有吉佐和子のレビュー一覧

  • 恍惚の人

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    ⭐️恍惚の人
     壮絶な物語である。昭和47年ごろという時代背景はあるが、昭和も令和も介護問題は変わらない。葬式の場面でも葬祭会館などはなく、全て家族が執り行うとは大変だったのだな。いつの世も、肝心なときに旦那は役に立たないのだ。昭子さんが凄すぎる。だが、負担が大き過ぎる。当時から特別養護老人ホームはあったのだな。重苦しいテーマだがユーモアのある筆致で一気に読ませる。老人福祉行政に大きな影響を与えた珠玉の作品だ。

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    2026年02月15日
  • 恍惚の人

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    認知症がまだまだ社会の問題になってたかった時代に書かれてることに驚く。巻き込まれる家族のリアルがあった。嫁としての昭子の葛藤と覚悟。旦那の不甲斐なさを痛感しつつ、自分しかこなせない介護の日々。当時よりも今は福祉がすすんだと思うが、最後のとりでとして家族としてどう向き合うか。老いをどう迎えるか考えさせられる。

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    2026年02月11日
  • 悪女について

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    NHKでドラマ化されて面白そうだったので。
    古い作品だが、戦後の混乱期から自分の力を余すことなく使ってのし上がっていく様は、狂気を感じつつも痛快に感じるほどで、一気に読み進めてしまった。
    自分の美貌と才能と運を使うために使われた嘘は、彼女にとってはしょうがないと言い訳する程度のものだったのだろうな。
    本人が登場せず、周囲の人々の回想から、彼女の虚構の人生が明らかになっていく。ただ分からないのは、本人の真の胸の内だけ、というまさに事件を追ったドキュメンタリーのような形式で面白かった。

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    2026年02月11日
  • げいしゃわるつ・いたりあの

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    戦後日本が元気だった時代の花柳界
    華やかだけではなくグレー・ブラックなことも寛容できる
    それでこそ豊かな文化が生まれたことも否定できないのです
    巻末岩下尚史氏の解説が秀逸で
    有吉佐和子があづま歌舞伎に携わっていたからこその作品であることが手引きになり
    面白さが倍増しました
    近年有吉作品が注目されて重版の際解説が新しくなることは
    現代人に親切だと思います

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    2026年02月06日
  • 非色

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    めちゃくちゃおもしろかった。
    人種、肌の色、階級の構造を見事に炙り出しているのだが、そのプロセスがすごい。主人公と一緒にストーリーの波に乗せられて考えさせられて、いつの間にか非色に辿り着く。
    こんなにも1人の女性の人生と感情を等身大に小説として産み落とすすごさもさることながら、それが現代においても全く色褪せないという、、驚嘆。
    同時に差別の姿も色褪せていないのだと痛感させられる。

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    2026年02月02日
  • 悪女について

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    面白すぎるし、痛快過ぎる!何度も再読している一冊。一度読むと富小路公子のファンになる。登場人物全員手玉。

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    2026年02月02日
  • 非色

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    有吉佐和子ってストーリーテラーなんだなぁと改めて思った。
    1964年に刊行された本であるが、古くささを感じることなく一気読み。
    差別という難しいテーマを扱っているのだが、終始、重苦しくなることなく、読み終えた。

    戦後、GHQの黒人兵と結婚して幼い子メアリイを連れて、ニューヨークに渡った笑子(えみこ)だが、待っていたのは貧民街ハアレムの半地下アパートでの生活だった。
    そんな最底辺のような生活を送る黒人だが、プエルトリコ人を激しく差別する。
    白人の間にも、イタリア人差別、ユダヤ人差別などがあり、戦争花嫁(ウォーブライド)として日本から渡ってきた日本人女性はアメリカに来て初めてそれに気づくのだった

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    2026年01月30日
  • 非色

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    人種差別という重いテーマを扱いながらも、軽やかな文体で、内容も湿っぽくなりすぎないので読みやすかった。主人公の笑子の思考を通して、なぜ人は人種差別をするのか、環境によって人は作られるのか、生まれた時から差別されるべき人間だったのか、そんなことを一緒に考えていくことができた。

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    2026年01月22日
  • 悪女について

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    ちょっとびっくりな面白さ。単なる犯人探しではなく、人間の多面性や相対性、その中にある芯の深さと強さを考えさせられる。

    証言が増えるほど「人物像」は崩れるのに、
    最後に残る人物は、むしろ 強度を増して立ち上がってくる。

    多面性は、弱さではなく生存の知性。
    相対性は、流されることではなく現実理解の深さ。
    結論として、芯がなければ幸せにはなれない。

    これは、有吉佐和子自身が、才能と劣等感の中で努力し成功し、思いがけず強く批判されながらも生き抜いてきた結果として得られた人生論が骨格になっているのであろう。わたし自身が50過ぎてるから最高に楽しめる作品なのかも。

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    2026年01月19日
  • 悪女について

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     悪女ってどんな人なのかなトホホ考えると、色気があって賢くって小股の切れ上がった感じがするのはワタシだけでしょうか?騙されるってことがわかっていてもわかっていなくても、後味のいい騙し方をしてくれるのがきっと良い悪女なんだと思います。
     主人公はまさにそういう人物で、本作を読んでいても本当に気持ちの良い行動をします。美しいことが好きなだけのこの人の行動が周囲をしっかりと巻き込みます。なんて言ってる今このとき、きっとワタシはもう後味の良い騙され方に一歩踏み込みはじ…
     悪女に騙されるって、気持ちいいですよね〜。

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    2026年01月15日
  • 恍惚の人

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    【まるで近未来SF】

    なぜだか急に読みたくなって手に取った1冊。
    この本が出版された当時、私はまだ小学生だったけど、親、主に母親が近所のおばちゃん達と話題にしていたことを覚えている。
    それでもまだ母親世代の口調からは、「恐ろしい話だけれども他人事」のような気楽さが感じ取れたし、どこか怪談話を語っているような雰囲気でもあった。

    でも今読んでみると、50年前に書かれたものとは思えないほどリアルな内容で、登場人物の年代が戦中体験者という描写がなければそう遠くない時代の話だと思ってしまったかもしれない。
    そして(多少の改変はあるものの)現代とほぼ変わらない仕組みの各種老人施設がすで

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    2026年01月13日
  • 悪女について

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    肉小路ニクヨさんとか色んな人がおすすめの一冊にあげてて気になってた本。
    女の私が読むとキィーーーとなりますな。男性だと感想違うのかな。
    今の時代だとどこかの段階でバレそうだけど、近いことしてる女性はいるんだろうな。

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    2026年01月11日
  • 恍惚の人

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    ネタバレ

    50年以上前、自分の両親が生まれた頃のお話。
    認知症ではなく「痴呆症」と呼ばれた時代で、それが進行すると、便を食べるなどの「人格崩壊(表現が違うかも)」に至るそう。
    この時代、認知症をもつ方への理解も進んでいない中、仕事もしながらつきっきりで舅の世話をする昭子の献身ぶりには心を打たれた。その息子である敏も学業の傍ら、徘徊した祖父を探すなどの行動をとっていて偉いなと思った。

    反面、昭子の夫の信利やその妹の京子は、自分の父が認知症になっても他人事で、世話を昭子に押し付けている態度が気になった。しかしこれは、「女が家庭を守るもの」という当時の価値観によるものだろう。また、老人福祉に関する専門家から

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    2026年01月11日
  • 非色

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    1967年、角川文庫から出版されていた作品で、
    2020年、河出文庫から再文庫化された作品。

    人種のサラダボウルと比喩されるアメリカ社会。
    かつては人種のるつぼと言われていた。

    性別・宗教・階級・出身。

    人種/民族のほかにも
    数々の差別が渦巻く世界。

    色に非ず。

    どんな見た目をしていても思想は様々。

    確かにある「傾向」を、
    しかし、万人に当てはめてはいけない。

    熱意をもって再出版にあたってくださった
    河出書房新社には、最上の感謝を。

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    2026年01月04日
  • 恍惚の人

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    ネタバレ

    『恍惚の人』は、認知症という言葉がまだ一般的でなかった時代に、「老い」と「介護」を真正面から描いた作品です。
    舞台はごく普通の家庭。特別な不幸が起きるわけではありません。ただ、年を重ねた父が少しずつ変わっていく。その変化に、家族がどう向き合わされていくのかが、淡々と、しかし容赦なく描かれます。

    印象的なのは、誰かが明確に「悪者」になるわけではないことです。
    介護する側も、される側も、みな必死に「正しく」あろうとする。
    それでも、苛立ち、疲弊し、思ってもいない言葉が口をついて出る。その現実が、非常に生々しい。

    この作品が突きつけてくるのは、
    「家族だから支えられる」という理想と、
    「家族だか

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    2026年01月03日
  • 非色

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    ネタバレ

    戦後、進駐軍として日本に来た黒人軍人と結婚し、ニューヨークに移り住んだ笑子の物語。
    黒人の子どもを日本で産み、疎まれ、アメリカでも貧困層として生きることを強いられる。
    この小説で印象的だったのは、笑子が感情的ではない女性として描かれていることだ。
    妬みや怒りがあってもおかしくない状況なのに、有吉佐和子はそれを内面描写として強調しない。
    怒りは行動として表れることはあっても、心情としては淡々としている。
    その距離感があるからこそ、この物語は
    「差別される女性の悲劇」ではなく、
    差別の構造そのものを描いているように感じた。
    笑子は、黒人差別の本質は色ではなく「階級」だという考えに行き着く。
    白人の

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    2026年01月03日
  • 女二人のニューギニア

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    56年前の滞在記だが、時代を感じさせないエピソードに溢れた本。苦労話を笑いに変えるサービス精神に感服しきり。

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    2026年01月02日
  • 非色

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     タイトル「非色(ひしょく)」=「色に非ず」とは、どういう意味なのかなあ・・・と疑問を抱きながら読み進めて、最後のところで笑子の気づきとともに、ようやく分かりました。アメリカの人種差別は、肌の色ではなく「階級闘争」なのだということでした。
     笑子は、戦後、黒人の米兵・トムと結婚し幼子を連れてニューヨークに渡りました。アメリカには、様々な人種が存在し、笑子のような「戦争花嫁(ワーブライド)」は、結婚相手の人種によって社会的な差別や圧力を受けていました。初対面の人に「夫はニグロだ」と告白した瞬間から蔑みの対象にされてしまいます。
     しかしながら、ニグロとして社会から差別の対象とされているトムは、プ

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    2025年12月29日
  • げいしゃわるつ・いたりあの

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    面白かった!!!
    さくさく読めました。
    シスターフッドも感じられる。
    東京にはほとんどなくなった、花街のお話。
    アメリカ、ブロードウェイを目指すって夢ある!

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    2025年12月29日
  • 女二人のニューギニア

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    最高に面白い
    青い壺でこの作家にハマって2作目
    まったく異なった内容だが読者を飽きさせない
    人間への愛に満ちた冒険

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    2025年12月29日