【感想・ネタバレ】プラトン哲学への旅 エロースとは何者かのレビュー

あらすじ

愛することが哲学だ

えっ!? 紀元前のアテナイでソクラテスと愛について対話する?
当代一のプラトン研究者が、名著『饗宴』を再現して挑む、驚きのギリシア哲学入門書!

本書は、哲学者プラトンの代表作で、古代ギリシア語の散文作品として名高い『饗宴』のなかに、語り手の「私」(「現代からの客人」)が列席し、ソクラテスら演説者たちと「愛(エロース)」をテーマに競演する、類を見ない教養新書である。「哲学(フィロソフィア)」という言葉は「知(ソフィア)」を「愛し求める(フィレイン)」という意味の合成語。哲学=愛であることが、いま明かされる。


第一話 誘う――アカデメイアに立つ
第二話 競う――恋愛とはどんなものか
第三話 求める――欲望は満たされるか
第四話 出会う――美のイデアを目指して
第五話 乱れる――愛することが哲学だ

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

筆者と読者が、「旅人」としてプラトン『饗宴』の世界へトリップするという体で書かれた、非常に挑戦的な作品。

語り口調の文体で読みやすく、『饗宴』のあらすじや各話者ごとの大まかな主張を掴むには持ってこいの本。
中盤まではサクサク読めたものの、ディオティマの章あたりからは、内容の抽象度が高まったことと、どこまでが著者の創作なのかがわかりづらくなり、あまり理解できなかった。
しかしそこを乗り越えた後のイデア論・洞窟の比喩の箇所は白眉。映画を観ているようで、パロディの強みがいかんなく発揮されていた。未読ゆえ比較はできないが、おそらくは『饗宴』それ自体よりもスペクタクルを感じられる語り口だったのではないか。

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2022年04月24日

Posted by ブクログ

『饗宴』の解説に留まらず、時間旅行を通じてその世界に飛び込む体験ができる。納富先生がソクラテスやディオティマと話していたりと、舞台設定が面白かった。

中でも、『饗宴』の世界を現代視点からそれ以後の文学作品や映画を取り上げながら議論していくのは斬新。

喜劇と悲劇に対する納富先生の持論は新たな気づきで、今後戯曲をより一層楽しめそうだ。

ただ、『饗宴』を読んだことがあればわざわざ読むこともないかもなー

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2020年08月12日

Posted by ブクログ

NHKの講座をもとにしたやつだけど、あれよりはるかにぶっとんだ書き方(精神的トリップ?)している。ディオティマさんのイデア論っぽいやつのところは、それに説得力を感じるかどうかとは別に、専門家にはそのプラトン的思考の奇妙さ詭弁っぽいっところも同時にしてほしいんだけど業界的にそうもいかんのだろうか。

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2020年06月15日

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