有吉佐和子のレビュー一覧

  • 青い壺

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    1つの青い壺をめぐる短編集。
    どの物語も面白く、青い壺がメインでなくても存在感があり、なくてはならないものという感じ。
    70代おばあちゃんのクラス旅行がツッコミどころ多々あり印象的。

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    2026年01月30日
  • 非色

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    有吉佐和子ってストーリーテラーなんだなぁと改めて思った。
    1964年に刊行された本であるが、古くささを感じることなく一気読み。
    差別という難しいテーマを扱っているのだが、終始、重苦しくなることなく、読み終えた。

    戦後、GHQの黒人兵と結婚して幼い子メアリイを連れて、ニューヨークに渡った笑子(えみこ)だが、待っていたのは貧民街ハアレムの半地下アパートでの生活だった。
    そんな最底辺のような生活を送る黒人だが、プエルトリコ人を激しく差別する。
    白人の間にも、イタリア人差別、ユダヤ人差別などがあり、戦争花嫁(ウォーブライド)として日本から渡ってきた日本人女性はアメリカに来て初めてそれに気づくのだった

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    2026年01月30日
  • 非色

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    人種差別という重いテーマを扱いながらも、軽やかな文体で、内容も湿っぽくなりすぎないので読みやすかった。主人公の笑子の思考を通して、なぜ人は人種差別をするのか、環境によって人は作られるのか、生まれた時から差別されるべき人間だったのか、そんなことを一緒に考えていくことができた。

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    2026年01月22日
  • 青い壺

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    色んな人の人生を覗いて体験した気持ち!その場に居合わせているみたいな臨場感!すごい。
    主婦が主役の話が多く、みんなああ嫌だ嫌だと悩みながらも(姑嫁、老い、戦争など)生活に追われてない明るい感じがいいなぁ。防空壕でのディナー、同窓会へ行く心配性老婆、病院の掃除婦が作るバラの花弁の枕が特に自分と違う世界で、わくわくしながら読んだ。
    それと話の終わり方がどれもすごく良い!お気に入りはバラ枕の
    「極楽だな」シメは呟き、間もなく健康な寝息を立てていた。シメは寝入りばなに鼾をかく。
    のところ!シメがいびきをかく幸せな光景が目に浮かぶ。すごい。寝息を立てていた。で終わるならわかるけど、その後にこの文章持っ

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    2026年01月21日
  • 悪女について

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    ちょっとびっくりな面白さ。単なる犯人探しではなく、人間の多面性や相対性、その中にある芯の深さと強さを考えさせられる。

    証言が増えるほど「人物像」は崩れるのに、
    最後に残る人物は、むしろ 強度を増して立ち上がってくる。

    多面性は、弱さではなく生存の知性。
    相対性は、流されることではなく現実理解の深さ。
    結論として、芯がなければ幸せにはなれない。

    これは、有吉佐和子自身が、才能と劣等感の中で努力し成功し、思いがけず強く批判されながらも生き抜いてきた結果として得られた人生論が骨格になっているのであろう。わたし自身が50過ぎてるから最高に楽しめる作品なのかも。

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    2026年01月19日
  • 青い壺

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    連作短編集。全てのお話のオチに青い壺が人々の生活にそっと佇む。 人の心情は時代が変わっても共通であると感じる。 共感も多いが戦争後の配慮、気配りや修道女などの話は普段過ごしているだけでは分からないことなので勉強になった。 非常に上品な作品で現役の作家の方が目標にするのは間違いない。

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    2026年01月17日
  • 悪女について

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     悪女ってどんな人なのかなトホホ考えると、色気があって賢くって小股の切れ上がった感じがするのはワタシだけでしょうか?騙されるってことがわかっていてもわかっていなくても、後味のいい騙し方をしてくれるのがきっと良い悪女なんだと思います。
     主人公はまさにそういう人物で、本作を読んでいても本当に気持ちの良い行動をします。美しいことが好きなだけのこの人の行動が周囲をしっかりと巻き込みます。なんて言ってる今このとき、きっとワタシはもう後味の良い騙され方に一歩踏み込みはじ…
     悪女に騙されるって、気持ちいいですよね〜。

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    2026年01月15日
  • 恍惚の人

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    【まるで近未来SF】

    なぜだか急に読みたくなって手に取った1冊。
    この本が出版された当時、私はまだ小学生だったけど、親、主に母親が近所のおばちゃん達と話題にしていたことを覚えている。
    それでもまだ母親世代の口調からは、「恐ろしい話だけれども他人事」のような気楽さが感じ取れたし、どこか怪談話を語っているような雰囲気でもあった。

    でも今読んでみると、50年前に書かれたものとは思えないほどリアルな内容で、登場人物の年代が戦中体験者という描写がなければそう遠くない時代の話だと思ってしまったかもしれない。
    そして(多少の改変はあるものの)現代とほぼ変わらない仕組みの各種老人施設がすで

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    2026年01月13日
  • 悪女について

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    肉小路ニクヨさんとか色んな人がおすすめの一冊にあげてて気になってた本。
    女の私が読むとキィーーーとなりますな。男性だと感想違うのかな。
    今の時代だとどこかの段階でバレそうだけど、近いことしてる女性はいるんだろうな。

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    2026年01月11日
  • 恍惚の人

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    ネタバレ

    50年以上前、自分の両親が生まれた頃のお話。
    認知症ではなく「痴呆症」と呼ばれた時代で、それが進行すると、便を食べるなどの「人格崩壊(表現が違うかも)」に至るそう。
    この時代、認知症をもつ方への理解も進んでいない中、仕事もしながらつきっきりで舅の世話をする昭子の献身ぶりには心を打たれた。その息子である敏も学業の傍ら、徘徊した祖父を探すなどの行動をとっていて偉いなと思った。

    反面、昭子の夫の信利やその妹の京子は、自分の父が認知症になっても他人事で、世話を昭子に押し付けている態度が気になった。しかしこれは、「女が家庭を守るもの」という当時の価値観によるものだろう。また、老人福祉に関する専門家から

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    2026年01月11日
  • 青い壺

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    ネタバレ

    しかし、いつの間に、あんないい古色がついたのだろう。

    往時の陶工が決して作品に自分の名など彫らなかったように、自分もこれから作品に刻印するのはやめておこう、と。

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    2026年01月06日
  • 青い壺

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    今年最初の作品として手にとったのは、時代を超えて話題になった『青い壺』。

    古き良き昭和の風情だったり、家父長制の名残りが色濃く残る時代背景は、どこか懐かしさを感じさせる。幼少期の記憶が蘇ってきて感慨深い。

    物語は、無名の陶芸家が作った青磁の壺が、十余年の歳月を経て人から人へと巡り、作者と再会するまでの軌跡を描いたもの。
    この壺に関わる人物たちの複雑な人間関係や繊細な感情が深く掘り下げられていて、上質で深い読み味を残す作品だった。

    壺と共に不思議な縁が織りなす、紆余曲折の旅路。
    そこで出会う人物のそれぞれの苦悩や喜びなど、様々な人生の一部に触れることができた。そして、壺がその時々の持ち主た

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    2026年01月04日
  • 非色

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    1967年、角川文庫から出版されていた作品で、
    2020年、河出文庫から再文庫化された作品。

    人種のサラダボウルと比喩されるアメリカ社会。
    かつては人種のるつぼと言われていた。

    性別・宗教・階級・出身。

    人種/民族のほかにも
    数々の差別が渦巻く世界。

    色に非ず。

    どんな見た目をしていても思想は様々。

    確かにある「傾向」を、
    しかし、万人に当てはめてはいけない。

    熱意をもって再出版にあたってくださった
    河出書房新社には、最上の感謝を。

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    2026年01月04日
  • 恍惚の人

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    ネタバレ

    『恍惚の人』は、認知症という言葉がまだ一般的でなかった時代に、「老い」と「介護」を真正面から描いた作品です。
    舞台はごく普通の家庭。特別な不幸が起きるわけではありません。ただ、年を重ねた父が少しずつ変わっていく。その変化に、家族がどう向き合わされていくのかが、淡々と、しかし容赦なく描かれます。

    印象的なのは、誰かが明確に「悪者」になるわけではないことです。
    介護する側も、される側も、みな必死に「正しく」あろうとする。
    それでも、苛立ち、疲弊し、思ってもいない言葉が口をついて出る。その現実が、非常に生々しい。

    この作品が突きつけてくるのは、
    「家族だから支えられる」という理想と、
    「家族だか

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    2026年01月03日
  • 非色

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    ネタバレ

    戦後、進駐軍として日本に来た黒人軍人と結婚し、ニューヨークに移り住んだ笑子の物語。
    黒人の子どもを日本で産み、疎まれ、アメリカでも貧困層として生きることを強いられる。
    この小説で印象的だったのは、笑子が感情的ではない女性として描かれていることだ。
    妬みや怒りがあってもおかしくない状況なのに、有吉佐和子はそれを内面描写として強調しない。
    怒りは行動として表れることはあっても、心情としては淡々としている。
    その距離感があるからこそ、この物語は
    「差別される女性の悲劇」ではなく、
    差別の構造そのものを描いているように感じた。
    笑子は、黒人差別の本質は色ではなく「階級」だという考えに行き着く。
    白人の

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    2026年01月03日
  • 女二人のニューギニア

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    56年前の滞在記だが、時代を感じさせないエピソードに溢れた本。苦労話を笑いに変えるサービス精神に感服しきり。

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    2026年01月02日
  • 非色

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     タイトル「非色(ひしょく)」=「色に非ず」とは、どういう意味なのかなあ・・・と疑問を抱きながら読み進めて、最後のところで笑子の気づきとともに、ようやく分かりました。アメリカの人種差別は、肌の色ではなく「階級闘争」なのだということでした。
     笑子は、戦後、黒人の米兵・トムと結婚し幼子を連れてニューヨークに渡りました。アメリカには、様々な人種が存在し、笑子のような「戦争花嫁(ワーブライド)」は、結婚相手の人種によって社会的な差別や圧力を受けていました。初対面の人に「夫はニグロだ」と告白した瞬間から蔑みの対象にされてしまいます。
     しかしながら、ニグロとして社会から差別の対象とされているトムは、プ

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    2025年12月29日
  • げいしゃわるつ・いたりあの

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    面白かった!!!
    さくさく読めました。
    シスターフッドも感じられる。
    東京にはほとんどなくなった、花街のお話。
    アメリカ、ブロードウェイを目指すって夢ある!

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    2025年12月29日
  • 女二人のニューギニア

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    最高に面白い
    青い壺でこの作家にハマって2作目
    まったく異なった内容だが読者を飽きさせない
    人間への愛に満ちた冒険

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    2025年12月29日
  • 女二人のニューギニア

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    有吉佐和子ニューギニア滞在記。ニューギニアの独立3年前の頃である。インドネシア舞台の小説を書く機会があったので、地図でたった5cmだし(おい、縮尺は!?)行ってみようと思っちゃったのだ。誘ってくれた畑中さんは文化人類学の研究者で、ヨリアピというところに住み数年前に発見されたシシミン族を研究している。

    有吉佐和子は気楽に行ったところ、オクサプミンまではセスナで行けたのだが、そこからヨリアピは徒歩しかも2日。有吉佐和子さんがぶうぶう言ったから3日の旅程にしてもらえたものの、結局最後は足の指の爪が全部剥がれて歩けなくなり、豚の丸焼きのように棒に吊るされてみんなに担がれながら辿り着く有様になった。1

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    2025年12月23日