納富信留のレビュー一覧
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現代哲学において、ソクラテス、プラトン、アリストテレスのような古代ギリシアの三大哲学者を別格とするのは何故か。ソクラテスによる「無知の知」の真意は。衆愚政治により死刑判決を受けたソクラテスについて、どのように考えれば良いか。私自身は、特にこれらのポイントで興味を持って読んだ。それと、先に読んだ『パイドン』について、対話相手であるパイドンとはどのような人物だったのか。
ー ソクラテスの死に親しく立ち会い、後にフレイウスでピュタゴラス派の人々に「ソクラテスの死」を語るパイドンとは、一体どのような人物であったのか?パイドンについては次のような逸話が、ディオゲネス・ラエルティオスによって伝えられてい -
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ネタバレいよいよ処刑当日のソクラテスは、特に哲学者は死を恐れる必要はないのだと魂の不滅と輪廻転生を説く。その中で想起説やイデア論が本格的に論じられる。
先に読んだ「饗宴」とは打って変わって、正直すごく退屈に感じてしまった。話のほとんどがソクラテスの一方的な演説と弟子の「そのとおりです」という肯定だけの相槌で進んでいくのと、「反対」という謎概念がずっと幅を利かせているので話がなかなか頭に入ってこない。注と解説に助けられてなんとかついていける感じだけど、やっぱり議論が有効だとはあんまり思えなかった。研究者間でも否定的な意見が多いらしいけども。
魂の不滅という概念が現代にそぐわないという意見は私自身はどうで -
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【分析哲学の興亡】一ノ瀬正樹
エルンスト・マッハの要素一元論@世紀末ウィーン
思惟経済
→ウィーン学団の「論理実証主義」
→分析哲学
カルナップの原始的、AJエアの倫理
ヒュームの法則であるからべきへ→自然主義的誤謬
べき=論理的規範
クワイン「経験主義の2つのドグマ」→オースティンの言語行為論
【ヨーロッパの自意識と不安】檜垣立哉
ベンヤミン「暴力批判論」「複製技術時代における芸術作品」
【ポストモダン、あるいはポスト構造主義の論理と倫理】千葉雅也
現代思想=否定神学システム(東)
思弁的実在論
フランソワ・ラリュエル
→非標準哲学=メタ・メタ哲学
カトリーヌ・マラブー
→外部なしの内在 -
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ギリシア哲学史自体に興味があって読んだわけではないのでボリュームが大きくて結構つらかった。正直身になったかあやしい。プラトンの1とか2とか言ってるあたりは訳が分からなくてついていけなくなったので、もっと簡単な本を読まないとダメそう。
しかし、本文のみで600ページあるけどギリシア哲学史の中盤、アリストテレスの時代までで終わってしまい、続きは続刊で~とさらっと書いてある。まじか…これをもう一回か…という感じ。でも主に知りたかったのはその後の展開なので続刊が出たら買わないとなあ…。
哲学者一人一人について書いていくことで全体のつながり、流れを示している。流れは何となーくわかってきた気もする。個人名 -
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ユングは「夢はあるがままの姿で、内的な真実を事実を表現する」(みすず書房 ユング夢分析論)と言っている。そしてプラトンで語られていることは、夢で捕らえようとすることと似た印象を受けた。
少し混乱。森の中。
他の訳も読んでみよう。
この本は注釈がちょっと自分には向かなかった。光文社古典新訳の他のではあまりこんな風に感じなくて、むしろいいなあと思っていただけに残念。
対話に参加するための注釈であるだけでない、注釈者の意図を持ったものが多くて。一度注釈に目を通してしまうと、思考が中断されてしまって本文に戻りにくかった。授業などでプラトンやソクラテスについて学ぶと言う目的には良いのかもしれないけ -
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昨年の前半は、「世界哲学史」が月1冊出るので、読まないと次がまたくるという強迫観念があった。というわけで、せっせと読んでいたのだが、第8巻がでたら、そのプレッシャーはなくなり、昨年末にでた別巻をようやく3月に読んだ。
前半は、編者による対談での振り返りと編者による追加的な論考。そして、後半は、全8巻のなかで扱えなかったトピックをカバーするという構成。
もともと20世紀以降の哲学は1冊しか割り当てられていないので、仕方のない面はあるのだが、現象学や実存主義に関する記載はかなり薄い感じがあったのだが、編者はそこは意識しているのだけど、そこはこの別館でもあまり扱われない、というのは、面白いな。( -
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世界哲学史全8巻が好評だったそうなので、編者のお一人である伊藤先生の発案により、別巻発刊となったそうだ。ただ、伊藤先生がご病気ということになってしまい、本巻の座談会は残りの3名の編者による鼎談となっている。その他、16編の論考を収録。うち13編は「Ⅱ.世界哲学史のさらなる論点」でさまざまな論点が提示されている。個人的には頼住先生の「道元の哲学」や岡田先生の「イタリアの現代哲学」、乗松先生の「ロシアの現代哲学」、そして神島先生の「正義論の哲学」などが興味深かった。もちろん短い論考が多いので、隔靴掻痒というか食い足りないというか、そういう部分も多いのだが。それは参考文献を読んでねということなのだろ
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全8巻の「世界哲学史」も第7巻に到達し、時代は、主として19世紀。
第7巻から引き続いて、経済社会の中心は、まさに西欧+アメリカ中心で、それは哲学の分野でも同じなのかな?
「近代」(=modern)という時代が、まさに「欧米」の時代なのだということをあらためて確認した感じ。
19世紀の哲学ともなると、どこかで読んだことのあるような話が増えてくる。
・まずは、前巻でもでてきたカントを起点として、フィヒテ、ヘーゲルというドイツ観念論の展開。そして、それへの批判としてのヘーゲル左派からマルクスという流れ。
・理性中心の哲学に対する批判として、「生」を重視するショペンハウアーやニーチェ。
・進化 -
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タイトルは、中世ということになっているのだけど、「バロックの哲学」というサブタイトルにあるように、西欧だと、いわゆるルネサンス〜バロック、フーコーなら「古典時代」とでもいいそうな時代の話になっている。日本だと江戸時代の儒学の話とかでてきて、いわゆる「中世」というより、「近世」という時代区分の話かな?
西欧哲学では、ついに(?)デカルトがでてきて、スピノザ、ライプニッツと続いて行く。神学なのか、哲学なのかよくわからない「スコラ哲学」が、いわゆる近代的な「哲学」に転換する時期と常識的には思うのだけど、ここでは、デカルトも「スコラ哲学」的な発展の連続性のなかででてきて、この辺にこのシリーズのスタン -
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全8巻の世界哲学史も第4巻と半分までやってきた。時代的には13世紀あたり。
第4巻の編者の山内さんは、都市の発達にともない個人の覚醒が世界同時多発的に生じ、哲学でもそういう傾向が生まれた、とする。
なるほど、面白い視点だな〜と思いつつも、章ごとの記述は、かならずしも「個人の覚醒」という感じでもないのかな〜、テーマごとの総括的な記述が中心で、今ひとつ、しっくりこなかったかな?
さて、13世紀になると、いよいよ西欧が世界の中心として浮上してくる感じがあって、哲学思想も西欧が最先端として勢いがでてくるという印象。
むしろ第2〜3巻くらいのほうが、文明ごとの哲学の差と交流みたいなのが描かれてい