天童荒太のレビュー一覧

  • ジェンダー・クライム

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    ネタバレ

    この著者がジェンダー問題に深い関心があることが謝辞でよく伝わった。犯人が佐東の母だとは予想外だった。レイプする人間の屑のクソ4人の胸くその悪さに腹が立った。刑事部長も謎の絡み方だったし、元警官も必要だったか?という感じで無理やり話を広げた感じがしてちょっと残念だった。

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    2025年05月01日
  • 青嵐の旅人 下

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    1862年から1868年の正に幕末の伊予松山藩を舞台に、坂本龍馬はじめ歴史上の人物達に創作の登場人物であるヒスイと救吉が絡んでの物語。
    人々の命も、土地も、平穏な暮らしも奪う戦を憎み、竜馬と交わした約束である「戦をしない」、避けるべく奮闘するヒスイと救吉。
    流石にうまく史実に絡めて物語を紡いでいくが、逆に少し都合が良すぎるというか、2人の働きが大き過ぎる感がどうしても拭えず、今一つ入り込めず残念。
    ヒスイに対する辰之進と救吉、怜に対する辰之進の想いも、匂わせながらも進展がなく、こちらも残念。

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    2025年04月03日
  • 包帯クラブ ルック・アット・ミー! ──The Bandage Club Look At Me!

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    前作は出版された直後くらいに読んでいまして、映像版は未視聴。そういえばあの本おもしろかったよな、と調べたところ続編が出ているとのことで購入しました。ちょっと自分が求めていた方向性の物語ではなかったことに加えて、社会問題のテーマがてんこ盛りで、読んでいてすごく疲れました。また、過去と現在の話が章ごとで入れ替わる構成、語り手が変わったり、一人称だったのに突然三人称が混じったりと、やはり疲れる要素が多くしんどかったです。これを読む前に前作も読み直したのですが、昔、子どもだった時分には特に感じなかった細かいことが気になってしまい、何というか自分も汚れて擦れた大人になってしまったなぁ、と……。この物語に

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    2025年03月26日
  • 青嵐の旅人 上

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    幕末の伊予松山藩、お遍路宿の翡翠と救吉姉弟が医師見習いや看護師として成長していく姿を描く。坂本龍馬、新撰組など歴史上の人物と出会うのは都合良すぎ!

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    2025年03月03日
  • 包帯クラブ

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    宮地尚子さんの「傷を愛せるか」で紹介されていたので読んでみた。
    高校生が自分達の傷を癒すために始めた「包帯クラブ」の物語。
    「心の内と外の景色はつながっている」
    なるほどなと思った。
    心に負った傷に包帯を巻くことで、傷がそこにあるものとして浮かび上がってくるし、他者の目にも見えるようになる。それを手当てしてもらったという事実がはっきりすることで、心が軽くなるというのは確かにあるかもと思った。
    包帯クラブ、カウンセリングと似ているな。

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    2025年01月28日
  • 青嵐の旅人 下

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    ネタバレ

    伊予松山藩から見た幕末の風景状況が新鮮だった。幕府側、長州、薩摩藩側からの歴史とはまた一味違った視点。負け戦とわかっていても親藩のため抜け出せない悲劇。
    戦のない世を望むヒスイと救吉二人のナイチンゲールのような姿勢が尊い。

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    2025年01月21日
  • ジェンダー・クライム

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    今マスコミでは、中居正広氏の女性トラブルが大きな話題となってる。状況は全くわからないけれど、女性が尊重されない、同等にみられないという点では、根が一緒なのかなと思う。
    本筋の事件以外にも、この本の中には、さまざまなバイアスが表現されてる。日常会話の中に潜むジェンダー平等からは遠い表現、ご主人、奥様、などなど。典型的なおじさん気質の主人公鞍岡警部補が、相棒の志波警部補に指摘されたり、事件の背景を理解するうちに、変わっていくのが嬉しい救いだ。
    性被害が被害者の人生そのものをぶち壊し、その家族も周囲にも立ち直れない傷を残す。二次被害を恐れて、事件化されないことも多い。芸能界然り、沖縄然り、、、この課

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    2025年01月20日
  • 青嵐の旅人 下

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    幕末に活躍した偉人たちが、それぞれどの藩でどんな事情や理想を掲げて動いていたのか、ヒスイと救吉の旅を通じて学ぶことができる。戦わない、殺さない、の理想を実現するには、何をすればいいのか、どう動けばもっともお互いの被害を最小限にできるのか、どの時代でも追求していくべき永遠の課題だと思う。

    お題はいいのだと思うが、話のテンポがどうも自分の性に合わず、すっきりしないことが多かった。この会話はいつまで続くのか、この場面をここまで長く語る必要があるのか。この本、同じ場面でも単に改行ではなく一行空けて話が続くことが多く、「あれ、中途半端に終わって別の話に行くの?」と思ったら「あ、続くのか」ということが続

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    2025年01月19日
  • 青嵐の旅人 上

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    幕末に活躍した偉人たちが、それぞれどの藩でどんな事情や理想を掲げて動いていたのか、ヒスイと救吉の旅を通じて学ぶことができる。戦わない、殺さない、の理想を実現するには、何をすればいいのか、どう動けばもっともお互いの被害を最小限にできるのか、どの時代でも追求していくべき永遠の課題だと思う。

    お題はいいのだと思うが、話のテンポがどうも自分の性に合わず、すっきりしないことが多かった。この会話はいつまで続くのか、この場面をここまで長く語る必要があるのか。この本、同じ場面でも単に改行ではなく一行空けて話が続くことが多く、「あれ、中途半端に終わって別の話に行くの?」と思ったら「あ、続くのか」ということが続

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    2025年01月19日
  • ジェンダー・クライム

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    犯人読めなかったなー。
    最後の最後で、まさきとしかさんの三ツ矢シリーズ風の真実の露呈があってジーンとした。


    痴漢や不同意わいせつなどの性犯罪の不起訴率、起訴になっても軽い量刑、どうにかして欲しい。

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    2024年11月05日
  • ジェンダー・クライム

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    あまり新鮮味がなく感じた。刑事ドラマをみているような、サラッと推理ものの印象。筋にながれる配偶者を主人とよぶか夫と呼ぶかといったことは、これまでも考え自分にとってはごく当たり前になっているからかもしれない。
    途中でてくるガールズシェルターを運営する女性の運営方法がおもしろかった。カジュアルな雰囲気でラテアートなどの温かい飲み物と食事を用意し、キャンピングカーでゆっくり話を聞く。繁華街でふらっと寄れる場所で、嫌だったらすぐ街に戻れる距離感。

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    2024年10月01日
  • ジェンダー・クライム

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    ジェンダー・クライム
    天童荒太さん

    大好きな天童荒太さん。

    今回は、珍しく刑事小説。
    かと思ったけれど、
    内容は、重かった。

    しかし、全て言ってることは間違ってない。
    繋がる。
    一気読み。
    おもしろかった。

    やはり、天童荒太さん。
    すきです。

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    2024年09月22日
  • 孤独の歌声

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    第6回日本推理サスペンス大賞受賞。
    7回で終了したらしいですが。
    そして、カバーの写真は先日亡くなった彫刻家の船越桂さんの作品です。これが、この小説ととてもマッチしています。

    確かにサスペンス。
    事件は二つ。コンビニ強盗事件と一人暮らしの女性を狙った連続猟奇殺人事件。
    中学時代に親友を見殺しにしてしまったと思い続ける女性刑事。
    コンビニでアルバイトをしながら音楽を続ける孤独の歌声を持つ青年。
    病んだ母親の束縛の下、家族という形態に執着するサイコパス会社員。
    喧騒な都会の中の寂然な孤独。
    孤独を望む中で、出会って別れるまでの刹那に繋がりを感じる女性刑事と青年。
    偽りの家族の中で孤独であり続ける

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    2024年04月04日
  • ペインレス(上)―私の痛みを抱いて―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    職場の先輩と恋愛の話をしていたとき「私さ、自分よりレベルが下の相手じゃないと、自分らしく振る舞えないんだよね」と言う上から目線な発言に失笑したのだが、これは恋愛におけるあるあるなのかもしれない。

    レベルが高い素敵な相手には”好かれたい・嫌われたくない”という気持ちから、相手に気に入られようとするあまり、自分らしく振る舞えない。
    でも、レベルが低いどーでもいい人にはどう思われたって構わないから、自由奔放に自分らしく振る舞えるの。
    って意味ですよね。

    「ペインレス」では、”自分よりレベルが下の相手じゃないと、自分らしく振る舞えない”なんて上から目線を遥かに凌駕するサイコパス女性が、思うがままに

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    2024年03月20日
  • ペインレス(下)―あなたの愛を殺して―(新潮文庫)

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    2024.01.12〜01.15
    身体的苦痛、心的苦痛。
    どちらの苦痛も嫌だと思うのは、こちら側だから。
    心的苦痛を感じなければ、世界は変わるのか。
    そうなれば、いいのに。
    そう思う一方で、不安がある。心的苦痛を感じない人達だけの進化した世界って、どうなのかな。

    身体と心の苦痛の対比、苦痛と無痛の対比によって、鮮明に、そして深く思考させられる物語。

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    2024年01月15日
  • ペインレス(上)―私の痛みを抱いて―(新潮文庫)

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    2024.01.07〜01.12
    痛みの心理に対する話は面白かった。
    もし、本当に痛みを感じないとしたら…
    続きが気になる。

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    2024年01月12日
  • 包帯クラブ

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    "思春期"特有の複雑な感情をまっすぐに描かれていてよかった。ちょっとまっすぐすぎるかなぁと思ったけど。主人公は高校生たちだけど、多分中学生とかにもぴったりくるんじゃないかな

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    2023年08月04日
  • 悼む人 上

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    人の死、様々な死因があるが死後には殆ど死者に対する営みが家族以外されず、忘れ去られる。家族、親戚、同僚、更に鳥の死から死後に報われる世界を見ていた静人は「悼む」事でその死を弔った。知りたかったことは3つ、生前、誰に愛され、誰を愛し、誰から感謝されたのか。僧侶が悟りを受けるまでの修行のような旅を続ける。

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    2023年05月02日
  • 悼む人 下

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    天童さんの著書を初めて読みました。
    興味惹かれる題材と丁寧な文章で大変読みやすかったです。物語の最後が想像していたものと違い、あれって感じです。

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    2023年03月28日
  • 悼む人 下

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    悼む人と呼ばれるようになった青年の、死者への悼みの旅は、共感する部分もありました。
    今、高村光太郎の「智恵子抄」を少しずつ読んでいるのだけれど、誰に愛され、誰を愛し、誰に感謝されたかを、記憶に残すということを悼むとするならば、高村の詩や裸像は、妻を愛した記憶の蓄積で、悼むそのものと思う。
    “悼む人”は、彼に関わった記者の男性に変化をもたらせていく。彼の書く記事は、事件の当事者達の生い立ちや心情に寄り添うようになるが、オヤジ狩りにあって失明する。それでも、信奉していく。彼の旅を追い続けた女性は、過去の結婚と夫殺害の愛の矛盾に折り合いをつけて、悼む人と何故か結ばれる。そして、悼みの旅の邪魔になるか

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    2023年03月26日