天童荒太のレビュー一覧

  • 幻世の祈り―家族狩り 第一部―(新潮文庫)
    児童相談センターに勤める氷崎遊子は、日々色々な事情を抱えた子供と接するが、虐待される女の子に胸を痛めていた。救いきれない自分の無力さを日々実感していた。
    また、高校で美術を教えている教師・巣藤浚介は、家庭を作ることに抵抗を感じていた。そんな中、教えている高校のある女子生徒・亜衣と出会う。絵のことで、...続きを読む
  • 悼む人 上
    最後の部分を読みながら鳥肌が止まらなくなった。久しぶりに芯から心が震えた。映画化で原作を知って、貴重な小説に出会えた気がする。作者の天童荒太さん自身が一番救われたんじゃないかと思える救済の物語。
  • 文藝春秋 2015年 6月号

    イイネ

    10年前から毎月購読していますが、本の整理が大変ですので3年前から電子ブックに変更。もう少し、普通の書籍に比べて安くなるとありがたいですが...
  • まだ遠い光―家族狩り 第五部―(新潮文庫)
    問題のある家庭が次々に現れ、これでもかと問題点を
    突きつけられる。どの家族も崩壊寸前だったり、もう既に崩壊していたりするのだけど、その人たちが特別おかしい訳ではない。一歩間違えれば誰でもこうなるのかもしれない・・・そういう恐怖を感じて、なんともやりきれない・・・・・

    愛情の受け止め方や、十分と感じ...続きを読む
  • 幻世の祈り―家族狩り 第一部―(新潮文庫)
    人の抱える様々な問題、それに鋭く切り込んでいく。
    フィクションとはいえ、ノンフィクションのようなリアルさが漂っている。
    5部作ということなので、読み進めていきたい。
  • 贈られた手―家族狩り 第三部―(新潮文庫)
    憎しみの連鎖は悲しいけれど、優しさの連鎖は美しいと思いました。

    息子の死を受け入れることが出来なかった母。
    老人を助けるために命を助けた最愛の息子。

    ある日、見知らぬ青年に優しくされて、理由を聞いたところ、自分も見知らぬ人に親切にしてもらったことがあるからだと言う。



    見知らぬ人だか...続きを読む
  • 遭難者の夢―家族狩り 第二部―(新潮文庫)
    自分の居場所が見つからないという意味で遭難者

    登場人物一人一人が心に傷を持ち、それを隠すように感情を持たなかったり、いい子であろうとしたり、仕事に打ち込んだり・・・

    その心の傷は、それぞれの家庭で出来たものというところが悲しい。

    『憎む』という感情が家庭で生まれたのなら、それを打破できる...続きを読む
  • 幻世の祈り―家族狩り 第一部―(新潮文庫)
    抵抗を感じるようなシーンはあって、何度か思わず顔をしかめてしまったのですが・・・

    どれも同じような事件が、最近ニュースになったりしています。
    今の世の中には目を背けてはいけない問題があるのではないかと感じました。

    安らぐはずの家庭で、何故傷つく人が後を絶たない世の中になってしまったのか、天...続きを読む
  • まだ遠い光―家族狩り 第五部―(新潮文庫)
    読み終えて、長い旅を終えたような気持ちになりました。

    不器用な生き方しか出来なかった人たちが、自分と向き合うことで、道が開け、遠くにゆっくり光が見えてくる・・・。


    最初から、上手に生きられる人なんかいないのかもしれません。

    上手に生きられないからこそ、人との絆が大事だと感じさせてくれる...続きを読む
  • まだ遠い光―家族狩り 第五部―(新潮文庫)
    問題児を抱えている家庭で、無理心中と思われる事件が発生、別の家でも再発し、警官、教師、子供ケアの専門家などの登場人物が、家族を失った人、家族崩壊などの問題を通し家族愛を描く。

    著者の家族、社会に対するメッセージを強く感じ、考えさせられる。普通の家族だと思っていても、本当にそうなのか?普通の家族とい...続きを読む
  • まだ遠い光―家族狩り 第五部―(新潮文庫)
    久しぶりに読み終わりたくない気持ちに。白夜行以来かも。次々に投げかけられる問題に、親として娘として妻として考えながら五部作あっという間に読んだ。哀しく辛い話だけど、読んで良かった。
  • 包帯クラブ
    傷ついた少年少女たちは、戦わないかたちで、自分たちの大切なものを守ることにした…。
    いまの社会を生きがたいと感じている若い人たちに語りかける長編小説。

    ~*~*~*
    「巻けます、効きます。人によります」

    傷ついたところに 包帯をまく
    とてもステキな話だと思った

    心的な外傷は、みた目に見えない...続きを読む
  • 文藝春秋2月号

    文芸春秋3月号

    年間購読にしているのですがどうしたら読めますか
  • 包帯クラブ
    分厚くもなく、文字数も多く無いのに、伝えることはぎっしりのこの本。大変感動しました。映画も素晴らし方です。多くの方にお勧めします。人には時間がたっても言えない、癒えない傷があるのですよね。優しく包帯をまいてくれます。
  • 静人日記 悼む人II
    亡くなった人々の姿を思い、“悼む”旅を続ける青年のお話。前作(?)「悼む人」と違って本作は日記形式で綴られているので、主人公の思いがよりダイレクトに伝わってくるような気がします。

    その日記は(ほとんど)毎日違った人を悼む内容になっていて、短い日記の中に死者一人一人の人生や、残された人たちの死者に対...続きを読む
  • 包帯クラブ
    自分が過去に負った傷や悲しみを認めてあげようっていうお話。

    自分の中で本当は辛かったけど目をつぶってやり過ごしてきて蓄積してきたことを消化していかなきゃいけないんだなって思った。

    この本の何が響くかって、不確定な加害者意識にとらわれる準主人公の存在だ。加害妄想に何度も何度もとらわれてしまうぼくは...続きを読む
  • 包帯クラブ
    気に入った。
    他人の痛みに共感しようとする姿勢は、とても心地よく、温かく感じる。
    他人の傷、その痛みを完全に理解はできないし、それが何になる?という問いは必ずあるのだけれど、まずは寄り添うことから全てが始まる、そんな気がする。
  • 贈られた手―家族狩り 第三部―(新潮文庫)
    年末に読み終えた!全5巻の3巻目!
    こんなに丁寧に細かく書かれている小説は久しぶりだ。
    胸に突き刺さる部分が多すぎる。何度本を閉じて考えたか・・・
    ただのミステリと決めてかかっていた1、2巻のイメージがここで完全に改めさせられた。もう事件なんてなくても成立しそうな小説だ。
    亜衣のくだりはショッキング...続きを読む
  • 巡礼者たち―家族狩り 第四部―(新潮文庫)
    そして4巻目! 前巻で苦しみの沼にどっぷりはまり込み、もがく姿を見ていたと思ったらさらにどんどんと深みにはまって行く・・・
    助けて、と、助けたいが上手く合わなくてもどかしい。
    新しい生き方、救いを見つけられたと思っても、過去に引きずり戻される。
    そしてついに事件も核心に迫って行く・・・
  • 贈られた手―家族狩り 第三部―(新潮文庫)
    この作品が書かれたのは阪神淡路大震災の年だったらしい。でも親子・家族の問題は今でも存在しています。
    人と人との絆が見直された今年の終わりに、この本を読むと心がちくちくと痛みました。
    愛情を信じていた者との関係に苦悩する登場人物それぞれの立場に共感、同情してしまいます。
    続きの第4章を早く読みたいです...続きを読む