納富信留のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「無知の知」という言葉だけは知っていたものの、ソクラテスという人物についてはほとんど知りませんでした。
読み始めた頃は、正直「ひたすら質問を重ねて相手を追い詰める人」という印象が強く、どこか現代の討論家のような雰囲気も感じていました。
しかし読み進めるうちに、その印象は大きく変わりました。
ソクラテスが問い続けたのは、相手を言い負かすためではなく、「善く生きるとは何か」を考え続けるためだったのだと思います。そして、自分が正しいと信じた生き方を最後まで曲げず、命よりも信念を選んだ姿には深く心を動かされました。
「知らないことを知っている」という姿勢や、自分自身を問い続ける生き方は、2500年以上経った今でも色褪せない価値を持っていると感じます。
哲学書というと難しい印象がありましたが、この作品は一人の人間の生き様に触れる物語としても非常に読み応えがありました。
西洋哲学の原点と呼ばれる理由を、少しだけ理解できた気がします。 -
Posted by ブクログ
いい本ではあります。それぞれの分野で文句のつけようのない優秀な研究者、解説者を集め普遍的な悩みに古典を援用し、大人が読めば感心するような回答を出しています。ただ、本書が目的としている、10代の読者に、古典の世界へと興味を持たせたい、読ませたいという点で見るとちょっと「大人視点」すぎるのではないかと思いました。
どういうことかと言いますと、確かにそれぞれの思想の研究者が親との関係やなぜ生きるのかといったよくある悩みに、思想研究の観点からきれいに光を当てているのですが、きれいすぎて立派にすぎるのです。
若い読者が哲学というものに興味を持つうえで、立派すぎて別の世界のように見える人たちの言葉がどれほど的確でも立ち止まってくれるでしょうか。そういう点ではもっと砕けた文章と発想がそれぞれに求められたはずです。些細なことですが親ガチャとか少しガラの悪いミームを使って解説を試み、自分の専門の儒教すら疑うことを促した小倉紀蔵氏の解説が本書の中では模範例だと思いました。むしろ大人が読む分にこそ優れた入門書でしたね。 -
Posted by ブクログ
哲学の起源であるギリシア哲学(紀元前6世紀〜6世紀)から中世(5世紀〜15世紀)を経て、世間的には軽視されがちなルネサンス時代の哲学(14世紀〜16世紀)までの歴史を主要な登場人物とその主張を、現代の研究家と対話形式で辿りながら読み進められる入門書です。
対話形式という形を取っているのと、丁寧に説明してくれているので非常に読みやすく面白かったです。(当然一読程度では理解出来ませんでしたが…)
読んでいていつの時代の哲学者達も古典(この場合はギリシア哲学)に立ち返ることを必須としていて、それがさらに進むと現代の私達も古典から学べることは多いということなんだろうなと感じました。
さすがに私達がギリシア哲学まで立ち返る必要は少ないかもしれませんが、、、
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Posted by ブクログ
ソクラテスだよと思ってたらソクラテスについてプラトンが書いたなんと創作物みたいなやつだった!だからこれは実質プラトンかも!!!
濡れ衣着せられたソクラテスですが結局死刑になっちまったよ〜な話 書いてるのは弟子のプラトンね。ソクラテスを陥れた奴は結局何かを得れたのかな。
自分はそんなことしてないけど、あれこれ言い訳すんのもアレだし、己を貫き通して死にすら殉じるぜ!みたいなのよくこの界隈で見る気がする。己の矜持や誇りがすごくて、かっこいい生き様ってこういうのを言うんだろうな〜と思ったりした。私もこうなりたい!
あとびっくりしたんだけどプラトンとソクラテスってめちゃ歳が離れてるんだね。
プラトンが20代の時にソクラテスは70歳で死刑になっちゃうし。でもプラトンが12歳の時にソクラテスと知り合ったらしいから、そこから素晴らし教えや影響を受けていたのかな〜と思う。
私も色々読んで哲学を味方につけたいなと思う。 -
Posted by ブクログ
この本を読んでいるあいだ、私はまるで紀元前のアテナイにいて、法廷の片隅からソクラテスの言葉を傍聴しているような気持ちになった。論理や言葉の力で彼が人々に語りかける姿に引き込まれ、ページをめくる手が止まらなかった。
解説を読みながらでなければ理解できない部分もあったが、それでも彼の思想の核は強く響いてきた。とくに印象に残ったのは、「知らないことを恐れる必要があるのか?」という問い。人は死を恐れるが、それは“死”を知らないからであって、本当に恐れるべきことなのか? もしかしたら、死は良きものかもしれない――そんな風に、未知を恐れずに、自らの信念に従って生き抜く姿勢に心を揺さぶられた。
ただの哲学者の言葉というよりも、「命を賭けて真理を語る人間」の言葉を目の前で聞いたような、そんな読書体験だった。