有吉佐和子のレビュー一覧

  • 青い壺

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    良い物語を読んだ満足感がある。

    たまたま焼き上がった奇跡のように美しい壺がたくさんの人の手に渡りながら、様々な人の生活が短編として描かれる。

    一つ一つの短編は、なんだかやけにリアルで、ほっこりしたりギスギスしたり、色んな感情になる。

    でも、人生ってそんなものだと思う。

    自分の目線からでは毎日が大変でいっぱいいっぱいだとしても、その脇に置いてある一つの壺には、数多くの物語が内包されているかもしれない。

    人一人の人生など小さく短いものだなあと考える。

    この物語の時代は、戦争の面影を残している。

    > 「男だけが戦争したような顔をしてもらいたくないわ。女にとっても、戦争は生涯を変え

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    2026年06月05日
  • 非色

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    こころ揺さぶられた。
    主人公の笑子にとても好感もてた。差別主義者ではないけど、自分の中にある優越意識、劣等感を認識して、問いかけている。その姿が自分自身と重なった。
    私も人はみな平等と頭では思っているが、実際笑子の様に、差別し自分の方が優位であることに安心を感じている自分がいる。
    人間である以上、この感情を全て取り去ることは難しいのかなと実感した。
    この本を進めてくれた母は、人間の業だと。かなしいけど腑に落ちる。
    つい感情的になって、そういう思考に囚われてしまう時はずっとあると思うけど、笑子のように、その時はなぜそう感じるのか、思うのか、を無視せずに問いかけていきたい。例え答えが出なくても。

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    2026年06月06日
  • 恍惚の人

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    数十年前の小説なのに全く古びていないことに驚く。

    赤子から成長し、出来ることが増え、成熟し、年を取ることで出来ないことが増えていき、赤子に戻っていくような。

    時にユーモアを交えながら軽妙な筆致で目をそらしたい老化、死への道筋を丁寧に描き出す。

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    2026年05月31日
  • 有吉佐和子ベスト・エッセイ

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    屈託なく何でも知りたいトライするという部分と、やりたく無いのにそんなふうになっていたという人の良さも、これだと決めた事のみに絞るところも。
    書きたいものを見つけるとその取材や調査に没頭、説明者が嫌がるほど聞き、調べ、自分なりのものにしていく。
    インドネシアにいた幼少の頃は体が弱く、多読。有島武郎や夏目漱石全集も読破。高校では健康でバレーボールに打ち込む。岡本かのこにバイタリティーを学ぶ。
    複合汚染、紀ノ川、阿国、ニューギニア、カトリック、歌舞伎、大徳寺、歴史、どれもどれも深く広い熱心さと教養に圧倒される。

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    2026年05月29日
  • 恍惚の人

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    書かれてから40年以上経っているはずなのに、色褪せない。

    老人の介護問題がリアルに描かれている。
    自分が親の介護をする側にまわることも考えるが、自分自身が老いてどんな老後を送るのかも考え、怖くなってくる。

    茂造のケースで良い方なのか...。
    自分の祖母がボケてきたのを実感しており、時々遠くまで出歩いて帰って来られなくなり警察の世話になっているので、とても他人事とは思えない。

    祖母の様子を見て、父の老後も似たようなものかもしれないと覚悟していたけど、自分の人生の延長としては考えたことなかったな...。でも当たり前に自分も老いる。

    老人を抱えたら、誰かが犠牲にならなきゃいけないなんて、そん

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    2026年05月29日
  • 華岡青洲の妻

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    最近になって、有吉佐和子作品を読み始めた。
    そしてハマっている!
    「恍惚の人」を最初に読んだのがキッカケだが、どの作品も本当に面白く、何十年経った作品であるのに色褪せない感じがして、共感や感情移入するのは、人間模様はいつの時代もそんなに変化がなく同じようなものなのだからかと。

    あと、漢字の勉強にもなったし、語尾の「〜やのし」「〜かのし」「〜よし」が印象に残る作品だった。

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    2026年05月24日
  • 非色

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    色に非ずとはこういうことか。
    とラストで理解した。
    人間は誰かより優位であると感じられないと生きていけない生き物なのか。
    差別はいけないことと頭では分かっていても生きていてどこかで人と比べることのほうが多いと思う。
    それよりも、自分はどういう存在であるのか、自分の価値を自分で見出して抱えて歩くことが重要なことなのだとこの本を読んで理解した。

    60年以上前の本だとは思えないほど理解しやすい。
    他の作品も読みます。

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    2026年05月23日
  • 夕陽ヵ丘三号館

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    昭和の時代の一流商社の社宅。奥様方の嫉妬と羨望の蠢く世界。噂話や陰口など女性作家でしか描けないだろう。この作家の人間観察力は恐ろしい。人の醜い一面もあくまで冷静に描写している。

    中学生男子の成長と成績の低下、悩む母親とグチを聞くばかりの夫。

    社宅でもマンションでも、令和の今はここまで濃密な人間関係は良くも悪くもないだろう。

    終始社宅の中でのみ展開される密室劇。劇的な展開も少ない。

    近年再評価される有吉佐和子。松本清張と並び、一見平々凡々とした人間関係をここまでサスペンス調に描ける稀有な作家。

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    2026年05月23日
  • 悪女について

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    肉乃小路ニクヨさんのネーミングの由来にもなった、富小路公子が「悪女」として登場する小説。
    友人の勧めで読み始めました。

    第1章から展開は早く、ボリュームはあるのですがテンポよく読めました。
    賢くて、美しいものが好きな公子さん。
    「まああ」「ご免遊ばせ」使っていきたいですね。

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    2026年05月23日
  • 青い壺

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    ネタバレ

    有吉さんの作品は2作目です。

    戦後の豊かになった日本の生活が
    とても面白く描かれている作品。

    青い壺が色んなところを転々として
    壺の周囲の人達の様子が書かれている。

    本屋さんで積まれていた書籍で
    気になっていたところ
    オーディオブックにあり読んでみた。
    (聞いてみた)

    戦争に行った人の話が
    所々で書かれており
    昭和の時代背景を感じる事ができる。

    全体的に明るい内容で
    小説としても面白みのある作品。

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    2026年05月19日
  • 非色

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    60年以上前の本なのに全く古さを感じないのは未だに「差別」の問題が現存しているからだけど、「差別はいけないこと」とわかっていてもどこかでしてしまうのが人間。だから、認識しつつ、どう自分は向き合うかが大事。

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    2026年05月15日
  • 悪女について

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    どこがって言われると難しいけど、めっちゃおもしろかった。どれがほんとの君子さん?登場人物それぞれが接した見てきた君子さん、誰が騙されていたの?みんな??みたいな。有吉佐和子作品に最近ハマってます。

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    2026年05月10日
  • 恍惚の人

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    ネタバレ

    主人公の介護小説。最後に泣けるいい小説だった。家族の男共の無能、無責任ぶりにはイライラするが時代かな。

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    2026年05月07日
  • 華岡青洲の妻

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    何となく読み始めて
    時代背景の知識もないのに、ぐいぐいと引き込まれる。
    流石としか言いようのない
    再読したくなる貴重な作品でした。

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    2026年05月06日
  • 女二人のニューギニア

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    2026年9冊目

    約50年前の文章とは思えない軽やかさ
    素晴らしい紀行文で今後も読み継がれるべき一冊
    60年代の未開のニューギニアの描写がわかりやすくて、独自の文化・文明人としての振る舞いも興味深かった

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    2026年05月05日
  • 青い壺

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    青い壺がたくさんの人の手に渡り、その度にそれぞれの人間模様が描かれている。昭和51年からの作品だが、物語は全く色褪せてない。

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    2026年05月03日
  • 悪女について

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    彼女は、悪女だったのか?…
    こうして多数の人間の視点から1人の印象を聞き出していく文体がおもしろい。

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    2026年04月30日
  • 青い壺

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    ネタバレ

    面白いかったです。壺が旅をしているようで。
    まさか10年の時を経て、作者の目の前に現れるとは思いもしなかった展開ですが。

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    2026年04月28日
  • 青い壺

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    青い壺が色んな人の人生を巡っていく。
    特に、悠子が給食のメニューを試行錯誤しているお話が印象に残った。お豆腐入りの掻き卵とすりおろし人参入りカレーライスはしっかり家でテストして上手く行った。ほうれん草スープも上手くいくだろうと、いきなり本番で出してしまった。傲慢だった、と悠子は泣く。マグダレナの優しさに救われた。
    マグダレナと母親の54年ぶりの再会は、私では想像もできないほど衝撃的だったんだろう。死に目に会えるように掟が変わったのは良いことだけど、同時に予想外の苦しみも生んでいた。でも、今後生きていくうえで後悔しないための意味のある痛みだと思う。

    最後、タクシー運転手の「人助けをした者は悪事

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    2026年04月28日
  • 非色

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    人間ってこんなにも差別と序列をつけたがる生き物なんだろうか。国籍、人種、使う人と使われる人、誇り、負い目…などなど、いろいろなことが人と人の関係に序列をつける。

    自己認識とは?未来に向けて、主人公の目が急に開かれたような結末は爽快感があり、でもその先にまた、今現在のアメリカがあり、ヨーロッパも日本もあると思うと、人間は少しも進歩していない。

    戦後間もない時期の日米の間が舞台と思えないほど、現代的で進歩的なストーリーだった。

    気丈で、変わらない笑子に対して、帰国後トムの目の輝きがみるみる失われてしまったことの意味を考えると、希望を持てる社会に暮らすことの意味の大きさに気付かされる。一部のセ

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    2026年04月26日