有吉佐和子のレビュー一覧
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ぐんぐん惹き込まれて最後まで走りきった。
同じ有吉作品の「青い壺」はハマらなかったけれど、本作は夢中になって読んだ。
主人公・笑子は戦後の日本が復興していく勢いに乗って、何がなんでも生きていく!というやる気に満ち溢れている。
思えば笑子は終始、勢いとパワフルさがとにかくすごい。後々、笑子も圧倒されるようなもっとパワフルな日本人女性たちが登場するが、笑子もなかなかガッツがある。
彼女のそのガッツが本作を貫く芯の部分にある。だからこそ、希望の見えない状況になっても1ミリの希望を抱いて読み進められた気がする。
中盤、竹子が登場したところから読み進めるのが楽しくなった。それまで笑子に降りかかる災難 -
Posted by ブクログ
有吉佐和子の凄まじい洞察力と表現力に驚かされた。
青い壺は、タイトルの通り「青い壺」を中心に物語が進んでいく連作短編である。
壺の持ち主が変わるたびに、その周りにいる人々の日常や人生が語られていく。話の内容や登場人物の会話から、おそらく戦後から昭和40年頃の日本が舞台だと思われるが、まるで自分がその時代を生きていたかのように情景が浮かんできた。
欲、見栄、嫉妬など、誰の中にもある感情を否定せず、「人間らしさ」として自然に受け容れて表現しているところに、この作品の魅力と温かみを感じた。
登場人物の心理描写がとても繊細で、自分こそが青い壺になり、登場人物たちを静かに観察しているような気持ちになった -
Posted by ブクログ
まああ 面白かったです
戦後間もない頃の物語で
描かれた時期も一昔前になり
現代の小説にはない
独特の雰囲気があって良いですね
お話しは謎の死をとげた主人公の関係者からの
証言だけで構成されています
その関係者達が彼女はとんでもない悪女だとか
そんな話はあり得ない彼女は清廉潔白愛の人だとか‥
読んでいるうちに彼女に会ってみたくなるような
不思議な魅力の女性です
ミステリー作品なら二重人格や双子がオチも
あり得るかもですが
単行本の裏のあらすじにもはっきり悪女って
書いてあるし悪女認定ですよね
でもどこかで聖女であってほしいと
思う気持ちがあり
次男の推測した死因の説明はきれいで純真無垢な
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Posted by ブクログ
ネタバレ完全に忘れてしまう前に感想を…。
バッチバチの嫁姑バトルって感じではないのに、ドロドロしてる感じがすごいです。帯に「嫁姑バトル」みたいなことが書かれてて面白そうだったから買いましたが、それだけではなく、壮大な女二人の人生の物語。
加恵さんは、さすが武家の娘というべきでしょうか。
私なら途中で絶対「やっだー、私と同じもの飲んだと思ってたんですか?おかさんの麻酔には危ないもの入ってないのし!ご老体には無理よし!(方言はてきとー)」とか煽っちゃうかなー?笑
加恵さんを応援してしまうのは、やはり自分も嫁の立場だからでしょうか…笑
前、和歌山に旅行したときに道の駅に寄ったら、そこが華岡青洲の記念館み -
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姑の突然の死をきっかけに舅である茂造のボケが発覚、夫と高校生の息子、法律事務所での仕事との間で揉まれながら、昭子は介護に明け暮れることになる。
有吉佐和子作品にはいつものことだが、よく調査され組み上げられているのか、破綻や不自然さがなく、終始圧倒的な筆力でもってストーリーが描き出されている。この作品が書かれた頃に比べ、アルツハイマーを発症した老人(とそれを介護する家族)を取り巻く環境は大きく変化しているが、老いに伴い身体や脳の機能が低下し自分のことを自分でできなくなるという恐怖は時代を下っても変わらず存在するであろうと思われ、解説にも書かれた通り時代を超えた名作である。 -
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ネタバレ和歌山弁を聞いたことがないから会話の響きをイメージしにくかった。
花、文緒、華子の三代にわたる女の話。古い家に反発して飛び出して行ったつもりの文緒が結局は豊かな実家のおかげで不自由なく暮らして、孫の代は生活が苦しくなっていくのは皮肉だ。
祖母と孫の交流の場面が出て来て自分の思い出を思い返して心がぽっと暖かくなる。
フィクションだし小説なんて読んでも読まなくてもいいものだけど、つい全部読んでしまう。面白かった。
女の人生の話になるとついつい引き込まれる。
地主は働かず暮らしていたというがどんな毎日を送っていたのだろうと思いを馳せる。 -
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一流商社の社宅を舞台に繰り広げられる、奥様方の嫉妬、マウント、見栄、妄想‥といった悲喜こもごも物語。
1970年に書かれたとは思えない、軽快で色褪せない面白さ!
戦中に子供時代を送り、戦後に親となった商社マンと奥様が主人公で、親子関係、夫婦関係、家族関係の価値観が大きく変わりゆく中戸惑ったり受け入れていく様子もリアル。
なんだかまた価値観が変わりゆく現代にも通じるおかしさがありました。
それにしても、客観的にみたらばかばかしいのだけど、本人の必死さはなんだかよくわかるし、多かれ少なかれ誰にでも起こり得そう。
途中、社宅の恐ろしさとあまりの妄想と思い込みぶりにイライラしてきたけれど、ラストが良 -
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女犯を犯した僧、それを匿う嫗、炊事を担う娘の3人を描いた「ほむら」、かつて求婚された嫗が帝に会いに来る「赤猪子物語」、とある夜に行われる歌舞伎を軸に2組の男女を描く「千姫桜」、絵に非凡な才を表した男の荒んだ家庭生活を描く「紫絵」、年増の女と顔に大きな痣のある男の馴れ初めと顛末を描く「『薬湯便覧』由来」、とある妓楼で切支丹となろうとした遊女と女郎を描く「第八戒」、王昭君の似顔絵を描くことになったものの思うように行かず苦悩する絵師の「落陽」、庭師として名を残したいと思う弟と諌める兄、それを取り巻く人々を描いた「石の庭」を収録。「『薬湯便覧』由来」だけは少し異質なように感じられるが、いずれも人の業と