納富信留のレビュー一覧
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タイトルは、中世ということになっているのだけど、「バロックの哲学」というサブタイトルにあるように、西欧だと、いわゆるルネサンス〜バロック、フーコーなら「古典時代」とでもいいそうな時代の話になっている。日本だと江戸時代の儒学の話とかでてきて、いわゆる「中世」というより、「近世」という時代区分の話かな?
西欧哲学では、ついに(?)デカルトがでてきて、スピノザ、ライプニッツと続いて行く。神学なのか、哲学なのかよくわからない「スコラ哲学」が、いわゆる近代的な「哲学」に転換する時期と常識的には思うのだけど、ここでは、デカルトも「スコラ哲学」的な発展の連続性のなかででてきて、この辺にこのシリーズのスタン -
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全8巻の世界哲学史も第4巻と半分までやってきた。時代的には13世紀あたり。
第4巻の編者の山内さんは、都市の発達にともない個人の覚醒が世界同時多発的に生じ、哲学でもそういう傾向が生まれた、とする。
なるほど、面白い視点だな〜と思いつつも、章ごとの記述は、かならずしも「個人の覚醒」という感じでもないのかな〜、テーマごとの総括的な記述が中心で、今ひとつ、しっくりこなかったかな?
さて、13世紀になると、いよいよ西欧が世界の中心として浮上してくる感じがあって、哲学思想も西欧が最先端として勢いがでてくるという印象。
むしろ第2〜3巻くらいのほうが、文明ごとの哲学の差と交流みたいなのが描かれてい -
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最新の研究成果が導入され、人口に膾炙したソクラテス理解を誤りとして指弾している。厳密な学問的態度を貫くため、文献の一字一句を詮索するのはある意味仕方ないだろう。それより私にはソクラテスを巡る知的攻防が、ソクラテスの生前においても死後においても沸騰していた様子が浮き彫りにされていて、面白かった。当然ソクラテスも聖賢の称誉を始めから得ていた訳ではなく、ソクラテスの生前の活動を基軸としながらも、死後において弟子達がソクラテスを巡る誤解や紛争を乗り越えて、真実に近づく形でソクラテス理解を確立したからこそ、我々はソクラテスに学ぼうと発奮するのである。とはいえ、少なくとも私にはソクラテスがしたような悠長な