有吉佐和子のレビュー一覧

  • 恍惚の人

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    2025年12月の「100分de名著」で採り上げられた有吉佐和子の小説から『恍惚の人 』を読みました。まだ「介護」の大変さがあまり注目されておらず、家庭の主婦(妻や娘や嫁)に当然のようにその負担が押し付けられていた時代、声を上げず、ひたすら忍従・献身していた主婦たちの負担は如何ばかりだったか、その苦労がしのばれます。「会社で仕事をしている」ことを免罪符に、家事・育児・介護等面倒な雑務をすべてを妻に押し付け、知らん顔をしていた当時の男性の愛情・協力の欠如、愚かさは、もしその通りだとしたら最低!今の男性はそうではないと思うが・・・。

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    2025年03月07日
  • 更紗夫人

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    裏表紙のあらすじに、「至高の恋愛小説」とあり、有吉佐和子さんのまっすぐな恋愛小説読んだことないな、と思って手に取ってみた。
    描かれる心の機微は、夏目漱石の「月がきれいですね」の世界で、ものすごく遠回しでさりげなく、昔は勘がいい人しか恋愛できなかったんじゃないかと思うほど。非常に奥ゆかしく、ときめきなんてないに等しいので、そういう期待はしない方がいい。
    ラストには、物語はすっかり仕事による女性の自立小説に姿を変える。意外と予想外の動きをする男たちなんて、添え物でしかなかった!
    有吉さんが描きたいのはいつでも、1人の人間として背筋を伸ばして立つ女性なんだ。しっかり芯もアクもある、かっこいい女になり

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    2025年02月27日
  • 恍惚の人

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    自身の親の介護(頭はしっかり、身体が動かない)を思いつつ、どちらが幸せなのか…と複雑な思いで読んだ。
    また自分自身の老後についても深く考えさせられる。
    別の視点では、昭和の主婦の忍耐強さ、負担の大きさ、生きづらさなど興味深く読んだ。

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    2025年02月17日
  • 挿絵の女 単行本未収録作品集

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    単行本未収録の作品集、6作品
    時代が違うという感覚はあるのに、不思議と古さは感じない。この時代を生き抜く女性たちの生命力に圧倒される感じ。拳を振り上げて戦うわけではないけれど、与えられた立場に応じて全うする生き方、その心の持ちように共感すること多々。

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    2025年02月15日
  • 恍惚の人

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    「老い」「介護」「主婦」の3つ問題から、色々と考えさせられる部分が多くあった。将来の自分自身の「老い」に向き合わなければいけないことを考えてしまった。また、自分の親を「介護」するときがやってくることも考えられる。「主婦」が家庭を全うするのではなく、家族同士で協力し合っていきたい。

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    2025年02月03日
  • 新装版 和宮様御留

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    入れ替わりの発想がすごいな、って思った。
    ふきが最初はただの女子(おなご)からいきなり、宮さんになって内心すごく怖かったろうな…。いきなり、「あんたはお上の妹君の和宮様におなりなしゃいまし」なんて言われたら、は?ってなっちゃうよ。戸惑うよね…。
    最後に、宮様が徳川家の正室の中でただ一人、夫の隣に墓を建てられた人だと書いてあって、泣けた。京都から、政治の道具として、使われた和宮、すっごい、激しい人生だよん(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)

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    2025年01月27日
  • 恍惚の人

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    読んでいて休憩挟みながらなんとか読み終わりました。なかなか苦しいですし怖いです。いつか必ず自分も通る道ですし、この本は大切に取っておいて自分も昭子のようになりたいと思いました。

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    2025年01月23日
  • 華岡青洲の妻

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    こういう本を書くにはどれだけの背景勉強と創作のオリジナリティが必要とされるのか想像がつかない。
    何かの発見や発明の背景には当然試行錯誤を伴う実験があるもので、犠牲?礎となるひとや動物がいる。そこにあるストーリーにライトを当てていく
    スタイルのノンフィクションがとても面白かった。
    於継さんすごいわ

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    2025年01月02日
  • 華岡青洲の妻

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    「100分de名著」2024年12月の1冊。
    医学の躍進の裏に隠された嫁姑の確執と涙に、思わず息が詰まる。

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    2024年12月08日
  • 新装版 和宮様御留

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    江戸時代末期、外国から開国を迫られ、開国派の幕府と攘夷派の天皇と意見が分かれていた。
    幕府と天皇との仲立ち(公武合体)のために徳川幕府14代将軍家茂に嫁ぐ天皇の子・和宮様の話。

    最初は公家の言葉に慣れずなかなかページが進まなかったが、途中からおもしろくてどんどん読んでいってしまった。
    和宮様が替え玉という発想がすごい!
    あとがきを読むとあながち突拍子もないとはいえないのかもしれないと思ってしまった。
    確かにゴタゴタしていた時代だし、身分が高い女性だとたくさんの人に会わないから可能かもしれないなと。

    最初の替え玉、フキはただただ不憫。
    元気が取り柄で、下女見習いのような身分のフキには宮様の代

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    2024年10月22日
  • 華岡青洲の妻

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    世界で初めて全身麻酔下での手術を成功さてた華岡青洲の妻加恵と青洲の母御継の物語。青洲じゃなくてこの二人にスポットライトを当てているのが面白い。封建社会であった江戸時代において嫁姑問題は今よりも激しかったのか。嫁いだ加恵は華岡家に馴染んだかのように思っていたが青洲が留学から帰ってきてから御継の態度が変わりあくまでも加恵は他所の人という態度を取られる。そこから二人は見えないところでバチバチの関係になるも青洲の妹の小陸以外それに気づかない。青洲が麻酔薬の通仙散を開発し研究するに至り二人は自身を実験台として差し出す。ここでもどちらが先に実験するか、どちらがより貢献できたかで張り合っていて女って怖いなと

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    2024年09月29日
  • 恍惚の人

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    ネタバレ

    8月中旬に買ってバスの中とか寝る前とかにゆっくり読み進めた。
    戦後10年経った東京を舞台に「老い」を書いた作品。主人公の義理の母が死んでしまい残った義父が認知症になってしまう。認知症の義父の世話を1人で受け持っている主人公の昭子の視点から義父が亡くなるまでの日常(介護という非日常が日常になってしまう。)が細かい描写で記されている。
    印象に残ったメッセージは、「人は誰しも必ず老いるということを皆忘れているのではないか」だった。自分も祖父祖母と接する時、時偶面倒くさいと感じてしまう。しかし、自分も必ずその立場になる。そう思うと高齢者を無下にしてはいけないと思う。
    そして老いが生々しく描かれているか

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    2025年02月10日
  • 新装版 和宮様御留

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    「和宮様は私の家の蔵で縊死なすったのです。お身代わりになったのは私の大伯母でした。増上寺のお墓に納っているのは和宮様ではありません」そんなことを言う女が現れ半信半疑でなんとなく気をつけていると、身代わりを裏付けるような情報に目が止まるようになる。どうやら和宮様は、跋(びっこ)→健康体→左手首なし、と姿を変えているようだ。そんなことからこの小説は生まれた。

    身代わりが真実なのかどうかは闇の中だが、話としてはめちゃくちゃ面白い。それもこれも全ては有吉佐和子の文章力。御所言葉を自由自在に使いこなし、高貴なお公家様の世界をリアルに再現。最初の身代わりフキが経験した堅苦しい作法の数々は、貧しくても一

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    2024年09月07日
  • 紀ノ川

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    紀ノ川上流の名家出身の花が嫁いでからの生涯が明治、大正、昭和の時代を経て語られる一代記。

    花は古き良き伝統を守る模範的な女性であり、川を下っての厳かな嫁入りの描写は美しく、凛とした花の振る舞いや紀州弁の物言いも優雅で、前半は華々しくて素敵だった。
    そこから劇的な展開があるわけではないけれど、時代の移り変わりにより、求められるものが変化していき、女権論者の娘との対立や「家」が崩壊に向かう様子が流れるように描かれていく。
    ハッとさせられる表現があったり、女性たちの逞しさを感じたり、生命力溢れる魅力的な作品だった。

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    2024年08月24日
  • 不信のとき(下)

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    大好きな作家さん。
    これは、初めて読んだときに、実は下巻から読んだ。
    下巻から読んだのに、「早く上巻読みたい」と思うほど、有吉さんの文章は、何度読んでも飽きない。しかも古くない。他の著作もそうだけれど、内容まで古くないのは有吉さんが鋭いのか、人間とは変わらないものなのか、さてさて。

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    2024年05月28日
  • 女二人のニューギニア

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    1985年に朝日文庫から刊行された『女二人のニューギニア』の再文庫化になります。

    著者の有吉佐和子さん(1931-1984)が、
    ご友人で文化人類学者の畑中幸子さん(1930-)(当時、東京大学院文化人類学在籍、現在は中部大学 名誉教授)のフィールドワークを訪れた際の、壮絶だけども笑えてしまう滞在記になっています。

    「ニューギニアは、ほんまにええとこやで、有吉さん」という畑中さんのお誘いに「じぁあ、行くわ。案内してくれる?」と大層気楽な気持ちでスタートしてしまったこの旅は、大変なものになります。
    悲惨な状況が続くんですが、文章が面白すぎて何度も何度も笑ってしまいます。
    のっけから、ニューギ

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    2024年05月24日
  • 紀ノ川

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    和歌山の素封家を舞台に、明治・大正・小話を生きた3代の女たちの年代記。

    祖母の豊乃に手をひかれて九度山の石段を上る花の描写から始まるこの物語は、花が嫁いでからのことがいちばん長く、きっちりと嫁として、妻としての務めを果たし長男を産みその後に長女の文緒を産んだと同時期に豊乃を亡くす。

    母の花とは違う文緒は、ひたすら我が道を進み一風変わった強情な女子であった。
    母の思いを全く与することなく結婚後も自分の思うままである。

    その文緒の子である華子は未熟児で生まれてから身体も弱く、和歌山の花と過ごす時期もあった。

    花の子どもにしても男もいたが、いずれも家を離れてしまっていて、戦局苛烈においては彼

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    2024年04月22日
  • 華岡青洲の妻

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    とても日本らしい嫁姑関係が主題の作品。
    話の舞台は江戸時代後期、でもこの小説が書かれたのは1960年代くらいだから、2世代・3世代くらい前まではどの家庭でも似たような感じだったんだろうか(今もか)。
    日本が近代化して150年くらい経つけど、家庭レベルではまだまだ日本は封建的だってことだ。

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    2024年04月10日
  • 新装版 和宮様御留

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    漫画「大奥」が好きで、和宮のことをもっと知りたくなって読んだ。和宮は歴史上の人物としてしか知らなかったが、京都と江戸、公家と幕府などの違った文化を生きなければならない、本当に大変な人生だったんだなと思う。「大奥」もこの本も、史実を超える力がすごい。

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    2024年02月04日
  • 挿絵の女 単行本未収録作品集

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     単行本未収録作品集ということだが、バラエティの豊かさに驚いた。有吉佐和子さんを元々よく知らなかったとはいえ、前作と同じノリで展開しないというか、毎回良い意味で期待を裏切られるドキドキ感があった。
     ただどの作品でも一貫して感じたのは、不自由を被る弱者を見逃さない目配り。それが前景に出るか背景に収まるかは色々だが、ユーモア満載の作品でもそこは外さない。

    ■挿絵の女
    出版業界で生きる男二人と女一人の(おそらく書かれた当時の)現代劇。主人公格の男性の、「無駄な喧嘩はしないが自分の大事な人に害を為すものははっきりしっかり遠ざける」という、最後の態度が私はとても好きだった。これを良しとする作家の作品

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    2024年01月09日