有吉佐和子のレビュー一覧

  • 青い壺

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    ネタバレ

    なんて面白い本なんだー!と思いながらするりと読んだ。

    ひとつの青い壺が生まれ、人から人へと渡っていき、携わる人たちの生き様が豊かに描かれる。普段は「生き様」という字面が好きではないのだけれど、何故か使ってみたくなった。壺と一緒に覗き見ているよう。

    10年で青い壺に古色がつく。箱にしまわれ忘れ去られることなく、あんなに様々な家や国を渡り歩けば古色もつくはずだ。

    青い壺をどう評価するか、人生で何を最上とするか、皆それぞれ。そんな当たり前のことが話が移るごとに鮮やかに展開されていき本当に素晴らしい。

    ラスト、焼き物に銘を入れぬ決心とは。
    一度手を離れれば何らかの評価の対象となってしまうことが

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    2026年08月10日
  • 青い壺

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    青い壺を巡り、様々な家庭の有り様がドラマを観ているようだった。 (p327)省造のあの壺がスペインまで行ったことが判明 古美術鑑定呪う人は800年前の物だと言っているあたり、最後に減刑というくだりでオチがついている漢字も凄い
    2話の寅三の行動に、自分の中にある将来の '老い'への不安をし撃された

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    2026年08月09日
  • 悪女について

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    ネタバレ

    キミコについての27人のインタビュー小説。
    めちゃくちゃ面白くて続きが気になってしかたなかった本。
    結局人って自分本意でしか生きられないよなぁと、人間の底を見せつけられた気がして圧巻だった。
    今も女性は生きづらい面はあると思うが、昭和って今よりずっと男社会で女性は生きづらかったと思う。

    結局キミコのように自分を魅せるのが上手く、先を見据える力とそれに伴う努力ができる人がどの時代も勝ち上がっていくのだと感じた。

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    2026年08月02日
  • 非色

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    黒人の差別だけでなく、白人同士でも差別があることに驚いた。肌の色や、人種、生まれたところや住んでいるところ、性別、学歴、職業。なぜ人は差別するのだろう。差別を受けているひとが、本人も気づかないうちに誰かを差別している。
    自分も気づかないうちに誰かを差別したりしているのだろうか。
    思い当たることはある。表には出さなくても誰にでもあるのでないだろうか。誰かと比べて自分が優位だと思わずに生きていけるようになりたい。

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    2026年07月27日
  • 青い壺

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    五十年も前の作品だが全然古臭くない。登場人物の心情がよく分かる。そうだよねえと共感したり、それは災難と同情したり。スキマ時間に読むのにとても良いです。

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    2026年07月27日
  • 悪女について

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    ネタバレ

    主人公本人の語りが登場せず他者それぞれの視点での語りで完結するこのスタイル!
    (ちょっと前に『オパールの炎』を読んで、こんな描き方があるのか!と衝撃だった)

    人間って本当に自分の見たいものしか見ないし、信じたいものしか信じないんだなとつくづく思わされた。
    全方位を自分の味方につけるキミコトークの巧みさ…男はほとんど全員騙されてるのもすごい。声量までコントロール…

    本命は輝彦だけだったんだろうね、唯一避妊せず金も引っ張らず(アラン・ドロンは顔と若さ要員)
    初恋の人と最後まで添い遂げたようなもの、なのは、ある意味では純真な女なのかもしれないと思った。

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    2026年07月27日
  • 青い壺

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    面白かった。かなり前の話のはずなのに、全く読みづらくなく、人間の感情の普遍性を思い知らされた。

    青い壺がバトンのように様々な人生の物語に入り込んだ短編の連なりが、1冊の本に重厚感をもたらしていて、読後の満足度が高かった。

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    2026年07月18日
  • 華岡青洲の妻

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    この時代における女性の価値観 女の業のようなものが文体にあちこちに散りばめられていて、私も 小陸のような存在としてこの二人を見ていた ! この本は麻酔薬を作る華岡青洲のお話でありながら、嫁姑の微妙な感情の揺れなど、亡くなる前の子陸の言葉に集約されていると思った。

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    2026年07月18日
  • 悪女について

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    おもしろかった!ヒロインは実際には出てこないし関わりのあった27人がそれぞれの視点で語るから、同じ人物でも立場が変わればこんなに見方がかわるのも飽きなかった。特に息子2人で見方が全然違うのとかはなるほどなーていう
    公子自体、自分のことわかってないくらい虚言癖なんかなと思ったり、ただただ美しいものがすきなだけやったんかなて思ったり、ほんとのところはわからないけど
    次男がもしかしたらいちばん理解してたのかも

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    2026年07月18日
  • 恍惚の人

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    どぎついセリフを吐くものの、献身的な介護にまずは驚き、医療用語にオヤッと思いながらも、窒息蘇生の場面では見事な処置でさらに驚きました。救急医療に従事する者として、机上の言葉遊びに振り回されないように努めたい。

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    2026年07月15日
  • 青い壺

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    有吉さんといえば中学生の頃、笑っていいとも!の有名なコーナーをジャックした強烈な思い出が笑
    (皆さんわかりますかね?)
    それから約40年後!に初めて作品に触れました
    数年前に一度読みかけたのですが、退屈な昼ドラを見ているようで気持ちが入り込めず、2回目の挑戦でしたが、今回はすんなりと作品の世界に入り込む事ができました
    今に比べると遥かに終戦から時間が経っていない時代背景を感じた点や、今と大して変わっていない感情の移り変わりの対比が面白かった

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    2026年07月14日
  • 青い壺

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    デパートの発注を堅実にこなす陶芸家が
    3つだけ作った一点物。
    そのうちのひとつが、たまたまの環境から素晴らしい発色をする。

    その美に人が触れるときに生まれるあれやこれや。
    立場。欲。生活。節目。
    美が人生を反射して生まれるプリズムが物語になる。

    これは本筋とは全く関係ないのだけれど、
    昭和51年に上梓されている本作中で
    すでに「爆笑」が「一人で大笑いする様子」に使われているのが興味深かった。

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    2026年07月14日
  • 悪女について

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    ネタバレ

    まだ7月だが今年一の作品といっていいくらい素晴らしいものだった。ずっと間接描写であるからこそ1人の女性の人生がこうも様々な面を持ち色んな世界を作り出していくことができるのかと感嘆した。公子は悪女ではあるものの、この27人と同じく私も彼女に魅了されてしまった。

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    2026年07月11日
  • 非色

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    差別や偏見、自分とちがうものと区別したり見下したりすること。余裕がなくて生きるだけで精一杯のとき、人間を支えるもののひとつになり得てしまう。
    後半、高学歴、高収入、高階層の日本人とユダヤ人夫婦が登場し、特に奥さんの日本人が、国連職員という色々な人種の人々と仕事したりしている人なのにやっぱり差別的なことを言ってるのを考えると、余裕のありなしも関係なく、だれもが、差別や偏見からは逃れられない。
    しかも自分のその考えは差別的なものということに気づいてない。主人公の笑子は差別的な言葉を言われたり、自分が言った時にそれってなんでなのか、どういうことなのか考えている。
    差別や偏見から逃れるには、自分が言っ

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    2026年07月10日
  • 女二人のニューギニア

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    ネタバレ

    文化人類学者の畑中幸子氏のフィールドワーク先であったニューギニアの奥地へ、旅行気分で訪ねてしまって大変な思いをしたという滞在記。
    異国のジャングルの、過酷な環境のなかで繰り広げられる女二人の会話が面白かった。ご友人でもある畑中氏の、怒りっぽいけれどカラッとした雰囲気がよかった。
    ジャングルが文明によって開拓されて、否応なく文化や価値観が移り変わっていくことにはやはり懸念があり、現地の人々を心配する記述があった。1ヶ月の滞在期間のあいだにも人々の変化はある。
    狩猟民族シシミンの人々は今ごろどうしているだろうか。
    冒頭で「なぜ誰も止めてくれなかったのか」といった叫びが綴られていて笑ってしまったのだ

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    2026年07月08日
  • 青い壺

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    ネタバレ

    主人公は青い壺
    というと語弊がありそうだが、壺が人から人の手へ渡っていくなかでの、それぞれの人たちのものがたり
    昭和という時代もあいまって、しかも、時代が大きく変化してきた後(高度経済成長後)ということもあって、新旧の相違がおもしろい
    とはいえ、今でも十分楽しめるお話で、普遍的なものがたりだからだなぁと思う

    青い壺目線で見たら、またおもしろそう

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    2026年07月06日
  • 非色

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    色に非ず
    偏見や差別は世の中にあるのではなく己の中にある
    今の世上では皆平等同等を意識するべしと枷をはめられていて
    核心には触らない
    実は内面に感じたこと思うことがマグマのようにふつふつ熟している
    有吉佐和子の言葉が気持ちよく辛辣のようでありながら
    相手を傷つけることなくまっすぐで受け止められる
    戦後の日本 アメリカでの生活 二グロの体臭
    目の前に見えてくる 
    読み始めると本を閉じることが出来なかった

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    2026年07月05日
  • 悪女について

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    他のことをしていても「早く続きが読みたい!」と思ってしまうほど、のめり込んで読んでしまった。
    謎の死を遂げた女実業家・富小路公子。
    公子の関係者へのインタビューという形で彼女の輪郭が少しずつ浮かび上がってくるが、悪女のようにも女神のようにも思えて、どんどん富小路公子について知りたくなる。
    この中に公子が本当に愛した男もいるのだろうか...なんて考えたりもする。

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    2026年07月02日
  • 夕陽ヵ丘三号館

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    親として何度か刺さる場面がありました。子供からみたら、こんな騒がしい親だと疲れそう。でも、何とかうまくいけばそれでいい。

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    2026年06月26日
  • 役者廃業・三婆(新潮文庫)

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    中でも「亀遊の死」が秀逸で
    語り部として進むうちに
    場面が見えてきます
    「ふるあめりかに袖はぬらさじ」
    すで芝居を観るような体験ができます

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    2026年06月23日