有吉佐和子のレビュー一覧

  • 青い壺

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    私が子供の頃にまだ残っていた「戦争の後」という空気感を思い出した。社会の空気は変わったけど、人間関係の悩みなど変わっていない部分もあった。一番面白かったのは、第九話。高齢の女性たちがわちゃわちゃしているのが楽しかった。この本、うちの母が読んだらもっと面白いんだろうなぁ。贈ってみようかな〜

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    2025年12月25日
  • 悪女について

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    ネタバレ

    最後の義輝の話を読んで、君子は美しいものが大好きな純粋な少女だったのだろうと思った。
    美しいものの為なら悪意なく人を蹴落とせるし美しく魅せる為に平気で嘘もつけるという異常性をもっている。

    悪びれもせず金や土地を奪う被害者にとってはそれは悪女にしか見えないだろうし、君子が美しく見せようとしている相手には潔癖で綺麗な所しか見えない。

    鬼婆のような窃盗癖のある母親は美しくないので実の親ではないと嘘をつき、義彦が美しくない附子の嫁を貰う事を許せない。

    元から飛び降りる動機はあったものの、
    二十六人目の話を読むに年齢を若く美しく偽らずに適切な治療を受けていれば、死ななかった可能性が高い。

    しかし

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    2025年12月22日
  • 非色

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    ネタバレ

    差別に対する自分の認識をひっくり返されたような気がします。戦後の日本にやって来たアメリカ兵は白人ばかりではなく、実際には有色人種のアメリカ兵もいたということは今まで想像したことがありませんでした。様々な人種が存在する地域においては単純に肌の色だけではなく、それぞれの人種内で人種による差別意識があるということは、日本人ばかりの中で育って来た自分にとって全く新しい視点でした。その人の背景や置かれた立場によって、同じ人種内であってもそれぞれに差別意識が生まれる残酷さを目の当たりにした気がします。

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    2025年12月21日
  • 紀ノ川

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    紀の川流域旅行の記念に購入。
    知らない言葉が多くて時間がかかったけど面白かった!
    私もわりと古風な家の長女なので、花にも文緒にも激しく同意したり、いやそれは違うと反発したりで情緒が忙しない。
    ただ、家に忍従するつもりがあろうとなかろうと、まさに川の流れのように私も花や文緒のようなご先祖様から命を繋げてもらったはず。
    生まれた環境も選べなかった境遇も糧にして自分なりの社会貢献ができれば上出来なんだろうと思わせてもらった。

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    2025年12月22日
  • 悪女について

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    関係する人がインタビュー形式で主人公について語る形式が面白かった
    結局死の原因は???だったが、関わる人によって善人にもなり悪人にもなる
    人間って大なり小なり、こんな感じなのかもしれないと思わせてくれました

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    2025年12月17日
  • げいしゃわるつ・いたりあの

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    鬼籍に入られているはずの有吉佐和子様の、まさかの新刊!!!!!
    通勤途中の駅の本屋さんで見つけて即買いしました。
    原田ひ香さんの権力恐るべし。
    もっともっと復刊お願いします!


    軽やかなテンポで進む、芸者さん界隈のお話。
    私は京都の料亭で正社員として勤務していた経験がありますが、ここで書かれているように、料亭の女将さんが地域を束ねて芸妓さんを取り仕切ったり指示したりっていうようなことは多分、もうあの頃はなかったんじゃないかなぁ・・・某老舗フランス革鞄ブランドがマハラジャを歓待しているお席とかはあったけどどうだったんだろう。
    とにかく未知の世界で、ワクワクしながら読み進めました。
    ストーリーテ

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    2025年12月13日
  • 女二人のニューギニア

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    有吉佐和子さんの背景知識など皆無の状態で読み始めたため、序盤に時代背景の違和感に気づき、初版が1969年と見てとても驚いた。関西弁の2人のテンポの良い会話に、行ったことのないはずのニューギニアの景色が脳裏に浮かんできて読んでいてとても楽しい時間を過ごせた。特にヨリアピを目指して山を越えていく場面は一緒になってクタクタになっていく感覚があって、読むのに時間がかかった。
    現代よりも遥かに不便な当時にこんな大冒険ができるんだから、自分もまだまだ何も諦めることはないんだろうなと元気が出た。
    時代を超えても愛される素朴で素敵なクスッと元気をもらえる旅行記だった。

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    2025年12月09日
  • 針女

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    東京下の針職人夫婦に育てられた清子
    ひとり息子の弘一に思いを寄せながらも、出征を見送り、
    戦時下、そして戦後を懸命に生き抜く。
    その間に針を踏み抜き、それがもとで片足が不自由に、
    清子は新たな負い目を抱え、さらに息を詰めるように暮らしていた時、弘一が復員。
    しかし戦争は人格をも変えてしまい、元のようにはいかない

    有吉佐和子の作品て、その時々の状況を切々と克明に描く、というのじゃなくて、時代背景として頭に置きながら、人間をより深く生々しくそして容赦なく、と。
    悪い人間には悪い人間なりの「う~ん そうだなぁ」と思えるところがあり、弱い人間には弱い人間に自然と寄り添えるところがあり、人間の描き方が

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    2025年12月08日
  • 悪女について

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    ネタバレ

    公子のことを清く正しくいい人という人ととんでもなく嘘つきで悪い人という人がいる。
    私も、とんでもなく頭が良くて、感心するほど計算上手な悪女だと思った。けれど、公子の幼なじみがそろばんを習ってたよねって言った時に公子は全く覚えていない様子なのがずっと引っかかってた。嘘をつけば済む事なのに覚えていない、人間違いだと言い切ったところに、もしかして双子かなりすましで2人いるんじゃないかと思ったくらい。そういうふうに私は本当は高貴な家の生まれなのにという作り話もそういうふうに本当に信じ込んで生きていくしかなかったのかな、その時その時で別人格を生きているのかなと思った。ドラマでは、公子がもし自殺だとしたら

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    2025年12月07日
  • 挿絵の女 単行本未収録作品集

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    それぞれ趣向の違った短編集。
    以前読んだエッセイ集の中で、レッテルを貼られるとひっくり返したくなるという事が書かれていたのを思い出した。
    どれも面白い。

    【挿絵の女】
    「戦後」をまだ引きずっている時代。記憶喪失の画家が描く女の絵にモデルはいるのか
    【指輪】
    テレビの探偵バラエティに出演しているせいか、推理小説を依頼されて途方に暮れている小説家・有吉佐和子。
    日本舞踊家の友人が、指輪を預けに来て、数日後に自殺した。
    指輪の内側に彫られたイニシャルは何を表すのか
    【死んだ家】
    毎年一度は大病を患って一族郎党を呼び集める、旧家の女主。今度こそ危ないと医者が匂わす。相続人たちは、いかほどの財産がある

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    2025年12月06日
  • 華岡青洲の妻

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    世界で初めて全身麻酔による乳がん手術を成功させた華岡青洲。
    青洲の母と妻が麻酔薬の人体実験に協力したという逸話だけは知っていたけど、それを広めたのが有吉佐和子さんのこの作品だったとは知らなかった。

    普通なら美談として描かれそうだけど、青洲を支える女性たちにスポットを当てているところが面白い。
    母と嫁が競い合うように自ら実験台になりたがるという、狂気すら漂う献身が描かれている。

    どちらがより献身的かを競う嫁姑の意地の張り合いによる心理戦が続いていく。
    口にする言葉と嫁の加恵が淡々と語る心の中の本音が全く違う。表向きは仲の良い嫁姑に見えるから尚更怖い。
    ただの嫁姑の嫌味バトルだけではなく、嫁ぐ

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    2025年11月28日
  • 非色

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    一昔前の文体だったが、それが逆に柔らかく読みやすかった(ひと昔前の作品だから当たり前だが)
    現代にはない人間の生命力が感じられ生きる実感を味わせてくれる作品だった

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    2025年11月05日
  • 悪女について

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    主人公、富小路公子の謎の死。
    死の真相を探るミステリーではなく、公子の異常性がミステリー。
    痺れるほどの狂気、いいですね。実際にこういう人とは絡みたくはないけれど、小説や映画で震えながら見るのは好きなので面白かった。

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    2025年10月31日
  • 非色

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    人種差別の根深さについて考えさせられた本。
    どんな血が流れているかで人生が決まる、そしてその人生をほとんどの人が当たり前として受け入れていることが苦しかった。
    差別されている側であってその辛さをわかっているのに、自分より下とされている種族のことは見下したり、見下すことで自分の誇りを守っていた。
    いじめの理由も親の職業や貧乏が理由であったり、自分よりいじめられている人に安心したり、似たような構図になっていると感じて、人間ってそういう風にできているのかと苦しくなった。

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    2025年10月31日
  • 針女

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    ネタバレ

    いろいろ容赦なさすぎて、読んでいて辛い小説だった。
    主人公清子が針を踏んでしまい足が不自由になる。時代性はあるが、足が不自由な人を貶める言葉が再三出てきて、身体の不自由なかたが読んだらどんな思いをするかと思うとつらい。
    出征した幼馴染弘一を心の中で慕っていた清子、あるとき彼も自分を愛していたことを知る。その時の清子の思いも少女マンガ的な心境からは程遠い。終戦、弘一は無事戻ってくるが、それからの展開も少女マンガ的には行かない。
    最後、清子が職業婦人として手に職を持って自立していく姿が暗示されて終わる。清子を陥れた針に最後には助けられるということか。
    読んでいるときは容赦なさがつらかったが、現代人

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    2025年10月22日
  • 恍惚の人

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    凄い迫力ある内容だった

    現在は昭和の時代より介護制度は整えられ、介護の考え方も変わってきたけれど、長生きになって認知症になる人も増え、しみじみ老いていくのは大変だと実感している 
    当時とはいえ、信利のような夫には腹立たしさしか感じないし、役所の指導も正論であっても介護する人の心には全く寄り添えていない
    茂造の介護をやり遂げた昭子を、ただ褒めるとか労うとかいう気持ちにはなれない
    家で看取ってあげられたのは、感慨もあるし達成感もあるだろうけど、だからといって解決にはならない
    介護は綺麗事ではない
    死に方や老い方は選べないけれど、頭を使い、体を鍛えて、何とか認知症や寝たきりにはならないようにしなけ

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    2025年10月25日
  • 悪女について

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    主人公について周りの人物が語っていくという斬新な構成にしびれた。
    あえて主人公に語らせないことで、彼女の品性を保っているというか、らしさを表現していると感じた。

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    2025年10月18日
  • 青い壺

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    ネタバレ

    ある青い壺に関わる短編集 少し古い時代のお話(昭和後期)だが、詳細にそれぞれの人の感情、動きが描写される。帯で黒柳徹子さんが、感情が手に取るようにわかる、と記載してあったが確かにそう
    面白いかというとそこまでのめり込むほどではないが、なぜか読み続けられるかと思う

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    2025年12月30日
  • 夕陽ヵ丘三号館

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    一流商社に勤める夫の転勤に伴い、東京で社宅暮らしをスタートした音子が、社宅内の人間関係に振り回されていく姿を描いた物語。

    一人息子の教育問題に振り回されるのは、いつの時代でもあることかもしれないが、同じ年頃の子どもがいる社宅となるといろんな情報に惑わされる。

    新しく建った五号館には外国の支店から帰った人ばかりが入居するなかで、大阪にいた頃仲良くしていた山野夫人がいるのに驚き、そのあと一悶着があったり、子どもは伸び伸びと育てる方針で口出ししないと言っていた井本夫人が、離婚までして息子に東京の都立高を受験させ合格していたというのには、驚愕した。

    社宅という箱の中で、主婦が一日中いると見栄と欺

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    2025年10月10日
  • 華岡青洲の妻

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    この時代の嫁と舅のの確執といえば、それまでだが、今も通じる世界。世の中はかくも変わらないもの。でも少しは変わっているとも言える。
    後100年後には、もっと良い世界に少しは変わっているだろうか

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    2025年09月30日