納富信留のレビュー一覧
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「哲学の名著50冊が1冊で学べる」という本を読んだのだが、どうもマスターした気になれないので本屋で平積みされていた本書を読むことにした。古代ギリシャ哲学についてはとてもわかりやすく面白かったが、中世からルネサンスに進むにつれけっこうキツくなってきました。
この第1巻はとても良い本だと思います。現在第2巻を読んでいるのですが、カントがキツイです。共著本を読んでいつも思うのですが、やはりわかり辛い点が出てくるので、一人の著者が書いた本の方がいい。カント哲学をわかりやすく書いた本はないのかい、超越論的とか定言命法とかもっとやさしく書けないのかねぇ。 -
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2000年前に生きた哲学者の言葉に時代を超えて感銘を受ける。自分の死をもって裁判員の愚かさを指摘するソクラテスはまさに偉人。そして健気に彼の言葉を書き残したプラトンのお陰で私たちが彼の考えを知ることができる。感謝。
無知の知はよく知られているが、人を裁こうとすると、より一層人から裁かれることになるというのはまずもって現代でもその通り。人を呪わば穴二つということだろう。
また彼の死に対する考え方も新鮮だった。死をまだ経験したことがないのに恐れるということは知らないことを知っていると考えている証拠だと。死はあらゆる善のなかで最上のものかもしれないのに。
確かにそうだ。だけど自分が殺される直前になっ -
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ネタバレちょうど最近「国家」を読んだのでタイムリーだなと思って購入。「ポリテイア(国家)」について、1章で20世紀後半に起こった議論とその検討をし、2章で日本での受容史を見て、それを受けた3章で現代にポリテイアを読む意味を提言するという内容になっている。1章は哲学に疎い自分には勉強になった(ホメイニーがプラトンの哲人政治論に影響を受けていたのは知らなかった)し、3章は内容に全面的に同意できるとは思わないが、真っ向勝負の力のある議論で意義を示していて面白かった。2章にかなり力が入っていて詳しいので、こういう内容に興味があればさらに面白く読めたかもしれない。
ただポリテイアに向けられた批判に対して擁護が -
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ソクラテスは、「徳」について、様々な人と対話する生活を送っていた。しかし、70歳頃、「不敬神」で告発され、裁判にかけられる。神への不信で訴えられたが、実際は、対話によって生まれた中傷や妬みが原因だとソクラテスは主張する。私たちは物事を知っていると思う市営に強い批判をぶつけている。
「不知」と「非知」の区別を主著氏、多くの人が分かったつもりになっているという発言は、個人的に耳が痛くなる忠告だった。アテナイの人も現代の私たちも何事も分かったつもりで日々を過ごしていることが多いのではないだろうか。現代でいえば、ソクラテスは曖昧に日々を過ごしている人からは嫌われる人物だったのであろう。しかし、本 -
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ギリシアで誕生した人類初の哲学者と言われるソクラテスに関する本。知を愛し求めるという哲学について学び始めるきっかけとして良い本だと思う。
無知の知という言葉だけは知っていたが、その日本語表現自体が適切ではないということが驚きであった。
自分は知らないことを知らないと思っている、自覚している、ということが、少なくとも知ったかぶりをしている人よりは知恵がある、という解釈から、知らないことを認知する、メタ認知は大事だと感じる。そういう認知があるからこそ、知ろうとする行動につながる。知っているということはそれを明確に証明できてこそである。知っている、と、思っている、では違う。無知の知、ではなく、不知の -
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「人間たちよ、ソクラテスのように、知恵という点では本当はなににも値しないと認識している者が、お前たちのうちでもっとも知恵ある者なのだ。」
というわけで『ソクラテスの弁明』です
ソクラテスですよ!「哲学」ですよ!
なんか思えば遠くに来たもんだなどと思っておりましたが、あれ?これたぶん読んだことあるかも?w
そりゃあそう!
そりゃあそうですよ
私なんかあれです
もう気付いてると思いますけどまんま哲学者ですもん
むしろソクラテスの生まれ変わ( ゚∀゚)・∵. グハッ!!
大変失礼しました
ソクラテスは言っています「知らないこと」を自覚していない状態こそが、最悪の恥ずべき状態だと(うん、お -
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プラトンなら何と言うか、何とこたえるか?と言う観点からプラトンとソクラテスの哲学を論じる。ディアロゴスのプラトンにぴったりのアプローチではないだろうか。
現代の思想や哲学はプラトンの哲学の上に層をなして積み上げられており、プラトンなどを今更引き合いにしても意味がないように思う人もいるかも知れないが、「プラントンなら今の世界について、自分の考えについて何て批判するんだろう?」と仮想プラトンと対話することでむしろ逆に新鮮な答えを得られるような気がしてきた。
プラトンの本は実は『ソクラテスの弁明』くらいしかちゃんと読んでなかったけれど、他も読んでおくべきだと思った。この世界はプラトンの上にできている -
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中世Ⅰ
古代で3つの枢軸であった3つの文化がついにユーラシア大陸の両端に達するのが中世である
冒頭に世界哲学史として、中世の特徴を俯瞰する
①民族の大規模な移動と侵入が世界を動かした時代(旅人の時代といっている)
②古典を形成するのではなく、古典を継承し、それに対する註解を蓄積する時代。
③思想の伝達と交換をする時代
④神と人間の対立⇒神の人間からの超越
ギリシア文化⇒ローマへ⇒(アカデミア→修道院、学校へ)西欧へ
⇒東方(ビサンチン)へ:コンスタンチノープル、東欧へ
⇒イスラム世界へ(シリア語→アラビア語)⇒再びヨーロッパへ
インド文化(仏教)⇒中国⇒日本へ -
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哲学史の教科書でプラトンの教説とされているイデア論。
それをもっともまとまった形で示している著作。
ソクラテス最期の日、肉体と魂とが切り離される死の直前という舞台設定にふさわしく、
魂が対話の主題として扱われる。
「魂と肉体」という対比を軸として、思考と感覚、不変と変転、絶対と相対、イデアと事物、真の原因と自然学的な原因など、さまざまな対比が重ねられて語られる。
この対比によって、いわゆるイデア論が図式的に提示されている。
魂についての論証は、当時の自然学の知見を意識して行われているので、今日の我々にとっては説得的ではない。
また、対話相手の提示する話も、それを承けたソクラテスとのやり -
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筆者と読者が、「旅人」としてプラトン『饗宴』の世界へトリップするという体で書かれた、非常に挑戦的な作品。
語り口調の文体で読みやすく、『饗宴』のあらすじや各話者ごとの大まかな主張を掴むには持ってこいの本。
中盤まではサクサク読めたものの、ディオティマの章あたりからは、内容の抽象度が高まったことと、どこまでが著者の創作なのかがわかりづらくなり、あまり理解できなかった。
しかしそこを乗り越えた後のイデア論・洞窟の比喩の箇所は白眉。映画を観ているようで、パロディの強みがいかんなく発揮されていた。未読ゆえ比較はできないが、おそらくは『饗宴』それ自体よりもスペクタクルを感じられる語り口だったのではない