天童荒太のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
悼む人の静人がずっとつけていた日記を元にした小説。
日記形式の前日譚に近いのかもしれない。
悼む人では第三者目線で静人のことが描かれており、家族や出会った人々によって静人の印象が変わって行き、その人々によって読者の心も動かされていた。
今度は静人自身の主観で描かれているため、彼の心の動きに合わせて読者側も心動かされるのだけど、あっち行ったりこっち行ったりせず一本通ったものが背景にあるので、悼む人以上に気持ちが入って行き、その決心や迷いに共感させられる。
悼む人では考えさせられることが多かったが、今作は本能的に涙させられた。
自分にはその気がなくても、自分が静人と同化したような感覚に陥 -
Posted by ブクログ
ネタバレ死者を悼む旅を続ける青年の物語。
ここで言う「悼む」とは、弔うことでもなく冥福を祈ることでもない。
忘れずに覚えていると言うこと。
とても単純なことのように思えるがこれがものすごく心に突き刺さった。
確かに死んだ人とは二度と会えないが、覚えてくれる人がいる限りその人の存在が消えることはない。
そこにスポットを当てた作品だと感じた。
死ぬとはなんなのか、生きるとはなんなのか、存在するとはなんなのか、その全てに一つの導きを与えてくれているような気がする。
どれが正しいなんて分からないが、主人公は全て分かっていて、母に会いに行かず、倖世に託しのではないか、誰かが覚えてくれていればその存 -
Posted by ブクログ
ネタバレ死者を悼む旅を続ける青年の物語。
ここで言う「悼む」とは、弔うことでもなく冥福を祈ることでもない。
忘れずに覚えていると言うこと。
とても単純なことのように思えるがこれがものすごく心に突き刺さった。
確かに死んだ人とは二度と会えないが、覚えてくれる人がいる限りその人の存在が消えることはない。
そこにスポットを当てた作品だと感じた。
死ぬとはなんなのか、生きるとはなんなのか、存在するとはなんなのか、その全てに一つの導きを与えてくれているような気がする。
どれが正しいなんて分からないが、主人公は全て分かっていて、母に会いに行かず、倖世に託しのではないか、誰かが覚えてくれていればその存 -
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天童荒太『ムーンナイト・ダイバー』文春文庫。
主人公自身が震災で生き残ったことへの贖罪への訣別と新たなる未来の光を感じた素晴らしい震災小説であった。
震災から四年半が経った地で月夜に海に潜り、被災者たちの遺留品を回収するダイバー・瀬奈舟作。彼は或る人物の依頼で、金品目的ではなく、震災で大切な人を亡くした人びとのために海に潜り続ける。
書下ろしエッセイ『失われた命への誠実な祈り』も収録。
あれから8年余りが過ぎようとしている。東日本大震災の津波により沿岸地域は壊滅的な被害を受けた。国道に無惨に転がる家屋、海から打ち上げられた船、建物の上に持ち上げられた自動車、流された多くの人びと……誰が -
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すごく面白かったと同時に、すごく恐ろしい物語だった。
天童荒太さんの小説を読むのは初めてだけど、映像化されているものはいくつか観ていて、そのほとんどすべてに共通しているのが“人の生い立ちとその後のこと”だと思うのだけど、人の暗い生い立ちが凶悪な犯罪につながることもあるという物語の中の出来事は、現実でもけっこう見かける事実だと感じた。だからとても恐ろしかった。
物語の大筋は、ひとり暮らしの女性たちが次々誘拐され悲惨な末路を迎えている連続殺人事件と、同じ管轄内で度々発生しているコンビニ強盗事件。
コンビニ強盗を担当する女性刑事の風希、音楽をやりながらコンビニでアルバイトをしている潤平、コンビニ -
Posted by ブクログ
見るからに怪しそうな描かれ方の少年、見るからに普通の人好きしそうな青年。
どっちが歪んだ精神の持ち主か。
モデルみたいな外見の、品が良さそうな美女、清楚で地味で目立たないが意志の強そうな爽やかな女性。
どっちが真の美しさを持っているか。
そういう対比もこめながらの登場人物描写かな、と。
自分の願望のために、相手の人格や人生をめちゃめちゃにするという凶悪犯罪者の思い込みの強さは、他の作品でも見られる。
それに特筆すべきものはないが、登場人物の闇に絡む過去の事情や、家庭環境などというものに焦点が当てられているのかな、という気はする。
読んだことはないが『家族狩り』の作者でもあるし、そういう焦点の当 -
Posted by ブクログ
ネタバレ児童相談センターに勤める氷崎遊子は、日々色々な事情を抱えた子供と接するが、虐待される女の子に胸を痛めていた。救いきれない自分の無力さを日々実感していた。
また、高校で美術を教えている教師・巣藤浚介は、家庭を作ることに抵抗を感じていた。そんな中、教えている高校のある女子生徒・亜衣と出会う。絵のことで、声をかけたことから始まり、警察で保護された時に何故か巣藤の名前をあげ、しかも嘘をでっちあげられ、巻き込まれていく。そこで、氷崎と出会う。
刑事の馬見原は、夫の暴力から逃げ今は平和に暮らしている綾女とその息子研司との旅の終わりに、心の疼きを感じていた。
そして、その平和な暮らしは長続きせず、夫は出所し -
Posted by ブクログ
ネタバレ問題のある家庭が次々に現れ、これでもかと問題点を
突きつけられる。どの家族も崩壊寸前だったり、もう既に崩壊していたりするのだけど、その人たちが特別おかしい訳ではない。一歩間違えれば誰でもこうなるのかもしれない・・・そういう恐怖を感じて、なんともやりきれない・・・・・
愛情の受け止め方や、十分と感じる量なんかも人それぞれ。何を愛情と感じ、何を愛情不足と感じるのかも人それぞれ。本当に難しいですね。
でも子育てって、こんなにも辛く苦しい事ばかりじゃない。単純に子供を「可愛い」と思える気持ちを大事にしていこう。そんな単純な事じゃないけど、でも基本はそこだと思いたい。
感動した!っていうのともちょ