天童荒太のレビュー一覧

  • 悼む人 下

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    直木賞作品。
    どうやってこのストーリーを締めるんだろってずっと思ってたけど、文句なしの素晴らしすぎるラストでした。

    静人が主人公のようで、静人目線は一度もない。取り囲む3名は誰も主人公じゃなく、彼らの目から見た静人を描くことで主人公を表現してる。
    キリストやブッダのことを語る人々の声によって彼らが形づくられていったのと同じように。
    それもまた圧巻。

    蒔野のストーリーは、泣きそうになった。
    父親との関係。生きたまま焼かれた女性のこと。
    静人に対する蒔野の心境が変わっていく理由の描き方が素晴らしい。複数の出来事が重なってじわじわ、が見事。

    倖世も見事にまとまった。
    でも少し物足りない気がして

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    2026年01月23日
  • 陽炎の旅人

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    平和な世の中を希求するヒスイと救吉が、今回は戊辰戦争の渦中に身を投じてゆく。市井の人であるヒスイや救吉を投入させ、より戦の愚劣さを際立たせる技巧は圧巻。史実を基に、温かみある人間模様にも注目。早くも続編が楽しみだ。

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    2026年01月12日
  • 青嵐の旅人 下

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    著者初の時代小説。
    緩急、というか若干間延びを感じる場もあるけれど、全体に引き込まれた。

    戦のない世の中に!

    お歴々は大河キャスティングが脳内再生されがちだったが、
    龍馬は終始内野聖陽一択。
    映像化の折りには是非とも彼で。

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    2026年01月09日
  • 昭和探偵物語平和村殺人事件

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    これは推理小説というより探偵小説と呼ぶのがぴったりくる本だった。
    主人公のキャラが際立っており、読むのが楽しかった。あとがきにあったようにシリーズ化してほしいな。

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    2025年11月23日
  • 青嵐の旅人 下

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    戦いの無くならないこの現実の中で、どう生きますか、どう行動しますか?
    本書を読み終わって、まずはそう問われたように思います。

    舞台は幕末・1862年の伊予松山藩。
    主人公はヒスイ。お遍路宿「さぎのや」で、救吉と姉弟のように育てられた。2人とも戦を嫌い、人の命を守ろうとする。

    冒頭、ヒスイが山中で坂本龍馬を助ける場面から物語が始まります。龍馬だけでなく、その後、新選組の沖田総司や近藤勇、土方歳三と出逢い、高杉晋作、桂小五郎とも出逢っていく。都合良すぎる設定かもしれませんが、それらを超えて、十分楽しめ、考えさせられる物語。
     
     「異国の鬼畜らが、この国を領土にしようと攻めてきたら、貴様はどう

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    2025年08月23日
  • 悼む人 下

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    亡くなった人を「悼む」旅を続けている青年に関わった人達の視点の物語

    以下、公式のあらすじ
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    不慮の死を遂げた人々を“悼む"ため、全国を放浪する坂築静人。静人の行為に疑問を抱き、彼の身辺を調べ始める雑誌記者・蒔野。末期がんに冒された静人の母・巡子。そして、自らが手にかけた夫の亡霊に取りつかれた女・倖世。静人と彼を巡る人々が織りなす生と死、愛と僧しみ、罪と許しのドラマ。第140回直木賞受賞作。
    "「この方は生前、誰を愛し、誰に愛されたでしょうか?どんなことで感謝されたことがあったでしょうか?」ーー事件や事故で命を落とした人々のためを「悼

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    2025年07月16日
  • 青嵐の旅人 下

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    ヒスイと救吉、戦乱の世に二人の救護者。怒涛の後半は涙無しには読めません。
    電車内や職場で読むのはやめときましょう。

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    2025年04月18日
  • 青嵐の旅人 下

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    久しぶりに夢中になって読んだ。薩長連合や大政奉還、坂本龍馬の役割など、よくわかっていなかった経緯がすっきりと整理されてありがたかった。歴史上の重要人物と主人公との邂逅は、本当にそうであったかもしれない、そうであって欲しいと思わされるエピソードばかりで楽しかった。作者の作品はなんとなく人の業を見せつけられるイメージがあって読んでこなかったのだが、これを機に他の作品も読んでみたい。

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    2025年03月06日
  • 青嵐の旅人 上

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    この小説は幕末の有名な出来事が、その時代に生きた人の目線で語られています。私は司馬遼太郎さんの小説で幕末の面白さを知りましたが、司馬さんの小説では、顛末を全て知っている後の時代の視点が入っている気がします。「青嵐」に登場する人物は皆先のわからないその時代を生きているように思えて、より共感しました。下巻でどの様な展開がされるのかが、楽しみです。

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    2025年01月22日
  • 青嵐の旅人 下

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    伊予松山藩から見た幕末の様子、おへんろ宿「さぎのや」の兄弟ヒスイと救吉が清々しく描かれており、救吉の医療に対する心情が心打たれました。そして新選組の原田左之助の登場が物語を引き立てていました。あとヒスイの「死に恐れぬ覚悟が読める。」この言葉からしてヒスイのすごい所が強調されていますね。幕末動乱の伊予松山藩から見た様子が様子がよく描かれています。よむ手が止まらず、歴史好き特に幕末好きにはたまらない物語だと思います。

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    2024年08月26日
  • 青嵐の旅人 上

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    伊予松山藩から見た幕末の様子、おへんろ宿「さぎのや」の兄弟ヒスイと救吉が清々しく描かれており、救吉の医療に対する心情が心打たれました。そして新選組の原田左之助の登場が物語を引き立てていました。あとヒスイの「死に恐れぬ覚悟が読める。」この言葉からしてヒスイのすごい所が強調されていますね。幕末動乱の伊予松山藩から見た様子が様子がよく描かれています。よむ手が止まらず、歴史好き特に幕末好きにはたまらない物語だと思います。

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    2024年08月26日
  • 悼む人 下

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    ネタバレ

    後半は一気読みに近かった。
    序盤は静人の悼みに対して、自分の考えに合う死者の断片だけを切り取った解釈を行う事への理解が出来なかった。全ての死に同等の悼みが与えられる訳が無い。と。作中に登場する多くの人々と同じ否定的な考えを持った。が、後半は静人の人物像が深く掘り下げられ、共感とはいかなくとも理解は出来た。
    巡子の死に寄り添いながら読み進めていくうちに、自身の生き方を考えるいいきっかけになった。
    全てがままなら無いもの、人は不完全な生き物、そして完全に消化されずに逝く生き物、ただその先は決して暗い物ではない。そんな事を教えられた気がした。

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    2023年10月21日
  • 巡礼の家

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    お遍路さんをもてなすのは、功徳を積むためだけでなく、根っこは共に悲しみ、共に苦しむ心、共に生きている者への思いやり。
    誰かが辛くしているときには、食べさせて、あったかくしてやるといい。それが、動物としてのヒトを守ることになる。

    「あなたには、帰る家がありますか?」
    「さあ、帰りましょう。私たちの家で、ゆっくりと休んでください。また、歩きだせるまで、ゆっくりと」

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    2023年07月05日
  • 悼む人 下

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    小説の持つチカラを感じました。
    生と死、人を愛すること、善悪、家族の絆、…。
    ヘヴィーです。人生について考えさせられます。
    ラストシーンの悲しくも美しい、生の喜びに満ちた情景に涙が止まりません。
    私的、大切な本になりました。

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    2022年03月13日
  • 悼む人 下

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    読み終わった時、これまでにない角度から自分の存在を肯定された気がしました。
    正しい解釈かは分からないけれど…

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    2021年10月31日
  • 悼む人 下

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    感想がまとまらずA4サイズの紙に箇条書きしてみました。2枚びっしり書いても足りないくらいで本は上下巻とも付箋だらけ笑
    あまりにも考えさせられることがたくさんあるので
    ストレートに刺さった言葉から。

    ⦿人生はしんどいなあ。
    ⦿人物の分析よりも、その人と会って自分が何を得たかが大切。
    ⦿失われてゆくものをなげくより、残されているものを慈しもう。
    ⦿同じ事実でも立場が違えば見えているものが違う。
    ⦿疑うことなんてない。誰かのために、そのひとのためになら、自分が少しくらい損をしてもいいって思えたらそれはもう愛でいい。

    天童さんのとてもキレイな言葉の表現に感動しました!もちろん号泣こみです(TT)

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    2021年10月20日
  • ムーンナイト・ダイバー

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    フィクションなの現実の福島の人たちの気持ちをしっかり伝えていると感じた。そして、同時に励ましているとも。著者による解説、あとがきから作品に対する想い、責任感、素直な迷いが伝わってきて、再び感動する。福島の再生には、気の遠くなるような時間が要する中で、引き続き書いて欲しいと願う。

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    2021年05月08日
  • 孤独の歌声

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    登場人物それぞれの孤独がきちんと描かれている。その描写が秀逸。ミステリーとしてももちろん面白いけれど、心理描写がすごい。

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    2020年07月08日
  • だから人間は滅びない

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    だいぶだいぶ以前に『永遠の仔』は読んだことあるけど、そのときも何だかあざといというかこれみよがしなストーリーのような感じがして、それは「“荒”太」なんて名前のイメージに影響されていたのかもこのたび思ったりもしたんだけど、とにかくこの本で知った天童さんとは違う人物像を描いていたのでした。
    ふと手に取ってみれば、そんな以前のイメージだった天童さんがいわゆる社会起業家的な人たちにインタビュー(対談)している本で、ちょっと興味をもって読み始めてみたらなかなかの本だった。
    そもそもは単発のインタビュー企画だったのを天童さんの申し出で連続ものにしてもらい、サンケイリビング紙上で掲載した後、この一冊になった

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    2020年03月15日
  • ムーンナイト・ダイバー

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    震災ものは重くて自分自身が押し潰されてしまいそうになるため敬遠していたけれど
    内容を知らずに偶然手に取った本とはいえ最後まで丁寧に読み遂げることができたのは僥倖だった。危険と隣り合わせの使命みたいなものに尽き動かれながらも、答えのでない疑問を胸に抱き、自問自答を繰り返しているのは主人公だけだはないだろう。
    文章の重みをどっしりと胸に感じつつ、私も物語にどっぷり浸かり深い想いにとらわれたひとりだった。

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    2020年03月06日