有吉佐和子のレビュー一覧
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『非色』に同じくして、社会的な問題を取り扱いながらちっとも色褪せない内容であるのは、日本の皮肉かもしれない。
「老い」の実態をテーマにしながらも、重苦しさが強すぎないのは、やはり主人公の昭子の強さや軽やかさ、ひいては有吉佐和子という人の社会を捉えるしなやかさにあるのではと感じ入る。
そうは言っても、自分にも「老い」が訪れることを恐怖せずにはいられない。女性がおばさんになることの呪いは、『逃げ恥』以後解かれつつある(と期待している)が、さらなる老いとなると、社会的にも安全安心に老いる仕組みが整わなければ、なかなかこの呪いは解けないのではと危惧してしまう。 -
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読んでいて、自分の夫が死んだらどこに連絡すればよいのだろうと考えて、やはり優先すべき連絡先はアナログで残して置いてもらおうなどと事務的なことを思った。
それにしてもボケた老人の恐ろしいこと。生々しくて少し心をドロっとさせられた。
内容はドロドロしているのに、文体はさっぱりしていて、とても読みやすい。
藤野千夜さんの『じい散歩』を読んでる時も思ったけど、昭和の時代って、隣近所との関係が今とは到底違っていて、家の事で困った時に近所の奥さんに相談したり、頼んだりするのは珍しいことじゃなかったんだなって改めて思う。
主人公昭子が、義父が一命を取り留めたところで、「生かせるだけ生かさして -
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ネタバレ本屋で平積みされており、手にとってみたらなんと昭和51〜52年の作品だと。
なぜそんな古い本が?と興味を惹かれ読んでみた。
会話や描写からは昭和の雰囲気が感じられる一方で、人間の本質は何年経っても変わらないんだなと感じられるような一冊だった。
タイトルにある「青い壺」をある陶芸家が作り出し、それが人から人へといろんな形で渡っていき、最後にはまた作家の元へと戻ってくるという連作短編。
一つひとつの話は緩やかに繋がっているが、基本的には主人公もそれぞれ異なり話が変わるごとにいろんな視点でその時代を伺うことができる。
読んでいて今と違う時代だからこその面白さもあり、文章も読みやすくストーリーに引き -
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戦後の日本にて40代で謎の死を遂げた、女実業家・富小路公子。大金持ちとしてメディア出演していたこともあり、死後、週刊誌があることないこと騒ぎ立てる。その彼女と関わった27人を小説家が取材し、それぞれが彼女の人となりや、死について順番に語る。
美しいものが大好きで、夢をみながら、理想と現実のギャップを埋めるために一所懸命に勉強して働き、大金持ちになった人物。彼女のことを悪く言う人もいれば、良く言う人もいる。
「悪女」かどうかなんて他者評価で決まるから、悪女だと思う人もいれば、思わない人もいて当然かと思う。
男絡みの部分は、何がなんだか・・でもみんなそんなもんなのかもしれない。
最後まで死 -
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ヒロインの富小路公子について、何が本当なのか、善人なのか、悪人なのかは最後まで分からない。でもそれは結局、10人中9人の人が「あの人は良い人だ」といっても1人の人が「あの人は碌な奴じゃない」という印象を抱いても何もおかしくないことと一緒じゃないか。登場人物それぞれが公子に対して持った印象はどれも否定できるものではなく、よって公子が100%善人か悪人かなんて言い切れることではない。そして同時に、それぞれが公子に対して勝手な思い込みを持って疑わない。そのことの危うさと、そう強く信じさせるだけの公子という人物のとんでもなさを嫌でも感じさせられるのである。
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有吉佐和子さんの本は「悪女について」「青い壺」に続いて3冊目。
ページをめくると、いきなりの奥さま言葉。ちょっと戸惑いながら読み進める。
男は外で仕事をし家の事は妻に任せ仕事最優先、女性はよい妻でよい母親であるべき…なバリバリ昭和な価値観 社宅の中で奥さま同士の心理戦。
良い妻たるもの、に縛られ
社宅の中での 奥様たちの目や口に翻弄され
目立たぬように 陰口を言われないように 細心の注意をはらいながら
でも 時にあらま〜な、展開に巻き込まれたり
日常のひとコマの中での心理戦 人間描写が巧み。
最初は戸惑ったが、奥さま言葉だったからこそ読み進められたのかも。と思う。
子育ても一段落して価 -
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ぐんぐん惹き込まれて最後まで走りきった。
同じ有吉作品の「青い壺」はハマらなかったけれど、本作は夢中になって読んだ。
主人公・笑子は戦後の日本が復興していく勢いに乗って、何がなんでも生きていく!というやる気に満ち溢れている。
思えば笑子は終始、勢いとパワフルさがとにかくすごい。後々、笑子も圧倒されるようなもっとパワフルな日本人女性たちが登場するが、笑子もなかなかガッツがある。
彼女のそのガッツが本作を貫く芯の部分にある。だからこそ、希望の見えない状況になっても1ミリの希望を抱いて読み進められた気がする。
中盤、竹子が登場したところから読み進めるのが楽しくなった。それまで笑子に降りかかる災難