あらすじ
卒業を間近に控えた女子大生仲良しグループ。珠美は秘書、文代は教師、トモ子は編集者など、7人それぞれの進路へ巣立とうとしている。恋愛に憧れつつも、まだ見合い結婚が主流の終戦直後、彼女達が常に盛り上がるのは、唯一婚約者のいる祐子の話だ。卒業後、婚約者の誕生日に全員が祐子の家に招待されるが――。若い女性の心の葛藤を、瑞々しく描く。有吉文学の原点となった、初の長編小説。
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Posted by ブクログ
普遍的な人間の在り方や心情を描くのが文学という解釈があります。この本はまさに、文学なのだなと思いました。こんなに変わらないのかと、びっくり。
と初回思った点、確かにそうではある。今読むと、社会が変わっていないだけ。という観点も。この話を成り立たせた背景(こう思わせる社会)が。
Posted by ブクログ
有吉佐和子が好きすぎて、読んでない本を日本から古本で取り寄せた中の一冊。
処女連禱。戦後間もない時代で女子大を卒業した7人グループそれぞれのその後。
倉賀野祐子が怖すぎると思ったけど、まぁいるよね、、こーゆー女。有吉佐和子さんは女を書かせたらピカ一。
有吉佐和子さんの初の長編作品らしいのだが、書かれたのはもう60年も前。時代背景はだいぶどころか現代もかすりもしないはずなのにこんなに面白く読めるのはなぜ。
Posted by ブクログ
今は、いつまでも独身でいる女性はたくさんいるし、それが別に恥ずかしいことでもなんでもないけど、終戦直後となると、そうもいかなかったのかなあと思いました。
でももし私がいま、仕事をしているけど独身だったら、この本を冷静に読めたかなあと思うと、怖い気がします。
今と終戦直後じゃ、だいぶ感覚は違うけど……。
文代やトモ子なんかは仕事を持ってるからこのまま独身でも大丈夫だけど、薫みたいに大学卒業後家事手伝いになって、そのまま結婚せず……って人は、その後どうするんだろう。
それにしても裕子。
初登場の頃から、「うわ、私こういう女絶対友達になりたくない」と思いましたが、最後の最後までやっぱりそんな感じの女でした。
Posted by ブクログ
有吉佐和子さんの小説にこんなのがあるなんて知らなかった。解説を読むと、有吉さん初の長編小説だそう。
とても面白かった!こんな顛末になるとは!
戦後まもない日本の若い女性の結婚願望にまつわる話。
途中までは「現代にも通じる感覚だなぁ」というくらい
の感じで読んでいたのが、とんでもないからくりが。
アゼンとした。読みごたえあり。有吉さん、スゴイ!
Posted by ブクログ
ラストが衝撃でした。
ここで終わっちゃうんだ、という意味で。
祐子の鼻を明かすところが見たくて後半読み進めていたのでちょっと残念。
女の人なら誰でも多少思い当たる節がありそうなお話でした。