有吉佐和子のレビュー一覧
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『週刊朝日』に連載後、1969.1朝日新聞社より刊行
鈴木保奈美の番組で紹介されていたのだが、面白いの一言!
私的には、『青い壺』より数段よかった。
言葉遣いも的確で、情景や心情がユーモアをもって、かつ、過酷さも感じられる滞在記。
使われている言葉もそれほど古くなく、若い人が読んでもそれほど違和感ないのでは?
なにより、文化人類学者の畑中幸子さんが強すぎる。wikiによると、現在も95歳でご存命。金沢大学の教授などもされていたようで、講義受けてみたかったなあ。
有吉佐和子が畑中さんの学問に対する姿勢に畏敬の念を抱いているのもよくわかった。ある事柄や言葉についても、決して決めつけるのではなく -
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下巻を読んでいる間、ずっと過去、現実に接点のあった自己愛性パーソナル障害と思われる元同僚のことが思い出されて仕方なかった。まさに息をするようにウソをつくが、ほとんどの人が気づかずに騙されていた。フレネミーとも言え、表面的には極めて愛想がよい。
下巻では、正子はなんども絶交を言い渡しているのだが、どういうわけか蔦代は何度でもうまく正子のもとに戻り、親切にしているように見せてとんでもないことをしでかしている。
この親切に見せかけて実は、、という部分、下手したらされている方は気づかないことも多い。そのあたりを有吉佐和子は本当に上手に描いており、引き込まれるようにして読んだ。 -
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ネタバレ残酷な人種差別の現実が容赦なく描かれている。
日本に駐留していた米軍兵も、米国に帰国すると元の立場に戻ってしまい、笑子(主人公)の夫はニグロとしての生活に。笑子のみならず、戦争花嫁のほとんどは現状を何も知らずに渡米したのであろう。読んでいて最も辛かったのは、麗子のこと。ニグロにも蔑まされるプエルトリコ人の妻となり、笑子に比べても相当ひどい生活ぶりを送ることとなったが、日本にいる家族や親戚には高価な毛皮や装飾品で飾った自分の写真を送り取り繕う。最後は自死。
笑子は、途中、夫らと同様に自分を保つためにプエルトリコ人を蔑んだりもするが、最後はニグロとしての自分を受け入れる。そこから初めて前向きな生き -
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有吉佐和子さんのエッセイをまとめたもの。
有吉佐和子さんははじめましての方で、私の本友達から譲っていただいた本。
自分からは知り合わなかった作家さんだと思う。
読みやすく文体に文量であるが、時々ドキッとするワードが出てくる。これは調べなきゃとか、そっちも読みたい!となってしまう。
中には笑ってしまうもの、共感して入り込み悲しみでいっぱいになるもの、文章の中にFX関数が仕掛けられているようなものもあった。
訳者としても才能がある方のようでこのあとは訳者としての有吉佐和子さんを知りたいと思う。
最後の方に出てくる、キリスト教の神父さんと「神について」会話したものは奥深いなぁと思った。オチもそ -
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昭和47年に刊行され、昭和57年に文庫化されたこの本だが、古いと感じることなく響いてくるのは、誰もが老いに直面するからだろう。
仕事帰りに買物をして帰る途中に義父を見かける昭子。
何処へ行くのか呼び止めて一緒に帰宅するのだが、離れに住んでいる義父は家が見えてくるなり一足先に中に入る。
そのあと再び、台所の硝子窓を叩き、婆さんが起きてくれずお腹が空いたと言う。
離れを見に行くと義母はすでに亡くなっていた。
それ以降、義父は痴呆が進み昭子が仕事をしながら介護していくことになる。
息子である信利は、自分もこの先こうなるのか…と思うと直視できずにいた。
ひとり息子も受験生ながら敬老会館の迎えなど