有吉佐和子のレビュー一覧

  • 悪女について

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    こんなに何人ものキャラクターが出てくるのに誰一人似た人はいないし、本当に実在の人物のように思わせるところが有吉佐和子という作家の凄さなんだろうと思う。
    時代が違うけれども、今と通ずる部分も多いので長年読まれている作品となっているのは納得。
    今、ドラマでやるなら誰がどの役だろう?と考えながら読むのも面白い。

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    2026年03月11日
  • 非色

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    1967年の作品だということを知って驚き。重く暗くなってもおかしくないのに、適度な軽さもあり読み進められてしまう。

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    2026年02月28日
  • 非色

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    有吉佐和子の『非色』、今の時代にこそ刺さりすぎる。

    「人間が生きていることを最低のところで支えているものは何か」

    戦後、ニューヨークへ渡った主人公が見たのは、人種、経済、宗教……ありとあらゆるモノサシで「自分より下」を探し、安堵する人々の姿。正直、滑稽。でも、今の私たちも同じじゃないかな。学歴、年収、ルッキズム、結婚してるか、子が居るか。

    属性を比べて「あの人よりマシ」と思っているうちは、本当の誇りなんて持てない。それは他人の土俵で自分を否定しているのと同じだから。

    自分をラジカルなまでに受け入れる

    泥の中でも、どんな属性の中にいても、「これが私だ」と自分を抱きしめる。その覚悟だけが

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    2026年02月26日
  • 悪女について

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    27人皆同じ人物に出逢っているのにも関わらず、皆感じ方、受け取り方が異なったというおもしろさは、もはや恐ろしいまである。彼女が悪女だったのかは、一口には語れないが、自らの天賦の才を上手く利用できる器用さを持ちながら、どこか人として欠けた部分も持つ人物だったと言えるだろう。

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    2026年02月19日
  • 真砂屋お峰 新版

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    女の人生を描いた話は有吉佐和子氏がダントツに面白くそして安心して読める。
    けど今回は灰色の景色、暗いイメージしか浮かんでこなかった。

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    2026年02月19日
  • 女二人のニューギニア

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    表紙のお二人。明らかに後ろ向きな大柄な女性と、叱咤激励する小柄な女性。
    「非色」「青い壺」からなんとなく想像していた有吉さんの人物像と、このイラストのギャップが大きすぎて、即買いしてしまいました。

    当時30代の有吉さんが、50年くらい前に訪れたニューギニアのジャングル。未開の地。
    いまでも、なかなか勇気のいる場所なのに、なんの前情報もなく、「ええところやし、遊びにおいで」の誘いに乗って軽い気持ちで行ってしまったそうで。

    爪は剥がれ、虫に群がられ、茶色い水を飲むしかない。

    都会ですらタクシーにのる私が、なぜいくつもの山を越えた?なぜ虫だらけのこんな場所にいる?なぜ誰も止めてくれなかった?と

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    2026年02月15日
  • 恍惚の人

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    ⭐️恍惚の人
     壮絶な物語である。昭和47年ごろという時代背景はあるが、昭和も令和も介護問題は変わらない。葬式の場面でも葬祭会館などはなく、全て家族が執り行うとは大変だったのだな。いつの世も、肝心なときに旦那は役に立たないのだ。昭子さんが凄すぎる。だが、負担が大き過ぎる。当時から特別養護老人ホームはあったのだな。重苦しいテーマだがユーモアのある筆致で一気に読ませる。老人福祉行政に大きな影響を与えた珠玉の作品だ。

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    2026年02月15日
  • 恍惚の人

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    認知症がまだまだ社会の問題になってたかった時代に書かれてることに驚く。巻き込まれる家族のリアルがあった。嫁としての昭子の葛藤と覚悟。旦那の不甲斐なさを痛感しつつ、自分しかこなせない介護の日々。当時よりも今は福祉がすすんだと思うが、最後のとりでとして家族としてどう向き合うか。老いをどう迎えるか考えさせられる。

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    2026年02月11日
  • 悪女について

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    NHKでドラマ化されて面白そうだったので。
    古い作品だが、戦後の混乱期から自分の力を余すことなく使ってのし上がっていく様は、狂気を感じつつも痛快に感じるほどで、一気に読み進めてしまった。
    自分の美貌と才能と運を使うために使われた嘘は、彼女にとってはしょうがないと言い訳する程度のものだったのだろうな。
    本人が登場せず、周囲の人々の回想から、彼女の虚構の人生が明らかになっていく。ただ分からないのは、本人の真の胸の内だけ、というまさに事件を追ったドキュメンタリーのような形式で面白かった。

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    2026年02月11日
  • げいしゃわるつ・いたりあの

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    戦後日本が元気だった時代の花柳界
    華やかだけではなくグレー・ブラックなことも寛容できる
    それでこそ豊かな文化が生まれたことも否定できないのです
    巻末岩下尚史氏の解説が秀逸で
    有吉佐和子があづま歌舞伎に携わっていたからこその作品であることが手引きになり
    面白さが倍増しました
    近年有吉作品が注目されて重版の際解説が新しくなることは
    現代人に親切だと思います

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    2026年02月06日
  • 非色

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    めちゃくちゃおもしろかった。
    人種、肌の色、階級の構造を見事に炙り出しているのだが、そのプロセスがすごい。主人公と一緒にストーリーの波に乗せられて考えさせられて、いつの間にか非色に辿り着く。
    こんなにも1人の女性の人生と感情を等身大に小説として産み落とすすごさもさることながら、それが現代においても全く色褪せないという、、驚嘆。
    同時に差別の姿も色褪せていないのだと痛感させられる。

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    2026年02月02日
  • 悪女について

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    面白すぎるし、痛快過ぎる!何度も再読している一冊。一度読むと富小路公子のファンになる。登場人物全員手玉。

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    2026年02月02日
  • 非色

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    有吉佐和子ってストーリーテラーなんだなぁと改めて思った。
    1964年に刊行された本であるが、古くささを感じることなく一気読み。
    差別という難しいテーマを扱っているのだが、終始、重苦しくなることなく、読み終えた。

    戦後、GHQの黒人兵と結婚して幼い子メアリイを連れて、ニューヨークに渡った笑子(えみこ)だが、待っていたのは貧民街ハアレムの半地下アパートでの生活だった。
    そんな最底辺のような生活を送る黒人だが、プエルトリコ人を激しく差別する。
    白人の間にも、イタリア人差別、ユダヤ人差別などがあり、戦争花嫁(ウォーブライド)として日本から渡ってきた日本人女性はアメリカに来て初めてそれに気づくのだった

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    2026年01月30日
  • 非色

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    人種差別という重いテーマを扱いながらも、軽やかな文体で、内容も湿っぽくなりすぎないので読みやすかった。主人公の笑子の思考を通して、なぜ人は人種差別をするのか、環境によって人は作られるのか、生まれた時から差別されるべき人間だったのか、そんなことを一緒に考えていくことができた。

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    2026年01月22日
  • 悪女について

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    ちょっとびっくりな面白さ。単なる犯人探しではなく、人間の多面性や相対性、その中にある芯の深さと強さを考えさせられる。

    証言が増えるほど「人物像」は崩れるのに、
    最後に残る人物は、むしろ 強度を増して立ち上がってくる。

    多面性は、弱さではなく生存の知性。
    相対性は、流されることではなく現実理解の深さ。
    結論として、芯がなければ幸せにはなれない。

    これは、有吉佐和子自身が、才能と劣等感の中で努力し成功し、思いがけず強く批判されながらも生き抜いてきた結果として得られた人生論が骨格になっているのであろう。わたし自身が50過ぎてるから最高に楽しめる作品なのかも。

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    2026年01月19日
  • 悪女について

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     悪女ってどんな人なのかなトホホ考えると、色気があって賢くって小股の切れ上がった感じがするのはワタシだけでしょうか?騙されるってことがわかっていてもわかっていなくても、後味のいい騙し方をしてくれるのがきっと良い悪女なんだと思います。
     主人公はまさにそういう人物で、本作を読んでいても本当に気持ちの良い行動をします。美しいことが好きなだけのこの人の行動が周囲をしっかりと巻き込みます。なんて言ってる今このとき、きっとワタシはもう後味の良い騙され方に一歩踏み込みはじ…
     悪女に騙されるって、気持ちいいですよね〜。

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    2026年01月15日
  • 恍惚の人

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    【まるで近未来SF】

    なぜだか急に読みたくなって手に取った1冊。
    この本が出版された当時、私はまだ小学生だったけど、親、主に母親が近所のおばちゃん達と話題にしていたことを覚えている。
    それでもまだ母親世代の口調からは、「恐ろしい話だけれども他人事」のような気楽さが感じ取れたし、どこか怪談話を語っているような雰囲気でもあった。

    でも今読んでみると、50年前に書かれたものとは思えないほどリアルな内容で、登場人物の年代が戦中体験者という描写がなければそう遠くない時代の話だと思ってしまったかもしれない。
    そして(多少の改変はあるものの)現代とほぼ変わらない仕組みの各種老人施設がすで

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    2026年01月13日
  • 悪女について

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    肉小路ニクヨさんとか色んな人がおすすめの一冊にあげてて気になってた本。
    女の私が読むとキィーーーとなりますな。男性だと感想違うのかな。
    今の時代だとどこかの段階でバレそうだけど、近いことしてる女性はいるんだろうな。

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    2026年01月11日
  • 恍惚の人

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    ネタバレ

    50年以上前、自分の両親が生まれた頃のお話。
    認知症ではなく「痴呆症」と呼ばれた時代で、それが進行すると、便を食べるなどの「人格崩壊(表現が違うかも)」に至るそう。
    この時代、認知症をもつ方への理解も進んでいない中、仕事もしながらつきっきりで舅の世話をする昭子の献身ぶりには心を打たれた。その息子である敏も学業の傍ら、徘徊した祖父を探すなどの行動をとっていて偉いなと思った。

    反面、昭子の夫の信利やその妹の京子は、自分の父が認知症になっても他人事で、世話を昭子に押し付けている態度が気になった。しかしこれは、「女が家庭を守るもの」という当時の価値観によるものだろう。また、老人福祉に関する専門家から

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    2026年01月11日
  • 非色

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    1967年、角川文庫から出版されていた作品で、
    2020年、河出文庫から再文庫化された作品。

    人種のサラダボウルと比喩されるアメリカ社会。
    かつては人種のるつぼと言われていた。

    性別・宗教・階級・出身。

    人種/民族のほかにも
    数々の差別が渦巻く世界。

    色に非ず。

    どんな見た目をしていても思想は様々。

    確かにある「傾向」を、
    しかし、万人に当てはめてはいけない。

    熱意をもって再出版にあたってくださった
    河出書房新社には、最上の感謝を。

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    2026年01月04日