天童荒太のレビュー一覧

  • 幻世の祈り―家族狩り 第一部―(新潮文庫)

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    家族狩りを文庫本かする際の5部作にされた第一部

    1部はどうやら登場人物の説明が主な内容
    1部ラストでやっと事件が起きる
    だが、まだまだ先は見えてこない
    続きが気になる

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    2013年11月29日
  • 静人日記 悼む人II

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    天童荒太の直木賞受賞作品『悼む人』。
    その続編が文庫化され、書店に平積みされていたので、読んでみることにしました。
    『悼む人』の主人公、坂築静人。
    新聞記事や人との会話を通じて得た情報をもとに、人が亡くなった場所に行き、悼む。
    悼む前には、まわりの人に話を聞いて、対象者がどのような人に愛され、感謝されたかを聞く。
    ”宗教的苦行”のようにも解釈される旅を続ける主人公の、日々の行動と思考を、半年に渡って日記的に綴っているのが、この作品です。
    話を聞こうとして、変人扱いされたり、遺族から厳しい反応を示されたりしてしまう主人公。
    それでも、人の死を悼まないではいられない彼の、心の葛藤と、死というものや

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    2013年01月07日
  • 巡礼者たち―家族狩り 第四部―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    再読。

    一歩一歩、それぞれの家族が前に進みだそうとしている。最終部へ続く。

    天童荒太は愛媛出身のせいか、ストーリーによく四国が登場する。今回のお遍路めぐりだったリ、永遠の仔の石鎚山の登山だったり。心をゼロに戻したいとき行ってみたい場所。

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    2012年11月06日
  • 孤独の歌声

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    自分の中にある孤独をどう表現していくのか?
    「もうひとりぼっちじゃない。」
    という孤独にたいするメッセージ。
    しかし、理解し合うことではなく、つながることではない。

    こういう作品を読むと、心がいたたまれなくなる。
    つらいのだ・・
    とことん「逃げ場」を失っている。

    登場する人物は、3名。
    それぞれが「孤独」というものを背負っている。

    風希 子供の頃の経験が、自分の中で、深く根ざしている。
    誘拐 殺人 そんなことはいつもおこる。

    ここでの生きている姿は、りりしく、
    そして、まっすぐにいきようとしている。
    ある意味では、小学生の体験として、自分の友人が誘拐された。
    そのことを背負っている。

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    2018年03月10日
  • 贈られた手―家族狩り 第三部―(新潮文庫)

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    第三巻。ようやく人間らしい人間(ケートク)が現れたのが救い。話は重く複雑に絡んでくる。個人的に謎だった人物の過去の扉のようなものも見えた。ただ、希望もある。ケートクの存在や、氷崎と巣藤の間に芽生えそうなもの。みながいったん立ち止まり、心の底より自分に問いかけるときがきた。

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    2012年04月06日
  • 贈られた手―家族狩り 第三部―(新潮文庫)

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    おやじ狩りにあった美術教師の男性と元不良の青年とのやりとりに、心が温かくなる思いがしました。

    そして、今回は【愛】という言葉が私には気になりました。
    言葉にすると、何となく白々しい思いがしてしまう。
    それを一生懸命に説く人にも、何か違うものを感じてしまう私ですが、言葉や行動に表さないと、また伝わらないものだとも思います。矛盾してますよね、私。【愛】という響きが自分のなかにストンと落ちた時、それは本当のものなのかもしれないと思いました。

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    2011年11月11日
  • 遭難者の夢―家族狩り 第二部―(新潮文庫)

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    最後のシーンにどきどきして、早く次を読みたくなりました。

    登場人物の児童相談センターで働く女性、芯が強くて、いつも正しい行動を勇気をもって推し進める素敵な彼女でさえも、時として、自分のエゴに流されて行動してしまう場面があり、とても人間味を感じられました。

    色々な登場人物の人間臭さが、よりこの話を面白くさせています。

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    2011年11月08日
  • 巡礼者たち―家族狩り 第四部―(新潮文庫)

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    天童荒太氏の長編小説『家族狩り』の第四部。

    物語はここで著しく変化する。登場する家族の中で発生した亀裂は、少しずつ大きくなり、その亀裂に気付いていつつも、何もしなかった、見て見ぬふりをした、何とかしようとした者もいた。しかし、どうにもならない。亀裂は大きくなり、やがてそれは大きなうねりとなる。
    第三部で、内部に潜む見えない虫のようなものが蠢いているような感じがして、ひどく不愉快な感覚を覚えたが、第四部までになると、それまでが嘘のようにあまり感じず、まるで麻痺してしまっているようにも思えた。毒性の強い劇薬に触れ続けた結果、身体の隅々に至るまで感染してしまったかのような感覚すらも覚える。
    第三部

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    2011年09月21日
  • 幻世の祈り―家族狩り 第一部―(新潮文庫)

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    全5巻。単行本と文庫版で描写がかなり違うらしい。

    高校の図書室でお薦めされていたので。
    当時はかなりはまった。
    初めて読んだ長編小説。

    ■2014年7月12日
    ドラマ2話目視聴。刑事の奥さんの訴えがよかった。
    原作と大分雰囲気が違うから1話目はどうしようと思ってたけど、最後まで観てみることにした。

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    2017年05月21日
  • 巡礼者たち―家族狩り 第四部―(新潮文庫)

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    どうしてここまでもつれてしまうんでしょうか…。皆懸命に生きているのに。どうかこの人々に救いを。願わずにいられない4巻目でした…。馬見原さんの不器用さが特に痛すぎました。

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    2010年12月27日
  • まだ遠い光―家族狩り 第五部―(新潮文庫)

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    暗い。重い。だが、全5巻にも関わらず長いとは感じなかった。
    登場人物のどの家族にもそれぞれ問題を抱えており、残酷な手段で複数の家族が殺されていく。

    第9回 (1996年) 山本周五郎賞受賞作
    1997年8位 『このミステリーがすごい!』

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    2019年01月16日
  • 巡礼者たち―家族狩り 第四部―(新潮文庫)

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    ページを捲る手が止まらない。ちょっとしたボタンの掛け違いでこうも人の心はすれ違ってしまうのか。
    ミステリーとして(も)この本を読んでいる人にとっては犯人(と呼ぶべき人物)が中盤の第3部あたりで透けて見えてしまうのはちょっと早すぎるかも...。

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    2010年03月23日
  • 包帯クラブ

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    発想が素敵だなと思いました。
    人は誰しも、何かしらの「傷」を負っていて、
    その場所には今でも見えない血が流れているはず。
    でもその傷を飾りのように見せびらかしたり、
    否定したりするんじゃなくて、誰かに知られて、認めてもらうことで、その傷にははじめて、包帯が巻かれることになる。
    傷ついていることを誰かに認められるだけでも、傷付いてる人は、ほんの少しでも救われるんじゃないかなと思います。
    読んだ後、包帯買って巻きたくなりました。笑

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    2014年03月28日
  • 巡礼者たち―家族狩り 第四部―(新潮文庫)

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    孤立無援で事件を追う馬見原は、四国に向かった。捜査のために休暇を取ったのだ。彼はそこで痛ましい事実に辿りつく。夫に同行した佐和子は、巡礼を続ける者の姿に心を大きく動かされていた。一方、東京では、玲子のことを心配する游子と、逃避行を続ける駒田の間に、新たな緊張が走っていた。さまざまな鎖から身を解き放ち、自らの手に人生を取り戻そうとする人びと。緊迫の第四部。

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    2009年10月08日
  • 包帯クラブ

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    『永遠の仔』を未だ読み終えていない私にとって
    初めての天童荒太でした。

    映画の方で知って、なんとなく気になっていた一冊。
    まさか天童荒太が原作書いていたとは。

    かなり若い世代に向けた小説。
    一人でも多くの中学生や高校生に、読んでもらい
    伝わるよう、シンプルに短く。

    「心の内の風景と、外の景色は、つながっている」

    「知ることだけでもよかった、のかもしれない」

    知らないだけで、残酷な世界っていっぱいある。

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    2015年11月12日
  • 巡礼者たち―家族狩り 第四部―(新潮文庫)

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    『他人のことはわからない。過去のことなら、なおさらだ。だったら、人間が少しはましに思えるほうに考えたほうがいい。人を信じたくなるほうに……ときどきは、考えてやらないと、自分の心がつぶれちまうよ。』

    「誰に祈ってるの。何に祈ってるの。それより、わたしを助けて。わたしのほうへ来て。」

    様々な事件、人間関係が少しずつ繋がってきて、いよいよなにか大きな仕掛けがみえてくるような予感。
    ただの社会問題提起小説ではなく、ミステリー要素が濃くなってきて、物語の展開が気になる。どのエピソードでも気が抜けないから、ただでさえ読んでいて苦しいのに、さらにわけのわからない罪悪感に囚われてしまう。でも、こういう小説

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    2013年03月01日
  • 贈られた手―家族狩り 第三部―(新潮文庫)

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    電話相談員の主張とか、巣崎の言葉とか、正直「そんなこと言い出したらきりがないじゃないか」と思うことがたくさんあったけれど、だからといってそれを否定できない。普段は肯定していなくても、見方を変えれば私だって自信をもって主張するだろう考え方。そんな微妙なラインの問題が随所にちりばめられていた。この物語のなかで起きている事件は、単に真相云々というものではない。その点がとても、リアル。

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    2013年03月01日
  • 遭難者の夢―家族狩り 第二部―(新潮文庫)

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    二次元だからこそ、三次元に楔を打つことができる。それを改めて感じた。普段、考えているようで考えきれていないこと、見ているようで目をそらしていることが、これでもかというくらいに顕されている。この世界は家族の集合体なのだ、と感じた。

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    2013年03月01日
  • 巡礼者たち―家族狩り 第四部―(新潮文庫)

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    心はそれぞれに 少しずつ拠り所を見つけ 解きほぐされ始めているように見える。だが、それとは裏腹に事件は哀しい真相に近づきつつあるようだ。
    壊されたものは何で、失ったものは何なのだろう。
    物語の先にあるのが光なのか それとも気配さえ殺すような闇なのか、最後の第五章を開くのが怖い。

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    2009年10月07日
  • 悼む人 下

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    大団円。
    全ての人の生を慈しみ、汲み取る手のひらのよう。
    綺麗すぎるかもしれないけれど、
    この本に出てくる人たちのように生きることの大切さを感じた。

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    2025年12月19日