納富信留のレビュー一覧
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【分析哲学の興亡】一ノ瀬正樹
エルンスト・マッハの要素一元論@世紀末ウィーン
思惟経済
→ウィーン学団の「論理実証主義」
→分析哲学
カルナップの原始的、AJエアの倫理
ヒュームの法則であるからべきへ→自然主義的誤謬
べき=論理的規範
クワイン「経験主義の2つのドグマ」→オースティンの言語行為論
【ヨーロッパの自意識と不安】檜垣立哉
ベンヤミン「暴力批判論」「複製技術時代における芸術作品」
【ポストモダン、あるいはポスト構造主義の論理と倫理】千葉雅也
現代思想=否定神学システム(東)
思弁的実在論
フランソワ・ラリュエル
→非標準哲学=メタ・メタ哲学
カトリーヌ・マラブー
→外部なしの内在的な変化を求める破壊的可塑性
【フェミニズムの思想と女をめぐる政治】清水晶子
【世界宗教者会議】冲永崇司
「仏陀による教えとしての因果の法則」釈宗演
創造者ではなく発見者
【哲学と批評】安藤礼二
シャルル・ボードレールからなるフランス象徴主義
→ランボー、マラルメの象徴の詩学
→ベルクソンの記憶、サルトルの想像力の詩学
【現代イスラーム哲学】中田考
【現代資本主義】大黒弘慈
【中国の現代哲学】王前
【AIのインパクト】久木田水生
【日本哲学の連続性】上原麻有子
多元的対話
【アジアの中の日本】朝倉友海
【現代のアフリカ哲学】河野哲也
アルジェリア独立運動におけるフランツ・ファノン
プラシド・タンペルのエスノフィロソフィー
【ラテン・アメリカにおける哲学】中野裕考 -
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ギリシア哲学史自体に興味があって読んだわけではないのでボリュームが大きくて結構つらかった。正直身になったかあやしい。プラトンの1とか2とか言ってるあたりは訳が分からなくてついていけなくなったので、もっと簡単な本を読まないとダメそう。
しかし、本文のみで600ページあるけどギリシア哲学史の中盤、アリストテレスの時代までで終わってしまい、続きは続刊で~とさらっと書いてある。まじか…これをもう一回か…という感じ。でも主に知りたかったのはその後の展開なので続刊が出たら買わないとなあ…。
哲学者一人一人について書いていくことで全体のつながり、流れを示している。流れは何となーくわかってきた気もする。個人名で調べたいときに、辞書的に引くのがいいかもしれない。 -
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ユングは「夢はあるがままの姿で、内的な真実を事実を表現する」(みすず書房 ユング夢分析論)と言っている。そしてプラトンで語られていることは、夢で捕らえようとすることと似た印象を受けた。
少し混乱。森の中。
他の訳も読んでみよう。
この本は注釈がちょっと自分には向かなかった。光文社古典新訳の他のではあまりこんな風に感じなくて、むしろいいなあと思っていただけに残念。
対話に参加するための注釈であるだけでない、注釈者の意図を持ったものが多くて。一度注釈に目を通してしまうと、思考が中断されてしまって本文に戻りにくかった。授業などでプラトンやソクラテスについて学ぶと言う目的には良いのかもしれないけども。 -
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昨年の前半は、「世界哲学史」が月1冊出るので、読まないと次がまたくるという強迫観念があった。というわけで、せっせと読んでいたのだが、第8巻がでたら、そのプレッシャーはなくなり、昨年末にでた別巻をようやく3月に読んだ。
前半は、編者による対談での振り返りと編者による追加的な論考。そして、後半は、全8巻のなかで扱えなかったトピックをカバーするという構成。
もともと20世紀以降の哲学は1冊しか割り当てられていないので、仕方のない面はあるのだが、現象学や実存主義に関する記載はかなり薄い感じがあったのだが、編者はそこは意識しているのだけど、そこはこの別館でもあまり扱われない、というのは、面白いな。(個人的には現象がよくわからないというのもあって。。。。)
今回、面白かったのは、中国哲学のヨーロッパへの影響とか、ナチスの農業思想、モンゴルの仏教みたいな話し。どれも知らない話しなので、新鮮な驚きが。。。。
で、締めは、「正義論」。現代の「正義論」といえば、ロールズを起点とするわけだが、そこに対する批判の視点の視点。そして、それも西洋哲学内の批判ではなく、「世界哲学」という立場からの批判の視点の整理は、納得性は高い。
全体としては、別巻ということで、本巻ほどのテンションはないのだけど、ちょっとリラックスして余韻を楽しむみたいな感じかな。 -
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世界哲学史全8巻が好評だったそうなので、編者のお一人である伊藤先生の発案により、別巻発刊となったそうだ。ただ、伊藤先生がご病気ということになってしまい、本巻の座談会は残りの3名の編者による鼎談となっている。その他、16編の論考を収録。うち13編は「Ⅱ.世界哲学史のさらなる論点」でさまざまな論点が提示されている。個人的には頼住先生の「道元の哲学」や岡田先生の「イタリアの現代哲学」、乗松先生の「ロシアの現代哲学」、そして神島先生の「正義論の哲学」などが興味深かった。もちろん短い論考が多いので、隔靴掻痒というか食い足りないというか、そういう部分も多いのだが。それは参考文献を読んでねということなのだろう。
あとがきでは別巻の続編も考えられているそうなので、期待したい。 -
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全8巻の「世界哲学史」も第7巻に到達し、時代は、主として19世紀。
第7巻から引き続いて、経済社会の中心は、まさに西欧+アメリカ中心で、それは哲学の分野でも同じなのかな?
「近代」(=modern)という時代が、まさに「欧米」の時代なのだということをあらためて確認した感じ。
19世紀の哲学ともなると、どこかで読んだことのあるような話が増えてくる。
・まずは、前巻でもでてきたカントを起点として、フィヒテ、ヘーゲルというドイツ観念論の展開。そして、それへの批判としてのヘーゲル左派からマルクスという流れ。
・理性中心の哲学に対する批判として、「生」を重視するショペンハウアーやニーチェ。
・進化論や功利主義、数学や論理学など、科学的?自然主義的な流れ。
・そして、アメリカという新世界からの哲学として、プラグマティズム。
みたいな話し。
こうした哲学は、まさに現代でもなんらかの形で生きていて、どの哲学者がどうだとか、一つ一つの話しがどうというより、やっぱ、私たちのいる世界って、こういう問題設定のなかにあるんだな〜という印象。
という感じなので、欧米以外ででてくるのは、インドと日本。古代のインド思想(ウパニシャッドや仏教)は、「生」の哲学との関係でインパクト大なんだけど、19世紀という時点では、微妙かな。やはり植民地支配というなかでの西洋との関係性のなかにあるなかで、スピリチュアリティという観点で、なんらかの動きを生み出しつつあるというところかな?
日本については、前巻までのところでは、中国からの影響を受けつつもなんらかの独自性を生み出していく感じで面白かったのだけど、この巻では、「文明開化」で、哲学を含めて欧米に追いつこうと一生懸命な感じ。と同時に、そういう表層的な西洋化に対する批判という対抗軸を出そうとしている感じはあるものの、いわゆる西洋哲学批判みたいなのも、実は、西洋のほうで徹底的になされているわけで、なにか中途半端な印象だな。
全体として、19世紀は哲学においても西洋の世紀であって、それ以外の国は、それを受容するにせよ、批判するにせよ、西洋との関係においてしか、自分の立ち位置を見出すことができないということだったんだな〜、と思った。
哲学史を「世界」の同時性のなかでみてみようというこのチャレンジングなシリーズも、あと1巻「現代」、つまり20世紀以降を残すのみ。この時代を1巻だけで扱おうということ自体がすごいチャレンジ。しかも、もちろん西洋だけでなくて、イスラーム、中国、日本、アフリカが語られるという構成になっていて、なんだかとても楽しみ。 -
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タイトルは、中世ということになっているのだけど、「バロックの哲学」というサブタイトルにあるように、西欧だと、いわゆるルネサンス〜バロック、フーコーなら「古典時代」とでもいいそうな時代の話になっている。日本だと江戸時代の儒学の話とかでてきて、いわゆる「中世」というより、「近世」という時代区分の話かな?
西欧哲学では、ついに(?)デカルトがでてきて、スピノザ、ライプニッツと続いて行く。神学なのか、哲学なのかよくわからない「スコラ哲学」が、いわゆる近代的な「哲学」に転換する時期と常識的には思うのだけど、ここでは、デカルトも「スコラ哲学」的な発展の連続性のなかででてきて、この辺にこのシリーズのスタンスがでているな。
そういういわゆる「中世」と「近代」の間に挟まれたこの時代は、ガリレオ以降の自然科学の発達も進み、キリスト教的には「宗教改革」がおきたり、イエズス会が世界に布教活動をおこして、西洋と東洋(とくに中国)の邂逅、緊張をともなった交流が生じたり、いよいよ「世界哲学」的な舞台がそろってくる。(一方、これまで大きな位置をしめていたイスラム的なものが背景に後退)
というわけで、面白い話はたくさんあるし、朝鮮哲学とか、これまで聞いたこともない面白いのだが、全体としては、なんか各論ぽい印象が高まってきているような。。。。
時代が現代に近づいてくると、世界はだんだん一つのものになってくる一方、現代の学問的な研究領域という観点では、専門化が進み、領域間の相互関係がわからなくなってくる印象。
あるいは、議論がだんだん高度になってきていて、私が細かいところについていけなくなっているということかな?
というわけで、個人的には、今ひとつスッキリしない読後感。
あと3冊。第6巻は、いよいよ「近代」、「啓蒙の時代」に突入する。きっと、カントやヘーゲルとかもでてくるに違いない。一方、ヨーロッパ以外ではどういう話題がでてくるか、まったくイメージできない。
どう展開するか? -
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全8巻の世界哲学史も第4巻と半分までやってきた。時代的には13世紀あたり。
第4巻の編者の山内さんは、都市の発達にともない個人の覚醒が世界同時多発的に生じ、哲学でもそういう傾向が生まれた、とする。
なるほど、面白い視点だな〜と思いつつも、章ごとの記述は、かならずしも「個人の覚醒」という感じでもないのかな〜、テーマごとの総括的な記述が中心で、今ひとつ、しっくりこなかったかな?
さて、13世紀になると、いよいよ西欧が世界の中心として浮上してくる感じがあって、哲学思想も西欧が最先端として勢いがでてくるという印象。
むしろ第2〜3巻くらいのほうが、文明ごとの哲学の差と交流みたいなのが描かれているが、4巻では、哲学でも西欧中心の世界システムができてきている感じ。
ギリシアに生まれた哲学が、アラビアに引き継がれそこで精緻化され、それが西欧に翻訳されてもどってくるところで、アリストテレスなどのギリシャ思想がキリスト教と緊張関係をもちながらも一体化していく。
4巻では、そういうわけで、いわゆるスコラ哲学の説明が多い。トマス・アクィナス、ロジャー・ベイコン、ドゥンス・スコトゥス、ウィリアム・オッカムなどの面々が展開するいわゆる神学論争の数々。
いろいろな本で何度読んでも意味がわからない「普遍論争」とか、これを読んでもやっぱわからない。
でも、そこでの議論が、いわゆる神学論争と揶揄されるようなものとはちょっと違っていて、現在の哲学にも通じていく議論であることはだんだんわかってきたかな?
編者は、この時代に西欧でうまれた托鉢修道会と日本の鎌倉仏教の対応関係に注目していて、大きな期待をもった。が、鎌倉仏教についての記述は、いわゆる鎌倉時代におきた新しい仏教運動だけでなく従来からの仏教との関係を含む、その時代の日本における仏教を俯瞰的にみるもので頭の整理にはなったが、世界哲学における意味という観点では、やや食い足りない感じかな?
第5巻のバロックの哲学での展開に期待。 -
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最新の研究成果が導入され、人口に膾炙したソクラテス理解を誤りとして指弾している。厳密な学問的態度を貫くため、文献の一字一句を詮索するのはある意味仕方ないだろう。それより私にはソクラテスを巡る知的攻防が、ソクラテスの生前においても死後においても沸騰していた様子が浮き彫りにされていて、面白かった。当然ソクラテスも聖賢の称誉を始めから得ていた訳ではなく、ソクラテスの生前の活動を基軸としながらも、死後において弟子達がソクラテスを巡る誤解や紛争を乗り越えて、真実に近づく形でソクラテス理解を確立したからこそ、我々はソクラテスに学ぼうと発奮するのである。とはいえ、少なくとも私にはソクラテスがしたような悠長な議論をする時間はないし、言論に専心する以上に働いて生活をしていく重要性を重く見ている。その点を踏まえて、ソクラテスに何を学ぶのか、この問いは真剣になされるべきだ。