天童荒太のレビュー一覧

  • 贈られた手―家族狩り 第三部―(新潮文庫)

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    主要な登場人物たちはみな、「家族」という見えないものに囚われているように感じた。
    親が子を虐待する。そして虐待された子は大人になって今度は虐待する側になる。
    負の連鎖はいったいどこで止まるのだろう。
    愛されて育った子どもは虐待には走らない…。
    これも都市伝説のような気がする。
    だって、虐待するもしないも個人の問題だと思うから。
    虐待されて育った人間すべてが大人になって虐待をするわけじゃないだろう。
    それとも、個人ではどうにもならない見えない何かがそこにはあるのだろうか?
    馬見原や綾女にとって油井は絶対的な悪だろう。
    立ち直るためには家族が必要だという言い分も、結局は自分の都合だけで相手への思い

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    2017年03月14日
  • 遭難者の夢―家族狩り 第二部―(新潮文庫)

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    徐々に壊れていく家族や個人。
    電話相談に寄せられる叫びは、ときに切羽詰った状況で相談員にはどうすることもできない。
    子どもが両親と祖父を殺害し自殺した・・・と思われている事件では、事前に電話がかけられていたにもかかわらず、誰もその重要性には気づかない。
    異様な現場を見たために精神の安定を欠いてしまった美術教師。
    彼はその後、あらたな事件に巻き込まれ内なる恐怖を抱えながら生活することになる。
    児童相談員は、保護してきた少女の父親とのトラブルに悩んでいる。
    どうしたら少女のためには一番いいのか、いまできることを考えながらも、ずっと保護し続けることなど出来ない現実も理解している。
    一家4人が死亡した

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    2017年03月14日
  • 幻世の祈り―家族狩り 第一部―(新潮文庫)

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    児童相談センター職員は、虐待される子供たちを救うために躊躇うことはない。
    刑事が相手でも、教師が相手でも、ひるむことなくむかっていく。
    虐待に対する強い憎しみがあるように、強い態度で臨んでいく。
    美術教師は、家庭を持つことに消極的だ。
    家族というものに嫌悪感を持っている。
    すべてに対して醒めた見方しかできず、苛立つことも多い。
    厳格な父に育てられた刑事の家庭は崩壊していた。
    自ら死んでいったような長男。その死を受け止められずに家庭を顧みなくなった刑事。
    そして荒れる長女と、そのために自らを責め精神を病んだ妻。
    だが、いまだに現実を受け止めていない、受け止めようとはしない。
    「家族がつねによいも

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    2017年03月14日
  • 悼む人 上

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    私が常々思っていた事を代弁してくれているような言葉。「亡くなった人の人生の本質は、死に方ではなくて、誰を愛し、誰に愛され、何をして人に感謝されたかにあるのではないか」
    祖母の死は脳梗塞からの寝たきり。意思を示すこともできず数年。どんなに辛かったかとつい思い出して、そんな最期だなんて…とそこばかりが思い出されてしまう。でも祖母だって同情なんていらないはず。どんなに私達に優しくしてくれて、どんなに皆に愛されてきたかを思い出してくれる方が、絶対に幸せなはず。誰だって生まれたら死ぬのだから、死に方は大した問題ではなくて、どんなに素敵な人だったかの方がずっと大切なんだと、改めて気付かされた。

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    2023年03月13日
  • 巡礼者たち―家族狩り 第四部―(新潮文庫)

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    いよいよ真相に迫ってきた感じ。オープニングを含め、各巻冒頭に必ず盛り込まれる電話シーンが意味深長だったけど、いよいよそれが形になって現れてきている。各人の物語も、それぞれなりの答えを見つけられそうな気配もあって、ここからクライマックスにかけての展開に期待大。

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    2017年03月11日
  • 贈られた手―家族狩り 第三部―(新潮文庫)

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    じわじわと真相に迫っていってる感はあり。でもまだはっきりとは見えてこない。今回はラストの殺人シーンもなく、更なる事件は次の巻へ持ち越しでしょうか。まだひとつふたつ事件が起こって、そこからクライマックスへ、ってところかな。

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    2017年02月07日
  • 巡礼者たち―家族狩り 第四部―(新潮文庫)

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    馬見原が妻か綾女かで頭をぐるぐると悩ませるホームでの描写がやばい。高熱でうなされているときの気分を言語化するとこんな感じになるんだろう。さあ、どんな結末を?

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    2017年02月05日
  • 贈られた手―家族狩り 第三部―(新潮文庫)

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    登場人物が魅力的すぎるぞ!!浚介の変容がすごくありありとしていて、僅かな光明と諦念にまみれている感じが生々しい。今の所、主人公は彼です。

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    2017年02月02日
  • 遭難者の夢―家族狩り 第二部―(新潮文庫)

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    このサイコパスは誰だ…それぞれが悩みや壁にぶつかりながらもがく二巻目。事件は刻々と進んでいく。天童荒太、人を引き込む魅力はどこにあるんだ…?

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    2017年02月02日
  • 幻世の祈り―家族狩り 第一部―(新潮文庫)

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    大好きな天童荒太!長編に胸踊る!物々しい始まりにドキドキする。家族に対するどんなメッセージを受け取れるのだろう。巣藤、馬見原、氷崎の三人が、どう絡まるのか。

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    2017年01月31日
  • 遭難者の夢―家族狩り 第二部―(新潮文庫)

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    どこか問題を抱えた家族を、複数のパターンで描きながら、それぞれが微妙に絡まりあって、影響し合って、進んでいく物語。今のところ、殺人現場の残虐さにはゾッとさせられるものの、それ以外の展開がそれほど斬新なものではないせいもあり、そこそこの印象。犯人像が浮かび上がってくるにつれ、興味深い展開になってくることを期待。

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    2017年01月10日
  • 悼む人 上

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    死者のことを心に刻む。生きている限り覚えているように努める。ひたすらそれだけを続ける旅に明け暮れる青年。その人が誰を愛し、愛され、何をして人に感謝されたことがあったかを問い、その死者が確かに存在していたことをただ覚えておく。
    不思議な物語。このあとどのように話が展開していくのか、想像がつかない。

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    2017年01月03日
  • 孤独の歌声

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    根源的な人間の孤独を見つめる三者三様のあり方が,いろいろな形で関わってくる.コンビニ店員の潤平の孤独の形が,第二走者の不在に起因することが,本当に痛ましく感じられた.最後の女刑事との孤独のふれあいが響き合って,新しい音楽が奏でられる予感で清々しい読後感となった.

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    2016年11月19日
  • 幻世の祈り―家族狩り 第一部―(新潮文庫)

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    フィクションを読み慣れた私でも、登場人物達の崩壊した家庭に、1巻目で挫折しそうになった。どんな幸せな家庭でも起きうると不安にさせるぐらいの迫力であった。

    思春期の葛藤、親の心情、貧困、アルコール依存症、虐待など、作者が徹底的に家庭の不安定さを訴える。家族を持つ読者に、激しく動揺を与えるであろう推理小説。

    ラストの女子高生の改心は、納得できなかったが、間違いなく他人にオススメできる作品。

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    2016年11月04日
  • 孤独の歌声

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    天童氏の初期の作品というが、圧倒的な迫力がある。人の奥底に潜む全き孤独は、時として負の部分と結びついてしまう。そこから浮き上がるためには浸みとおってくる人の優しさが必要なのだ。誰もが孤独であり、誰もが優しさを持っているのだから。

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    2016年08月03日
  • 幻世の祈り―家族狩り 第一部―(新潮文庫)

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    少し前にドラマになっていましたね。

    テレビをつけたらやっていて、その時チラッと眺める程度でしたが、松雪泰子さんが出ていて、なんか痛々しい役だな、と思ったのを覚えています。

    主に氷崎、巣藤、馬見原の3人が順番に出てくる感じですが、3人とも危うくてハラハラします。
    特に馬見原。
    本人も家族も、薄い氷の上に立ってるようで落ち着かないよ、読んでるこっちは!!

    もうすぐ読み終わるな、と思ったら唐突にあとがきが出てきて驚きました。
    前に出た「家族狩り」とはずいぶん違うんだとか。
    その前を読んでなかったので、そんなこと全然知りませんでした。
    単行本と文庫で内容が変わる、なんてことあるんだなあ。
    加筆と

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    2016年02月20日
  • 悼む人 上

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    何と表現するのか分からないが、作家はこの本をどういう意図で書いたのだろう。
    自身の過去の経験から死者のことを覚える旅を続けるという、意味の分からない話。
    色々な死に纏わる話を扱うので、それが目的なのかも知れない。
    ともあれ、下巻に続く。

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    2016年02月10日
  • まだ遠い光―家族狩り 第五部―(新潮文庫)

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    駒田に刺され、怪我を負った遊子。遊子からのメールを見て駆けつけた浚介のおかげで、一命を取り留める。そんな2人は、次第に距離を縮め、お互いを求めるようになる。
    山賀と大野は、静かにでも確実に儀式を進めていた。
    また、綾女と研司のことで、揉めてきた油井と馬見原。2人の決着は着くのか…。
    ついに完結!

    改めて家族のあり方や、世の中の問題、世界の問題を考えさせられる本でした。
    この本に登場する人物は、家族というものに悩みを抱えた人がほとんどで、どの人物も不器用で、だからこそ、伝わるものがありました。
    もともとドラマを観てから、この本を読み始めましたが、ストーリーをわかっていても十分ずっしりくるものが

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    2015年12月28日
  • 巡礼者たち―家族狩り 第四部―(新潮文庫)

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    大野甲太郎と山賀葉子に疑いを向け、彼らの過去について調べようと、馬見原は、妻佐和子と四国へ向かう。
    休暇を取ったのも、その捜査のためだった。
    馬見原が彼らについて調べる一方、佐和子は巡礼を続ける人たちの姿と行いに心を動かされていた。
    東京では、椎村はペット殺しの犯人を突き止めるべく奔走する。また、遊子は駒田との間に、さらに亀裂が入ろうとしていた。

    場面がコロコロ変わるので、飽きずに読みやすい。
    いよいよ次は5巻…どんな展開を迎えるのか楽しみ。

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    2015年12月28日
  • 贈られた手―家族狩り 第三部―(新潮文庫)

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    浚介は、かつての教え子と再会し、自分がピエロと呼ばれていたことを知る。事件と向き合うことから逃げていた彼だったが、変化が訪れる。
    馬見原は、綾女と研司を守ろうとしているが、肝心の自分の家族とは壁があった。
    だんだんと核心に触れていく…

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    2015年12月26日