有吉佐和子のレビュー一覧
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静的な壺とそれを所有する人たちの織りなす人間模様が対比的で感慨深い作品でした。
色々な人生がありエピソードがあり、人々が様々な理由で壺を手放し、次の人がまたひょんなことから壺を所有することになる、その経緯も面白く、最後また作者と対面するところ、その再会のエピソードがまた良いです。中国のウン百年前の壺なんて評されて澄まして戻ってきた壺、制作者の驚きすらも壺は静観しているようで、なんだか壺に人々が翻弄されたような不思議な感覚です。
他の感想にもあるように7話が特に秀逸でした。贅沢って敵だと思っていたけど、これからは仲良くしてみようとおもいます。 -
Posted by ブクログ
畑中さんに似ている友人がいる。
とにかく規格外で、誘い文句が巧妙。
いつも丸め込まれて、ノコノコついていく私と有吉さんが重なって見えていた。だから他人事とは思えず。
足の爪剥がれてるのに山越えようとか。
断ったら軽蔑されるとか。
勝手に瘡蓋掻きむしるとか。
とにかく理不尽のオンパレード。
そんな畑中さんの扱いを覚えて
なだめたりすかしたりする術を身につけていく有吉さんの処世術に拍手。
本当だったらかなりシビアな状況だったと思われるが、コミカルな文体に落とし込まれていて読みやすく、
見たこともないはずの光景も目に浮かぶような情景描写。
流石ベストセラー作家だなと思う。
久々に単純に読書してい -
Posted by ブクログ
『非色』に同じくして、社会的な問題を取り扱いながらちっとも色褪せない内容であるのは、日本の皮肉かもしれない。
「老い」の実態をテーマにしながらも、重苦しさが強すぎないのは、やはり主人公の昭子の強さや軽やかさ、ひいては有吉佐和子という人の社会を捉えるしなやかさにあるのではと感じ入る。
そうは言っても、自分にも「老い」が訪れることを恐怖せずにはいられない。女性がおばさんになることの呪いは、『逃げ恥』以後解かれつつある(と期待している)が、さらなる老いとなると、社会的にも安全安心に老いる仕組みが整わなければ、なかなかこの呪いは解けないのではと危惧してしまう。 -
Posted by ブクログ
読んでいて、自分の夫が死んだらどこに連絡すればよいのだろうと考えて、やはり優先すべき連絡先はアナログで残して置いてもらおうなどと事務的なことを思った。
それにしてもボケた老人の恐ろしいこと。生々しくて少し心をドロっとさせられた。
内容はドロドロしているのに、文体はさっぱりしていて、とても読みやすい。
藤野千夜さんの『じい散歩』を読んでる時も思ったけど、昭和の時代って、隣近所との関係が今とは到底違っていて、家の事で困った時に近所の奥さんに相談したり、頼んだりするのは珍しいことじゃなかったんだなって改めて思う。
主人公昭子が、義父が一命を取り留めたところで、「生かせるだけ生かさして -
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ネタバレ本屋で平積みされており、手にとってみたらなんと昭和51〜52年の作品だと。
なぜそんな古い本が?と興味を惹かれ読んでみた。
会話や描写からは昭和の雰囲気が感じられる一方で、人間の本質は何年経っても変わらないんだなと感じられるような一冊だった。
タイトルにある「青い壺」をある陶芸家が作り出し、それが人から人へといろんな形で渡っていき、最後にはまた作家の元へと戻ってくるという連作短編。
一つひとつの話は緩やかに繋がっているが、基本的には主人公もそれぞれ異なり話が変わるごとにいろんな視点でその時代を伺うことができる。
読んでいて今と違う時代だからこその面白さもあり、文章も読みやすくストーリーに引き