有吉佐和子のレビュー一覧
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高齢の義父とその周りの家族のお話。
有吉佐和子先生の本、2冊目完読。
高齢者との生活の大変さを、リアルに表現されている。
ストーリーは、突然の義母の死から始まる。
それと同時に舅の認知症状に悩まされる話。
恍惚の意味は、さまざまで心奪われるや朦朧とするの他に、ボケとあり、認知症の意味なのか。
1972年の作品で、この頃はまだ認知症と高齢化社会などという言葉も表現されていない時代。
今では、支援センターや、役場に行けば相談に乗ってくれるところもあるが、この当時は、すっかり見放されてる感が切ない。
舅の世話に追われながら、家事や仕事をこなす主人公の嫁に感心した。こんな嫁は、今も昔もいないだ -
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有吉佐和子『恍惚の人』。
姑が急死。離れに住んでいる舅・茂造の老人性痴呆に。共稼ぎの嫁・昭子は義父の介護に追われることに。
しかし夫・信利は実の父にもかかわらす、介護に及び腰。『俺もこうなるのか』という始末で、息子・敏以上に役立たず。
敏も、『パパもママもこんなになるまで生きないでね』と…
そんな中、昭子はほぼ一人でその役割をこなしていく…
昭子には頭が下がる。
働きながら、義父の介護をするなんて…
信利にはもう少し、昭子を助けるつもりはないのか、自分の親なのにと、思ってしまう…
が、自分ならどうだろう⁇
仕事を抱えながら、親の介護ができるだろうか⁇
少なくとも、昭子のようにはできないだろ -
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⭕️針女(しんみょう)
主人公の清子は両親を失った後、裁縫の親方・三五郎に引き取られ、親方夫妻と息子との家庭のもとで、我が子のように愛情をもって育てられていた。
三五郎の妻・お幸も、思いやりと優しさをもって清子と接していた。
清子は針子としての資質に長けていたようで、若い時から仕事を任されるようになる。
若い清子は、三五郎の息子・弘一に思慕の念を密かに抱いていた。
弘一は幼い頃から学業には秀でていて、大学は東京帝大に進んでいたのだが、学徒出陣で出征することになる。
弘一に召集令状が届けられた時、受け取ろうとした清子は慌てて立ち上がる時に縫い針を足に刺し、大層な手術が原因で右足が不自由な身となっ -
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■はじめに
昭和の作家たちは、物語だけでなく“題名”に魂を込めた名人が多くいた。「斜陽」「点と線」「永すぎた春」「恍惚の人」─題名が時代を超えて一人歩きし、今となっては「それって元は小説の題名だったの?」って言われるほどに。
この『青い壺』もまた題名がすでに美しく、謎を醸す。著者 有吉佐和子が半世紀ほど前に発表したこの小説は、文藝春秋社の編集者の情熱によって文庫化され、ロングセラーとなった。
昨年読み、気になる箇所があり再読。鋭く辛辣な風刺の巧さに改めてしみじみと感じ入った。
■あらすじ
名もなき陶芸家の手で焼かれた、ひとつの美しい青い壺。その壺は、ふとしたきっかけで人から人へと渡り歩い -
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周囲と世の中が有吉ブームなので私も乗っかかった。
女二人、和宮様、閉店に続いて4作目の本書は短編集。
地唄
デビュー作。渋くて硬い。
(直前に私が読んでいた、中島梓の「絃の聖域」三味線の芸の一族の話とリンクしている。まあ余談ですが)
計算し尽くされた話。
有吉氏、25歳でこんな話が書けるもんなのか。
娘の調律に気づく父、無音で肚の探り合いだ。ドキドキ。
ラストで、父(盲目、三味線の名手)が、女弟子の新関を車内で隣の席を外させる、その行為の意味を考えるとけっこう残酷だ。
検校(けんぎょう)という地位を知り勉強になりました。
美っつい庵主さん
面白かったー。こういうの好きだ。
女たちの共同生活 -
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一流企業の社宅で暮らす奥さんの日常を描いている。描かれている人間模様がリアルで、さらりと読めた。
専業主婦をして、社宅で暮らしていると生きている世界が狭くなる。その上家事を自動で行ってくれる電化製品が誕生したことで、世の中の専業主婦たちが狭い世界の中で暇になり、暇なせいで子供に過度に期待して干渉したり、社宅内の他人と比較して一喜一憂する。
暇を持て余した結果、今は共働き夫婦が増えたのだと思った。サラリーマンの専業主婦では、暇な時間を持て余すが、暇な時間に豪遊するほどお金に余裕はないから。
社宅内の奥様方の人間関係には、小中学校の女の世界を思い出して、ちょっと嫌な気持ちになった。話し相手に -
ネタバレ 購入済み
レビューというより感想です
まず時代性なんかが今と違うのが面白い。主人公が普通に戦争経験者で、主人公の夫も戦地帰り。息子は学生運動の世代。うちの祖父母が主人公世代って考えると、すごく不思議な気持ちだった。
でも、文体なんかは別に古くさくもない。いうて現代だもんね。
認知症ってのは今は普通に知られてて、それ用の受け入れ施設もあるけど、当時は大変だったろうな。働く主婦の主人公が、仕事と介護の間で悩むあたりは、現代でもそんなに代わらない問題だなって思ったし。今どきは嫁が義父母の介護をする・・・なんて価値観も古くなってるけど、全く無くなってるってわけでもない。その価値観転換のスタート地点を読んだんだなって思った。
通底して書 -
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美貌の未亡人、紀代。
隠居した大実業家で、紀代をお気に入りの舅、玄助。
かつては紀代に思いを寄せていた、亡き夫貞一郎の親友で実業家の、岩永。
世間知らずの紀代に遠慮会釈ない意見を述べる、新聞記者の青年、丸尾。
紀代はしなしなとこの三人それぞれを頼りにしつつ、趣味で始めた更紗の着物作りを自分の仕事にしていけるのか、そして最後は誰と結ばれるのか……。そういう話であると紹介しても間違いではないが、「とにかくすごいもの読んだ…」という読後感に圧倒された。
出来事の説明や風景の描写と地続きに、静謐ながら感情が匂い立つような文章。激しさはないのに、読んでいると人物たちの想いがこちらの心にまで流 -
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「悪女について」や、「紀の川」などを著した舞台裏みたいなものがちょこっと明かされたり、
生い立ちと読んできた書物のことがよくわかったり、
岡本かの子さんへの深い想いが綴られていたりしました。
中でも、和歌山のおばあさまが体現していた古き日本文化に反発した有吉佐和子さんのお母様、そして古さと距離があったゆえに、自然にそれを吸収し、危篤状態にあったおばあさまの枕元で「増鏡」を何度も音読するほど、おばあさんと仲が良かったというエピソードには、親しみを感じました。
鋭い視点と行動力に憧れる。
そして、歴史を、女性の視点から見る徹底した姿勢にも痺れます。
次は出雲の阿国を入手して読みたい。
島根県 -
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文庫本にしては長編で疲れました。
高度経済成長時代の上場会社の社員寮の話しです。
昭和の私達の母親の時代背景、うるさいくらい騒々しい井戸端会議、差別的で見栄の張り合いの主婦連中とモーレツ社員の夫達
差別用語も頻繁に出てくる。
孟母三遷の教えとか教育ママゴンとか懐かしいけれど時代遅れのところもあり、今のようにSNSなど無かった時代なので人の噂話や新聞広告や情報に振り回されていた大変な時代だったと思う。今なら主婦、夫の気持ちがよく分かる。主婦である主人公が夫→息子に期待をかけて依存するのは昭和そのものだと思う。
表面協調して心の中では相手を見下す社宅には住めない。
息子の進学の為に社宅を出た株が趣