有吉佐和子のレビュー一覧
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毎年楽しみにしている新潮文庫の100冊。
何が楽しみかって…キュンタのしおりです(*ˊ ˋ*)
昨年から6種類になったので、今年も6冊購入してコンプしました!
昨年は6冊続けて読んだけれど、今年は積読がありすぎて、きっと夏の間には読み切れない…(((( '-' ))))
本書はそのうちの1冊。
あらすじに惹かれて手に取った。
《自殺か、他殺か、虚飾の女王、謎の死》
謎の死を遂げた美貌の女実業家、富小路公子。彼女に関わった27人の男女へのインタビューで浮かび上がってきたのはー…?
ある者は彼女を善人だと言い、またある者は彼女を悪人だと言う。
読み進めるごとに、富小路公子へ -
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周囲と世の中が有吉ブームなので私も乗っかかった。
女二人、和宮様、閉店に続いて4作目の本書は短編集。
地唄
デビュー作。渋くて硬い。
(直前に私が読んでいた、中島梓の「絃の聖域」三味線の芸の一族の話とリンクしている。まあ余談ですが)
計算し尽くされた話。
有吉氏、25歳でこんな話が書けるもんなのか。
娘の調律に気づく父、無音で肚の探り合いだ。ドキドキ。
ラストで、父(盲目、三味線の名手)が、女弟子の新関を車内で隣の席を外させる、その行為の意味を考えるとけっこう残酷だ。
検校(けんぎょう)という地位を知り勉強になりました。
美っつい庵主さん
面白かったー。こういうの好きだ。
女たちの共同生活 -
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一流企業の社宅で暮らす奥さんの日常を描いている。描かれている人間模様がリアルで、さらりと読めた。
専業主婦をして、社宅で暮らしていると生きている世界が狭くなる。その上家事を自動で行ってくれる電化製品が誕生したことで、世の中の専業主婦たちが狭い世界の中で暇になり、暇なせいで子供に過度に期待して干渉したり、社宅内の他人と比較して一喜一憂する。
暇を持て余した結果、今は共働き夫婦が増えたのだと思った。サラリーマンの専業主婦では、暇な時間を持て余すが、暇な時間に豪遊するほどお金に余裕はないから。
社宅内の奥様方の人間関係には、小中学校の女の世界を思い出して、ちょっと嫌な気持ちになった。話し相手に -
ネタバレ 購入済み
レビューというより感想です
まず時代性なんかが今と違うのが面白い。主人公が普通に戦争経験者で、主人公の夫も戦地帰り。息子は学生運動の世代。うちの祖父母が主人公世代って考えると、すごく不思議な気持ちだった。
でも、文体なんかは別に古くさくもない。いうて現代だもんね。
認知症ってのは今は普通に知られてて、それ用の受け入れ施設もあるけど、当時は大変だったろうな。働く主婦の主人公が、仕事と介護の間で悩むあたりは、現代でもそんなに代わらない問題だなって思ったし。今どきは嫁が義父母の介護をする・・・なんて価値観も古くなってるけど、全く無くなってるってわけでもない。その価値観転換のスタート地点を読んだんだなって思った。
通底して書 -
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美貌の未亡人、紀代。
隠居した大実業家で、紀代をお気に入りの舅、玄助。
かつては紀代に思いを寄せていた、亡き夫貞一郎の親友で実業家の、岩永。
世間知らずの紀代に遠慮会釈ない意見を述べる、新聞記者の青年、丸尾。
紀代はしなしなとこの三人それぞれを頼りにしつつ、趣味で始めた更紗の着物作りを自分の仕事にしていけるのか、そして最後は誰と結ばれるのか……。そういう話であると紹介しても間違いではないが、「とにかくすごいもの読んだ…」という読後感に圧倒された。
出来事の説明や風景の描写と地続きに、静謐ながら感情が匂い立つような文章。激しさはないのに、読んでいると人物たちの想いがこちらの心にまで流 -
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文庫本にしては長編で疲れました。
高度経済成長時代の上場会社の社員寮の話しです。
昭和の私達の母親の時代背景、うるさいくらい騒々しい井戸端会議、差別的で見栄の張り合いの主婦連中とモーレツ社員の夫達
差別用語も頻繁に出てくる。
孟母三遷の教えとか教育ママゴンとか懐かしいけれど時代遅れのところもあり、今のようにSNSなど無かった時代なので人の噂話や新聞広告や情報に振り回されていた大変な時代だったと思う。今なら主婦、夫の気持ちがよく分かる。主婦である主人公が夫→息子に期待をかけて依存するのは昭和そのものだと思う。
表面協調して心の中では相手を見下す社宅には住めない。
息子の進学の為に社宅を出た株が趣 -
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本書は、1959年にニューヨークに留学した有吉佐和子さんが、アメリカの人種問題を内面から描いた作品(1964年)ではあるものの、それをアメリカ黒人と結婚し子どもを産み、アメリカで暮らすことを決めた日本人女性の視点で描いている点に、本書ならではの捉え方があるのではないかと感じられたことから、2003年を最後に重版未定となっていた本書が、2020年に河出書房新社から復刊された意義も充分にあったのだろうと思われた。
人種問題といっても捉え方は様々で、戦後の時代背景に於いて、使う者と使われる者との間に生まれる格差に加え、アメリカ黒人だけに限らない差別を知ることによって、無意識下ではあるのかもしれ -
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華岡青洲自体は知らなかった。
それでもやっぱり有吉佐和子は間違えなくおもしろかった。
華岡青洲の妻と母の嫁姑問題の話。
今回も女性の気持ちが細かく描かれている。
まず、美しい母に請われて青洲が勉強中で家にいない中、結婚する。
青洲が帰ってくるまでは本物の親子のように仲睦まじく暮らしてきたのに、青洲が帰ってきた途端、勢力図が変わり憎しみ合いが始まるところが見事。
また、青洲が研究している麻酔薬の実験台に自分を使ってくれと嫁姑で争うのがすごい。
苦しんだほうが青洲の役立ち、相手より優位に立てると思う女の強さ、醜さよ…。
そして姑が亡くなった後、青洲の妹がずっと当人だけしか気づいていないと思っていた -
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■評価
★★★★☆
■感想
◯50年前の本なのに、書かれている内容は今でも通用する
◯前半から中盤にかけて終わりが見えない感覚は、どんなディストピア小説よりも怖かった。
◯情報が歯抜けになり、会話がうまく噛み合わなくなる状態は、痴呆では顕著。一方でいわゆる健常者の大人でもありうるんだろうなと思った。世代をまたいだ人から見ると、上の世代の人は健常者であっても要介護という見方もできる。この構造はすぐに自分も下の世代からされるものだと思う。
◯有吉佐和子の作品は内容もだが風景の表現、色の表現など、リアリティが本当にすごい。
◯最後の昭子の涙は、非常に複雑で人間的なものだったと思う。それが浄化される