【感想・ネタバレ】夕陽ヵ丘三号館のレビュー

あらすじ

社宅で繰り広げられる、見栄の張り合い、情報戦!
一流会社勤務の夫の転勤に伴い、東京での社宅暮らしを始めた音子。喜びも束の間……。リアルな人間関係の葛藤が迫力の長篇小説

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私の母より少し上の話かな。子供も私より10くらい上かな?スマホとか出てこないだけで今と通じる話。有吉佐和子ってすごいなぁ。たつき諒並にすごいな。

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2025年08月02日

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団地妻の夫の上下関係に属する立ち位置や子どもの性へのとまどい、教育の事、高度経済成長が家事に反映する様、個性ある団地妻達の関わりや心理描写がとてもわかりやすく美しい日本語で執筆されていて眠りの前やイライラした時の私の心の鎮静剤になっております。有吉佐和子さんて本当に素敵。お会いしてみたかったなあ。

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2025年06月05日

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有吉佐和子さんの作品はいつも色褪せないと感じる。昭和の一流商社の社宅。きっと綿密な取材をされての上梓だと思う。夫の浩一郎が音子に、ら抜き言葉を注意しているところ等も面白く読んだ。

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2025年05月01日

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ネタバレ

評価は5.


内容(BOOKデーターベース)
一流会社勤務の夫の転勤に伴い、東京で憧れの社宅暮らしをスタートした音子。喜びも束の間、社宅内の人間関係に振り回されてゆく。一人息子・悟の教育問題、見栄と欺瞞に満ちた主婦同士の情報戦に追い詰められ、焦った音子は愚かな行動に出るが―痛烈な人間描写、現代のドラマが大迫力、傑作長編エンターテインメント。

親は、子どもの地位=自分の地位と勘違いしてしまうし、子どもの勉強が出来れば、親の理想通りに進めば親のストレスはすごく減る。でも、本当は健康で元気ならOKなのだが・・そんな暇な母親の日常をつらつらと綴った話だったがやはり大作家!面白かった。

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2019年08月07日

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主人公の女性には嫌な感情しか持てず、読んでいてもイライラしてしまったのだけど
それでもフト振り返ると、程度の差はあれ
自分も同じようなことをしているのでは?!・・・なんて思ってしまったりして。
きっとこの小説の主人公は形を変えながらも
全ての女性の中にいるのではないかな?

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2013年01月25日

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ん~、やっぱりいいですね、有吉佐和子の描写は。
この当時でも日本語の砕けかたは、ちょっと違和感あるけれど、現代のに比べたらマシ。

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2012年05月09日

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一流商社に勤める夫の転勤に伴い、東京で社宅暮らしをスタートした音子が、社宅内の人間関係に振り回されていく姿を描いた物語。

一人息子の教育問題に振り回されるのは、いつの時代でもあることかもしれないが、同じ年頃の子どもがいる社宅となるといろんな情報に惑わされる。

新しく建った五号館には外国の支店から帰った人ばかりが入居するなかで、大阪にいた頃仲良くしていた山野夫人がいるのに驚き、そのあと一悶着があったり、子どもは伸び伸びと育てる方針で口出ししないと言っていた井本夫人が、離婚までして息子に東京の都立高を受験させ合格していたというのには、驚愕した。

社宅という箱の中で、主婦が一日中いると見栄と欺瞞ばかり。
尾ひれがついた噂が蔓延して、追い詰められたり孤立したりと悩みの種は尽きないだろうと思う。
とてもじゃないが、社宅には住めないだろうなと感じた。

あまりにも人間描写がリアルで怖くなる。








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2025年10月10日

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ネタバレ

文章はさすがのさすが有吉佐和子氏。主人公音子の感情と共に進んでいく
主人公音子は自身で不幸の種を探して探してそれを撒いて大きく大きく育ててしまうタイプで読んでいてしんどくなった
どうしてそう曲って受け取るんだ、またそうやってネガティブな思考にはまっていくのか…
ラストはパンチはなく物足りないかなと思ったが日常に無理のない終わり方ということだろう
とにかく一貫して音子の思考の中に入り込んで物語が進んでいく

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2025年07月07日

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一流企業の社宅で暮らす奥さんの日常を描いている。描かれている人間模様がリアルで、さらりと読めた。

専業主婦をして、社宅で暮らしていると生きている世界が狭くなる。その上家事を自動で行ってくれる電化製品が誕生したことで、世の中の専業主婦たちが狭い世界の中で暇になり、暇なせいで子供に過度に期待して干渉したり、社宅内の他人と比較して一喜一憂する。

暇を持て余した結果、今は共働き夫婦が増えたのだと思った。サラリーマンの専業主婦では、暇な時間を持て余すが、暇な時間に豪遊するほどお金に余裕はないから。

社宅内の奥様方の人間関係には、小中学校の女の世界を思い出して、ちょっと嫌な気持ちになった。話し相手によって言うことを変えたり、裏では悪口を言ったり、世界が狭いから親しい人にネチネチ嫉妬したり嫉妬されたり。仲良くしている相手にも見栄を張りあったり、見下しあったりしている世界。夫の会社での立ち位置で、妻の立ち位置まで大きく変わる世界。この時代に生まれなくて良かったと思った...

音子がすぐ社宅での人間関係や子供のことでヒステリックを起こすのには、読んでいて辟易したが、ネットがないので情報が少なく、生きている世界も狭いと、こうなってしまうのだろう。

時代が戦後間もない高度経済成長期だったので、言葉遣いや服装などが今の感覚とは全然違って、それも面白かった。

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2025年06月15日

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昭和の高度成長期、大手商社の社宅が舞台です。
旦那の出世、子供の教育方針や成績など奥さま同志の井戸端会議や噂話から、人間の愚かさ、嫉妬心、ダークな部分が感じられました。

洗濯機や炊飯器などの家電が発売され、家事にかかる時間が少なくなり、時間を持て余す。その時間で趣味を見つけたり、勉強したりすればよいのに、他人の噂話ばかりで…賢くないと感じた。

時間があると普段気にならないことが気になったり、碌なことが起きないのである程度忙しくしていた方がよいと思った。

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2025年05月24日

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40過ぎの夫は「同級生には戦争で死んだやつもいる」と言っているので昭和元年生まれで昭和40年過ぎくらいがお話でしょうか。だとするとここに出てきた中学校1年生も今や70半ばかと思われます。

60年たってカタチは変われど、嫉妬、見栄、派閥、集団での生きづらさといった日本人の本質はなんら変わらなくて唖然とします。

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2025年05月18日

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文庫本にしては長編で疲れました。
高度経済成長時代の上場会社の社員寮の話しです。
昭和の私達の母親の時代背景、うるさいくらい騒々しい井戸端会議、差別的で見栄の張り合いの主婦連中とモーレツ社員の夫達
差別用語も頻繁に出てくる。
孟母三遷の教えとか教育ママゴンとか懐かしいけれど時代遅れのところもあり、今のようにSNSなど無かった時代なので人の噂話や新聞広告や情報に振り回されていた大変な時代だったと思う。今なら主婦、夫の気持ちがよく分かる。主婦である主人公が夫→息子に期待をかけて依存するのは昭和そのものだと思う。
表面協調して心の中では相手を見下す社宅には住めない。
息子の進学の為に社宅を出た株が趣味の主婦が話していた今後の日本の経済状況、
子供に頼らず老後に向けて女性が1人でも暮らせる貯蓄を持つ自立した生活をするべきの言葉に真意を感じ著者の読みの深さに感動した。

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2025年05月15日

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商社の社宅に住む主婦達の狂想曲。
社宅には住んでいなかったものも、商社員の息子としてなかなか身に包まされる話でした。
世代的にはうちの両親より15-20歳くらい上世代が描かれていて、ある程度実感のある民俗誌を読んでいる気分でした。

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2016年08月25日

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これエンタメと言うより恐怖小説だね。多少の時代の古さはあるけど、有吉佐和子の描く人間の愚かさ滑稽さ、今でも本質は変わらないのでは。
LINEでの無視や、裏サイトでの陰湿なイジメを聞くと、この小説で語られている社宅の世界となんら変わらない。

夫婦間のやりとりなども、うちと驚くほど似ている。

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2015年01月25日

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一流会社の社宅における人間関係のお話し。お中元の処理の仕方に時代を感じて面白い。

時代背景は少し古いと感じるだろうけれど、人間の心理、人間関係の問題は今に通じる。
人の噂、隣人との比較の中で、正しい価値判断ができなくなっていく主婦。
現代におけるママ友や会社の女性同士の人間関係の悩みと同じだ。現代では、そこにブログやSNSなどネットからの情報も加わり混乱する。

知らないことは知らないままでいいはずなのに。

有吉佐和子が社会に問いかける作品では、ほのぼの感動する、切なく感動する、そういった方法をとらない。
現実の人間の愚かさと醜さを表現しながら、いつの間にか「家族には何が大切なのか」そういうことを感じさせてくれる、そういう作品である。

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2013年06月25日

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カラーテレビやらお受験やら、話が少し前のことなんだけど、古臭い感じがしないのが、有吉佐和子のすごいところ。世の中は日々変わるけど、人間の本質は変わらないんだろうなと感じる。狭いコミュニティの中で、自分がいかに上にいくか、心理戦が面白い。ちょっと辟易してくる部分もあるけど。

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2013年04月12日

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有吉佐和子さんブームに乗って「悪女について」以来久しぶりに有吉作品を読んでみました。

エリート商社マンを夫に持つ音子。夫が大阪から東京に転勤となり、念願の新築社宅に入居。新しい暮らしに心躍るのものの社宅内での噂話、子どもの成績の優劣や進学などに振り回されていくお話です。

家電が進化し「女が閑になった」と言われた時代。時間ができた専業主婦のエネルギーは子どもの教育問題へと向かっていきます。結果、音子は息子の一挙手一投足に一喜一憂するようになり、同じ社宅に住む主婦の言動にも被害妄想とも取れる反応を示し、時にヒステリックに泣いたりご近所を罵ったり。その様子には恐怖すら覚えました。
個人的には音子が特に敵対心を燃やした平野夫人が音子をどう思っていたのかが気になります。本当にカラッとしていてライバル心など持ち合わせていなかったのかどうか。もしそうではなく計算した上でのことだとしたら。怖い怖い。

元祖タワマン小説とはよく言ったもので社宅に住む主婦たちの人間関係は現代にも通ずるものがあります。人間には距離感が大切ですね。
そして感情は一度寝かせる。これに限るということを改めて学びました。

気持ちに余裕のある時に読むことをおすすめします。でないとこちらも毒されてしまうかも。

本作を総じて大変美しい文章で本書き上げているのが有吉さんの素晴らしさです。

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2025年10月08日

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昭和の社宅事情のお話。
一流企業といわれる伊沢商事の大阪支店から東京支店に夫が転勤になった音子は、元々 東京生まれのため、喜んでいた。
大阪でも社宅住まいだったが、建物が古く色々と難儀した。
また、大阪の雰囲気も音子には合わず馴染めなかった。
東京の社宅は新しく建ったばかりで快適だった。
でも、人間関係はどこでも同じ。
社宅は夫の仕事の関係等で、妻同士も気を遣うし、噂もあっという間に尾ひれがついて拡がっていくのだから、おそろしや…
しかも、音子は息子に対しても過保護なところがあって、要領もいまいち良くなく、危なかしい。
なので、社宅のいざこざに巻き込まれてしまうのだ。
それにしても、今も昔も女性の噂好きや派閥のようなやり取りは変わらないのだなぁと思わずにいられない。

2025.8.25

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2025年08月25日

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おそらく1975年前後の東京の有名商社の社宅に住む奥さまの話

2012年に新装版がでた時に読んで今回は再読
その時に読んだ時は面白く感じたけど、今回読むと社宅での人間関係の煩わしさが今の時代からみるとある意味ゾッとする。

俯瞰してみると、夫人たちが自身の虚栄心に振りまわされているのは滑稽であるけど、当時の日本の急激な経済成長に従って、文化的な生活を与えられた主婦たちはこのようなものだったんだと改めて思った。

そして、有吉佐和子はその女性とその内面を描くことが巧みだと感じた。

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2025年06月26日

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一般の主婦の日常。電化製品が出回りだし、家事が簡単になったがその分時間が空いて社宅での付き合いに右往左往する。
できる女性を読んでいただけに物足りなさを感じるが家の中だけが自分の世界ではこうなるんだろうなぁ
今も昔も変わらないのが分かる。

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2021年06月27日

Posted by ブクログ

社宅の事情。
たぶん自分は関わることのない世界。夫の会社の社宅で、夫人方とのお付き合いノウハウ、子育てのこと、学校のことなど。なんにせよ良い教訓にもなる内容だった。
相手には相手の事情があって、時にこちらが思うほど事は深刻でなくて、それを勝手な勘違いで空回りしてしまう言動。考え過ぎずポジティブに、笑顔でスマートに生き抜きたいもの。

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2019年08月15日

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団地のドロドロ!とにかく口は災いの元である。私もこれから親になるけど、子供の進路、夫の仕事の話はご法度だと思った。嫉妬って怖い。

男の子の子育てって難しそう。性のこととかあんまり学校のことはなさなかったりとか。男親を頼ったり、見て見ぬ振りっていうのも大事だなぁ。

読んでるだけで疲れた。

もらったお中元をデパートで変えてもらったり横流しなんてことが…と社会的背景も面白く読んだ。

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2018年12月30日

Posted by ブクログ

社宅地域内で起こる軋轢や確執の日々。読んでいて辟易する。男目線だと、暇な専業主婦はこんなものと見下してしまいがちだが、サラリーマン社会もレベルは一緒である。
どんなコミュニティーでも、自己の位置を高める為に、他人をあの手この手で貶めるのは生き物の性かもしれない。

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2012年08月30日

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有吉佐和子の名作復刊第二弾ということで平積みになっていた。ぺらぺらめくるとおもしろそうだったので読んでみました。

一流会社の社宅に繰り広げられる、奥様方と息子とついでに夫の生態を描く。読んでいると、作者佐和子氏はどこか覗き窓か望遠鏡で各部屋を観察しているような雰囲気がして、読んでる者も一緒に覗いているような感じになる。主人公の主婦・音子に一体化はしない。

解説が無いので、全共闘、教育ママという言葉と、カラーテレビがある、などの言葉から時代設定は70年前後かな、と思ったが時代設定にかかわりなく、自分の息子の成績と夫の出世に一喜一憂する主婦・音子の言動・言葉は現在でもあてはまる部分があると感じる。これは専業主婦でなくとも勤めてる妻・母でも多かれ少なかれ持つ感情ではある。ただ専業主婦だと勢い昼間の8時間を目いっぱい息子と夫の事に投入できるので、この小説のようなことになるのだろう。しかしここでは妻は息子の成績と夫の出世によって評価される。評価というより、自分が気持ちよくなれる、ということか。妻自身は仕事をしていないので成果は息子と夫でしか現れないのだ。

オスはメスを選ぶのに子孫を残せそうなメスを選び、メスは木の実や動物を倒せそうなオスを選ぶ、ということが竹内久美子の本だったかに書いてあったような気がするのだが、”木の実をたくさんとってくる一流会社勤めのオスをめでたくGETした妻たち”という図を思い浮かべてしまった。しかし社宅に住まざるを得ないところがミソである。

調べてみると、1970年4月~12月に毎日新聞に連載され、71年に新潮社から単行本。71年10月~3月までTBS日曜9時からドラマ放送されたようだ。子供が6年で、夫は戦争に行っており、妻は女学校を出た設定だ。とすると夫は大正10年代生まれで妻は同じか昭和ヒトケタの生まれの設定になる。・・自分の家族と同じような感じだ。ドラマでは音子・八千草薫、夫・山内明でまさしく予想設定通りの生年の人だ。

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2012年07月28日

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さすが有吉佐和子作品と思います
単純な社宅のおしゃべりだけではない
人間の描写が描かれていると思います

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2012年07月21日

Posted by ブクログ

女性の怖さは喋りまくる割りに、突如の沈黙が怖いのだが。またそれも魅力のうちだったりする。(私の女性観でね)

すこし、この小説に登場する女性たちは、語りすぎだったかも。わては、橋田おばはんより向田ねえさん好きなんやて。残念。

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2012年06月14日

Posted by ブクログ

社宅に住む奥さんたちの日常
旦那の出世、子供の進学等を巡って奥さんたちが対立
あっちの人達が喧嘩してたと思ったら、今度はこっちの人達…
延々と続くんですが、なんだか引き込まれてしまいます。どちらかというと、私は女ですが、旦那さんのスタンスに近いかなぁと思います。奥さんの中なら森夫人が一番働く女性の感覚に近いかもしれませんね。
程度の低いいざこざですが、そのせいか他の作品よりも身近に感じます。

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2012年02月21日

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