あらすじ
『永遠の仔』『悼む人』を超える、新たな"世界"の誕生。
激動の幕末の伊予松山藩。
戦を厭う娘ヒスイ、医の道で人を助ける救吉、若き武士辰之進。
霊泉の湧く故郷を守るため、若者たちが立ち上がる!
文久2(1862)年。舞台は、260年間続いた江戸幕府がいま、まさに消えようとする頃の伊予松山藩(愛媛県)。代々続くおへんろ宿「さぎのや」で育てられた娘ヒスイと弟の救吉は、危機一髪の場面を救われたことをきっかけに、年少の藩士、青海辰之進と知り合う。医術で人を救うべく精進する救吉に、ある日郷足軽隊の調練に医師見習いとして同行せよと命が下る。誰よりも戦を厭い、平和を願うヒスイは、やがて救吉が真の戦に送られることは必定とみて、男装して弟に同道することを決意する。
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この小説は幕末の有名な出来事が、その時代に生きた人の目線で語られています。私は司馬遼太郎さんの小説で幕末の面白さを知りましたが、司馬さんの小説では、顛末を全て知っている後の時代の視点が入っている気がします。「青嵐」に登場する人物は皆先のわからないその時代を生きているように思えて、より共感しました。下巻でどの様な展開がされるのかが、楽しみです。
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伊予松山藩から見た幕末の様子、おへんろ宿「さぎのや」の兄弟ヒスイと救吉が清々しく描かれており、救吉の医療に対する心情が心打たれました。そして新選組の原田左之助の登場が物語を引き立てていました。あとヒスイの「死に恐れぬ覚悟が読める。」この言葉からしてヒスイのすごい所が強調されていますね。幕末動乱の伊予松山藩から見た様子が様子がよく描かれています。よむ手が止まらず、歴史好き特に幕末好きにはたまらない物語だと思います。
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文久2(1862)年。舞台は、260年間続いた江戸幕府がいま、まさに消えようとする頃の伊予松山藩。
代々続くおへんろ宿「さぎのや」で育てられた娘ヒスイと弟の救吉は、危機一髪の場面を救われたことをきっかけに、年少の藩士、青海辰之進と知り合う。医術で人を救うべく精進する救吉に、ある日郷足軽隊の調練に医師見習いとして同行せよと命が下る。誰よりも戦を厭い、平和を願うヒスイは、やがて救吉が真の戦に送られることは必定とみて、男装して弟に同道することを決意する。
江戸末期といえば新選組が題材の作品は数多くあるけれど、松山藩を舞台に描かれるなんて珍しいのでは。民の平和を願いながらも否応なしに戦に巻き込まれていくヒスイと救吉。没入して読みました。
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時代小説とは知らずに読み始めた。幕末は個人的にあんまり得意な時代ではないので挫折することも覚悟したが、ヒスイや救吉の目線から描かれた庶民の視点は非常に馴染みやすく、坂本龍馬や新撰組のくだりも自然と入ってきて夢中になっている。登場人物の多さも巻頭の人物表でどうにか乗りきっている。後半も非常に待ち遠しい。読破できるか少し不安は残るけれど、いけそうな気がしている❗️
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新時代の幕開けとなる幕末期。伊予松山藩の温泉『さぎのや』の娘ヒスイと弟の救吉が医務方を志願し、戦場へ。上役に戦の愚かさを切々と説く二人だが…天童荒太先生ならではの簡潔で優しい読み心地とメッセージ性は健在。龍馬や新選組らの登場も見所だ。下巻へ。
Posted by ブクログ
久々の天童作品は初の時代劇だった。
敵味方関係なく、人を助けたいと願う若者たちの物語。
物語冒頭のヒスイと坂本龍馬との出会いはとても面白かった。
その出会いが後々の幕末の志士たちとの関わりにつながっていく。
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幕末の伊予松山藩、お遍路宿の翡翠と救吉姉弟が医師見習いや看護師として成長していく姿を描く。坂本龍馬、新撰組など歴史上の人物と出会うのは都合良すぎ!
Posted by ブクログ
幕末に活躍した偉人たちが、それぞれどの藩でどんな事情や理想を掲げて動いていたのか、ヒスイと救吉の旅を通じて学ぶことができる。戦わない、殺さない、の理想を実現するには、何をすればいいのか、どう動けばもっともお互いの被害を最小限にできるのか、どの時代でも追求していくべき永遠の課題だと思う。
お題はいいのだと思うが、話のテンポがどうも自分の性に合わず、すっきりしないことが多かった。この会話はいつまで続くのか、この場面をここまで長く語る必要があるのか。この本、同じ場面でも単に改行ではなく一行空けて話が続くことが多く、「あれ、中途半端に終わって別の話に行くの?」と思ったら「あ、続くのか」ということが続き、もういい頃合いと思ったら「あれ、まだ続くの?」ということが、何度もあった。あくまで私の感想だったが、どうもこの書き方に慣れないため、すっきり読めなかった。