天童荒太のレビュー一覧
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児童相談センターに勤める氷崎遊子は、日々色々な事情を抱えた子供と接するが、虐待される女の子に胸を痛めていた。救いきれない自分の無力さを日々実感していた。
また、高校で美術を教えている教師・巣藤浚介は、家庭を作ることに抵抗を感じていた。そんな中、教えている高校のある女子生徒・亜衣と出会う。絵のことで、...続きを読むPosted by ブクログ -
問題のある家庭が次々に現れ、これでもかと問題点を
突きつけられる。どの家族も崩壊寸前だったり、もう既に崩壊していたりするのだけど、その人たちが特別おかしい訳ではない。一歩間違えれば誰でもこうなるのかもしれない・・・そういう恐怖を感じて、なんともやりきれない・・・・・
愛情の受け止め方や、十分と感じ...続きを読むPosted by ブクログ -
人の抱える様々な問題、それに鋭く切り込んでいく。
フィクションとはいえ、ノンフィクションのようなリアルさが漂っている。
5部作ということなので、読み進めていきたい。Posted by ブクログ -
憎しみの連鎖は悲しいけれど、優しさの連鎖は美しいと思いました。
息子の死を受け入れることが出来なかった母。
老人を助けるために命を助けた最愛の息子。
ある日、見知らぬ青年に優しくされて、理由を聞いたところ、自分も見知らぬ人に親切にしてもらったことがあるからだと言う。
見知らぬ人だか...続きを読むPosted by ブクログ -
自分の居場所が見つからないという意味で遭難者
登場人物一人一人が心に傷を持ち、それを隠すように感情を持たなかったり、いい子であろうとしたり、仕事に打ち込んだり・・・
その心の傷は、それぞれの家庭で出来たものというところが悲しい。
『憎む』という感情が家庭で生まれたのなら、それを打破できる...続きを読むPosted by ブクログ -
抵抗を感じるようなシーンはあって、何度か思わず顔をしかめてしまったのですが・・・
どれも同じような事件が、最近ニュースになったりしています。
今の世の中には目を背けてはいけない問題があるのではないかと感じました。
安らぐはずの家庭で、何故傷つく人が後を絶たない世の中になってしまったのか、天...続きを読むPosted by ブクログ -
読み終えて、長い旅を終えたような気持ちになりました。
不器用な生き方しか出来なかった人たちが、自分と向き合うことで、道が開け、遠くにゆっくり光が見えてくる・・・。
最初から、上手に生きられる人なんかいないのかもしれません。
上手に生きられないからこそ、人との絆が大事だと感じさせてくれる...続きを読むPosted by ブクログ -
問題児を抱えている家庭で、無理心中と思われる事件が発生、別の家でも再発し、警官、教師、子供ケアの専門家などの登場人物が、家族を失った人、家族崩壊などの問題を通し家族愛を描く。
著者の家族、社会に対するメッセージを強く感じ、考えさせられる。普通の家族だと思っていても、本当にそうなのか?普通の家族とい...続きを読むPosted by ブクログ -
久しぶりに読み終わりたくない気持ちに。白夜行以来かも。次々に投げかけられる問題に、親として娘として妻として考えながら五部作あっという間に読んだ。哀しく辛い話だけど、読んで良かった。Posted by ブクログ
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亡くなった人々の姿を思い、“悼む”旅を続ける青年のお話。前作(?)「悼む人」と違って本作は日記形式で綴られているので、主人公の思いがよりダイレクトに伝わってくるような気がします。
その日記は(ほとんど)毎日違った人を悼む内容になっていて、短い日記の中に死者一人一人の人生や、残された人たちの死者に対...続きを読むPosted by ブクログ -
年末に読み終えた!全5巻の3巻目!
こんなに丁寧に細かく書かれている小説は久しぶりだ。
胸に突き刺さる部分が多すぎる。何度本を閉じて考えたか・・・
ただのミステリと決めてかかっていた1、2巻のイメージがここで完全に改めさせられた。もう事件なんてなくても成立しそうな小説だ。
亜衣のくだりはショッキング...続きを読むPosted by ブクログ -
そして4巻目! 前巻で苦しみの沼にどっぷりはまり込み、もがく姿を見ていたと思ったらさらにどんどんと深みにはまって行く・・・
助けて、と、助けたいが上手く合わなくてもどかしい。
新しい生き方、救いを見つけられたと思っても、過去に引きずり戻される。
そしてついに事件も核心に迫って行く・・・Posted by ブクログ -
この作品が書かれたのは阪神淡路大震災の年だったらしい。でも親子・家族の問題は今でも存在しています。
人と人との絆が見直された今年の終わりに、この本を読むと心がちくちくと痛みました。
愛情を信じていた者との関係に苦悩する登場人物それぞれの立場に共感、同情してしまいます。
続きの第4章を早く読みたいです...続きを読むPosted by ブクログ