天童荒太のレビュー一覧

  • 青嵐の旅人 下

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    江戸末期の混乱した情勢に巻き込まれていくヒスイと救吉。長州や薩摩、土佐だけではなく親藩だった松山藩の側からの視点で物語が進んでいくので、とても興味深く最後まで一気読みでした。歴史が苦手な人にもおすすめです。

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    2025年10月21日
  • 昭和探偵物語平和村殺人事件

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    【短評】
    不思議と目を惹かれる本というものがある。
    「何を読もうか」と本屋を散策する素敵な時間に、何故か目が行く一冊である。
    恥ずかしながら、天童荒太は未読だ。「永遠の仔」も「悼む人」も読んだことがない。初見ならば「カタイ」作品を選ぶべきだという天使の声に耳を塞いで、本には「縁」というものがあるんだという悪魔と握手してみた次第である。
    結果は、そう悪いものではなかった。

    「金田一耕助」リブートといった趣の作品。探偵あり。美女あり。見立て殺人あり。関係者が一堂に介しての推理あり。実に古式ゆかしい探偵小説である。
    ちょっと前に読んだ『同志少女よ、敵を撃て』の解説において、小説の「同時代性」につい

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    2025年10月21日
  • 青嵐の旅人 上

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    文久2(1862)年。舞台は、260年間続いた江戸幕府がいま、まさに消えようとする頃の伊予松山藩。
    代々続くおへんろ宿「さぎのや」で育てられた娘ヒスイと弟の救吉は、危機一髪の場面を救われたことをきっかけに、年少の藩士、青海辰之進と知り合う。医術で人を救うべく精進する救吉に、ある日郷足軽隊の調練に医師見習いとして同行せよと命が下る。誰よりも戦を厭い、平和を願うヒスイは、やがて救吉が真の戦に送られることは必定とみて、男装して弟に同道することを決意する。
    江戸末期といえば新選組が題材の作品は数多くあるけれど、松山藩を舞台に描かれるなんて珍しいのでは。民の平和を願いながらも否応なしに戦に巻き込まれてい

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    2025年10月12日
  • 昭和探偵物語平和村殺人事件

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    横溝正史の世界観を彷彿とさせる物語。閉鎖的、差別的な風土が根強く残る片田舎を舞台に、鯨庭行也の推理が冴え渡る。金田一耕助は頭をクシャクシャ搔くが、鯨庭は耳たぶなのですね。天童荒太先生の《謝辞》も丁寧で温かい。シリーズ化、望む。

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    2025年08月21日
  • 昭和探偵物語平和村殺人事件

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    最後まで読むと読まないでは面白さが変わってくる。
    不思議な読み物。
    何だか懐かしい感じで昭和感を漂わせる、
    流石な演出。
    素晴らしいとしか言いようがない。

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    2025年08月06日
  • 昭和探偵物語平和村殺人事件

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    こんな作家さんだったっけ?
    『青嵐の旅人』の時もそう思ったけれど、
    新作を読んだらなおさら・・・
    『永遠の仔』のあのヒリヒリするような鋭い雰囲気、
    私の場合、あのイメージが強すぎたのかも・・・
    同世代なのでわかるけれど、いつまでもとがってばかりでいられないのかな、
    (その奥に細やかな人間愛があったとしても)
    それが読み終わっての第一の印象。

    読んでいて通奏低音のように聞こえるのが
    横溝正史の「金田一京助シリーズ」
    これは、まさにあの世界だよね~

    東京とかのとある村。
    その村で凄惨な殺人事件が起こり
    探偵と刑事が大活躍。
    やがて村の辛い記憶に行き着いて・・・

    ほら、金田一さんです!

    あと

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    2025年07月29日
  • 昭和探偵物語平和村殺人事件

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    ネタバレ

    ビートルズが日本を訪れてコンサートを開いた一九六六年。
    昭和四一年。
    日本の片隅で、或るおぞましい事件が起きた。

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    2025年07月26日
  • 青嵐の旅人 下

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    ネタバレ

    天童荒太の長編歴史小説。新聞連載小説なんだね。
    その所為か、天童さんにしては凄くストレートに判りやすい。歴史上の人物と絡ませて話を進めていくのも上手い。
    最初っから坂本龍馬が出てくるし、次から次へと歴史上の維新の志士が出てくる。ちょっとあざといとは思うけど。
    全く維新の志士と絡まないのもツマラナイけど、これだけ絡むと却って嘘っぽい。だって長州藩オールスター揃い踏みだよね。しかもいい人ばっかり。山縣有朋みたいに暗いヤツは出て来ないし。でも面白かったよ。「竜馬が行く」を読んだ人は尚更。

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    2025年07月25日
  • 悼む人 上

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    亡くなった人を「悼む」旅を続けている青年に関わった人達の視点の物語

    詳細な感想は下巻でまとめて

    以下、公式のあらすじ
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    不慮の死を遂げた人々を“悼む"ため、全国を放浪する坂築静人。静人の行為に疑問を抱き、彼の身辺を調べ始める雑誌記者・蒔野。末期がんに冒された静人の母・巡子。そして、自らが手にかけた夫の亡霊に取りつかれた女・倖世。静人と彼を巡る人々が織りなす生と死、愛と僧しみ、罪と許しのドラマ。第140回直木賞受賞作。
    "「この方は生前、誰を愛し、誰に愛されたでしょうか?どんなことで感謝されたことがあったでしょうか?」ーー事件や事故

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    2025年07月15日
  • 昭和探偵物語平和村殺人事件

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    昭和四十一年。終戦に貢献した英雄がいたことで「平和村」と改名されることになった尽忠村に、新人女優の華井乃愛が帰省する。映画の宣伝も兼ねたそのイベントだったが、謎の脅迫状に始まり次々起こる不穏な事件。この村で何が起こっているのか。レトロな雰囲気たっぷりのミステリです。
    訳ありな村で起こる殺人、というあらすじだけを取り出してみればおどろおどろしい印象しかありませんが。探偵役の鯨庭がなんともほっこりとした良いキャラで、そのせいかあまり殺伐とした雰囲気は感じません。当時の時代情勢や風俗も事細かに注釈されていて、どっぷりと雰囲気に浸れました。これはシリーズ化するのなら、かなり楽しみです。
    とはいえ、事件

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    2025年07月14日
  • 昭和探偵物語平和村殺人事件

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    いわゆる横溝的な村ミステリですが、おどろおどろしいというより戦争との結びつきからくる悲劇を描いたいい作品でした。

    2957冊
    今年185冊目

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    2025年07月07日
  • 昭和探偵物語平和村殺人事件

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    ネタバレ

    天童荒太先生の既刊の他の物語とは少し違う雰囲気にとまどいながらも読み進めるうちに引き込まれ、全く予測ができない展開にドキドキ。
    平和村殺人事件は戦争があったから起こってしまった。現代日本人には理解することが難しい戦争に対する考え方…過去に広島の平和記念資料館に行ったことも思い出し、胸が痛くなりました。
    巻末に筆者あとがきや謝辞があるのは先生方の作品に対する思いに触れることが出来るので嬉しい。
    本作も天童先生の謝辞があり、また鯨庭行也の物語を読めそうなことを書かれていたので楽しみに待ってます。

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    2025年06月22日
  • 悼む人 下

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    主人公の心の動きよりも、母親の強い気持ち、行動に共感を覚えた。
    このように、ひとりの人間として、受け入れながらも、あがきながら最期が迎えられたらと思う。

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    2025年06月17日
  • 青嵐の旅人 下

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    天童荒太さん初の時代小説。

    「悼む人」や「永遠の仔」みたいな重いテーマの印象が強い作家さんだったけど、これは終始爽やかさがあって好きでした。
    この爽やかさはヒスイや救吉、辰之進など主要人物たちの人物設定によるのかな。

    幕末の伊予松山藩の遍路宿で育ったヒスイと救吉が、坂本龍馬や緒方洪庵、新選組、高杉晋作・桂小五郎などの有名人たちと関わって、動乱を駆け抜けて行くお話。
    幕末の有名どころと知り合いになりまくっていくあたりは、いかにも物語だなぁってかんじなんだけど、でも有名キャラ出ないと楽しくないしね。

    ブラックキャラの鷹林も結構好きでした。

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    2025年04月06日
  • 青嵐の旅人 下

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    下巻は歴史の流れからも戦の場面が多く、中弛みしてしまうのではと危惧しながら読み進めたが、緩急の付け方が絶妙で、長州や伊予松山藩の時節の描写に舌をまきながら改めて苦手として目をつぶってきた歴史を鑑みられたのは自分でも驚きだった。坂本龍馬は相変わらずかっこいいし、鷹林もヒールとして彼抜きにはいられない。登場人物の巧みな絡みで最後まで一気読みだった。天童荒太さんの時代小説は最高❗️

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    2025年03月07日
  • 青嵐の旅人 上

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    時代小説とは知らずに読み始めた。幕末は個人的にあんまり得意な時代ではないので挫折することも覚悟したが、ヒスイや救吉の目線から描かれた庶民の視点は非常に馴染みやすく、坂本龍馬や新撰組のくだりも自然と入ってきて夢中になっている。登場人物の多さも巻頭の人物表でどうにか乗りきっている。後半も非常に待ち遠しい。読破できるか少し不安は残るけれど、いけそうな気がしている❗️

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    2025年03月03日
  • 青嵐の旅人 下

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    下巻は池田屋事件からスタート。庶民目線の描写が、反戦を強く訴える。相容れぬ鷹林と辰之進の最期の決戦も止む無き。ヒスイや救吉が訴え続けた『戦をしない、させない』願いを守っていかねばと強く思う。

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    2024年12月14日
  • 青嵐の旅人 上

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    新時代の幕開けとなる幕末期。伊予松山藩の温泉『さぎのや』の娘ヒスイと弟の救吉が医務方を志願し、戦場へ。上役に戦の愚かさを切々と説く二人だが…天童荒太先生ならではの簡潔で優しい読み心地とメッセージ性は健在。龍馬や新選組らの登場も見所だ。下巻へ。

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    2024年12月13日
  • 青嵐の旅人 下

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    天童作品には珍しい時代もの。
    歴史に疎い自分は読み進めるのに時間がかかったが、敵味方分け隔てなく人を助けたいと願う若者の心意気が素晴らしいと思った。
    ヒスイと救吉を取り巻く人々はみな優しく温かい。
    読み応えのある物語だった。

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    2024年11月30日
  • 青嵐の旅人 上

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    久々の天童作品は初の時代劇だった。
    敵味方関係なく、人を助けたいと願う若者たちの物語。
    物語冒頭のヒスイと坂本龍馬との出会いはとても面白かった。
    その出会いが後々の幕末の志士たちとの関わりにつながっていく。

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    2024年11月30日