天童荒太のレビュー一覧

  • 昭和探偵物語平和村殺人事件

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    これは推理小説というより探偵小説と呼ぶのがぴったりくる本だった。
    主人公のキャラが際立っており、読むのが楽しかった。あとがきにあったようにシリーズ化してほしいな。

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    2025年11月23日
  • ジェンダー・クライム

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    現在も未だハラスメントが問題になっていることはまだまだこれからも課題だと思います。
    この度、女性総理が誕生したことで、日本は世界からどう見られるかも気になる方が多いのではないでしょうか。

    私もここ数年、夫のモラハラに悩んでいる一人です。
    60代半ばを過ぎましたが、「女のくせに」と度々言っています。
    レイプにあった女性が、非難されるのもおかしな話です。
    みんなが理解するのに時間はかかると思いますが、明るい社会になるよう個人でもできることは進んでやっていきたいですね。

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    2025年10月10日
  • ジェンダー・クライム

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    ネタバレ

    最後の最後まで読めない展開づくりはさすが!
    性暴力の根底にあるミソジニー、男尊女卑。性暴力は魂の殺人であり、被害者を一生に渡って苦しめるし、その周囲をも巻き込み苦しめていくのにも関わらず、その被害の深刻さは軽視され、「そんなことで大げさな」「あなたにもすきがあったんじゃないの」「ひとりで夜道を歩くから」「なんでもっと気をつけなかったの」等などのセカンドレイプが繰り返される。「明確に拒否しなかったのは同意していたから」なんて、まじハラワタ煮えくり返り案件である。日本は本当に、ちゃんと幼少期から、正しい性教育を行うべき。あわせて人権教育も。性暴力は人権蹂躙だから。
    一方で、怪我によって性行為ができ

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    2025年09月11日
  • 青嵐の旅人 下

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    戦いの無くならないこの現実の中で、どう生きますか、どう行動しますか?
    本書を読み終わって、まずはそう問われたように思います。

    舞台は幕末・1862年の伊予松山藩。
    主人公はヒスイ。お遍路宿「さぎのや」で、救吉と姉弟のように育てられた。2人とも戦を嫌い、人の命を守ろうとする。

    冒頭、ヒスイが山中で坂本龍馬を助ける場面から物語が始まります。龍馬だけでなく、その後、新選組の沖田総司や近藤勇、土方歳三と出逢い、高杉晋作、桂小五郎とも出逢っていく。都合良すぎる設定かもしれませんが、それらを超えて、十分楽しめ、考えさせられる物語。
     
     「異国の鬼畜らが、この国を領土にしようと攻めてきたら、貴様はどう

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    2025年08月23日
  • 悼む人 下

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    亡くなった人を「悼む」旅を続けている青年に関わった人達の視点の物語

    以下、公式のあらすじ
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    不慮の死を遂げた人々を“悼む"ため、全国を放浪する坂築静人。静人の行為に疑問を抱き、彼の身辺を調べ始める雑誌記者・蒔野。末期がんに冒された静人の母・巡子。そして、自らが手にかけた夫の亡霊に取りつかれた女・倖世。静人と彼を巡る人々が織りなす生と死、愛と僧しみ、罪と許しのドラマ。第140回直木賞受賞作。
    "「この方は生前、誰を愛し、誰に愛されたでしょうか?どんなことで感謝されたことがあったでしょうか?」ーー事件や事故で命を落とした人々のためを「悼

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    2025年07月16日
  • 青嵐の旅人 下

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    ヒスイと救吉、戦乱の世に二人の救護者。怒涛の後半は涙無しには読めません。
    電車内や職場で読むのはやめときましょう。

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    2025年04月18日
  • 青嵐の旅人 下

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    久しぶりに夢中になって読んだ。薩長連合や大政奉還、坂本龍馬の役割など、よくわかっていなかった経緯がすっきりと整理されてありがたかった。歴史上の重要人物と主人公との邂逅は、本当にそうであったかもしれない、そうであって欲しいと思わされるエピソードばかりで楽しかった。作者の作品はなんとなく人の業を見せつけられるイメージがあって読んでこなかったのだが、これを機に他の作品も読んでみたい。

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    2025年03月06日
  • 青嵐の旅人 上

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    この小説は幕末の有名な出来事が、その時代に生きた人の目線で語られています。私は司馬遼太郎さんの小説で幕末の面白さを知りましたが、司馬さんの小説では、顛末を全て知っている後の時代の視点が入っている気がします。「青嵐」に登場する人物は皆先のわからないその時代を生きているように思えて、より共感しました。下巻でどの様な展開がされるのかが、楽しみです。

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    2025年01月22日
  • ジェンダー・クライム

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    天童荒太さんの作品を読むのは初めてということもあり、あらすじを読んでなんとなく、「女性が男性に対して復讐をしていく、暴力描写強めな犯罪小説かな?」と思っていたのですが…。
    いざ読んでみたら、一冊の中で幾つものジェンダー問題が扱われている、ガッツリ社会派な警察小説でした。とても良い方向に、良い意味で、予想を裏切られました。
    性犯罪を加害した者、被害に遭った者。そしてその家族たちや、そういった事件に対する世間や警察の言動など、作中の至るところがリアルであり、読んでいて自然と感情移入して苦しい気持ちになったり、怒りが湧き上がったりする部分も多くあった。作品を通して現実に存在する犯罪や問題の数々を思い

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    2024年11月24日
  • ジェンダー・クライム

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    ネタバレ

    この本を選んだ動機を忘れてしまいましたがこれから読み始めます。

    謝辞の冒頭に、できるだけ現実に即した、身体だけでなく、精神的にも人々を苦しめつづける被害を取り上げるように努めた。とあるように読み進めていてとても辛く読むのを辞めてしまおうか、とも考えました。

    伊坂幸太郎さんのグラスホッパー、マリアビートル、AXと読み終わり三冊分よりさらに辛い内容だったからです。

    この作品で問題提起しているように主人とか昔からの表現が呪い?的に人を縛っているところもあるのだろう。

    言葉は選んで使わなければいけないなと思いました。
    別件で夕方友人とした会話の中で謝られてしまい何で謝るの?と聞いたらだって戻る

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    2024年10月11日
  • 青嵐の旅人 下

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    伊予松山藩から見た幕末の様子、おへんろ宿「さぎのや」の兄弟ヒスイと救吉が清々しく描かれており、救吉の医療に対する心情が心打たれました。そして新選組の原田左之助の登場が物語を引き立てていました。あとヒスイの「死に恐れぬ覚悟が読める。」この言葉からしてヒスイのすごい所が強調されていますね。幕末動乱の伊予松山藩から見た様子が様子がよく描かれています。よむ手が止まらず、歴史好き特に幕末好きにはたまらない物語だと思います。

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    2024年08月26日
  • 青嵐の旅人 上

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    伊予松山藩から見た幕末の様子、おへんろ宿「さぎのや」の兄弟ヒスイと救吉が清々しく描かれており、救吉の医療に対する心情が心打たれました。そして新選組の原田左之助の登場が物語を引き立てていました。あとヒスイの「死に恐れぬ覚悟が読める。」この言葉からしてヒスイのすごい所が強調されていますね。幕末動乱の伊予松山藩から見た様子が様子がよく描かれています。よむ手が止まらず、歴史好き特に幕末好きにはたまらない物語だと思います。

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    2024年08月26日
  • 君たちが生き延びるために ──高校生との22の対話

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    作家・天童荒太が若者にメッセージを送り、若者の質問に答える。実直で真摯な言葉が胸に響く。
    ルック・アット・ミー。私を見てと求める権利は誰にもある。
    逃げてもいい場所から、逃げたくない場所へと進む。好きを追えば、あなたのための場所に着く。

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    2024年08月05日
  • 悼む人 下

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    ネタバレ

    後半は一気読みに近かった。
    序盤は静人の悼みに対して、自分の考えに合う死者の断片だけを切り取った解釈を行う事への理解が出来なかった。全ての死に同等の悼みが与えられる訳が無い。と。作中に登場する多くの人々と同じ否定的な考えを持った。が、後半は静人の人物像が深く掘り下げられ、共感とはいかなくとも理解は出来た。
    巡子の死に寄り添いながら読み進めていくうちに、自身の生き方を考えるいいきっかけになった。
    全てがままなら無いもの、人は不完全な生き物、そして完全に消化されずに逝く生き物、ただその先は決して暗い物ではない。そんな事を教えられた気がした。

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    2023年10月21日
  • 包帯クラブ ルック・アット・ミー! ──The Bandage Club Look At Me!

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    ネタバレ

    続編。

    何者にもなりたくないという思いが由来の方言会話がなくなり(それだけ大人になったということかな)キャラも掴めて、どこか客観的位置にいるギモ視点のおかげで前作よりだいぶ読みやすくなってたと思う。

    「あとがき」にもあるように、前作で「報告書」という形で語られていた彼ら・彼女らの未来を現在進行形で描きつつ、それに至る過程を前作直後から過去の出来事として描いている。

    「障害」や「差別」、「紛争」、大小関係ない様々な問題に抱いた感情真っ直ぐに自分たちの出来ることをする、やりたいからやる彼女たちの目覚ましい活動、経歴を読んでいると、自分の人生に満足してないからか「自分は何もしてないな」なんて卑

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    2023年08月25日
  • 巡礼の家

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    お遍路さんをもてなすのは、功徳を積むためだけでなく、根っこは共に悲しみ、共に苦しむ心、共に生きている者への思いやり。
    誰かが辛くしているときには、食べさせて、あったかくしてやるといい。それが、動物としてのヒトを守ることになる。

    「あなたには、帰る家がありますか?」
    「さあ、帰りましょう。私たちの家で、ゆっくりと休んでください。また、歩きだせるまで、ゆっくりと」

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    2023年07月05日
  • 包帯クラブ ルック・アット・ミー! ──The Bandage Club Look At Me!

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    先が見えない暗い現実に希望の光を与えてくれる一冊。ディノの優しい言葉が心に響いて鳴り止まない。包帯クラブの仲間に出逢い、想像力の大切さ、行動する勇気をもらった。

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    2022年05月07日
  • 包帯クラブ ルック・アット・ミー! ──The Bandage Club Look At Me!

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    前作からかなりの年月がたって失念したことも多かったけれど本作品だけでもこんなに感動を味わうことができた。ついつい自分のことだけを考えてしまいがちな日常。コロナ禍でままならないことが多い今、心に響いてくる内容だった。人の痛みに寄り添うことがこんなにも大きな力となって世界中に広がっている。彼らの青春時代、現代と綴られいく文章を夢中になって読んだ時間はとてもとてもかけがえのない体験だった。私自身の生き方を見直すきっかけになるかな。

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    2022年04月25日
  • 包帯クラブ ルック・アット・ミー! ──The Bandage Club Look At Me!

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    前作があるのを知らずに読みました。涙が溢れる。
    『この世に生を受けたすべての生き物は、命の危機にあるときには、〈ここよ、わたしはここ。わたしを見て。わたしに手を差し伸べて。〉と助けを求める権利…いえ義務がある。命とは、決して個人だけのものではなく、多くの人や自然とつながっているのだから。』胸を打つ言葉にたくさん出会えた。

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    2022年04月09日
  • 包帯クラブ ルック・アット・ミー! ──The Bandage Club Look At Me!

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    「この世界には、たくさんのつらいことがある。悲しみがあふれている。その一つ一つに手当てをすることは誰にもできない。だからといって、何をしたってむだ、なんて言いたくはない。」

    前作からかなりスケールが大きなり、世界を舞台にした物語になっていたけど、「包帯クラブ」が伝えたい根っこの部分はずっと変わらない。
    コロナ禍で余裕がなくなり、つい自分のことばかりになってしまっている僕らに、誰かのためにほんの少しでも、自分にできることをしようと思わせてくれる。
    誰かに寄り添う人がいる。優しさを与える人がいる。
    それは小説の中だけのフィクションではなく、自分が一歩踏み出してみるだけで、誰かに何かを与えることだ

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    2022年03月17日