有吉佐和子のレビュー一覧

  • 悪女について

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    毎年楽しみにしている新潮文庫の100冊。
    何が楽しみかって…キュンタのしおりです(*ˊ ˋ*)
    昨年から6種類になったので、今年も6冊購入してコンプしました!
    昨年は6冊続けて読んだけれど、今年は積読がありすぎて、きっと夏の間には読み切れない…(((( '-' ))))
    本書はそのうちの1冊。
    あらすじに惹かれて手に取った。

    《自殺か、他殺か、虚飾の女王、謎の死》
    謎の死を遂げた美貌の女実業家、富小路公子。彼女に関わった27人の男女へのインタビューで浮かび上がってきたのはー…?

    ある者は彼女を善人だと言い、またある者は彼女を悪人だと言う。
    読み進めるごとに、富小路公子へ

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    2025年08月04日
  • 女二人のニューギニア

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    未開の地に、好奇心や探究心で行く、無謀ともいえる逞しさ。とても真似できないからこそ、本を通して擬似体験できる幸せを感じた。

    また、原住民との交流を通して、私たちが当たり前と思っていることが、近代文明なのだと知る面白さ。

    自分の殻から少し外に出て、視野が広がる。そんな感覚を得られる本だった。

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    2025年07月15日
  • 地唄・三婆 有吉佐和子作品集

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    周囲と世の中が有吉ブームなので私も乗っかかった。
    女二人、和宮様、閉店に続いて4作目の本書は短編集。

    地唄
    デビュー作。渋くて硬い。
    (直前に私が読んでいた、中島梓の「絃の聖域」三味線の芸の一族の話とリンクしている。まあ余談ですが)
    計算し尽くされた話。
    有吉氏、25歳でこんな話が書けるもんなのか。
    娘の調律に気づく父、無音で肚の探り合いだ。ドキドキ。
    ラストで、父(盲目、三味線の名手)が、女弟子の新関を車内で隣の席を外させる、その行為の意味を考えるとけっこう残酷だ。
    検校(けんぎょう)という地位を知り勉強になりました。

    美っつい庵主さん
    面白かったー。こういうの好きだ。
    女たちの共同生活

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    2025年07月14日
  • 恍惚の人

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    祖母から借りた本である。

    茂造さんの死を心待ちにしている自分もいた気がする。なのに、なんでだろ。なんでこんなに泣きそうになっているんだろう。
    急いでタリーズを出ます。

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    2025年07月12日
  • 紀ノ川

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    ネタバレ

    「お母さん、乳房形って、どないして作るんですか?」
    と訊きに来た。木綿のハンカチを扱って簡単に作り方を説明してから、
    「あんた、慈尊院さんへ行くんかよし」
    と尋ねると、
    「ふん、まあ気休めやと思うけどの」
    ぷいと立って行ってしまった。

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    2025年07月08日
  • 夕陽ヵ丘三号館

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    ネタバレ

    文章はさすがのさすが有吉佐和子氏。主人公音子の感情と共に進んでいく
    主人公音子は自身で不幸の種を探して探してそれを撒いて大きく大きく育ててしまうタイプで読んでいてしんどくなった
    どうしてそう曲って受け取るんだ、またそうやってネガティブな思考にはまっていくのか…
    ラストはパンチはなく物足りないかなと思ったが日常に無理のない終わり方ということだろう
    とにかく一貫して音子の思考の中に入り込んで物語が進んでいく

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    2025年07月07日
  • 夕陽ヵ丘三号館

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    一流企業の社宅で暮らす奥さんの日常を描いている。描かれている人間模様がリアルで、さらりと読めた。

    専業主婦をして、社宅で暮らしていると生きている世界が狭くなる。その上家事を自動で行ってくれる電化製品が誕生したことで、世の中の専業主婦たちが狭い世界の中で暇になり、暇なせいで子供に過度に期待して干渉したり、社宅内の他人と比較して一喜一憂する。

    暇を持て余した結果、今は共働き夫婦が増えたのだと思った。サラリーマンの専業主婦では、暇な時間を持て余すが、暇な時間に豪遊するほどお金に余裕はないから。

    社宅内の奥様方の人間関係には、小中学校の女の世界を思い出して、ちょっと嫌な気持ちになった。話し相手に

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    2025年06月15日
  • 恍惚の人

    e3

    ネタバレ 購入済み

    レビューというより感想です

    まず時代性なんかが今と違うのが面白い。主人公が普通に戦争経験者で、主人公の夫も戦地帰り。息子は学生運動の世代。うちの祖父母が主人公世代って考えると、すごく不思議な気持ちだった。
    でも、文体なんかは別に古くさくもない。いうて現代だもんね。

    認知症ってのは今は普通に知られてて、それ用の受け入れ施設もあるけど、当時は大変だったろうな。働く主婦の主人公が、仕事と介護の間で悩むあたりは、現代でもそんなに代わらない問題だなって思ったし。今どきは嫁が義父母の介護をする・・・なんて価値観も古くなってるけど、全く無くなってるってわけでもない。その価値観転換のスタート地点を読んだんだなって思った。

    通底して書

    #深い #タメになる

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    2025年06月12日
  • 女二人のニューギニア

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    これが60年近く前の話とはとても思えない。エネルギッシュというか向こう見ずというか。これフィクションでしょと途中から思ったほど。でもこういう経験をしていた人がこの時代にいたなんて驚き。女性とか男性とかそういう枠を超えてこの時代の日本人としては極めて異色の経験や感性の持ち主だったのだろう。参りました、という感じ。

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    2025年06月03日
  • 更紗夫人

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     美貌の未亡人、紀代。
     隠居した大実業家で、紀代をお気に入りの舅、玄助。
     かつては紀代に思いを寄せていた、亡き夫貞一郎の親友で実業家の、岩永。
     世間知らずの紀代に遠慮会釈ない意見を述べる、新聞記者の青年、丸尾。
     紀代はしなしなとこの三人それぞれを頼りにしつつ、趣味で始めた更紗の着物作りを自分の仕事にしていけるのか、そして最後は誰と結ばれるのか……。そういう話であると紹介しても間違いではないが、「とにかくすごいもの読んだ…」という読後感に圧倒された。
     出来事の説明や風景の描写と地続きに、静謐ながら感情が匂い立つような文章。激しさはないのに、読んでいると人物たちの想いがこちらの心にまで流

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    2025年05月26日
  • 夕陽ヵ丘三号館

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    昭和の高度成長期、大手商社の社宅が舞台です。
    旦那の出世、子供の教育方針や成績など奥さま同志の井戸端会議や噂話から、人間の愚かさ、嫉妬心、ダークな部分が感じられました。

    洗濯機や炊飯器などの家電が発売され、家事にかかる時間が少なくなり、時間を持て余す。その時間で趣味を見つけたり、勉強したりすればよいのに、他人の噂話ばかりで…賢くないと感じた。

    時間があると普段気にならないことが気になったり、碌なことが起きないのである程度忙しくしていた方がよいと思った。

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    2025年05月24日
  • 夕陽ヵ丘三号館

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    40過ぎの夫は「同級生には戦争で死んだやつもいる」と言っているので昭和元年生まれで昭和40年過ぎくらいがお話でしょうか。だとするとここに出てきた中学校1年生も今や70半ばかと思われます。

    60年たってカタチは変われど、嫉妬、見栄、派閥、集団での生きづらさといった日本人の本質はなんら変わらなくて唖然とします。

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    2025年05月18日
  • 夕陽ヵ丘三号館

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    文庫本にしては長編で疲れました。
    高度経済成長時代の上場会社の社員寮の話しです。
    昭和の私達の母親の時代背景、うるさいくらい騒々しい井戸端会議、差別的で見栄の張り合いの主婦連中とモーレツ社員の夫達
    差別用語も頻繁に出てくる。
    孟母三遷の教えとか教育ママゴンとか懐かしいけれど時代遅れのところもあり、今のようにSNSなど無かった時代なので人の噂話や新聞広告や情報に振り回されていた大変な時代だったと思う。今なら主婦、夫の気持ちがよく分かる。主婦である主人公が夫→息子に期待をかけて依存するのは昭和そのものだと思う。
    表面協調して心の中では相手を見下す社宅には住めない。
    息子の進学の為に社宅を出た株が趣

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    2025年05月15日
  • 非色

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    最初は贅沢な暮らしだったが後半は貧困生活
    子供の世話を充分にできず、贅沢なマダムの暮らしを知り涙してしまう
    子供は親を選べない、自分は差別される立場ではないと思っていたが実は自分も差別される側
    みんな誰かしらマウントを取り馬鹿にしているのは一緒
    知識があれば貧困は回避できたのだろうか
    知識があっても人種によってレールがすでにひかれている
    みんな平等で労わりあえる社会だと貧困による犯罪や差別も減るのではないか

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    2025年05月12日
  • 非色

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     本書は、1959年にニューヨークに留学した有吉佐和子さんが、アメリカの人種問題を内面から描いた作品(1964年)ではあるものの、それをアメリカ黒人と結婚し子どもを産み、アメリカで暮らすことを決めた日本人女性の視点で描いている点に、本書ならではの捉え方があるのではないかと感じられたことから、2003年を最後に重版未定となっていた本書が、2020年に河出書房新社から復刊された意義も充分にあったのだろうと思われた。

     人種問題といっても捉え方は様々で、戦後の時代背景に於いて、使う者と使われる者との間に生まれる格差に加え、アメリカ黒人だけに限らない差別を知ることによって、無意識下ではあるのかもしれ

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    2025年05月02日
  • 女二人のニューギニア

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    1967年頃のニューギニア滞在記。べらぼうに面白かった!情報通信網が発達した現代だとこんなに面白くはならないだろうな。

    和歌山弁の文化人類学者 畑中幸子さんと有吉佐和子さんの掛け合いが面白く、滞在日数が長くなるにつれて有吉さんが徐々に畑中ナイズされていく。一方、食に関しては有吉さんの方が順応性があり、二人の対比も面白い。一体、有吉さんはどうやって帰るのだろうかと思ったらまさかの方法!そして帰国した後のおまけつき笑 結末はぜひ読んでお確かめください

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    2025年05月03日
  • 華岡青洲の妻

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    ネタバレ

    嫁姑の冷ややかな戦いの凄まじさ。花岡青洲という歴史に残る医者のもとで繰り広げられる。
    表面に出てこないだけに恐ろしい。でも、ずっと目立たなかった小陸は「嫂さんが勝ったからやわ」と二人の戦いを見抜いていた。
    もしかすると今でも同じような戦いが行われているのかもしれない。

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    2025年04月20日
  • 華岡青洲の妻

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    華岡青洲自体は知らなかった。
    それでもやっぱり有吉佐和子は間違えなくおもしろかった。
    華岡青洲の妻と母の嫁姑問題の話。
    今回も女性の気持ちが細かく描かれている。
    まず、美しい母に請われて青洲が勉強中で家にいない中、結婚する。
    青洲が帰ってくるまでは本物の親子のように仲睦まじく暮らしてきたのに、青洲が帰ってきた途端、勢力図が変わり憎しみ合いが始まるところが見事。
    また、青洲が研究している麻酔薬の実験台に自分を使ってくれと嫁姑で争うのがすごい。
    苦しんだほうが青洲の役立ち、相手より優位に立てると思う女の強さ、醜さよ…。
    そして姑が亡くなった後、青洲の妹がずっと当人だけしか気づいていないと思っていた

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    2025年04月14日
  • 恍惚の人

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    ■評価
    ★★★★☆

    ■感想
    ◯50年前の本なのに、書かれている内容は今でも通用する
    ◯前半から中盤にかけて終わりが見えない感覚は、どんなディストピア小説よりも怖かった。
    ◯情報が歯抜けになり、会話がうまく噛み合わなくなる状態は、痴呆では顕著。一方でいわゆる健常者の大人でもありうるんだろうなと思った。世代をまたいだ人から見ると、上の世代の人は健常者であっても要介護という見方もできる。この構造はすぐに自分も下の世代からされるものだと思う。
    ◯有吉佐和子の作品は内容もだが風景の表現、色の表現など、リアリティが本当にすごい。
    ◯最後の昭子の涙は、非常に複雑で人間的なものだったと思う。それが浄化される

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    2025年04月14日
  • 有田川

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    ようやく紀州川三部作の二つ目を手に取りました。
    物語に抑制が効いていて、それでいていかにも大衆小説というか大河物語。結末の爽やかさ然り、今の小説家には見られない得も言われぬ品の良さ、しかもさくさくと読める。
    川シリーズと言いながら、本作は蜜柑が影の主役かと。それに絡めた時代と土地の説明がさらりと行われていて、史実勉強にもなります。
    一言で言えば良い小説です。

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    2025年04月07日