天童荒太のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
とうとうシリーズ4作目。
ここに来て淑子じゃなく游子だと知り愕然とする。
動物殺しと一家心中事件の全貌が段々明らかになってきたが、各々の問題は更に深刻な状態に。
変化を遂げたのは巣藤。彼女も仕事も失ったけど、1番好転した。人の手を借りながら土を作り、人の手を借りながら自分の家を整える。
自分の手で何かを生み出すことで、自分の中の無力感に抵抗する術を覚えた。
芳沢亜衣とも向き合おうとしたけど、ちょっと難易度が高すぎたね…。彼女がどこに電話していたのか想像が合っていたら次の犠牲者は…
亜衣自身も過食と嘔吐を繰り返し、学校でも嫌がらせを受ける。自分は人形で何にも心を動かさない…と思い込まないと -
Posted by ブクログ
「永遠の仔」に描かれた主人公たちの運命が痛ましく、強烈であり、天童荒太が書いたものを何年も手に取ることを避けていました。
本書の主人公たちも過酷な運命を負うものなのですが、真摯な姿に共感に似た思いを感じ、「永遠の仔」の時のように文字を追う度に心が軋むようなことはありませんでした。
忘れて生きてしまう、大切なこと。気に留めず過ごしても、生活を回して行くには大過のないこと。でも、すべての人にとって当たり前な、生きること、死ぬこと、愛すこと、愛されることに心を寄せ大事に思うことで、無駄な力みがなくなり、背筋伸びやかに生きられるのでは。本書を読みそう思うことができました。
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Posted by ブクログ
「家族」というものへの思い。
それはきっとひとりひとり違っていて当たり前なのだろう。
現実としての家族をしっかりと見据えて生きていくか。
それとも、幻想の中にある家族を追い求めて生きていくか。
答えはそれぞれの中にあるようで、実はどこにもないかもしれない。
親になりたくて親になる人ばかりではない。
親を選んで子どもになったわけではない。
もしも運命というものが本当にあるのなら、きっと親子になったことは運命なのだろう。
登場人物たちはみな一つの結末を迎える。
その結末を幸せだと受け止めるか、不幸だと嘆くか。
きっとそれも人それぞれだ。
生きていくことの意味。
家族である意味。
そして、ひとりであ -
Posted by ブクログ
何故こんなに腹が立つのか、自分でもよくわからない。
馬見原の自分勝手さが嫌でたまらない。
結局、馬見原は自分の弱さに向きあうことができずに逃げているだけだ。
誰を守ろうとしているのか。
馬見原のような中途半端で覚悟も何もないような人間に、誰かを守るなんてことが出来るとは思えない。
もしも馬見原のような男が父親だったとしたら、真弓よりもずっと強い拒絶をしていただろう。
馬見原は、周りを見ているようで何も見えていない。
自分にとって都合の悪いことや向き合いたくないことからは、怒鳴って、体裁を取り繕って、逃げて自分を正当化する。
その繰り返しだ。
刑事としては優秀なのだろう。それなりに信念があって捜