有吉佐和子のレビュー一覧

  • 女二人のニューギニア

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    文化人類学者の友人、畑中幸子氏に誘われてニューギニアの奥地へ行ったときの体験記である。
    シシミン族が住む地の凄さに驚く以外他はないというほどで、とても自分じゃ生活できないのでは…と思うほど。
    何事も経験とは言うけれど根性のない私は到底真似できないなと感じた。
    けっこう身体的にキツいものがありながらも面白おかしい会話に笑えた。




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    2025年04月18日
  • 華岡青洲の妻

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    華岡青洲自体は知らなかった。
    それでもやっぱり有吉佐和子は間違えなくおもしろかった。
    華岡青洲の妻と母の嫁姑問題の話。
    今回も女性の気持ちが細かく描かれている。
    まず、美しい母に請われて青洲が勉強中で家にいない中、結婚する。
    青洲が帰ってくるまでは本物の親子のように仲睦まじく暮らしてきたのに、青洲が帰ってきた途端、勢力図が変わり憎しみ合いが始まるところが見事。
    また、青洲が研究している麻酔薬の実験台に自分を使ってくれと嫁姑で争うのがすごい。
    苦しんだほうが青洲の役立ち、相手より優位に立てると思う女の強さ、醜さよ…。
    そして姑が亡くなった後、青洲の妹がずっと当人だけしか気づいていないと思っていた

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    2025年04月14日
  • 恍惚の人

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    ■評価
    ★★★★☆

    ■感想
    ◯50年前の本なのに、書かれている内容は今でも通用する
    ◯前半から中盤にかけて終わりが見えない感覚は、どんなディストピア小説よりも怖かった。
    ◯情報が歯抜けになり、会話がうまく噛み合わなくなる状態は、痴呆では顕著。一方でいわゆる健常者の大人でもありうるんだろうなと思った。世代をまたいだ人から見ると、上の世代の人は健常者であっても要介護という見方もできる。この構造はすぐに自分も下の世代からされるものだと思う。
    ◯有吉佐和子の作品は内容もだが風景の表現、色の表現など、リアリティが本当にすごい。
    ◯最後の昭子の涙は、非常に複雑で人間的なものだったと思う。それが浄化される

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    2025年04月14日
  • 女二人のニューギニア

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    太平洋戦争に関する本を読む中で、ニューギニア戦線に興味が湧くも立て続けに戦争ものを読む気力が続かず、息抜きに。有吉佐和子ブームのあおりか重版がかかっていたらしく手に入れるのに少し時間がかかった。ひょんなことから作家有吉氏は、旧友でありニューギニアでフィールドワークを行う人類学者の畑中さんに会いに行くことに。軽い気持ちでいたものの、待ち受けていたのは険しいジャングルを数日間歩き続ける強行軍で…。慣れない環境にヘロヘロになり、碌に口もきけない筆者に鞭打ち続けるマシンガントークの畑中さんのコンビに終始笑いが止まらなかった。電車で読むのは危険。

    彼女らが「ネイティブ」と呼び、水木しげるが「土の人」の

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    2025年04月09日
  • 有田川

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    ようやく紀州川三部作の二つ目を手に取りました。
    物語に抑制が効いていて、それでいていかにも大衆小説というか大河物語。結末の爽やかさ然り、今の小説家には見られない得も言われぬ品の良さ、しかもさくさくと読める。
    川シリーズと言いながら、本作は蜜柑が影の主役かと。それに絡めた時代と土地の説明がさらりと行われていて、史実勉強にもなります。
    一言で言えば良い小説です。

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    2025年04月07日
  • 女二人のニューギニア

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    大変なニューギニアでの出来事をとても面白く書かれている。有吉氏はこんな面白い文章も書かれるのだなあ。

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    2025年04月02日
  • 女二人のニューギニア

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    まだまだヨリピアでの生活を見てみたかった…! 
    早く帰りたいのに帰れない有吉さんに同情の気持ちで最初は読んでましたが、突然帰国が決まり、もう終わっちゃうのか…と寂しさを感じてました(笑)

    厳しい環境に慣れた畑中さんと、日本でぬくぬく過ごしていた有吉さん、二人のコンビネーションが最高に面白かったです。

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    2025年03月17日
  • 恍惚の人

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    2025年12月の「100分de名著」で採り上げられた有吉佐和子の小説から『恍惚の人 』を読みました。まだ「介護」の大変さがあまり注目されておらず、家庭の主婦(妻や娘や嫁)に当然のようにその負担が押し付けられていた時代、声を上げず、ひたすら忍従・献身していた主婦たちの負担は如何ばかりだったか、その苦労がしのばれます。「会社で仕事をしている」ことを免罪符に、家事・育児・介護等面倒な雑務をすべてを妻に押し付け、知らん顔をしていた当時の男性の愛情・協力の欠如、愚かさは、もしその通りだとしたら最低!今の男性はそうではないと思うが・・・。

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    2025年03月07日
  • 更紗夫人

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    裏表紙のあらすじに、「至高の恋愛小説」とあり、有吉佐和子さんのまっすぐな恋愛小説読んだことないな、と思って手に取ってみた。
    描かれる心の機微は、夏目漱石の「月がきれいですね」の世界で、ものすごく遠回しでさりげなく、昔は勘がいい人しか恋愛できなかったんじゃないかと思うほど。非常に奥ゆかしく、ときめきなんてないに等しいので、そういう期待はしない方がいい。
    ラストには、物語はすっかり仕事による女性の自立小説に姿を変える。意外と予想外の動きをする男たちなんて、添え物でしかなかった!
    有吉さんが描きたいのはいつでも、1人の人間として背筋を伸ばして立つ女性なんだ。しっかり芯もアクもある、かっこいい女になり

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    2025年02月27日
  • 恍惚の人

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    自身の親の介護(頭はしっかり、身体が動かない)を思いつつ、どちらが幸せなのか…と複雑な思いで読んだ。
    また自分自身の老後についても深く考えさせられる。
    別の視点では、昭和の主婦の忍耐強さ、負担の大きさ、生きづらさなど興味深く読んだ。

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    2025年02月17日
  • 挿絵の女 単行本未収録作品集

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    単行本未収録の作品集、6作品
    時代が違うという感覚はあるのに、不思議と古さは感じない。この時代を生き抜く女性たちの生命力に圧倒される感じ。拳を振り上げて戦うわけではないけれど、与えられた立場に応じて全うする生き方、その心の持ちように共感すること多々。

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    2025年02月15日
  • 恍惚の人

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    「老い」「介護」「主婦」の3つ問題から、色々と考えさせられる部分が多くあった。将来の自分自身の「老い」に向き合わなければいけないことを考えてしまった。また、自分の親を「介護」するときがやってくることも考えられる。「主婦」が家庭を全うするのではなく、家族同士で協力し合っていきたい。

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    2025年02月03日
  • 新装版 和宮様御留

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    入れ替わりの発想がすごいな、って思った。
    ふきが最初はただの女子(おなご)からいきなり、宮さんになって内心すごく怖かったろうな…。いきなり、「あんたはお上の妹君の和宮様におなりなしゃいまし」なんて言われたら、は?ってなっちゃうよ。戸惑うよね…。
    最後に、宮様が徳川家の正室の中でただ一人、夫の隣に墓を建てられた人だと書いてあって、泣けた。京都から、政治の道具として、使われた和宮、すっごい、激しい人生だよん(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)

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    2025年01月27日
  • 恍惚の人

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    読んでいて休憩挟みながらなんとか読み終わりました。なかなか苦しいですし怖いです。いつか必ず自分も通る道ですし、この本は大切に取っておいて自分も昭子のようになりたいと思いました。

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    2025年01月23日
  • 華岡青洲の妻

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    こういう本を書くにはどれだけの背景勉強と創作のオリジナリティが必要とされるのか想像がつかない。
    何かの発見や発明の背景には当然試行錯誤を伴う実験があるもので、犠牲?礎となるひとや動物がいる。そこにあるストーリーにライトを当てていく
    スタイルのノンフィクションがとても面白かった。
    於継さんすごいわ

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    2025年01月02日
  • 恍惚の人

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    1972年のベストセラーだそうだが、なるほど時代は古いものの、介護の教科書のような本だった。
    日本の老人福祉に対する話は昔も今もさほど変わらず、自分の生まれる前のベストセラーなのに、この本の昭子のように自分の介護や老後のことを心配しながら読んだ。
    ピンピンコロリできたらいいけど、こんな老人になったらどうしよう、迷惑かけたらとうしようと思うが、人それぞれに先はどうなるかわからない。
    生き方の知恵とヒントをもらった気がする。

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    2024年12月15日
  • 恍惚の人

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    厳格で寡黙な舅が痴呆になり自身の娘息子の顔も忘れ、糞尿も1人では碌にすることが出来ず醜態を晒す様がなんとも惨めで情けないものか。
    このような実父に対して「死んでくれ」と願う家族。
    己自身もこのように老い耄碌していく未来を嫌という程突きつけられていく。
    世話を妻に任せきりで、言葉では謝罪をしていても自らは何も行動しない夫に苛立ちを感じた。

    「ときどき、ぺちゃッ、ぺちゃッと舌が鳴る。蟹の殻が次第に積み上げられて行く。それは生きるための凄惨な儀式のようだった。」

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    2024年12月15日
  • 華岡青洲の妻

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    「100分de名著」2024年12月の1冊。
    医学の躍進の裏に隠された嫁姑の確執と涙に、思わず息が詰まる。

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    2024年12月08日
  • 新装版 和宮様御留

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    江戸時代末期、外国から開国を迫られ、開国派の幕府と攘夷派の天皇と意見が分かれていた。
    幕府と天皇との仲立ち(公武合体)のために徳川幕府14代将軍家茂に嫁ぐ天皇の子・和宮様の話。

    最初は公家の言葉に慣れずなかなかページが進まなかったが、途中からおもしろくてどんどん読んでいってしまった。
    和宮様が替え玉という発想がすごい!
    あとがきを読むとあながち突拍子もないとはいえないのかもしれないと思ってしまった。
    確かにゴタゴタしていた時代だし、身分が高い女性だとたくさんの人に会わないから可能かもしれないなと。

    最初の替え玉、フキはただただ不憫。
    元気が取り柄で、下女見習いのような身分のフキには宮様の代

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    2024年10月22日
  • 華岡青洲の妻

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    世界で初めて全身麻酔下での手術を成功さてた華岡青洲の妻加恵と青洲の母御継の物語。青洲じゃなくてこの二人にスポットライトを当てているのが面白い。封建社会であった江戸時代において嫁姑問題は今よりも激しかったのか。嫁いだ加恵は華岡家に馴染んだかのように思っていたが青洲が留学から帰ってきてから御継の態度が変わりあくまでも加恵は他所の人という態度を取られる。そこから二人は見えないところでバチバチの関係になるも青洲の妹の小陸以外それに気づかない。青洲が麻酔薬の通仙散を開発し研究するに至り二人は自身を実験台として差し出す。ここでもどちらが先に実験するか、どちらがより貢献できたかで張り合っていて女って怖いなと

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    2024年09月29日