有吉佐和子のレビュー一覧
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夢中で読んだ上巻の続き。
こちらもおもしろかったが、結局、蔦代は何だったのだろう。。。
最後に大きなどんでん返しがあるはず!と思って読んでいたわたしとしては、なんだか味気ない終わり方だった。
表と裏の顔がある蔦代は、「悪女について」の主人公と少し重なる。
野望の為にあらゆる手段を使ってこつこつとお金を蓄え、人を動かす姿…恐ろしい。
実際の日本の歴史を織り交ぜて物語が進んでいくので、そのあたりも一緒に楽しめた。
正子の恋物語はとても純粋で、
叶わなかった最後の恋についてはじんとくるものがあった。
昔の恋は密やかで情熱があって、わたしもこういう恋がしたいなぁとつい思わせられる。 -
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有吉佐和子の紀州弁が含まれている小説はいいなぁ。女性の一生を描かせたら有吉は素晴らしい。紀ノ川に通じるものもあるが、また違う趣きの作品。
読み応えがあり、途中なかなか止められない小説だった。自分の母親にも、母親としての自分にも似ていない郁代なので共感はできなくても、とても面白かった。さすが有吉。賢くて我慢強い朋子が不憫で、どうにか結婚するなり、子供を生むなりせめてどちらかは実現して欲しかったのに、作者はそれを与えなかったのが残念でならない。自分としてはもう少し朋子が報われる内容だと良かったな。
郁代が死んでしまった時はさすがに泣けた。「最後に帳尻を合わせたんですね」とつぶやく朋子。朋子がそ -
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普通そうな”浮気男”に浮気相手の子どもができ、その後、本妻の子どももでき・・・二人の女との狭間でごまかしつつ、また別の”浮気男”に相談しつつ過ごしているとき入院するはめになり、そこで・・・
女って恐い、恐すぎるって!マチ子も道子も。マユミも。
文子と義道と江美、この子どもたちのその後が気になる。。
解説より・・・「遊心を持つ総ての男の心に響けとばかりに」書かれた、これは世の浮気男(大抵の男は多少ともやましい心を持っている筈である)への警鐘を鳴らしたような作品である。
うん、彼氏や旦那が読んでくれると、浮気心も少しはなくなるんじゃないかな(笑)読ませたい。 -
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ネタバレゆうきまさみの「鉄腕バーディー」の劇中、主人公(のうちの1人)が、界面活性剤という単語を「有吉佐和子の『複合汚染』に出てたやつだ」と言っているのを読んで、手にとってみました。高校1年だか2年だかの頃です。
参院選における市川房枝応援の裏話から物語が始まり、いつの間にかメインのトピックが環境問題にシフトしています。
物語半ばで、参院選の話が立ち消えているということで、「構成が破綻している」と手厳しい批評が多いようですし、この点に関しては僕もそう思います。が、それでも、繰り返し読んじゃうくらい僕は好きです。
自然科学の専門的な知見だけを羅列したような内容になっていなくて、ちゃんと「生きている -
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『連舞』の続編。家元夫人となった秋子が、家元の突然の死後、次期家元を決める際の活躍を描く。
日本舞踊の世界観・価値観が門外漢にとっては新鮮だった。どうしても千春の夫・崎山の視点で読んでしまう。それが本質を突いているように思えるから。
「日本舞踊のように消費経済を基盤としている世界」
「切符はプレイガイドでは売れないのだ。出演者には割り当てられた切符をさばく義務がある限り、金持には胡麻をする風習は消えてなくならないだろう」
家元とは何か、特殊な人間の集団で、人をまとめていくとはどういうことか、について考えさせられる。日本舞踊の世界がこうも簡単に分家・分派を認めるとは・・・。
どんな人間の集