有吉佐和子のレビュー一覧

  • 不信のとき(上)

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    上巻のハイライトは「あのとき離婚しなくて本当によかったわ。私のいまの幸せは、あなたが卑怯だったお陰で掴めたのだと思っているのよ、浅井さん」という千鶴子の台詞。こんな復讐の台詞、機会があったら言ってみたいものです!そして下巻は、なんといっても道子&マチ子鉢合わせシーン!怖いです、怖すぎです!マチ子「そりゃ奥さんから見れば、たった一人の大事な方でしょうし、他の男と較べたこともないでしょうね。でも私たちは、一流の方々とのお相手で、それが仕事ですから、どうしても男を見る目は肥えてきますわ」うぎゃあぁぁぁ!ホステス怖いよ、汚いよぉぉぉ!!!

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    2009年10月04日
  • 芝桜(下)

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    一気に読んじゃいました。
    有吉さんは、ワルイ女を書くのが上手ですね。
    信心深く、親孝行で、花を愛する蔦代も、男からも女からも、むしりとるだけむしりとって阿漕に稼ぐ蔦代も矛盾しないで存在する。その見事さが、悪い女は全てが悪いかのような錯覚を持っている私達に違和感を持たせるのだろう。主役は正子だが、正子の一本気な性格が蔦代の異質な存在感を異様に際立たせている。

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    2009年10月04日
  • 芝桜(上)

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    正子のプライドの高には恐れ入ります。(蔦代の世渡りの上手さも。)着物描写が秀逸。着物が着たくなる一冊。

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    2009年10月04日
  • 芝桜(上)

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    親孝行で信心深く、男をたぶらかし続ける悪女・蔦代がすごい。この矛盾を一人の女の中におさめた有吉佐和子のすごさがわかります。

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    2009年10月04日
  • 芝桜(下)

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    「男なんて信じるもんじゃないわ、信心するなら神様仏様よ」なんて言ってしまう信心深い悪女の蔦代がやっぱりいいです。見事に主人公を振り回してしまうなんてさすが有吉佐和子の書く女は惹き込まれます。

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    2009年10月04日
  • 香華

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    有吉佐和子さんの本の中で一番お気に入り。女性の内面の感情描写がすごいです。大正(明治かも)から戦後まで行きた女性主人公の生きざまの話。主人公が賢く仕事も出来る人で好き。遊女の母への愛憎っぷりがすさまじいです。超憎いし腹立つけど結局許して受け入れる親子愛。主人公が同じ名前だから余計感情移入。
    最近の小説って人生の若い一時期だけに焦点当ててるものが多い気がするけど、有吉さんの作品は一生を描いていてとてもいいです。

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    2009年10月04日
  • 香華

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    絢爛な色彩と感触の世界。「女」を花柳界の中心で生きる美しすぎる母親と、針で支える娘。あまりにも「女」をどっぷり生きていて、圧倒されます。

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    2009年10月04日
  • 乱舞

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    結末の材料は振りが始まった時点から分かっていたけれども、「家」「血」へのヒトの本能への諦念と超克を描くために前作から延々と主人公の成長(もしくは軌跡と言うべきか)を追っていた訳ですな。
    古典芸能と言われる世界を少し垣間見ることができたような気にさせてくれるのもなかなかのものです。

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    2026年10月30日
  • 連舞

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    いや、やっぱり有吉佐和子は良い、最近どうやら世間にバレてきたきたみたいだけれども。
    何故か山崎豊子を思い出すんですよね。昭和のオッサン臭を描かせたら一級の女性作家に対して、昭和の女性の生命力の描写が秀逸な女性作家。どちらも関西に縁あるスター作家で、行きつくところ、人間のドロドロ感描写がすごいという。
    やっぱり皆、泥沼感が好きなんですよ、きっと(笑)。でも最後に光がないといけなく、それをちゃんと準備できるのが優れた作家であり、有吉佐和子もご多分に漏れない。

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    2026年10月30日
  • 青い壺

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    所有者が移り変わる青い壺を通して、それぞれの人生を切り取った全13の短編集となっています。

    昭和50年(1975年)に書かれたはずなのに、2026年の令和に読んでも違和感無く読めるのは、それだけ普遍的なことを取り上げられているということでしょう。

    時代が変わっても、恋愛観、嫁姑問題、些細な言い争い、野菜嫌いな子供は変わらない。自分はまだ物語と同じ経験をするだけで生きていないですが、ある種自然にそういうものなんだなと受け入れることができた気がします。

    ※漢字が難しかったです。
    表外漢字が多く、私自身漢字が得意でないため、分からない漢字が出てくる度に調べながら読み進めたので、文量の割に時間がかかりました。

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    2026年10月28日
  • 青い壺

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    なめらかで読みやすい文章と登場人物たちの自然な会話。さまざまな人の手に渡る1つの青い壺。そのまわりにある人間の生活や価値観。以前読んだ『悪女について』が相当面白かったが、『青い壺』も期待を裏切らない面白さで、うまく出来ている小説だなと感心してしまった。特に定年退職した夫婦の話が将来自分が妻と夫のどちらの立場にもなり得る気がして印象的だった。

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    2026年10月26日
  • 青い壺

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    陶芸家が稀に見る出来の良さを自認した、青い経筒の壺をめぐり、それを手にする人々の生活を描き、最後に陶芸家の視界に戻ってくるまでを描いた小説。全体としては長編小説となるが、1人ずつ章が分かれているのでリズム感がよくするすると読めた。有吉佐和子の小説には珍しく、あまりテーマが感じ取れなかったが(私の問題かもしれない)、面白く読んだ。

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    2026年10月25日
  • 非色

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    ネタバレ

    『非色』は1950年代のアメリカを舞台に、黒人兵と結婚して渡米した日本人女性の目から人種差別を描いた作品である。1964年という公民権法成立の年に刊行されたことに、まず衝撃を受けた。
    物語の前半は東京が舞台で、主人公は比較的裕福なアメリカ人と結婚したつもりでいる。しかし物語後半でニューヨークに渡ると、夫が黒人差別の影響で良い職に就けない「ニグロ」と呼ばれる立場にあったことを知る。さらに、プエルトリコ人やイタリア系移民など、さまざまな人々が人種的な偏見にさらされる様子も描かれる。

    日本人の私たちは、白人と黒人の違いは分かっても、人種ごとの序列や差別の細部までは意識しにくい。だからこそ、この小説が描く時代背景は新鮮で、非常に興味深く読むことができた。

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    2026年10月24日
  • 女二人のニューギニア

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    友人の畑中さんが日本滞在中とは異なり、かなりパワフルで、戸惑いつつ、付いていかなければ生きていけない極限状況に置かれた生活。私もこんな状況に置かれたら、畑中さんに付いていくしか選択肢はないが、彼女の揺るぎない態度のお陰で生活できる環境は驚くべき日々だ。

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    2026年10月21日
  • 青い壺

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    青い壺よかった!有吉佐和子さんいいなあ。ザ・価値観!青い壺は流れ流れて何人もの人生のその時をみてきたね。人ってのは性格なんぞ変わらないねぇとも思い青い壺への想いは様々。しみじみ面白い!

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    2026年10月21日
  • 悪女について

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    ネタバレ

    主人公の女性については、言葉は悪いがかなりの胸糞だと思います。
    この主人公の女性に関係する沢山の人間からのインタビューを取る形式の小説ですが、女神様のように形容される一方でまたある方面からの意見では極悪人として語られる。
    これ程極端ではないにしろ、私たち皆、そんなものなのかもなぁという感想を持ちました。つまり、ロールシャッハテストや騙し絵の様に、同じ人物や物事、出来事でも、対応、受け取る人間によって180度違う感想になるという話。

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    2026年10月13日
  • 非色

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    とても面白かった。
    有吉佐和子さんの描く女性が逞しすぎて、怖いようでもあり、痛快でもある。
    人種差別を題材にした本だが、人種にかかわらず、私はあの人よりはマシというふうに人と比べて自尊心を保っている部分は誰でも持っていると感じた。
    笑子は日本人である自分が頑張れば認めてもらえると思っていたようだったが、最後にはやはり黒人の妻であることからは逃れられないと気付いた。そして自分に折り合いをつけて生きていくことを受け入れたように感じた。
    これは戦争花嫁に限らずどんな人にも必要な術だと思う。

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    2026年10月12日
  • 悪女について

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    有吉佐和子さんは初めて読んだ。公子(君子)、女性だからなのか、いくつもの顔を持つ。ある人にはすごく魅力的な素晴らしい女性に映り、ある人には、かなり悪い女に見える。万人に好かれるのは無理なんだな。
    長男には愛を注ぎすぎて嫌われ、次男にはとても良い母親にうつる。まあまあ読みがいのある量だったが、色々な人へのインタビュー形式で公子を語っており、とても読みやすかった。初版が昭和58年だが、40年以上前の小説とは思えないほど引き込まれる内容だった。

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    2026年10月11日
  • 青い壺

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    今まで読んだ短編集の中でもっとも好き。
    様々なひとのそれぞれの人生がよくも悪くリアルで人間らしく描かれているが、どこか憎めない。それらが青い壺よってつながりさらに愛着がわく。
    当時の時代を感じる場面のなかで人々の考えや時代の流れへの感想が、いまとほとんど変わらないのがおもしろい。

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    2026年10月09日
  • 青い壺

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    有吉作品は、そんなに前に執筆されたとは思えない、と感じます。人の本音は今も60年以上前も変わらないのかも。
    青磁を観に、美術館に行きたくなりました。

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    2026年10月05日