天童荒太のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ前作、包帯クラブから16年目の本作だそうです。
クラブのメンバーも前作と同じもしくは追加メンバーもいますが、すべて忘れています。
その彼らも大人になって、社会人になって、医療現場だったり、報道カメラマンだったり、外交的仕事についたり、国際的に動いていて、包帯クラブもバンテイジ・クラブとして、その活動は世界的なものになっています。
痛みや悲しみや辛さは世界共通どこにでもあって、彼らの活動はとどまることがないのです。
もしこの作品が映像化されるとしたら、BGMはスピッツかなと思いましたが、やっぱりあいみょんだなと、頭の中であいみょんを流しながら読み終えました。 -
Posted by ブクログ
傷そのものに包帯を巻くのではなく、傷ついた場所に包帯を巻くという小さな行動から始まった「包帯クラブ」。
その活動は、いつの間にか反響を呼んだが、理解できないことや反発があった事により、自粛させられた。
その後、六人の高校生は、包帯=「バンド」という意味合いから、音楽の「バンド」を始めるようになった。
そして、成人した彼らは、世界の紛争の現場へと活躍を拡げていく。
前作が発刊されたのは、2006年。あれから16年なので、読んだ時の記憶は曖昧でしたが、雰囲気は蘇ってきました。
映画化もされていて、ちなみにそのキャストは、
ディノ:柳楽優弥
ワラ:石原さとみ
ギモ:田中圭
タンシオ:貫地谷し -
Posted by ブクログ
ネタバレ東日本大震災から4年半、海底に沈んだままの遺留品を回収するために夜の海に潜る舟作が、遺族の一人、透子と出会い、彼女の元夫の結婚指輪を探そうとする。
海水の放射能汚染のリスクや、夜の海に潜ることのリスク、さらには見つかったら罰せられるかもしれないリスクがあるなか、ダイバーとして協力する舟作も、会費を払ってでもこの取組を進めたいと考える遺族たちも、津波の被害者である。それだけでも理不尽なのに、それぞれが、遺品が見つかってほしい気持ちと、見つかるとその持ち主の死を認めざるを得ないから、出てきてほしくないと思う気持ちの間で揺れている様子には、心を揺さぶられた。
そして、物語自体もよかったが、文庫版 -
Posted by ブクログ
ネタバレ上巻は悼む描写が多く、なんだか読んでて暗い気持ちになったが下巻は暗いながらも光がさしてきた感じで引き込まれた。
ゆきよの肩の亡霊を通して、気持ちがよくわからなかった静人の本音も聞けてスッキリした。
「自殺をする代わりに、他人の死を悼むようになったのかもしれないなって」言葉が印象的。
生きる為にそれをするしかなかったんだと思うと気持ちはわからないが納得できた。
生と死、愛は何かとか一生のテーマで難しいけど、考えさせられる物語で一読の価値あり。
いつかはみんなも自分も死ぬわけだし。
最後の巡子が見たシーンの描写は美しく、死ぬ時に見えるのがそういう光景なら死も悪くないと思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ初めて読む作者。短編小説のようにストーリーの積み重ねから構成されている。唐突に話が変わっていくが、最後には繋がる。構成が上手いと思う。下巻まで読み進めるか迷ったが、後から思えばこの構成の所以かもと思った。
主人公は医学的には先天的な病なのだろう。病を克服するためか、或いはアイデンティティのためか医者になり、無痛症の患者を探し、探究していく。精神ではなく肉体的な痛みを感じない人との共通性、親和性を。主人公の万浬の探究に答えは見つかるのか、見つからないような気がする。万浬は生まれながら心の痛みを持たない。理性的であり、冷静である一方で冷淡な人。人間は痛みを感じれるからこそ生きていけるし、人への愛( -
Posted by ブクログ
明記はされていませんが、3.11から4年半後の福島を描いた作品です。
そろそろ震災から10年を経ようとしています。この間、震災をテーマにした沢山の物語を出版されましたが、これまで積極的に手を出しませんでした。そんな本は多くないと思いますが「ブームだから」とか「売れるから」なんて思いで書かれた本だとすれば辛いだけですから。
この本はテーマを知らずに借りたのですが、10年を経て生き残った本なら今後は読んで行こうかと思います。
サバイバーズ・ギルト(生存者の罪悪感)がメインテーマです。ただそれをシンプル・ストレートに表すのでは無く、罪悪感と違和感の中間の様な、普段は表面に出ないのだけどある瞬間に