有吉佐和子のレビュー一覧

  • 青い壺

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    青い壺を取り巻く人たちの人間模様が描かれていて、いろいろな立場のいろいろな環境に生きる人たちの心の動きをすごく繊細に描いていて面白かったです。

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    2025年11月21日
  • 青い壺

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    一つの壺が様々な人の手に渡り、その人々の生活を映し出す。
    同じ壺なのに、手に取る人によって、その壺に対する評価や扱いが全く違う。
    短編小説の連なりでありながら、青い壺が物語の骨格として存在するので、物語としてとても纏まっていて、見事だった。
    もちろん、短編小説それぞれも面白かった。

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    2025年11月19日
  • 青い壺

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    青い壺の代々の持ち主の短編集。
    特出して、何か変わった出来事があるわけではないけれども、女性の内面がうまく表現されていて、中年以降の女性であれば、共感できる話が1つはあるはず。
    いつの世も変わらないんだなぁと、ちょっとした安心感。
    5話目。失明した母親と娘。兄嫁に任せられず自身が引き取る話が記憶に残りました。

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    2025年11月16日
  • 青い壺

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    話題になっていたので読んでみたが、50年前のものと思えないぐらい面白かった。連作短編という手法は昔からあるんだな。会話だけで当時の時代背景や人物達の関係性、感情までイメージできる。嫁姑関係や定年後の寂しさなどいろいろな人間模様がシュールに描かれている。

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    2025年11月15日
  • 青い壺

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    昭和に刊行されたものとは知らず、少し読みにくいなと思いながら読み進めていたら面白さにどっぷりハマりました。
    特に!女学校時代の友人との団体旅行の話。情景が浮かび、面白くて大好きなお話です。

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    2025年11月14日
  • 青い壺

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    ネタバレ

    短編連作集。
    巷で話題の作品。今なぜこれがこんなに取り上げられているのか。その理由はわからないけど、良作には違いない。それぞれのエピソードが、あるあるで、切なくて、身近で、愛しい。

    最後に省造の目の前に現れるという「オチ」に、なるほどなぁと思うわけだけど、これからは名をちゃんと入れよう、じゃなく、これからも入れないでおこうと思うラストが粋なわけだな。

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    2025年11月13日
  • 非色

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    一昔前の文体だったが、それが逆に柔らかく読みやすかった(ひと昔前の作品だから当たり前だが)
    現代にはない人間の生命力が感じられ生きる実感を味わせてくれる作品だった

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    2025年11月05日
  • 青い壺

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    昭和ヒューマンホラー系かと偏見を持っていたが、青い壺が良い感じに様々な人間関係に溶け込む素敵な短編集だった。小説家の方々が口を揃えてこんな小説を書きたい、と仰るのも納得だった。程よく好奇心を刺激し、しっかりとほしいオチがあって小説作品として非常に楽しく読める作品だった。

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    2025年11月03日
  • 悪女について

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    主人公、富小路公子の謎の死。
    死の真相を探るミステリーではなく、公子の異常性がミステリー。
    痺れるほどの狂気、いいですね。実際にこういう人とは絡みたくはないけれど、小説や映画で震えながら見るのは好きなので面白かった。

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    2025年10月31日
  • 非色

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    人種差別の根深さについて考えさせられた本。
    どんな血が流れているかで人生が決まる、そしてその人生をほとんどの人が当たり前として受け入れていることが苦しかった。
    差別されている側であってその辛さをわかっているのに、自分より下とされている種族のことは見下したり、見下すことで自分の誇りを守っていた。
    いじめの理由も親の職業や貧乏が理由であったり、自分よりいじめられている人に安心したり、似たような構図になっていると感じて、人間ってそういう風にできているのかと苦しくなった。

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    2025年10月31日
  • 針女

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    ネタバレ

    いろいろ容赦なさすぎて、読んでいて辛い小説だった。
    主人公清子が針を踏んでしまい足が不自由になる。時代性はあるが、足が不自由な人を貶める言葉が再三出てきて、身体の不自由なかたが読んだらどんな思いをするかと思うとつらい。
    出征した幼馴染弘一を心の中で慕っていた清子、あるとき彼も自分を愛していたことを知る。その時の清子の思いも少女マンガ的な心境からは程遠い。終戦、弘一は無事戻ってくるが、それからの展開も少女マンガ的には行かない。
    最後、清子が職業婦人として手に職を持って自立していく姿が暗示されて終わる。清子を陥れた針に最後には助けられるということか。
    読んでいるときは容赦なさがつらかったが、現代人

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    2025年10月22日
  • 恍惚の人

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    凄い迫力ある内容だった

    現在は昭和の時代より介護制度は整えられ、介護の考え方も変わってきたけれど、長生きになって認知症になる人も増え、しみじみ老いていくのは大変だと実感している 
    当時とはいえ、信利のような夫には腹立たしさしか感じないし、役所の指導も正論であっても介護する人の心には全く寄り添えていない
    茂造の介護をやり遂げた昭子を、ただ褒めるとか労うとかいう気持ちにはなれない
    家で看取ってあげられたのは、感慨もあるし達成感もあるだろうけど、だからといって解決にはならない
    介護は綺麗事ではない
    死に方や老い方は選べないけれど、頭を使い、体を鍛えて、何とか認知症や寝たきりにはならないようにしなけ

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    2025年10月25日
  • 悪女について

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    主人公について周りの人物が語っていくという斬新な構成にしびれた。
    あえて主人公に語らせないことで、彼女の品性を保っているというか、らしさを表現していると感じた。

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    2025年10月18日
  • 夕陽ヵ丘三号館

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    一流商社に勤める夫の転勤に伴い、東京で社宅暮らしをスタートした音子が、社宅内の人間関係に振り回されていく姿を描いた物語。

    一人息子の教育問題に振り回されるのは、いつの時代でもあることかもしれないが、同じ年頃の子どもがいる社宅となるといろんな情報に惑わされる。

    新しく建った五号館には外国の支店から帰った人ばかりが入居するなかで、大阪にいた頃仲良くしていた山野夫人がいるのに驚き、そのあと一悶着があったり、子どもは伸び伸びと育てる方針で口出ししないと言っていた井本夫人が、離婚までして息子に東京の都立高を受験させ合格していたというのには、驚愕した。

    社宅という箱の中で、主婦が一日中いると見栄と欺

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    2025年10月10日
  • 華岡青洲の妻

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    この時代の嫁と舅のの確執といえば、それまでだが、今も通じる世界。世の中はかくも変わらないもの。でも少しは変わっているとも言える。
    後100年後には、もっと良い世界に少しは変わっているだろうか

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    2025年09月30日
  • 女二人のニューギニア

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    ネタバレ

    内容を詳しく調べず、タイトルだけで読み始めたので、もっと楽しい旅行記かと思っていたがまさかこんな始まりとは…

    ニューギニアでの良いことと、やはり日本は恵まれているというふたつを感じながらずっと読んでいた。
    ニューギニアに住む彼らは1日1日を生きるのは大変だろうが、毎日のことに必死になって生きていく。それはそれで良いこともあるだろう。しかし、やはり日本に生きている身からすると、こうした不便な国がまだ世界にはあるのかと考えさせられた。濾過器を見せただけで驚く、音声を再生したら喜ぶ、そういった日本に生きている我々からしたら当たり前のようなことも彼らにとっては新鮮で、まだ新鮮に受け取る人々がいるんだ

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    2025年09月26日
  • 針女

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    東京下町の大瀧三五郎の営む仕立て屋で、縫い子として働く矢津清子は、実の親はなく娘同然に三五郎とその妻のお幸と暮らしていた。
    彼らの一人息子が出征をし、戦後に復員したが以前の真面目さは影もなく正体の崩れた男になっていた。
    三五郎が亡くなり、お幸の清子に対する感情も障害を負った女に大事な息子を盗られてなるものかという狂気に近いものがあった。


    戦争というものが、家族同然に暮らしていたものにこんなにも酷い仕打ちをするのか…
    愕然とする思いと縫い子一筋にやっていこうとする清子の思いに胸を打つ。

    縫い子として針を進める手先の描写や針を踏んでしまい、それが原因で跛となったことの大変さも訥々と書かれてい

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    2025年09月19日
  • 非色

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    終戦直後、アメリカ社会にひそむ人種問題。
    何系のアメリカ人なのか?がここまで強く意識され環境を変えるのだと知った。
    当時ニグロと呼ばれた人種もアフリカ系とアメリカ系がお互いにお互いを蔑んでいる。
    自分より低い階級が存在することでアイデンティティを感じるというなんとも悲しい人間の性。
    問題は肌の色にとどまらず、規律を立てるためには支配するものとされるものに分かれることが必然になっていることにある。
    たとえ家の中でさえも力関係は存在する。
    決して昔の話ではなく、いまも人種差別は残っているし、人間の性質は変わっていない。
    差別、というこの感情は、解決するのだろうか。

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    2025年09月16日
  • 女二人のニューギニア

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    ネタバレ

    有吉佐和子さんのエッセイ。
    友人の文化人類学者、畑中幸子氏に誘われニューギニアの奥地を訪ねた有吉佐和子さん。五十年以上も前の話ですよねぇ。凄い!
    足の指の爪がはがれるほど歩くなんて無理だわと思いつつ、大らかな畑中氏と有吉さんの軽妙な筆致で最後まで楽しく読ませていただきました。
    ちょっと外れた感想かもしれませんが、当時の現地の生活を読んで、人類ってすごいなぁと、生きるってシンプルなことなのだと改めて思いました。

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    2025年09月07日
  • 非色

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    なぜ差別されるのかについて、とことん考え追求していくのは初めてで、ハッとさせられ、なぜ今まで疑問に思わなかったのかと、読後の今思う。

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    2025年09月06日