有吉佐和子のレビュー一覧

  • 悪女について

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    本当に美しいものだけが好きな人なんだなと思った。
    なにが真実なのかわからないけど、まあ人間そんなもんかなー。これが何十年も前に書かれているのが不思議。有吉佐和子さんの作品って、昭和の時代を描いてるのに現代でも通じるので読みやすくて好きです。

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    2026年04月16日
  • 青い壺

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    火の鳥形式。
    13の短編に共通して青い壺が登場する。

    馳星周の『少年と犬』も、同じような形式だが、青い壺の方が面白く感じた。

    少年と犬の方は展開が予想できそうなのに対して、壺の方は先の展開が全然読めなかったからだと思う。

    どの話もおもしろく、そしてどこで壺が登場するのか毎度楽しみだった。

    個人的には、戦時中の夕食を豪華な気分で食べる話が特にツボ。

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    2026年04月14日
  • 非色

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    戦後の日本で逞しく生きる笑子。
    戦災で家を亡くし、貧乏生活の中自ら働き口を見つける。そこは黒人の進駐軍御用達のキャバレー。もっと稼げるようになるために、英会話を勉強したり、闇市に品物を流したりして稼ぎを増やし、母、妹を養う。

    そしてそこで出会ったニグロのトムと結婚。
    娘を産むが彼女はトム似のニグロ。日本でのニグロへの風当たりは強い。好奇の目で見られ、娘メアリーは虐められるばかりで友達が出来ない。

    トムが指令でニューヨークに帰国し、笑子もメアリーに友達ができる環境を求めてニューヨークへ旅立つ。

    ニューヨークでのトムは、日本にいた頃と違い、ニグロへの差別から碌な仕事に就けず、ハアレムの半地下

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    2026年04月14日
  • 青い壺

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    売り出し中の陶磁家がある時、偶然に名作ができ喜んでいたが、周囲がさほど気にかけないのに腹を立て、家を不在にしている間に妻がその名器を売りに出してしまうところから話が始まる。タイトルの「青い壺」はいろんな人の手に渡り、それぞれの家庭や環境の様子を映し出す。

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    2026年04月12日
  • 紀ノ川

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    ネタバレ

    有吉佐和子の著作、自分にとって、青い壺から二冊目。
    ネタバレなしで読み始める。こういう古い小説って、帯や裏表紙にあらすじという名のゴリゴリネタバレ書いてありがちだからな…

    花という新婦、その祖母の豊乃の、昭和どころか明治のやりとりから始まる。
    ものすごい量の嫁入り道具を持って紀の川を船で下って、六十谷に嫁入りしていく。この時代でもさすがにここまでの嫁入りはそうそうないらしいが、今はそもそも嫁入り道具というものすら存在しないんだもんな。明治三十年と今でここまで変わるのかぁ、と思ったけど、明治三十年って1897年、もう100年以上余裕で前なんだな。100年経てばさすがに変わるか。でもまあ、ここ1

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    2026年04月12日
  • 青い壺

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    美しい青磁の壺が色んな人々の手に渡りながら、様々な人生模様を映し出していく物語。
    50年前の作品ですが、人の悩みや考えることって今と変わらないのだなあと思えます。
    おばあちゃんの同窓会の話とか面白くて笑っちゃった。
    あと、美術品って難しいのだな、と。真偽のほどは誰にも分からない。

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    2026年04月11日
  • 恍惚の人

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    耄確している父親は、信利がこれから生きて行く人生の行きつく彼方に立っている自分自身の映像なのだという考えが、払っても払っても頭の中から消えない。老いるということの極は、これか、と思う。それは死よりも昏く、深い絶望に似ている。

    「昭子さん、小便が出ますよォ、小便をしたいですよオ」いつものように起されて、庭で用を足させながら、こうなるのは嫌やだなあとつくづく思った。現在こうして面倒を見ていることよりも、三十年、四十年先に自分がこうなるのは嫌やだという思いの方が遥かに強い。

    もともと老人は、希望とも建設とも無縁な存在なのかもしれない。が、しかし、長い人生を営々と歩んで来て、その果てに老耄が待ち受

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    2026年04月09日
  • 女二人のニューギニア

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    面白かったー。作家から見たニューギニアの未開?種族と研究者との丁々発止。現代的にはアウトだろう表現もあるけど、有吉さんは差別意識とかではなくてただ冷徹に事実を見て考えている感じ。パンツを履くようになったコックが人が変わったみたいに階級意識を持つようになったのが怖いというか罪深いというか。聖書のイチジクの葉ってこういう意味かという。
    畑中さんってまだお元気らしく、むちゃくちゃご丈夫。適材適所でいろんな生き方があるなあと。
    呉服屋さんの言葉がさらっとしてるけど重かった。

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    2026年04月03日
  • 女二人のニューギニア

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    最近、話題になっていて気になっていた本。
    本の冒頭から有吉さんの、「なぜ、ニューギニア行きを誰も止めなかったのか!」と何度も書かれていて、切実さを物語る。
    最後まで読むと、読者としては面白くてスリリングな内容なんだけど、筆者の↑「なぜ、誰も止めなかったのか!」が良くわかる。
    人類学者の畑中さんの探究心には感服します。

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    2026年04月01日
  • 女二人のニューギニア

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    面白すぎる。笑わせる文体で書いていないのにものすごい文章力だから、するする読める。PNG今もそんなに変わってなさそうでいいね。

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    2026年03月31日
  • 悪女について

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    言葉遣いは古臭いがのめり込んで読めた。
    人の心を見抜き操るのが上手な女性、富小路公子のはなし。
    良い女性だったのか悪女だったのか、人を利用するのが上手な嘘つきだったのか、ただ美しい物が好きな女性だったのか…
    只々逞しい女性であることは間違いない。

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    2026年03月25日
  • 悪女について

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    有吉佐和子、3冊目。謎の死を遂げた実業家富小路公子について、あらゆる人物からのインタビューで構成されている。物語が進むにつれ、誰が嘘をついているのか、嘘をつかれてるのか真相が分からなくなる。何回か前のページに戻って読み直した。特に公子の男女関係はどうやって成立(同時進行)していたのか。謎は多いけど、最後まで公子に翻弄されながら楽しく読めた。

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    2026年03月22日
  • 悪女について

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    こんなに何人ものキャラクターが出てくるのに誰一人似た人はいないし、本当に実在の人物のように思わせるところが有吉佐和子という作家の凄さなんだろうと思う。
    時代が違うけれども、今と通ずる部分も多いので長年読まれている作品となっているのは納得。
    今、ドラマでやるなら誰がどの役だろう?と考えながら読むのも面白い。

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    2026年03月11日
  • 非色

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    1967年の作品だということを知って驚き。重く暗くなってもおかしくないのに、適度な軽さもあり読み進められてしまう。

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    2026年02月28日
  • 非色

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    有吉佐和子の『非色』、今の時代にこそ刺さりすぎる。

    「人間が生きていることを最低のところで支えているものは何か」

    戦後、ニューヨークへ渡った主人公が見たのは、人種、経済、宗教……ありとあらゆるモノサシで「自分より下」を探し、安堵する人々の姿。正直、滑稽。でも、今の私たちも同じじゃないかな。学歴、年収、ルッキズム、結婚してるか、子が居るか。

    属性を比べて「あの人よりマシ」と思っているうちは、本当の誇りなんて持てない。それは他人の土俵で自分を否定しているのと同じだから。

    自分をラジカルなまでに受け入れる

    泥の中でも、どんな属性の中にいても、「これが私だ」と自分を抱きしめる。その覚悟だけが

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    2026年02月26日
  • 悪女について

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    27人皆同じ人物に出逢っているのにも関わらず、皆感じ方、受け取り方が異なったというおもしろさは、もはや恐ろしいまである。彼女が悪女だったのかは、一口には語れないが、自らの天賦の才を上手く利用できる器用さを持ちながら、どこか人として欠けた部分も持つ人物だったと言えるだろう。

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    2026年02月19日
  • 真砂屋お峰 新版

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    女の人生を描いた話は有吉佐和子氏がダントツに面白くそして安心して読める。
    けど今回は灰色の景色、暗いイメージしか浮かんでこなかった。

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    2026年02月19日
  • 女二人のニューギニア

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    表紙のお二人。明らかに後ろ向きな大柄な女性と、叱咤激励する小柄な女性。
    「非色」「青い壺」からなんとなく想像していた有吉さんの人物像と、このイラストのギャップが大きすぎて、即買いしてしまいました。

    当時30代の有吉さんが、50年くらい前に訪れたニューギニアのジャングル。未開の地。
    いまでも、なかなか勇気のいる場所なのに、なんの前情報もなく、「ええところやし、遊びにおいで」の誘いに乗って軽い気持ちで行ってしまったそうで。

    爪は剥がれ、虫に群がられ、茶色い水を飲むしかない。

    都会ですらタクシーにのる私が、なぜいくつもの山を越えた?なぜ虫だらけのこんな場所にいる?なぜ誰も止めてくれなかった?と

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    2026年02月15日
  • 恍惚の人

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    ⭐️恍惚の人
     壮絶な物語である。昭和47年ごろという時代背景はあるが、昭和も令和も介護問題は変わらない。葬式の場面でも葬祭会館などはなく、全て家族が執り行うとは大変だったのだな。いつの世も、肝心なときに旦那は役に立たないのだ。昭子さんが凄すぎる。だが、負担が大き過ぎる。当時から特別養護老人ホームはあったのだな。重苦しいテーマだがユーモアのある筆致で一気に読ませる。老人福祉行政に大きな影響を与えた珠玉の作品だ。

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    2026年02月15日
  • 恍惚の人

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    認知症がまだまだ社会の問題になってたかった時代に書かれてることに驚く。巻き込まれる家族のリアルがあった。嫁としての昭子の葛藤と覚悟。旦那の不甲斐なさを痛感しつつ、自分しかこなせない介護の日々。当時よりも今は福祉がすすんだと思うが、最後のとりでとして家族としてどう向き合うか。老いをどう迎えるか考えさせられる。

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    2026年02月11日