【感想・ネタバレ】悼む人 上のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年11月29日

死者を悼む旅を続ける青年の物語。

ここで言う「悼む」とは、弔うことでもなく冥福を祈ることでもない。

忘れずに覚えていると言うこと。

とても単純なことのように思えるがこれがものすごく心に突き刺さった。

確かに死んだ人とは二度と会えないが、覚えてくれる人がいる限りその人の存在が消えることはない。...続きを読む

そこにスポットを当てた作品だと感じた。

死ぬとはなんなのか、生きるとはなんなのか、存在するとはなんなのか、その全てに一つの導きを与えてくれているような気がする。

どれが正しいなんて分からないが、主人公は全て分かっていて、母に会いに行かず、倖世に託しのではないか、誰かが覚えてくれていればその存在は消えることはないのだから。

0

Posted by ブクログ 2019年03月11日

人の生き様に善し悪しをつけることなく、全て尊いものとして捉えていくことは自分の持つ想いと重なるところがある。共感できる。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2018年08月13日

天童荒太 先生の著作で直木賞受賞作で映像化もされている作品なので読んだ本。主人公の坂築静人のキャラクターが今までに無いキャラクターで良かった。物語の結末がどうなるのか気になる小説。静人は上巻の段階では立派な宗教家で聖人という印象のキャラクターだと思った。静人の「死者が誰に愛されていたか、誰を愛してい...続きを読むたか、どんなことをして人に感謝されたかか」という質問は人のことを知る時の尺度として考えさせられた。

0

Posted by ブクログ 2018年07月16日

これを書こう。書きたいと思った天童さんがまず凄い。そして、家族を亡くした人。大病した人は余計わかる、理解できると思う。

0

Posted by ブクログ 2015年07月05日

最後の部分を読みながら鳥肌が止まらなくなった。久しぶりに芯から心が震えた。映画化で原作を知って、貴重な小説に出会えた気がする。作者の天童荒太さん自身が一番救われたんじゃないかと思える救済の物語。

0

Posted by ブクログ 2022年08月06日

一般的には存在しないであろう「悼む人」が、何かのメタファーになっているのだろうと思って読んでいたら読み終えていた。「悼む人」の真理とは何かが気になると同時に、死=悲しいとは違う何かを考えさせてくれる作品で、下巻を早く読みたくて仕方がない。

0

Posted by ブクログ 2020年02月20日

人の死とはどういうものなのだろうか。
この世にいなくなった人をずっと思い続けることはできるのだろうか。
僕も大切な人を亡くしたのに。
その時は胸が張り裂けるような思いをしたのに。
今は日常の生に追い立てられ、大事な人の存在も希薄になっていく。

静人の悼むということは何を意味するのか。
生とは死とは...続きを読む

徐々に明らかにされていくエピソードがどう帰結していくのか。

0

Posted by ブクログ 2018年06月09日

「永遠の仔」に描かれた主人公たちの運命が痛ましく、強烈であり、天童荒太が書いたものを何年も手に取ることを避けていました。

本書の主人公たちも過酷な運命を負うものなのですが、真摯な姿に共感に似た思いを感じ、「永遠の仔」の時のように文字を追う度に心が軋むようなことはありませんでした。

忘れて生きてし...続きを読むまう、大切なこと。気に留めず過ごしても、生活を回して行くには大過のないこと。でも、すべての人にとって当たり前な、生きること、死ぬこと、愛すこと、愛されることに心を寄せ大事に思うことで、無駄な力みがなくなり、背筋伸びやかに生きられるのでは。本書を読みそう思うことができました。

0

Posted by ブクログ 2017年06月14日

前から読んでみたかった天童荒太。なんとも不思議な設定の本。悼む人、があちこちで悼みながら旅をする話を中心に、まつわる人々の話が絡んでいく。死と生が絡み合う重いお話だが、知らなかったけど直木賞受賞作らしい。へえ、こんなのがね。色々と考えさせられるというか、地味だけど面白い。下巻に期待。

0

Posted by ブクログ 2017年04月14日

知り合いでもない人を全国ただただ悼んで回る静人の行動は、分かるような分からないような、曖昧な感じ。家族じゃないけど、何故、彼がそこまでやらねばならんのだろう。
人は誰かの記憶の中にだけ生きてて、覚えてる人の数だけ別の人生があるのかも、っていうのは感じたことがあるのだけれど、む、難しい。
とにかく一度...続きを読む、実家に帰ってほしい。

0

Posted by ブクログ 2023年03月13日

私が常々思っていた事を代弁してくれているような言葉。「亡くなった人の人生の本質は、死に方ではなくて、誰を愛し、誰に愛され、何をして人に感謝されたかにあるのではないか」
祖母の死は脳梗塞からの寝たきり。意思を示すこともできず数年。どんなに辛かったかとつい思い出して、そんな最期だなんて…とそこばかりが思...続きを読むい出されてしまう。でも祖母だって同情なんていらないはず。どんなに私達に優しくしてくれて、どんなに皆に愛されてきたかを思い出してくれる方が、絶対に幸せなはず。誰だって生まれたら死ぬのだから、死に方は大した問題ではなくて、どんなに素敵な人だったかの方がずっと大切なんだと、改めて気付かされた。

0

Posted by ブクログ 2017年01月03日

死者のことを心に刻む。生きている限り覚えているように努める。ひたすらそれだけを続ける旅に明け暮れる青年。その人が誰を愛し、愛され、何をして人に感謝されたことがあったかを問い、その死者が確かに存在していたことをただ覚えておく。
不思議な物語。このあとどのように話が展開していくのか、想像がつかない。

0

Posted by ブクログ 2016年02月10日

何と表現するのか分からないが、作家はこの本をどういう意図で書いたのだろう。
自身の過去の経験から死者のことを覚える旅を続けるという、意味の分からない話。
色々な死に纏わる話を扱うので、それが目的なのかも知れない。
ともあれ、下巻に続く。

0

Posted by ブクログ 2015年06月22日

悼む人 上

全くの赤の他人なのに死んだ人の、生前どんな人に愛され、また感謝されたかを聞いて、決して自分は確かに貴方が存在したことを胸に刻み忘れませんと悼む。

冥福を祈るのとは違って、ただ、胸に刻む。

そうやって日本全国を回ってる主人公。

様々な人と関わっていくんだけど下巻ではどんな展開が待っ...続きを読むてるのかな。

いろんなことを考えさせられる本です!

0

Posted by ブクログ 2015年04月17日

亡くなった人を悼むため日本中を歩いている「悼む人」が、なぜそうなったのか、彼は何をしたいのか、何を考えているのか、3人の視点から描いた作品。
ただ、これはあくまでも他人から見た「悼む人」の姿であり、その真実は(多分主人公もはっきりわかっていないと思うが)最後までわからない。
あくまでの読者がどう思っ...続きを読むたかを感じる作品。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2015年03月22日

上巻は倖世が夫殺しの事実を静人にうちあけたところで終わる。初盤は甘さのある文体で、冗長な感じも受けたが、中盤を過ぎる頃から引き込まれていった。
静人のしていることは僧侶のようであり、そうでない。無宗教、宗教離れの時代の日本を描いている。
寺の跡取りで優等生として育った朔也の自身を吐露する件があり、印...続きを読む象的だった。

0

Posted by ブクログ 2023年05月02日

人の死、様々な死因があるが死後には殆ど死者に対する営みが家族以外されず、忘れ去られる。家族、親戚、同僚、更に鳥の死から死後に報われる世界を見ていた静人は「悼む」事でその死を弔った。知りたかったことは3つ、生前、誰に愛され、誰を愛し、誰から感謝されたのか。僧侶が悟りを受けるまでの修行のような旅を続ける...続きを読む

0

Posted by ブクログ 2023年03月25日

不慮の死ー事故・家事・喧嘩等々ーを遂げた人々を 死を迎えた現場で“悼む”旅を続ける青年。
誰を愛し、誰に愛され、どんなことで人に感謝されたことがあったか。それを知り、そのことを覚えておく事で、悼む。
彼が悼みの旅を続ける意味合いを、エログロ記者を目撃者・偽善者として、余命わずかな母親を保護者・代弁者...続きを読むとして、望まない夫殺しの殺人者を随伴者・傍観者として、解き明かそうとしている。
少なからず影響を受ける者、嫌悪する者、死者の記憶の共有を喜ぶ者。掴みどころのない彼の行為は、本人さえ理解できていないのか?
うーん?どうなるのか、下巻へ。

0

Posted by ブクログ 2021年05月09日

静人という青年がただひたすら亡くなった人を悼み旅をする。静人に出会い戸惑いと疑問を感じながらもいつしか惹かれていく週刊誌記者と夫を殺した女性、静人の母親の視点を通して物語が進む。

見ず知らずの亡くなった場所へ行き、周辺でその人のことを聞いてただ悼む。それにどんな意味があるのか、何の為にそんなことを...続きを読むするのか周りから批判や疑問を投げかけられる。私も同様に思ったし、読んだ後もその疑問を拭えない。

当たり前だが、死の描写が多くニュースを見ているようで気分が重くなった。
ただ静人以外登場人物が魅力的なのでサクサク入り込んで読めた。主人公にもかかわらず静人だけどんな人間かよくわからない。
わざとそう描かれているのかも。
下巻に続く…

0

Posted by ブクログ 2020年03月30日

いろんな視点から静人が語られる。
それぞれが自分の感情や状況を乗せてひとりの人、行動を理解しようとする。でも本当のところはどうなのか分からない。
何かものすごい盛り上りがある訳じゃないけど、先が気になる。
今後どんな感じに進むのか?下巻が楽しみ。

0

Posted by ブクログ 2018年10月14日

不慮の死を遂げた人々をただ悼む為全国を放浪する静人を、彼の行為に疑問を抱くバツイチの雑誌記者蒔野、末期癌に冒されるも家族と明るく生きる母巡子、倒錯した関係の夫を殺し刑期を終えたのち夫の亡霊が肩の上に現れるようになった倖世を通して見る。三人の各人生が密で、余計な捩れの一切ない静人も合わせ引き込まれた。

0

Posted by ブクログ 2018年06月08日

悼む人の影響を受けた人たちの話であって、悼む人自身の話ではないのか。それは下巻なのかな。
上巻はまだまだ、ただただ不思議な感じ。

0

Posted by ブクログ 2018年02月13日

天童荒太氏の小説はこれが初めて。
最初は奥田英朗氏の伊良部先生シリーズのシリアス版的な読書感でしたが、物語が進むにつれて、これは静人だけの物語ではないと。キノさんのパートが好きです。
後半も楽しみです。

0

Posted by ブクログ 2016年11月23日

久しぶりの天童作品。
すっかり忘れていた、独特の重苦しい雰囲気。
とにかく、ラストで気持ちが救われることを祈りつつ、上巻を乗り切った感じ。

0

Posted by ブクログ 2015年12月19日

第140回直木賞受賞作品!
感動、感涙とまでは行かず、読中も読後も複雑な心境な作品。

悼む人を3人の視点から語る作品。
ジャーナリスト?の蒔野、末期がんに侵された母親の坂築、夫殺しの奈義。その3人の視点から主人公悼む人についてのかかわりが語られることで、悼む人を浮き彫りにしていく感じです。
正直、...続きを読むこの悼む人のキャラクタには共感できないし、ぶっちゃけ理解できない。また、上巻では、ざっくり悼む理由が語られていますが、いまいち腹に落ちません。
さらに、母親のキャラクタがいまいち共感できません。
とはいうもの、悼む本当の理由なり原因が下巻で明らかになることを期待して、読み進むことになります。

ただ、本作を読むことによって、死んでいく人、死んだ人にたいしていろいろ考えさせられます。
忘れてしまいたい人、忘れてはいけない人。心の整理をつけたい人。残された人の気持ち。なくなった人々すべてを「悼む」という言葉で、覚え続けることが主人公の役割となっています。

この悼むという行為が意味があることなのか、ないことなのか考えてしまいます。

ということで、下巻に続く!!

0

Posted by ブクログ 2015年11月07日

なんとも信じがたい話。生きるために人間は忘れるというけど、それを良しとしなければ生きづらい。そして、そうしなければ生きられないなんて苦しい。その先に何があるのか。後半に続く。

0

Posted by ブクログ 2015年08月17日

うーん、人の死との向き合い方について考えさせられます。

彼は遺族と読者をつなぐ媒介者にして、読者と死をつなぐ媒介者なのです。

うん。何言ってるかわからない。
哲学的なことを言いたかっただけです。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2015年04月02日

上下巻まとめての感想です。

映画→原作の順で見ました。映画より原作の静人の方が好青年っぽいですね。あと、坂築夫婦の夫婦愛に萌えました。

0

Posted by ブクログ 2015年08月29日

放浪の旅、心に刻むため「この方は生前、誰を愛し、誰に愛されたでしょうか?どんなことで感謝されたことがあったでしょうか?」を問う。エグい記事を書くルポライター、夫の霊と話す随伴者、がんで余命わずかな母親と家族たち。

様々に亡くなった、数多くの人たち、その断片的なエピソードのチカラ。忘れないこと、覚え...続きを読むていること。

0

Posted by ブクログ 2023年03月23日

未だに思い出したように余震が続く東日本大震災。
一瞬の出来事が多くの人々の生死を分け、15,000余の方々が亡くなり、9,000弱の行方不明者が残る。
遺体があがらない、見つかっても判別がつかない、多くの人がこのような死の形に向き合わなければならない事態は戦後の平和な時代には絶えて無かったものと思わ...続きを読むれる。
全国を放浪し死者を〈悼む〉旅を続ける坂築静人。彼ならこれにどう向き合うのか。
彼の行為をどう捉えたら良いのか、薄気味悪い、得体の知れない、意味分かんない…、もどかしさとも悩ましさともつかない思いを持ちつつ、しかし、蒔野や倖世と同じく放っておけずに読み進め次第次第にその世界に入り込む。
『亡くなった人を、ほかの人とは代えられない唯一の存在として覚えておきたいんです』と、『その人は、誰を愛したか。誰に愛されたか。どんなことで人に感謝されたことがあったか』を問い続ける。
三流週刊誌の記事を読むような生々しさをもって多くの死が描かれ、加えて彼を取り巻く人々‐人生に倦んだ週刊誌記者、自らが手にかけた夫の亡霊に取り憑かれた女、対人恐怖症の父、末期癌の母、別れた恋人の子を身籠る妹‐の壮絶な人生模様に人間の本性が垣間顔を出す。
『彼はいまどこですか。何をしていますか。なぜあんなことをしていたのでしょう。いまもああした行為をつづけていますか。何が目的ですか。〈悼む人〉は、誰ですか』…戸惑いのまま下巻へ。

0

シリーズ作品レビュー

「小説」ランキング