天童荒太のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
主要な登場人物たちはみな、「家族」という見えないものに囚われているように感じた。
親が子を虐待する。そして虐待された子は大人になって今度は虐待する側になる。
負の連鎖はいったいどこで止まるのだろう。
愛されて育った子どもは虐待には走らない…。
これも都市伝説のような気がする。
だって、虐待するもしないも個人の問題だと思うから。
虐待されて育った人間すべてが大人になって虐待をするわけじゃないだろう。
それとも、個人ではどうにもならない見えない何かがそこにはあるのだろうか?
馬見原や綾女にとって油井は絶対的な悪だろう。
立ち直るためには家族が必要だという言い分も、結局は自分の都合だけで相手への思い -
Posted by ブクログ
徐々に壊れていく家族や個人。
電話相談に寄せられる叫びは、ときに切羽詰った状況で相談員にはどうすることもできない。
子どもが両親と祖父を殺害し自殺した・・・と思われている事件では、事前に電話がかけられていたにもかかわらず、誰もその重要性には気づかない。
異様な現場を見たために精神の安定を欠いてしまった美術教師。
彼はその後、あらたな事件に巻き込まれ内なる恐怖を抱えながら生活することになる。
児童相談員は、保護してきた少女の父親とのトラブルに悩んでいる。
どうしたら少女のためには一番いいのか、いまできることを考えながらも、ずっと保護し続けることなど出来ない現実も理解している。
一家4人が死亡した -
Posted by ブクログ
児童相談センター職員は、虐待される子供たちを救うために躊躇うことはない。
刑事が相手でも、教師が相手でも、ひるむことなくむかっていく。
虐待に対する強い憎しみがあるように、強い態度で臨んでいく。
美術教師は、家庭を持つことに消極的だ。
家族というものに嫌悪感を持っている。
すべてに対して醒めた見方しかできず、苛立つことも多い。
厳格な父に育てられた刑事の家庭は崩壊していた。
自ら死んでいったような長男。その死を受け止められずに家庭を顧みなくなった刑事。
そして荒れる長女と、そのために自らを責め精神を病んだ妻。
だが、いまだに現実を受け止めていない、受け止めようとはしない。
「家族がつねによいも -
Posted by ブクログ
私が常々思っていた事を代弁してくれているような言葉。「亡くなった人の人生の本質は、死に方ではなくて、誰を愛し、誰に愛され、何をして人に感謝されたかにあるのではないか」
祖母の死は脳梗塞からの寝たきり。意思を示すこともできず数年。どんなに辛かったかとつい思い出して、そんな最期だなんて…とそこばかりが思い出されてしまう。でも祖母だって同情なんていらないはず。どんなに私達に優しくしてくれて、どんなに皆に愛されてきたかを思い出してくれる方が、絶対に幸せなはず。誰だって生まれたら死ぬのだから、死に方は大した問題ではなくて、どんなに素敵な人だったかの方がずっと大切なんだと、改めて気付かされた。 -
Posted by ブクログ
少し前にドラマになっていましたね。
テレビをつけたらやっていて、その時チラッと眺める程度でしたが、松雪泰子さんが出ていて、なんか痛々しい役だな、と思ったのを覚えています。
主に氷崎、巣藤、馬見原の3人が順番に出てくる感じですが、3人とも危うくてハラハラします。
特に馬見原。
本人も家族も、薄い氷の上に立ってるようで落ち着かないよ、読んでるこっちは!!
もうすぐ読み終わるな、と思ったら唐突にあとがきが出てきて驚きました。
前に出た「家族狩り」とはずいぶん違うんだとか。
その前を読んでなかったので、そんなこと全然知りませんでした。
単行本と文庫で内容が変わる、なんてことあるんだなあ。
加筆と -
Posted by ブクログ
駒田に刺され、怪我を負った遊子。遊子からのメールを見て駆けつけた浚介のおかげで、一命を取り留める。そんな2人は、次第に距離を縮め、お互いを求めるようになる。
山賀と大野は、静かにでも確実に儀式を進めていた。
また、綾女と研司のことで、揉めてきた油井と馬見原。2人の決着は着くのか…。
ついに完結!
改めて家族のあり方や、世の中の問題、世界の問題を考えさせられる本でした。
この本に登場する人物は、家族というものに悩みを抱えた人がほとんどで、どの人物も不器用で、だからこそ、伝わるものがありました。
もともとドラマを観てから、この本を読み始めましたが、ストーリーをわかっていても十分ずっしりくるものが