天童荒太のレビュー一覧

  • 巡礼者たち―家族狩り 第四部―(新潮文庫)

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    ページを捲る手が止まらない。ちょっとしたボタンの掛け違いでこうも人の心はすれ違ってしまうのか。
    ミステリーとして(も)この本を読んでいる人にとっては犯人(と呼ぶべき人物)が中盤の第3部あたりで透けて見えてしまうのはちょっと早すぎるかも...。

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    2010年03月23日
  • 包帯クラブ

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    発想が素敵だなと思いました。
    人は誰しも、何かしらの「傷」を負っていて、
    その場所には今でも見えない血が流れているはず。
    でもその傷を飾りのように見せびらかしたり、
    否定したりするんじゃなくて、誰かに知られて、認めてもらうことで、その傷にははじめて、包帯が巻かれることになる。
    傷ついていることを誰かに認められるだけでも、傷付いてる人は、ほんの少しでも救われるんじゃないかなと思います。
    読んだ後、包帯買って巻きたくなりました。笑

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    2014年03月28日
  • 巡礼者たち―家族狩り 第四部―(新潮文庫)

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    孤立無援で事件を追う馬見原は、四国に向かった。捜査のために休暇を取ったのだ。彼はそこで痛ましい事実に辿りつく。夫に同行した佐和子は、巡礼を続ける者の姿に心を大きく動かされていた。一方、東京では、玲子のことを心配する游子と、逃避行を続ける駒田の間に、新たな緊張が走っていた。さまざまな鎖から身を解き放ち、自らの手に人生を取り戻そうとする人びと。緊迫の第四部。

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    2009年10月08日
  • 包帯クラブ

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    『永遠の仔』を未だ読み終えていない私にとって
    初めての天童荒太でした。

    映画の方で知って、なんとなく気になっていた一冊。
    まさか天童荒太が原作書いていたとは。

    かなり若い世代に向けた小説。
    一人でも多くの中学生や高校生に、読んでもらい
    伝わるよう、シンプルに短く。

    「心の内の風景と、外の景色は、つながっている」

    「知ることだけでもよかった、のかもしれない」

    知らないだけで、残酷な世界っていっぱいある。

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    2015年11月12日
  • 巡礼者たち―家族狩り 第四部―(新潮文庫)

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    『他人のことはわからない。過去のことなら、なおさらだ。だったら、人間が少しはましに思えるほうに考えたほうがいい。人を信じたくなるほうに……ときどきは、考えてやらないと、自分の心がつぶれちまうよ。』

    「誰に祈ってるの。何に祈ってるの。それより、わたしを助けて。わたしのほうへ来て。」

    様々な事件、人間関係が少しずつ繋がってきて、いよいよなにか大きな仕掛けがみえてくるような予感。
    ただの社会問題提起小説ではなく、ミステリー要素が濃くなってきて、物語の展開が気になる。どのエピソードでも気が抜けないから、ただでさえ読んでいて苦しいのに、さらにわけのわからない罪悪感に囚われてしまう。でも、こういう小説

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    2013年03月01日
  • 贈られた手―家族狩り 第三部―(新潮文庫)

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    電話相談員の主張とか、巣崎の言葉とか、正直「そんなこと言い出したらきりがないじゃないか」と思うことがたくさんあったけれど、だからといってそれを否定できない。普段は肯定していなくても、見方を変えれば私だって自信をもって主張するだろう考え方。そんな微妙なラインの問題が随所にちりばめられていた。この物語のなかで起きている事件は、単に真相云々というものではない。その点がとても、リアル。

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    2013年03月01日
  • 遭難者の夢―家族狩り 第二部―(新潮文庫)

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    二次元だからこそ、三次元に楔を打つことができる。それを改めて感じた。普段、考えているようで考えきれていないこと、見ているようで目をそらしていることが、これでもかというくらいに顕されている。この世界は家族の集合体なのだ、と感じた。

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    2013年03月01日
  • 巡礼者たち―家族狩り 第四部―(新潮文庫)

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    心はそれぞれに 少しずつ拠り所を見つけ 解きほぐされ始めているように見える。だが、それとは裏腹に事件は哀しい真相に近づきつつあるようだ。
    壊されたものは何で、失ったものは何なのだろう。
    物語の先にあるのが光なのか それとも気配さえ殺すような闇なのか、最後の第五章を開くのが怖い。

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    2009年10月07日
  • ジェンダー・クライム

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    主人公、鞍岡は、柔道有段者の刑事課、警部補。中二女子、小六男子の子を持つ。旧知の仲である生活安全課の依田警部(女性)とともに、未成年女子の猥褻動画を撮影、販売している半グレグループのアジトに乗り込み、一斉逮捕をするところから、話は始まる。その後、管内で遺体が上がる。裸で拘束、絞殺された中年男性。尻の中からビニールに包まれたメモ『目には目を』が見つかる。男は、三年前に、集団レイプ事件を起こした四人の犯人のうちの一人の、父親だった。

    「女の腐った奴、とはどういう意味です?」と、鞍岡と依田が、頭からやり合うように、全編を通して、性別における偏見、差別に対して、厳しい目が向けられている。核となるのは

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    2026年02月16日
  • 陽炎の旅人

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    恐らく「悼む人」以来の天童荒太。

    シリーズ前作「青嵐の旅人」は未読だが、「悼む人」以来の純粋に善意の人という命題は不変らしい。

    幕末の争乱の中でただただ人の生を願い、戦いの只中にあえて身を置きながら、敵味方の区別なく傷病者を救おうとする鷺野ヒスイと救吉の姉弟と、義に生きる伊予松山藩士青海辰之進。

    本書は上野のお山での彰義隊の戦が中心で、幕末の著名人が数多登場するのは(多分)シリーズ共通。

    続編「流星の旅人」も刊行の予定とのこと。

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    2026年01月26日
  • ペインレス(上)―私の痛みを抱いて―(新潮文庫)

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    読み始めはアカデミックな観点からエロを語る話か〜と思いながら読んでいたけれど
    それだけでは無さそう。

    「痛み」という、生き物としてどうにか回避したいものについて書かれている。
    肉体的な痛みと心の痛み。
    どちらも無きゃ無いで良いのにとは思うけど、やはり必要なんだろうな。
    下巻へ。

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    2026年01月06日
  • 陽炎の旅人

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    幕末期のオールスター登場小説。
    勝海舟、新撰組原田左之助と沖田総司、松本良順、大村益次郎、西郷隆盛、夏目漱石等々。
    時代が重なるから出会っていても不思議ではないかもしれないが、これだけの人物たちを関連させて物語を構築するには無理があるように思えた。
    時代小説であり想像の部分がある事は前提としても、少しやり過ぎな感じのする小説だった。

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    2026年01月04日
  • 昭和探偵物語平和村殺人事件

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    天童荒太は永遠の仔や悼む人以来、ご無沙汰でした。

    今回は永遠の仔などとは全く違ったテイストで、昭和の名探偵ミステリーです。

    読みやすく、名探偵っぶりも中々いい。
    シリーズ化するみたいですね。

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    2026年01月02日
  • 悼む人 下

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    大団円。
    全ての人の生を慈しみ、汲み取る手のひらのよう。
    綺麗すぎるかもしれないけれど、
    この本に出てくる人たちのように生きることの大切さを感じた。

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    2025年12月19日
  • 昭和探偵物語平和村殺人事件

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    昭和生まれです。当時の女性の社会進出に対する扱いは正にそんなものだったし、セクハラ、パワハラも横行していました。いろいろ緩かった。勘違いオジサンで溢れていました。困っちゃうナを歌う若い女性警察官が大ウケしたり、重要な仕事から外されそうになったりするシーンは、自分のことかと思いました。
    ストーリーがどんどん横溝正史寄りになっていくと思ったら、横溝正史氏に対するリスペクトを込めて書かれたものなのですね!ナットクです。

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    2025年12月15日
  • 青嵐の旅人 下

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    ネタバレ

    伊予松山藩を舞台にした幕末時代小説。

    下巻は池田屋事件から伊予松山藩が無くなるまで。
    架空の主人公たちが活躍しすぎるのはお約束ですが、道後温泉ということで史実的にも多くの幕末の著名人が訪れているので歴史的にもありという感じです。
    特に下巻は実際の事件や戦争に主人公たちが巻き込まれていきながらもきれいごとともいえる夢を追い続けるのが爽やかです。
    ラストは夢を追い続けていく主人公たちのハッピーエンドという感じでした。

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    2025年11月01日
  • 昭和探偵物語平和村殺人事件

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    戦争がまだ地続きだった頃の物語。まだ村という枠組みが生きていた頃の物語。タイトルにある昭和という時代無くしては成立しない物語なのだろう。この設定を生かせる物語でシリーズ化するのかな。

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    2025年10月27日
  • 悼む人 下

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    ネタバレ

    坂築静人
    悼む人。三十二歳。無職。元医療機器メーカーの営業職。退職し、死を悼む旅に出る。新聞、ラジオや雑誌から、事故や事件の情報を得て、人が死んだ場所を訪ね歩き犠牲者を悼む。

    蒔野抗太郎
    北海道の新聞記者を始まりに、都内の夕刊紙、スポーツ新聞と渡り歩き、七年前からいまの週刊誌に契約制の特派記者として籍を置いている。残忍な殺人や男女の愛憎がらみの事件を得意とするから、エログロの蒔野、「エグノ」と呼ばれている。四年前に浮気がばれて離婚し、息子とは一度も会ってない。北海道で発見された白骨遺体の事件をきっかけに静人と知り合う。

    成岡
    蒔野が所属する出版社にこの春入社した新人。

    海老原
    蒔野の班デ

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    2025年10月02日
  • 悼む人 上

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    ネタバレ

    坂築静人
    悼む人。三十二歳。無職。元医療機器メーカーの営業職。退職し、死を悼む旅に出る。新聞、ラジオや雑誌から、事故や事件の情報を得て、人が死んだ場所を訪ね歩き犠牲者を悼む。

    蒔野抗太郎
    北海道の新聞記者を始まりに、都内の夕刊紙、スポーツ新聞と渡り歩き、七年前からいまの週刊誌に契約制の特派記者として籍を置いている。残忍な殺人や男女の愛憎がらみの事件を得意とするから、エログロの蒔野、「エグノ」と呼ばれている。四年前に浮気がばれて離婚し、息子とは一度も会ってない。北海道で発見された白骨遺体の事件をきっかけに静人と知り合う。

    成岡
    蒔野が所属する出版社にこの春入社した新人。

    海老原
    蒔野の班デ

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    2025年10月01日
  • ムーンナイト・ダイバー

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    ナイトダイビングというものが本当にあるのかと思ってしまったのだが、検索してみたら結構あって、なんて幻想的なんだろうと。昼間とは違うものが見えて、感じて、そこには昼間には言葉にできない感情が浮き上がってくるんだろう。大切な人の思い出とか、伝えられなかった言葉、踏み出せなかったこれからの一歩。悼む人から続く鎮魂によって、登場人物たちの思いが浮き上がってくる。海底から上がってくる際の水泡の音が大きくなって聞こえるくるような、そんな結界を超えて戻ってくるようなイメージ。息を止めているようなシーンが続いて、話は単調な流れではあるが、結構集中して読めました。

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    2025年10月01日