有吉佐和子のレビュー一覧
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有吉さんの小説以外の作品を読むのは初めて。
1968年3月。有吉さんは十年来の親交がある同郷の文化人類学者 畑中幸子さんの
「ニューギニアは、ほんまにええとこやで、あんたも来てみない?歓迎するわよ」
という誘いに極めて軽い気持ちでのり彼女のフィールドワークの地 ニューギニアに行くことにした。
その後 何度となくこの選択を後悔することになるとも知らずに…
面白かった。いや面白いと言ってはいけないのかもしれない。きっと想像を絶する過酷さだったのだろう。
それでも有吉さんの文章はやっぱり面白いし畑中さんの関西弁も笑える。
今から57年も前の未開の地に現地の護衛つきとはいえ30代後半の女二人… -
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ネタバレ疑問の残る話ではあった。
証人何の証言が必ずしも正しいとは限らない。信頼できない(絶対ではない)書き手が主になって進むストーリーである。
考察
彼女は常に計算をして生きてきた。尾藤家からは、母由来の話し方"まああ"を学んだのではないか。人によってベッドを共にした際の印象が大きく違っているのもポイントではないだろうか。富本の際に大きな声を出していたのは、家を建て替えるためではないかと勘繰ってしまった。
彼女の子について
彼女の長男は『義彦』、次男は『義光』である。
これらの名前は『渡瀬義雄』と『尾藤輝彦』のいずれかの名前から取られている。このことは、彼女にとって最後まで -
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なんとこのエッセイ
1968年にニューギニアに行った時のお話し
当時30代と思われるけれど
なんという壮絶な旅でしょう
気軽な気持ちで友人に誘われるまま
ニューギニアへ
有吉さんは幼少期インドネシアで過ごしていたのでその辺りは慣れたものと思いきや
トラブルだらけ、ケガだらけ
山をいくつも越えて
挙げ句の果て意識を失う
豚の丸焼きの如く担がれてようやく辿り着いたのは未開発地帯の村
困り果てたことが山のようにやってくる
早く帰りたくても、場所が場所だけにすぐは帰れない
足が痛くて歩けない
友人である文化人類学者の畑中さんは
何があってもマイペースで
そのうち
「一人になりたい」と愚痴る
いやあ -
Posted by ブクログ
ネタバレとても面白かった! 戦後の混乱期に黒人兵と結婚した女性が日本でも渡米後も体験し見聞した様々な差別。次々に困難に出会っては戦うように泳いでいく主人公の人生が面白く、読むスピードがどんどん上がってしまった。
戦争花嫁である女性の人生を軸にしているが、本作のテーマはタイトルにあるように、差別だ。主人公は差別は肌の色のせいなのか、何なのかを常に考えてしまう。
しかし、観念的な話にならず、常に具体的な事件と行動によってスピード感ある展開をするので飽きずに読んだ。
本作の初の出版は1967年で、アメリカでは公民権運動たけなわの頃だ。また、戦争花嫁を取り上げた本も他に見当たらず、いろんな意味で先進的な作品 -
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この本『恍惚の人』は、1972年に刊行された作品である。実に50年余前の作品。発表当時、「恍惚」という言葉が流行し、この時代はまだ認知症という言葉が広く普及していなかった。日本では、「痴呆」と呼ばれており、2004年に厚生労働省の用語検討会により、「認知症」への言い換えが求められる報告がまとめられた。本書は、有吉佐和子が社会問題に鋭く警鐘を鳴らすために書き、多くの人々の注目を集めた作品である。彼女は、社会に影響を与える書籍の力を示した。『複合汚染』を生み出し、そして続いて本書を生み出した。実に巧みでセンセーショナルな編集能力を持っている。
本書の時代背景において、平均寿命は男性69歳、女 -
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1964年の作を2020年に復刊したもの。かなりの衝撃的な作品だった。
戦後の日本で黒人米兵と結婚した主人公笑子が子連れでアメリカに渡り、ニューヨークでの生活を描いている。日本での差別以上に、移民のるつぼのアメリカには差別が当然の如く蔓延している。
日本人も恐らくイエローとかジャップと差別されただろうにこの中には描かれてない。が、この中で笑子の娘の、明るい未来を象徴する作文が胸を打つ。笑子自身のポジティブさや負けん気も、内容に比べて救いの空気を出している。最後の場面が凄く印象的で、笑子だからこそのセリフだと思った。
この本を勧めてくれたスキボンさんありがとう。