有吉佐和子のレビュー一覧
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すごい本だった。約40年前に発表された、環境汚染に関する本である。発表当時は社会にかなりの衝撃を与えたに違いない。
朝日新聞に連載され、小説という形態をとっているものの、作者の綿密な調査・研究に基づくノンフィクションである。日本人を取り巻く、大気、水、土の農薬や化学物質による汚染に警鐘を鳴らしているのだ。それぞれの分野に詳しい専門家に話を聞き、それを一般人の読者にわかりやすくするために、近所のおじいさんに作者が話して聞かせるという構成になっている。私たちは気づかないうちに、排気ガスや工場の煙で汚染された空気を吸い、汚染された水で育った魚を食べ、除草剤などの農薬がかかった野菜や米を、そして成長ホ -
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驕り高ぶり余裕をみせると、蔦代のような女からは隙を衝かれる。阿弥八姉さんの言うとうり格が違うし本当に賢い人はこういう人を寄せ付けないし正子を本当に守ってくれてる人が側にいたら寄り付けなかったはず。正子も天涯孤独でそして若い時に贅沢三昧を覚えた芸者は堅気にはなれない。本人がその気でも世間はそんなに甘くなく特に女は敏感に感じとるので正子も蔦代と同じ世界の人間で蔦代の方では同類にしたい。つくづく友達選びは大事なのと女同士の驕りは命取りで、海千山千の修羅場をくぐった人を甘くみてはいけない。ラストは蔦代と絶交したとなっているが、正子も堅気の人とは本当には友達になれないし第一、話しが合わない。蔦代の方は迷
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天は二物を与えずという事で納得しておきたい一般人。美貌に恵まれた人はどんなに骨身を削って努力をしても外見でしか評価されない。中身を評価してもらいたい為にあえて外見を醜くする美人の話しは昔からある。それでも、やはり評価はされない。だから美貌に恵まれた人は一般人よりも強い精神力と教養と知恵がないと辛い。異性からは、どうあってもチヤホヤされるし甘やかされるので長い目でみると一般人より落とし穴にはまりやすい。人の倍ほど切磋琢磨していくか、いい結婚相手を見つける環境、目を養わないと人生に翻弄されやすい。古い書物だが久々に共感とともに気付きと母娘の根底に女としての性があり、やはり美貌に恵まれて生まれること
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酒屋の箱入娘として育った茜は、17歳の頃、文楽の三味線弾きの弾く一の糸の響に心奪われた。
天真爛漫で一途な茜が、彼の後妻となり、芸道一筋に生きる男を支える、波乱万丈な愛と芸の世界を描いた物語。
戦前から戦後にかけて、「文楽」という私の知らない世界で、芸に生きる人々の粋な様子と、愛に生きる茜のひたむきさに引き込まれました。たくさん泣いたし、余韻がしばらく消えなそうです。
口下手で根っからの芸人で、なんて奴だと思うこともある徳兵衛だけど、理屈じゃなく茜が恋に落ちる瞬間、盲目にそれを追い掛ける過程を見ていると、何割増しにもいい男に思えてしまう。
実際、一芸に秀でている人、譲れないものがあって自身 -
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失礼なことですが、一方的に和宮に同情して作られた小説だと思っていました。政治の道具として利用された可愛そうなお姫さま、という短絡なイメージ。
それでも、和宮以上に道具とされたフキの有様に哀れみと悲しみ感じつつ読み進んで、入れ替わりなったときには、歴史小説ならではのおもしろさ、と唸っていたわけですが。
本当に心底唸ることになったのは、あとがき読んでからでした。
歴史小説ではなくて、歴史のおもしろさ。
何より、幕末という時代が、今と地続きであるということを感じることのできる作者の生きていた時代に、憧れ覚えます。歴史の記憶というものが、その時代の臭いと共に触れられる世代。
新装版として、復刊さ -
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1950年代後半から1960年代に文芸誌に発表された短編の集成。当時としては超ベストセラー作家でありました。
小説って、これだよな。と、思うのです。収録の「孟養女考」にみえる(当時の)新しい中国の形、とか、「三婆」に見える封建的社会の終焉、だとか、「美っつい庵主さん」にみえる(当時の)新しい若い男女の関係、とか、そらぁ含まれるテーマ性というのは、ある。そういう社会情勢に即した作品読解、というのも必要な側面はあるでしょう。だが、そうではなくて。
「本妻と、妾と、実の妹が一人の男が急に亡くなった後どうやって生きていったか」(三婆)とか、「姪の子が尼寺に訪ねてくるんだけど、女友達かと思った -
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この作品は、昭和49年に8ヶ月半にわたって朝日新聞の小説欄に連載されたものである。
そこから40年近く経っている現在、あまり状況は変わっていないように思い、愕然とする。
当時も著者のように、食品・環境汚染を危惧していた人がいたのに、どうして改善されないのだろうか。
例えば、ライポンFという台所用洗剤があるのだそうだが、1962年にこのライポンFを誤飲して、死亡した事件があった。裁判では、ライポンFが死亡の原因とは認められなかったようだが、毒性があるというのは大いに考えられることである。そして、50年経った現在でもこのライポンFというのは業務用のみだが存在するのだ。
また、現在では台所用洗剤には -
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・便利さと毒性が表裏一体をなしているところに、公害解決の難しさがある。(p.60)
・子供がなければ、やっていない。危険な農薬使っても、楽な方がいい。という言葉ほど私の心に重く響いたものはなかった(p.176)
・フランク婦人「虫食いリンゴを喜んで買うようになれば、消費者と生産者とは利益が一致するのね。農薬の危険から身を守れるし、農家も野菜や果物の標準規格にふりまわされずに無駄な労力がはぶけるのよ。私は、あなたの話で随分啓発されたわ」(p.194)
・ある漬物屋「一人や二人の人間殺しただけでも殺人犯やの死刑やの言われるのに、ようまあ毒が使えますな。そうですやろ、ハイジャックで刃物見せただけでも -
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面白い。読みやすい。
公害、環境汚染、農薬、毒etc...にていてのエッセイ。
タイトルにもある複合汚染についても勉強できるんだけど(勉強と聞いて構えないでほしい)、著者の行動力には感化された。←これ大事‼
アンテナを張り巡らし、何でも疑ってかかる姿勢が素晴らしい、憧れるのでこれから私も真似をします。
全く興味なかった分野の本だったんだけど、有名だし読もうと読んだら、止まらない。数十年前にこんな事があったのか、と驚いた。(今はどうなのよ?)
腐らないプラスチック。でも、この腐らないゴミを拾って生活している子ども達がいるのは何て皮肉だろうな。
私たちは自分たちを信じて生きるしかない。政治 -
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政治の舞台から 日本の環境 生活汚染への急速な展開。
それは、政治の意識を持って取り組むことを匂わせている。
科学の進歩によって 人間生活の多様な変化に対して
直視する姿勢。
その変化の中から 矛盾をつぶさに見通す能力を持つ。
健康のひずみ
大気汚染・・・排気ガス 工場の煙
海・・・・・・企業の垂れ流し
食品・・・ 肥料から来る影響 農薬 食品添加物 防虫剤
洗剤・・・・
1975年に書かれた複合汚染は、
ニンゲンの生きていくかぎり、
被害者であり、加害者になりうるという
ことが突きつけられたことだった。
科学者でない、素人がこのような作品を対象にしようとするときには
生活者の視点で描