天童荒太のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
途中苦しくて、ページをめくる手が進みませんでした。
「喪失」とか「死」とか、物理的な苦しさじゃない。ただ起こったことのあまりの大きさに、自分がこれからどう生きればいいのか、その出来事にどう接すればいいのかわからない。今こうして存在していることすらも、わからなくなってくる。
それが、8年前のあの日以降、東北の人々が背負った苦しみだったのではないか。あるいは、災害、テロ… 大切なものを突然失った人が負う苦しみなのではないか。この本を読んで自分なりにそんなことを考えました。
でも、荒れる海がいつかは凪ぐように、悲しみにも明ける日が来ます。忘れるんじゃなくて、風化じゃなくて、起きてしまったことを受 -
Posted by ブクログ
天童荒太さんの作品、初めて読みました。
なんか、読み始めからこの本スゴいって思いながら読み進め、最後まで引き込まれっぱなしでした。
思わず顔を顰めてしまう様な殺戮のばめんが多々あったけど、深く考えさせられる事もいっぱいありました。
自分の孤独に気づかない、気づいていても抗う、
孤独に悩む、受け入れる…
どうするかなんて自由なのに形がない故に悩んで、傷ついて抱えきれなくなって、人を傷つけて…
結局は自分のエゴになってしまうのかもしれないけど、それでも1つでいいから大切な人と繋がる何かを感じて自分の孤独に向き合っていたいです。
天童荒太さんのほかの作品も読んでみよっと。 -
Posted by ブクログ
家族狩りシリーズ最終巻。
他の巻の2倍の厚さに衝撃を受けたが、読み始めたら怒涛の連続で一気に読んだ。
この話、誰に感情移入するかでまったく別の感想になる。
一方的に悪いのはどちらと断じることがしにくいなぁ。
大野夫妻は悪かと聞かれても、彼らに(電話相談で)救われた人にとっては善だろう。
そして、何も知らずに実森少年の歪んだ怒りの解消の標的にされていた巣藤は、実森一家が「愛の儀式」で殺されたからこそ生きている。
ただ見方を変えると、自分の子供を手にかけなければと思うほど追い詰めた、息子を苦しめた奴らと、それを野放しにしたうえに逆ギレする厚顔な親達に対する間接的な復讐ではなかったのか?とも思える -
Posted by ブクログ
とうとうシリーズ4作目。
ここに来て淑子じゃなく游子だと知り愕然とする。
動物殺しと一家心中事件の全貌が段々明らかになってきたが、各々の問題は更に深刻な状態に。
変化を遂げたのは巣藤。彼女も仕事も失ったけど、1番好転した。人の手を借りながら土を作り、人の手を借りながら自分の家を整える。
自分の手で何かを生み出すことで、自分の中の無力感に抵抗する術を覚えた。
芳沢亜衣とも向き合おうとしたけど、ちょっと難易度が高すぎたね…。彼女がどこに電話していたのか想像が合っていたら次の犠牲者は…
亜衣自身も過食と嘔吐を繰り返し、学校でも嫌がらせを受ける。自分は人形で何にも心を動かさない…と思い込まないと -
Posted by ブクログ
「永遠の仔」に描かれた主人公たちの運命が痛ましく、強烈であり、天童荒太が書いたものを何年も手に取ることを避けていました。
本書の主人公たちも過酷な運命を負うものなのですが、真摯な姿に共感に似た思いを感じ、「永遠の仔」の時のように文字を追う度に心が軋むようなことはありませんでした。
忘れて生きてしまう、大切なこと。気に留めず過ごしても、生活を回して行くには大過のないこと。でも、すべての人にとって当たり前な、生きること、死ぬこと、愛すこと、愛されることに心を寄せ大事に思うことで、無駄な力みがなくなり、背筋伸びやかに生きられるのでは。本書を読みそう思うことができました。