中世I 超越と普遍に向けて

    Posted by ブクログ

    中世Ⅰ

    古代で3つの枢軸であった3つの文化がついにユーラシア大陸の両端に達するのが中世である

    冒頭に世界哲学史として、中世の特徴を俯瞰する
    ①民族の大規模な移動と侵入が世界を動かした時代(旅人の時代といっている)
    ②古典を形成するのではなく、古典を継承し、それに対する註解を蓄積する時代。
    ③思想の伝達と交換をする時代
    ④神と人間の対立⇒神の人間からの超越


    ギリシア文化⇒ローマへ⇒(アカデミア→修道院、学校へ)西欧へ
          ⇒東方(ビサンチン)へ:コンスタンチノープル、東欧へ
          ⇒イスラム世界へ(シリア語→アラビア語)⇒再びヨーロッパへ

    インド文化(仏教)⇒中国⇒日本へ

    0
    2022年10月27日
  • パイドン~魂について~

    Posted by ブクログ

    哲学史の教科書でプラトンの教説とされているイデア論。
    それをもっともまとまった形で示している著作。


    ソクラテス最期の日、肉体と魂とが切り離される死の直前という舞台設定にふさわしく、
    魂が対話の主題として扱われる。

    「魂と肉体」という対比を軸として、思考と感覚、不変と変転、絶対と相対、イデアと事物、真の原因と自然学的な原因など、さまざまな対比が重ねられて語られる。
    この対比によって、いわゆるイデア論が図式的に提示されている。

    魂についての論証は、当時の自然学の知見を意識して行われているので、今日の我々にとっては説得的ではない。
    また、対話相手の提示する話も、それを承けたソクラテスとのやり

    0
    2022年06月01日
  • プラトン哲学への旅 エロースとは何者か

    Posted by ブクログ

    筆者と読者が、「旅人」としてプラトン『饗宴』の世界へトリップするという体で書かれた、非常に挑戦的な作品。

    語り口調の文体で読みやすく、『饗宴』のあらすじや各話者ごとの大まかな主張を掴むには持ってこいの本。
    中盤まではサクサク読めたものの、ディオティマの章あたりからは、内容の抽象度が高まったことと、どこまでが著者の創作なのかがわかりづらくなり、あまり理解できなかった。
    しかしそこを乗り越えた後のイデア論・洞窟の比喩の箇所は白眉。映画を観ているようで、パロディの強みがいかんなく発揮されていた。未読ゆえ比較はできないが、おそらくは『饗宴』それ自体よりもスペクタクルを感じられる語り口だったのではない

    0
    2022年04月24日
  • 世界哲学史7 ──近代II 自由と歴史的発展

    Posted by ブクログ

    啓蒙の時代を経て発展した「理性と自由」の対立構造が、19世紀に向けてどのように展開されていったかを論じている。
    「自由」の種類、新世界で生まれたプラグマティズム、スピリチュアリスムに焦点。
    功利主義も。

    0
    2022年03月19日
  • 世界哲学史6 ──近代I 啓蒙と人間感情論

    Posted by ブクログ

    17〜18世紀を主な舞台に、「啓蒙」にまつわる思想を展開している。「理性」と「感情」の問題は通奏低音で、現代にも続く議論の背景が丁寧にまとめられている。

    カントの批判哲学を扱った章は特にわかりやすかった。

    終盤、中国、日本に目を向け、「儒学」「朱子学」を起点に感情論を展開した点は、読者の思想につながるいい構成だった。

    ところどころで垣間見えた現代における「理性・感情」にまつわる議論を追ってみたい。

    0
    2022年02月11日